2023年12月27日水曜日

暮れの挨拶(2023年12月25~27日)

24日(日)夜

本を出荷して帰宅。まどと買ってきたケーキを食べる。今年一年どうだった、とまどに聞くと「(漫画家として)デビューした」との返事。来年もずっと描きまくる日々になりそうだ。クラフトビールを飲みつつ、カフカ全集「日記」続き読む。


25日(月)

朝8時に起きる。久しぶりにごはんと味噌汁の朝食。洗い物や掃除などする。コーヒー飲みつつ読書。外出し、ナルホドで絵の具を買って作業部屋へ。途中まで進めて詰まっていたキャンバスにマーカーで線を引いてみる。

開店。この日は若いお客さんが多かった。学生はもう冬休みに入っているのだろうか。ずっと査定とカレンダーの梱包資材作り。発送準備もやった。

閉店後、本を出荷。たまっていたTポイントでおつまみを買い、ビールを飲みながら店で読書。その後キャンバスの続き。少しだけ進んだ。


26日(火)

朝8時頃起きる。ご飯を炊くのを忘れて、まどと南でモーニング。読書。レターパックを買い、さらにうどんを食べる。植田うどんで温ぶっかけ。甘めのつゆ。三越のあたりに「ロバのパン」(移動販売のパン屋さん)が来ていて、一つ買ってみる。「びみょ~なおいしさ!」というポップ(ひどい)がついていた、いもチーズパンを購入(おいしかった)。ルーツレコードへ行き、けっこう長居して何も買わず。すみません。自分でもこういうことをしてしまうし、yomsで店番をしている時もお客さんに寛容でありたいと思う。

昨日からの梱包資材作り続き。思ったより早めに終わる。八百屋へ買い物。発送準備や、28日と30日に県外へ出る時の行程などを練る。お預かりしていた本の査定が1件終了し、振り込み。いろいろやっていたら20時を過ぎていた。晩ごはんはまだ行ったことのなかった中華料理店「福園」で餃子、半チャーハン、唐揚げのセット。

帰宅して料理。親子丼、春菊胡麻和えを作る。薄く切ったかぼちゃを焼いておく。風呂に入って、出るとちょうどまどが某所にて行われていた民俗学勉強会から帰ってきたところだった。おいしい料理も出て楽しかったようだ。自分も行く予定だったが忙しくて無理だった、また今度。

ビール飲みながら、楽天TVでレンタルしたサミュエル・フラー「裸のキッス」見る。コンスタンス・タワーズの表情の迫力が素晴らしい。演出やカメラワークの即物的な鋭さと、主人公ケリーの感情の起伏とが絡み合って異様な何かが立ち上がる。ケリーがキャンディを殴るところを横からとらえた強烈なカットは、暴力を目の当たりにした傍観者の視点にカメラが置かれていて、見てはいけないものを見てしまった気分にさせられる。「拾った女」でもほぼ同じようなカットがあったな。


27日(水)

朝8時に起きる。朝ごはん。まどがコーヒーを入れてくれて、少し読書。お弁当の用意。外出、チケットショップへ行き18きっぷを1日分だけ購入。100均でセロハンテープなど買う。店に戻り、片づけ。

開店。この日はアルバイトMさんが作業に来てくれる日で、追加で作業してもらうための本を準備。店頭買取1件、先日お預かりした分の支払いが1件。この日はお客さんとお話して「よいお年を」と言うことが多く、もう今年も終わりなんだなと感じた(よく考えてみればこの日含めもう5日しか残ってないのだけど)。Mさんとも古本屋のことや仕事一般についていろいろ話す。ジュノ君来てくれる。Syndicateの上で来年からギャラリーを始めるらしい。皆さん活発だ。品出し、発送準備。この日は店頭でも単価の高い受託商品がぽつぽつ売れて、売り上げは良かった。

先日、半月舎の御子柴さんと古本屋業務についてお話できたのがうれしかった。もっと同業者(できれば大都市圏以外で実店舗を運営している方)と日々の業務について話してみたい。込み入った話なのでぶしつけに質問するわけにもいかないが。来年はそういう機会も増えるだろうか。

明日は臨時休業をとって、兵庫県加西市Voidにて行われるイベント”deep relax"に行く。栗金商店の2人と、DJのワカバ君も一緒。Voidの大吾さんには、6月の個展、9月の工藤冬里さん宅での出店と、今年とてもお世話になった。自分もがんばろう。

2023年12月24日日曜日

モチでも(2023年12月22~24日)

21日(木)

23時半ごろまで作業して、本を出荷し帰宅。こないだ両親からおみやげにもらった「鞆の浦サイダー」が1本余っていたので、ハイボールにして飲む。ハチミツやシナモンが入っていてとてもおいしい。G・ウィリアム・ジョーンズ「ベルイマンは語る」少し続き読む。


22日(金)

朝8時過ぎに起床。まどが作ってくれていたほうれん草の味噌汁を飲む。外出、非常に寒い。南に入って読書。「ベルイマンは語る」は映画だけでなく演劇についても多く語っていて、むしろこちらのほうが具体的な演出の工夫などについて語られており興味深い。三島由紀夫「サド侯爵夫人」をベルイマンが演出し東京で上演した時の写真も載っているが、いつ頃のものだろう。

開店。昨日の売り上げの帳簿付け。外は少し雪のちらつく寒さで、日本海側ではかなり雪が降っているようだ。Fujimura Familyも参加しているMARGINAL PRESS発行のzine”EMO"を品出し。「「痛み」との向き合い方」をテーマにトークセッションやイラスト、詩などが掲載されている。郵便局の集荷が来て、カレンダーをまとめて発送。昨日お預かりした本の支払い1件、ほか査定2件終了。夜はなんだか久々の品出し。

閉店後、本を発送して、スーパーに寄って帰る。ビールを飲みながらパーシー・アドロン「バグダッド・カフェ」見る。この映画が好きな人がたくさんいるというのはうなずけるけど、自分はあまりはまれず。また見返す機会があれば違う感想を持つだろうか。相互フォローになっているOさんとSNSでメッセージをやり取り。Oさんは漫画家で、自分の絵もまどの漫画も好きだと言ってくれている。両方ほめてくれる方はけっこう珍しい。ありがたい言葉をたくさんいただく。共通の知人もいるし、来年どこかのタイミングでお茶しましょうとなった。ゆっくり風呂に入って寝る。


23日(土)

朝7時半に起きてごはん。読書続き、「ベルイマンは語る」読み終える。ベルイマンは作品数が多いし、作風の幅も広い。次は何見よう。お弁当の準備をして外出。現在20%OFFセール中のWAX GATE RECORDへいき、ガレージパンクのLPを1枚購入。サーフインストとかガレージはレコードで聞くといい感じだ。みかんとお菓子を買って店へ。

開店。寒さも当たり前という感じになってきたのか、この日はお客さんが多かった。品出しをどんどん進めていく。濱田晋さんの写真集”Polyphony”を出す。田口さんの「店の名はイズコ」をお買い上げいただいたお客さんから「この本めちゃめちゃ面白いな!そんだけです」と電話あり。たくさんある田口さんの著書の中で自分も「イズコ」が一番くらいに好きなのでうれしくなる。日が暮れて、宮脇さんがYON MAGAZINEの日野さんを連れて来てくれる。YON MAGAZINEにはまどもマンガを寄稿している。この日はルヌガンガで宮脇さんと日野さんのトークイベントがあり、自分は店番で行けなかったがイベントに行く前らしき方々がたくさんいらっしゃった。クリスマスプレゼントに本を買っていただいたお客さんも何人かいてうれしい。

閉店後、まどが時宅へ行くというので自分もついていく。ビールとマンゴージュースを飲んで、キムチ奴や生春巻きなどを食べる。その後自分は作業部屋へ。小さなキャンバスをあれこれといじっていたら、いつの間にか完成した。少し地味な感じの色合いだけど、こういうのもあっていいだろうと思えた。ストーブのすぐ前で水をたくさん含ませた筆で絵の具の色を広げていると、乾きの速さが変な具合になって面白い。


24日(日)

朝7時半に起きて「モチでも焼こうか」と声に出すが、二度寝して9時起床。モチを食べて洗い物と洗濯。コーヒー飲みながらカフカ全集「日記」続き読む。なんとなく2023年に読んだ本と映画のベスト10を考える。本は10冊で収めるのは難しい。文学関連10冊とそれ以外10冊にしたい。

のど飴とケーキを買って店へ。開店。店頭買取1件。品出し、発送準備、カレンダー梱包資材の準備、来年のイベント関係の連絡など。夜になってお客さんも少なくなり、査定のほうを進める。アパッチさんやまいちゃんがイベントのフライヤーを持ってきてくれた。

今日はこれから家に帰ってケーキ。食べ終えたらゆっくり本でも読む。

2023年12月21日木曜日

なんかいろいろいい(2023年12月16~21日)

15日(金)夜

閉店後、本の出荷。作業部屋に行って絵の続きをやる。ほんの少しだけやって帰るつもりが思ったより時間をかけてしまった。帰ってゆっくり風呂。檜垣立哉「ベルクソンの哲学」少し読む。だんだん読むスピードが速くなってきたような気がする。


16日(土)

朝8時に起きる。この日も朝ごはんは豆もち。まどが作ってくれていた味噌汁も飲む。読書続き。作業場へ行きキャンバス続き。2枚同時に進めていて、1枚は無難で退屈、もう1枚はどんどん悪化していく。どうなるだろうか。

開店。この日は暖かいが風が強く、一日中気圧の谷間のような天気。先日到着した鈴木哲生君デザインのカレンダーを品出し。早速ウェブショップで何部か売れる。閉店間際に明日のレコ寄席での出店用に古本を選書。

閉店後、カレンダーの梱包をやって本を発送し帰宅。少し読書。


17日(日)

朝8時過ぎに起きる。たっぷり寝た。まどと外出。天気は良いが風がかなり冷たい。日本海側は雪が降っているようだ。南に入り「ベルクソンの哲学」読み進め、少しスケッチブックに絵を描き、カフカ全集「日記」読む。スーパーと100均で食料や消耗品など買い足し。店に戻り、昨日選書した出店用の本を箱詰め。

開店。この日は途中からレコ寄席の会場設営などあるため16時までの営業。品出しを少しやり、カレンダーの梱包作業を進める。Fujimura Familyの写真集「PROOF OF LIVING」を出版したMARGINAL PRESSより、発注していた新刊が到着。

16時に閉店し、本を台車に乗せて燦庫へと運ぶ。会場設営はほとんど済んでいた。井川さんも来て少し打ち合わせ。田口さんと半月舎御子柴さん来て、設営。レコードと古本をわっせわっせと運ぶ。晩ごはんにうどんでもいければと考えていたが、2人は昼既に食べていた模様。時間もなく結局パンを買って食べた。

レコ寄席は今回「谷川俊太郎と詩人のレコード」編。フリージャズやリーディング、童謡、アニメソングなど様々な音源がかかった。谷川俊太郎のメディアへの意識の高さは、他に聞けた吉増剛造や高木恭造らとはまた別のベクトルを向いていて、とても興味深かった。集客に関しては予約の時点でyoms店内のキャパを越えていて、燦庫で開催した甲斐があった。物販もけっこう売れたようだ。

焼き鳥屋で打ち上げ。まどとIDO CAFE市原さんも一緒。いろいろな話をした。


18日(月)

朝10時に起きる。寝るのが遅く、あまり眠れた感じがしない。昨日買っておいて余ったパンと、差し入れでいただいたドーナツ、コーヒーで朝ごはん。外出し、郵便局で発送。八百屋でみかんとバナナ入り甘食を買う。

開店。アルバイトMさんが来てネット出品作業。店頭買取1件。品出し、発送準備など進める。夕方ごろになんだか頭がぽーっとしてきて、昨日寒い風に当てられて風邪をひいたのだろうか?と不安になり、早閉まい。帰宅してベッドに入っているとだんだんと落ち着いてきて、そんな深刻な体調ではなさそうで安心する。しかし疲れているのは間違いないので、思い切り10時間くらい寝た。途中でベッドに入りながらエルド吉水「龍子」1巻読む。凄まじい筆致だ。


19日(火)

朝7時半に起きる。体調回復。南へ行き、「ベルクソンの哲学」読み進める。

レンタカーを借りて、出張買取で宇多津へ向かう。まどはこの日は別行動で、詫間までさっこの船を撮影しに行った。出発してすぐ、ぽつぽつ雨が降り始める。現地へ着くと倉庫などではなく現在も住まわれているお家の一室で温かい中作業ができ、玄関からすぐの駐車場にも屋根が付いていて、濡れずに運び込みができるつくりになっていた。真冬での倉庫作業に備えて新しいアウトドアジャケットも買っておきたい。段ボール2箱分ほど選ばせていただいたほか、今後の参考に聞いておきたいとのことで、まだ売れない本の軽い見積もりをお出しした。

思ったより早く終わったので仏生山温泉へ行く。ロビーの文庫本販売コーナーでレヴィナス「存在の彼方へ」と葛西善蔵「哀しき父・椎の若葉」が各200円で売られており、購入。ここはたまにいい本が安く売られていることがある。温泉にゆっくり浸かって、「ベルクソンの哲学」読み終える。読むのにかなり時間がかかったけどとても良い読書体験だった。

レンタカーを返し、丸亀町でまどと合流。片原町駅前で猫をなでて、某所で行われている某会に参加。美術館の学芸員さんも集まり、図録や写真なども交え今年見た展覧会を振り返るという内容。さいたま国際芸術祭や都現美で行われている豊嶋康子展、国立西洋美術館でやっていた「スペインのイメージ」展など。その人独自の視点からの話を聞くことができて面白かった。

店でほんの少し作業をして、帰ってすぐに寝た。


20日(水)

朝8時に起きる。昨日まどはさっことピザ屋へ行ったらしく、かなりのボリュームだったようで余ったのを持ち帰ってくれていた。朝ごはんに食べる。スーパーへ買い物。まどがシチューを作ってくれて、自分は洗い物など手伝う。マーカーで紙に1枚絵を描く。G・ウィリアム・ジョーンズ「ベルイマンは語る」読み始める。図版も多く、思ったより読みやすい。

早めに開店。店頭買取2件。濱田晋さんの写真集「Polyphony」届く。愛媛県に取材したもので、wellの村尾さんがデザインを手掛けている。この日はありがたいことに発送が多く、忙しかった。来年に予定しているイベント関係の連絡なども進める。夜に矢野さん来てくれて、いろいろ話してなごんだ。

閉店後、カレンダーの梱包資材を切る作業。これがけっこう時間がかかる。ブログも書いたり、ネット出品した本の整理もやったりで23時過ぎごろまで作業。

自分が面白いと感じたことは、誰かに伝えて共感を得るまでもなく、やっぱり面白い。友達や他人が面白いと感じたことを自分が面白いと感じることができなくても、その人が感じた面白さが減るようなことはない。なんかいろいろいい。


21日(木)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、お弁当を用意して早めの外出。郵便局まで本を出荷しに行き、その後は梱包資材作りの続き。

開店。この日は店頭買取が3件。うち1件は段ボール5箱で後日連絡、ほかもう1件も身分証お忘れで後日の支払いとなる。愛媛県からの郵送買取も1件到着。年末を感じる。少し品出しをして、他はずっとカレンダーの梱包作業。やっとひと段落ついた。26日に店頭販売分の残りをウェブショップに登録する予定。いろんな意味で、店頭で売れてほしいところ。郵送買取分は1950年代の修学旅行のしおり(どれも香川県の小学校で頒布されたもの)などがあり、とても面白い。受託商品も振り込みは終えているがまだ出せていないものがある。品出しと均一本の補充も少しやる。

閉店時間を過ぎてもネットで売れた本の発送準備や郵送買取分の査定と振り込みなど。気が付いたら23時を過ぎていた。映画や読書の時間が欲しいけど、良い本がたくさん入ってきていると幸せな気分になる。

2023年12月15日金曜日

コツや秘訣(2023年12月14~15日)

13日(水)夜

閉店後、本を出荷してトキワ新町や丸亀町近辺を歩く。昨日店の鍵を落としてしまった(前回の日記に書いた「諸事情」とはこのこと)ため。やっぱり、ない。交番へ行くがパトロールに出ているようで、呼び出したところで待たされそうだったため明日にして店に戻る。少しネット出品作業。作業部屋へ移り、絵をやる。また新しいキャンバスに手をつけた。

トイレに行くと、なんと無くしたと思っていた鍵が出てきた。ズボンの、ベルトを通す穴にカラビナやリードで鍵をつなげていたのが、丸々ズボンの内側に入ってしまっていた。バカすぎる。おかげでたくさん散歩できた。


14日(木)

朝8時頃起きる。まどが「お腹が痛い」という。自分はなんともないが、悪いものでも食べたのか。洗い物、洗濯物の片づけ、お弁当の用意などやって外出。南でモーニング。カフカ全集「日記」続き読む。やっと120ページくらいまできて、まだあと300ページ近くある。小説よりもストレートに自閉的な部分が出ていて、自分もかなりそういう部分があるとはいえ、ずっと読み続けるのはしんどいものがある。なんとかユーモアにくるんで小説へと昇華しようとしているのが泣けるけども。今年中に読み終わるのか。交互に読んでいる「ベルクソンの哲学」もじっくり取り組みたい内容で、なかなか進まない。カバンの中には気楽に読める殿山泰司「JAMJAM日記」もある。チェイサー的なもんだろうか。

まどと買い物。無印でお香や無地のノートを買う。八百屋でみかんも購入。

開店。マロンさん来て、まどと昼ご飯を食べに出かけていった。発送準備、品出し進める。受託商品に関しての連絡も。この日は常連さんも何人かいらっしゃり、東京からというお客さんが「行くのを楽しみにしていました」と言ってくださったり、いい気分。閉店間際にサチコさんが来て、久しぶりに話す。昔作った詩集を買ってくれた。

「店を続けるコツ」「愛される秘訣」のような記事なんかを見ると、自分がもし聞かれたらどうしようと考える。わかったようなことを言って、舌の根も乾かないうちに店がつぶれでもしたら恐ろしい(長く続くほど良いというわけでもないが)。しかし思い出してみると、開店当初のほうが傾向と対策的なことを考えがちで、浮ついていたような気がする。不安で何かにすがりつきたかったんだろうか。買い取りを重ねていろんな人の本を日々受け入れ続けていると、自分のエゴはどうでもよくなってくる。共感ではないし、傾聴とも少し違う気がする。それもどうでもいいか。

閉店後、キャンバスの続き。思ったよりも速く進み、完成。こないだ描き上がったキャンバスに続き、これも2日で完成した。ここ1年ほどの間に描いていた抽象画は図と地を入れ子にするような絵が多く時間がかかっていたけれど、キャラクター(図)を決めておくと全体の構図も早めに決まり、完成のポイントが見えやすい。これには良い部分も悪い部分もあるだろうけど。

本を出荷してルクスへ行き、まいちゃんとダラダラ話す。27日にルクスで食品まつりさんのライブがあるらしい。自分はその翌日に加西Voidでも食まつさんのライブを見る予定だけど、この日も行こうかなと思う。


15日(金)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて、ubuwebにあるサミュエル・ベケット「フィルム」を見る。ベケット唯一の映画作品(1965年)で、最晩年のバスター・キートンが出ている。小説や戯曲よりもずっとわかりやすく、笑いもあるし、かわいい子犬や子猫も出てくる。ゆらゆらと左右にパンを繰り返して、主人公を追いかけまわしているようなカメラワークも面白い。脚本はどのようになっているのだろうか。まどが起きてきて、豆もちを焼いてくれる。大豆の香ばしさが意外とコーヒーにも合う。檜垣立哉「ベルクソンの哲学」続き。

「純粋知覚は、本質的に瞬間的な知覚である。だからそこから認識の構図を組み立てなおすならば、知覚に記憶が入り込み、瞬間に過去が侵食してくる契機を見とらねばならない。純粋知覚は、あくまでも知覚の「非人称的な基底」なのである。」(p122)

開店。この日もマロンさんが来てくれて、まどといろいろ漫画の話をしている。横で聞いているだけでも面白い。春木君来てくれて、うちで買ってくれた本を使って書いた卒論が無事に通ったとのこと。うれしいしめでたい。品出し、スリップ作り、発送準備など進める。あさってに迫ったレコ寄席の再告知も。予約は増えてきているが、もっともっとたくさんの人に見てほしい。愛媛からの郵送買取が到着。最近郷土関連の絵葉書を出していたら、「香川の紙モノがありますけど、送りましょうか」とメッセージをくださった。昔の商店街や高松けいりんのチラシなどがあり、とても楽しい。

今日はもう疲れたので、少しだけ絵を進めて帰ることにする。

2023年12月13日水曜日

やめゆわ(2023年12月11~13日)

10日(日)夜

閉店後、燦庫へ。ヤンフー3周年記念イベントに顔を出す。cowbellsのライブを見て、ビール1杯だけ飲んで出た。作業部屋へ行き、伊藤整「イカルス失墜」続き読む。ubuwebにアップされているトリシャ・ブラウンのパフォーマンスの動画(”watermotor","Primary Accumulation")を見る。少しキャンバス進めるが、行き詰ってきた。以前に手をつけて放っていた小さなキャンバスの続きをやり始めると、こちらはあっけなく完成。どこでどうなるかわからない。


11日(月)

朝8時頃に起きる。朝ごはんを食べて料理。ひき肉と白菜、にんじん、長ネギ、もやしのみそ炒めと卵焼きを作る。ぼんやりした日のお弁当は茶色くなりがち。コーヒー飲みながら読書。外出。スーパーで少し買い物をして作業部屋。新しい小さなキャンバスに色を塗る。

開店。昼過ぎからぽつぽつと降り始め、お客さんの少ない一日になる。店頭買取が1件。久しぶりに出張買取のご依頼もあり、来週の火曜にお伺いすることになった。天気が良くなるといいんだけど。神奈川県から郵送買取1箱届き、振り込み。品出しやネット出品、イベントの連絡など進める。

閉店後、本を出荷してお酒を買い、作業部屋へ。読書、キャンバス続き。新しいキャンバスにも手を付け始める。さっと手数少なく決める癖をつけたいが、なかなかうまいこといかない。


12日(火)

朝8時に起きる。ごはんを炊いて朝ごはんを食べる間に、ケリー・ライカート「リバー・オブ・グラス」見る。洗い物、読書、洗濯。

外出。南に入る。朝まどと会話していた時に出てきた「やめゆわ」について考える。「やめようか」という言葉を言おうとして途中で「やめるか」が割り込み、「やめゆわ」になったというもの。「やめゆわ」のような言葉は日常会話でよく口からつい出てしまうものじゃないかと思うけど、発話の段階で出てきたとしても、文章に書かれる際には読めないからと「やめるわ」に修正されてしまう。「やめゆわ」のような言葉で文章を書くことは可能だろうか。「イカルス失墜」読み終え、檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を読み始めると、そこにつながるような箇所が出てきた。

「そこで複数の途が、可能的ではあれ行為に先だって存在するかのように描かれているのはなぜなのか。それは進行したことから進行しつつある事情を再構成するという意味で、やはり決定論と同様に時間の空間化に依拠するものではないか。(略)可能なものとは、実在が生じたあとで、そこに付加されるように成立するのである。」(p83)

本屋で本をぶらぶら見て、何も買わず出る。綿谷で肉うどん食べる。店で、先日買ってもらった絵を梱包して発送。コンセントまわりのそうじ。換気扇もそうじして油をさす。

作業部屋で絵の続き。昨日手を付け始めたキャンバスのほうが先に完成する。煮詰まってくると、軽い気持ちで進めていたほうがいつの間にか完成してしまうことがよくある。

久しぶりに頼酒店へ。店には自分の他に先客2人。リチャード・ブローティガン「ハンバーガー殺人事件」を読みつつ、ビールとレモン酎ハイ、ガーリックトースト。角打ちとブローティガンという組み合わせがとてもちょうどよく、良い気分。

帰宅。古川卓巳「拳銃残酷物語」見る。終盤の銃撃戦のシーンは良かったけど、全体的にどこか食い足りない感じがした。風呂に入り、少し本を読んで寝る。


13日(水)

朝8時に起きる。朝ごはん。まどがおかずを作ってくれている横で洗い物をしたり、スーパーへ買い物に行ったりする。読書。「ハンバーガー」読み終える。ブローティガンの小説では様々なことがなんでもないように通り過ぎていく。

外出して、店に到着すると、諸事情が発生。いろいろあって開店が1時間弱遅れることに。発送準備など進める。店頭買取2件。日が暮れた頃にまさみさんが来て、いろいろお話。新潟の話などもする。まどや小鉄君も来る。

今日はこれから少し用事を済ませ、ネット出品をやって、絵の続き。

2023年12月10日日曜日

春めいた冬(2023年12月08~10日)

07日(木)夜

本を発送し、作業部屋でキャンバスの続き。少し手を入れたら、なんか失敗した気がする。難しい。家に帰るともう12時半、まどはまだ起きている。シャワーをがんばって(朝に浴びると疲れてしまう)浴びた。


08日(金)

朝8時に起きる。ごはんを食べて洗い物、お弁当の用意。コーヒー飲みながらカフカ全集「日記」読み進める。今年中に読み終えられるのだろうか。外出、銀行とスーパーをまわって作業部屋へと向かう。オーネットコールマンを聞きながら絵の続き。昨日失敗したところをなんとかカバーしようといじる。こういう悪あがきが良い方向へ転んだりすることもたまにある。

開店。連絡関係を一通りやり終えたので、この日はまずまず気楽。品出しなどを進めていく。東京で今年会ったKaede Adachiさんの邦楽DJmixを聞く。箏や鼓の音がとてもかっこいい。また聞き直そう。

閉店後、本の出荷。スーパーに寄って炭酸水や柿の種などを買って帰る。帰ってハイボールを作り、飲みながらまどとヴィム・ヴェンダース「パリ、テキサス」見る。話はシンプルだけど2時間半もある。しかし2時間半でしか描けない空気が確かにある。


09日(土)

朝8時に起き、ご飯を食べながらまた映画。オーソン・ウェルズ「黒い罠」見る。有名な冒頭の長回しは本当にすごい。終盤の、闇夜の中ヴァルガスがクインランを追いかけていくところもいろんな構図から撮られていて面白かった。洗い物、洗濯。お弁当を用意して作業部屋へ行き、絵の続きをやる。

開店。なんだかやたらと眠い。7時間は寝てるんだけど。店頭買取で先日お預かりした分の支払い1件、さらに新しいお預かりが1件。この日は夜にお客さんが多かった。鳥取から山田さんが来店。山田さんはいろんな県外のライブイベントにふらっと現れていて(本人は「それほどでもない」と言っていた)、よく友人のストーリーでも見かける。ぽつりぽつりと話す。途中まどかさんとみきちゃんも来る。時宅へ行くらしい。NGOで年2、3回ミャンマーへ行くというお客さんがいらっしゃり、村上巨樹さんのミャンマーレコード事情のzineを買ってくださる。明日まで滞在されるとのことで、高松のいろんなお店情報を伝えた。

閉店後、LINEでデザイナーの方と打ち合わせ。自分が当初出したアイディアの至らなかった部分が明確になり、なんだか恥ずかしい気分になるが、向き合ってこつこつやっていこうと思う。デザイナーの人はこういうところが気になるんだなというのもわかって(自分でも少し考えてみればわかりそうなことだったりもするのだけど)いい時間だった。とりあえず、次に連絡するのはだいぶ先のことになりそうだ。

帰宅。まどと少し話してシャワーを浴びる。ウイスキー水割りを少し飲みつつ、カフカを読む。1時前に寝た。


10日(日)

朝9時過ぎに起きる。よく寝た。朝ごはんを食べて読書。カフカを少し読んでから、伊藤整「イカルス失墜」読み始める。お弁当を用意して外出。かなり暖かく、まるで春がもう来たみたいだ。スーパーをふらふらして、なぜかカンパンを買う。

開店。ネット出品作業などを進める。この日はかなりスローペース。自分をゆっくり休ませつつ動くような感じで作業した。昨日と同じく、陽が傾きかけてから来客が増える。夜になってサンドマンが来て、いろいろ話す。ライブやイベントの集客の話など。島田さんのやっている「真夜中の喫茶店」に最近大学生がよく来ているそう。なんとなくジョンレノンを聞く。とてもいい。

今日はこれから燦庫にヤンフー3周年記念イベントを見に行く。

2023年12月7日木曜日

師走な日々(2023年12月04~07日)

03日(日)夜

ブログの更新などをやっていたら遅くなってしまった。この日はまどに髪を切ってもらう予定だったけど、だいぶ疲れてしまったようで、またにする。本を出荷し、コンビニのネットプリントで田中菫さんの”HOT MILK LETTERS"最新号を入手し、帰って読んだ。

コンビニのイートインで、ガラス越しに外を眺めながら無表情で札束をビラビラめくっている男がいた。万札であれば数十万という厚さだった。何者だろう。


04日(月)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて洗濯。まどはこの日豊島へ取材に行くそう。のんびり構えているのでなんとなく心配になり、フェリーの時間を調べてみると、思ったよりもずいぶん本数が少ないことがわかる。結局、直行ではなく小豆島経由で向かう便に乗ることに。

外出。八百屋に寄って長ネギとみかんを買う。作業部屋に行き、おととい完成した絵に少し加筆。うまくいく。instagramで購入したいとメッセージを送ってくれた方に連絡し、めでたく売約となる。ありがたい。新しいキャンバスにも手をつける。出だし順調。

開店。店頭買取1件。こずえちゃん来て、ゆっくりといろんな話。また適当に来てほしい。品出し、発送準備進める。来年に予定しているイベント関係の連絡などもやる。何かと慌ただしい。休憩中に安江リエ、及川賢治「ひもがいっぽん」読む。夜に高松のギャラリーSyndicateでのグループ展に参加していたJackson Kakiさんが寄ってくれる。東京での共通の知人の話などになったり、Kakiさんの今後の活動の話を聞いたり、かなり刺激になった。自分もこつこつとやっていきたい。Kakiさんは今月末に東京の桜台にあるpoolというところでパフォーマンスをやる予定だそう。ここは12年前に自分とまどの結婚記念パーティーをやった場所だ。ただの偶然だけど、なんだかうれしい。

閉店後、本を出荷。家でひとつ気合いの入ったメールを送ってから早めに寝た。


05日(火)

朝9時に起きる。朝ごはんを食べて、ジャン=ピエール・メルヴィル「サムライ」を見つつまどに髪を切ってもらう。以前に一度見たことがあるけど、まどが見てみたいと言うので再見。歩道橋の上で銃撃戦の始まるシーンは何度見てもかっこいい。昼ごはんはブロッコリーとツナのパスタ。

昨晩送ったメールに返信をいただく。来年はまた変化の年になるだろうか。

外出。市役所へ行き用事を済ませる。まどはめまいがするとかで耳鼻科へ行ったが、結局あまりたいしたことはなかった模様。良かった。ラボレームスで合流する。カフカ全集「日記」と檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を交互に読むが、どちらも読むのに体力が必要な文章で、若干他の本に逃げたくなっている。

よって屋へ行き、骨付鳥やぎょうざ、サラダなど食べる。まどがコナリミサト「ひとりで飲めるもん!」みたく、ぎょうざ用にコショウ多めの酢と酢醤油と2つの小皿を用意してくれた。よって屋はたいていどれを頼んでもおいしい。18時までだとビールや角ハイが220円でとても安い。ついお腹いっぱい食べてしまった。

その後、某所にて毎月行われている、民俗学の研究者の方々が集まる勉強会へお邪魔する。皆さん専門家なので、素人の自分が話を聞いても固有名詞などは当然わからなかったりするが、「資料のそういうところに着目するのか、すごい」という驚きはある。アーティストなど専門外の人間が伝統芸能や地域の習俗を扱う時の視点の面白さにも触れていた。まどと「面白かったね」と言いながら、雨の中帰宅。ゆっくり風呂に入って、ブログを書いて寝た。


06日(水)

朝早く出ないといけないのにおかずも作らないと…と考えていたら、ちょうどよく6時半に目が覚める。料理。ひき肉とにんじんとししとうの辛みそ炒め、卵焼き、ほうれん草のおひたしを作る。朝ごはん。

外出。店に行き、こないだ堀金君と打ち合わせたことをテキストにまとめる。その後堀金君と待ち合わせ、下見。みきちゃんも来てくれる。いい感じになると良いな。みきちゃんから地元和歌山のミカンをいただく。ありがとう。

開店。店頭買取1件。この日は発送件数が多く、あまり品出しはできず。売れてくれるのはありがたい。いつも郷土資料や歴史の話を聞かせてくれるYさんご来店。SNSに投稿した香川関連の絵葉書の入荷情報をご覧いただいたようで、この日はご自身の絵葉書コレクションを見せていただいた。戦前発行のものや、なかなか見ないという県庁竣工記念時のものなど、貴重なものがたくさんあった。夜に栗金の2人がまた来てくれて、打ち合わせる。和歌山のみかんは食感がゼリーのようでとても甘みがあり、おいしかった。

閉店。朝から動いてへとへとになってしまった。本を出荷してさっさと帰る。少し休んで、メグマイルランド/ウチダゴウ「Y×丂句J〈〈×カ又句」(タイトルは当て字だそう)読む。メグマイルランドさんは陶芸作品で展覧会をされたり(この冊子も展覧会に合わせて製作されたもののようだ)、活動の幅が広い。次に勅使川原宏「いけばな」見る。父・蒼風のドキュメンタリー映画。音響に「大野松男」とあるが、アニメ版鉄腕アトムの効果音を手掛けた大野松雄のことだろうか。


07日(木)

朝8時に起きる。まどの作ってくれた味噌汁を飲み外出。非常に風が強い。南でモーニング。先日店に仕入れた佐藤拓人君のレコード購入日記zine「RECORD DENGON Diary」読む。夫婦そろってネットに実店舗にとレコード求めて繰り出している様子が読んでいて楽しい。出て、パッケージプラザで梱包資材を購入。近々入荷予定の鈴木哲生カレンダー用。大きいプチプチのロールを抱えて店まで戻る。

開店。来年開催するイベントの連絡や、郵送買取の見積もりなど。見積もりは了承取れ、発送してもらえることになった。この日は店頭買取2件。2000年頃のファッション雑誌や洋書の画集などもあり楽しい。来年気合を入れて進めることになりそうな件についてもメール。夜になってフランスかららしき観光客2人組がやってくる。どうやらマンガ好きのようで、日本語も達者な様子。勇気を出して「私の妻もマンガを描いていて、今年雑誌でデビューしたんです」と話しかけ、まどの参加した合同誌「もぐらホリデ~」を渡してみる。「とても面白かったです、応援します!」と1冊買ってくれた。ありがたい。こういうことがあると店をやってて良かったなと思う。半空さんでうちを紹介してもらったらしく、こういうところも店同士が近い高松ならではかもしれない。

今日はこれから少し休んで、久しぶりにキャンバスの続き。

2023年12月3日日曜日

なんだかんだ(2023年12月02~03日)

01日(金)

閉店後、本の出荷。ついでにコンビニでお酒とつまみを買う。飲みながらホン・サンス「逃げる女」見る。見終わってから絵の続きをやる予定だったけど、夜遅くなってしまい帰宅。


02日(土)

朝7時に起きる。早起きできたのでまた映画。吉田喜重「血は渇いてる」見る。今まで見た吉田喜重作品とはだいぶ印象の異なる、軽快なテンポで進む社会派サスペンス。佐田啓二演じる主人公に芽生え始めた自意識に、芳村真理演じる生命保険会社の広報担当が焦りを募らせていく様子がいい。

洗濯をして、お弁当を用意して外出。店に行き、ガソリンスタンドまで灯油を買いに行く。夏に買った大きな台車にポリタンクを乗せてみたら、とても安定していていい感じ。しかし、思わず声が出そうなくらい灯油が高い。電気毛布などでできるだけ節約したい。その後、作業部屋で絵の続き。とりあえず完成。しかし後で何度も完成後の画像を見直していると、もう少し手を加えたくなってきた。

開店。店頭買取1件。この日は品出しをどんどん進めた。途中どうにもやる気がなくなり、ついドラッグストアへお菓子を買いに行く。店に戻って食べていると、まどがケバブを持ってやってきた。同じように口寂しくなったようだ。

閉店後、ルクスに行く。この日のゲストはパソコン音楽クラブ柴田さんが別名義Vocoder GirlsでDJ。昨日親とあったせいか、なんだか頭がふわふわして落ち着かなかったけど行って良かった。小鉄君のDJもかっこよく、柴田さんのDJは直球なハードテクノの応酬と思いきやコラージュノイズな展開もあったりして最高だった。ビールをたくさん飲んだ。なんとなくふらっと帰ろうとしたら小鉄君が追いかけてきて「またまた」と挨拶してくれた。ありがとう。


03日(日)

朝9時に起きる。お弁当を用意して、着替えてモーニングへ。カフカ全集「日記」続き読む。思ったよりも文章の雰囲気は暗いが、精一杯のユーモアで文章へと昇華しようとしているのがうかがえて泣ける。

「ぼくの書く言葉は殆ど一つも他の言葉に合わない。子音がいかにも力なく擦れ合っているのが聞える。そして母音は博覧会のニグロの様にそれに合せている。ぼくの疑問はどの言葉の周囲をもぐるっと取り巻いている。ぼくには言葉より先に疑問が眼につく。然し一体それが何だ。ぼくには決して言葉が眼につかない、言葉は作り出すものだ。これは最大の不幸ではなかろうか。ただその時ぼくは、屍臭がぼくと読者の顔にじかに当たらない様な方向へ吹きつけることのできる言葉を作り出せなければならないだろう。」(p17)

スケッチブックに絵を描く。きれいな線が引けてうれしい。昨日完成した絵の画像をSNSに投稿したら「購入したい」と連絡があった。一度会ったことのある、信頼できる人。もう少し手を加えたくなって、待ってもらっている。

本を出荷して開店。すぐに買取の依頼がある。この日は結局店頭買取が4件あり、うち1件は後日に支払いとなるが、1日の売り上げ分と同じくらいの金額を払う結果となった。年末を感じる。何はなくとも買い取りがなければ店はまわっていかない。良い本もたくさん入ってきているし、どんどん出していこう。そして売れてほしい。ivoryさんが柴田さんを連れて来てくれる。ヤマハラさんや小鉄君も一緒。以前自分の出演した公園コンサートとK/A/T/O Massacreのコラボイベントを見ていただいてたようで、そのへんの話などをした。夕方に絵を描いているという高校生が来てくれて、展覧会をやってみたいけどどうしたらいいのか、と相談を受ける。とりあえず自分の最近の展示のことなどをいろいろと話して、少しだけ「ここに話をしに行ってみたらいいんじゃないか」とアドバイスした。夜は栗金商店の2人が来てくれて、いろいろ話し合い。忙しくいろんなことをした1日だった。

不器用ではあってもなんだかんだ良いやつであれば問題なし。と自分に言い聞かせている。

今日はもう遅くなってしまったし、帰って寝る。

2023年12月1日金曜日

友人と両親(2023年11月30日~12月01日)

29日(水)夜

閉店近くなり、東京からやってきた友人の内田るんさんが来店。一鶴で骨付鳥を食べてきたそう。まどもやってきて、3人で時宅へ。ビールは自分だけで2人はお茶を飲んでいた。るんさんとは2月に東京で個展をやった際にちらっと会ったが、その時はほとんど話せず。おそらく知り合って今年で20年になる。最近オタクになったとのことで(自分の中ではずっとマンガに詳しいイメージだったが…)、まどと呪術廻戦やゴールデンカムイの話で盛り上がっていた。途中から小鉄君が来て、今度は水木しげるや京極夏彦の話になる。自分はそれほど詳しくなく横で笑っている感じだったけど、面白かった。


30日(木)

朝8時に起き、まどが昨日作ってくれていた味噌汁を飲む。お弁当を用意して出発。南でモーニング。カフカ全集(新潮社版)の「日記」読み始める。これは長い。旅行中ぼーっと読むのに良さそう。その後、檜垣立哉「ベルクソンの哲学」読む。しばらくこの2冊を並行して読むことになりそうだ。出て、ルヌガンガへ行く。まど2冊購入。最近良く本を買っている。

開店。スマホに着信があり折り返すと、とあるジャンルについての本を探しているというお客さんからで、3冊ほど在庫があったので倉庫から取っておく。少しして店頭までいらっしゃり、じっくり見てそのうち2冊をご購入された。少し単価の高い本で、ありがたかった。品出し、発送準備進める。昨日お預かりした本の支払い。アルバイトMさん来て作業。昨日届いていた「YON MAGAZINE」追加発注分と、神奈川県のサンズイ舎さんが先日発行した「漁民の芸術Ⅰ」を品出し。「漁民の芸術」は三浦半島の漁具が美しいカラー写真で掲載。横須賀で鮮魚店を営む方への聞き取りや博物館の方による考察記事など、文章のほうも充実している。夜になって、るんさんが空港へのバスに乗る前に顔を出してくれた。ありがとう。安岐さん来てくれて、早速「漁民の芸術」をお買い上げ。

閉店後、本の発送。お酒飲もうか迷ってやめる。作業部屋へ行き、まじめに絵の続き。どこか決め手に欠ける。一部思い切って塗りつぶしてしまおうか?しかしこういう時は少し時間をおいてみたほうがいい。帰ってゆっくり風呂に入り、寝る。


01日(金)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べてお弁当の用意。現在旅行中で琴平に泊まっていた両親からLINEあり、9時半に店に寄ってくれることになる。

外出し、YOMSで待ち合わせ。均一棚も外に出して、普段営業しているのと変わらない感じで迎える。5年ぶりに両親と会った。店一本でやっていこうと言った時、母は「店とかは相当なセンスがないとできないもんだよ」と言っていたけど、今回実際に店を見てみると「センスいいねえ」と言っている。オイとなるが、まあよし。4人で喫茶店へ行き、1時間ちょいくらい話す。今回の旅行に関しては、前日琴平に泊まり、伊丹空港から飛行機で帰るということしか聞いていなかったけど、大阪でレンタカーを借りて出雲大社と玉造温泉をまわり、さらに尾道~鞆の浦~倉敷と山陽をまわって、琴平へと向かったとのこと。計4泊5日。いざ旅行するとなると過密スケジュールになるのは自分も似たところがある。今年の夏は日照り続きの猛暑で、今までほぼ毎年1等級の米が獲れていたのが3等級だったらしい。これはうちに限った話ではないそうだ。シューレで香川土産を買うのに同行し、お土産をもらって別れる。2人とも退職して朗らかになった気がする。自分も朗らかになりたいが難しい。とにかくはるばるありがとう。

八百屋で買い物をして、開店。この日は店頭買取2件。うち1件は最近少なくなっていた建築関係の本が多く、ありがたい。ほか、ご近所の方から買取についての問い合わせ。年末を感じる。発送準備など進める。夕方にまどかさん来てくれて、以前あてどなくドライブに行った話など聞かせてもらう。ロードムービーみたいな旅も面白そうだ。夜に大三君が来てくれて、またいろいろな話。

来年に予定しているとあるイベントの詳細が固まってきた。楽しくなりそうだ。

今日はこれから映画を1本見て、絵を少し進める。

2023年11月29日水曜日

駆け足日記(2023年11月25~29日)

24日(金)夜

閉店後、本の出荷。コンビニで切手を買い、レコ寄席のチラシも発送する。まどと合流、スーパーで買い物をして帰宅。

スーパーで買った安いピザを食べ、ウイスキーコークを飲みつつ、トビー・フーパ―「悪魔のいけにえ2」を見る。前作から12年後に作られた映画で、かなり雰囲気の異なったエンターテイメント作。セットへのお金のかかり方がすごいが、「一体何をやっているんだろう」ということばかりが起こり、しかも前作より汚さ暑苦しさが控えめで雰囲気がかなりゆるい。チェーンソーで一生懸命柱を切り続けるデニス・ホッパー…。


25日(土)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、そうじ。その後まどは洗濯をして自分は料理。青梗菜、にんじん、もやし、ひき肉のみそ炒め、卵焼きを作る。お弁当の用意。色川武大「狂人日記」と檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を読んで感じたことをinstagramにまとめる。

外出。スーパーでみかんを買って作業部屋へ。新しいキャンバスに描き始める。出だしは順調。

開店。品出し、発送準備など進める。受託商品に関する連絡も。閉店後堀金君と打ち合わせのため、話し合うべきことをGoogleドキュメントでまとめる。店頭買取2軒。うち1件は岡山と香川の、主に戦前に発行された絵葉書の買取だった。郷土関連の紙ものの買取はひそかにずっと待ち望んでいたので、とてもうれしい。早速塩江温泉の絵葉書を品出し。収納袋の裏面には1941年に廃業した琴平電鉄塩江線がイラストで描かれている。戦前の旅館建築の図版がとてもいい。

閉店後、ルクスで堀金君と打ち合わせ。事前に紙にまとめておいたおかげで、いい具合に今後やるべきことが固まった。もう一杯頼んで、まいちゃんといろいろ話す。帰ってシャワーを浴びて寝た。


26日(日)

朝8時に起きる。ごはんを食べて、お弁当の用意。コーヒー飲んで「ベルクソンの哲学」続き。少しずつ読んでいく。

「現象学は、世界に対する特権的で超越論的な光源を現れの純粋性のために確保する。ところがベルクソンの哲学において、世界ははじめから純粋な光の場面であり、そこにどのように内在するのかが方法論上の問題になるのである。」(p26-27)

作業部屋へ行き、絵の続きをやる。昨日思いついたアイディアを試してみたらうまくいった。もうすぐで完成しそう。

開店。店頭買取1件。この日は集中して品出しを進めた。棚の隙間を埋めていかないといけない。夜におやつのカンデラの2人が来てくれて、いろいろ話す。

閉店後、集中して絵をやる。以前から進めていた小さなキャンバスが完成。一息ついてからまた別のキャンバスを進める。こちらも今のところうまくいきそうだ。最近はあれこれ考えながら時間をかけて進めていくことが多いが、逆に「えっ、これで終わり?」みたいな手数の少ない絵をどう作るかも考えてみたい。

帰宅。シャワーを浴びて、内堀弘「石神井書林目録」少し読んで寝る。


27日(月)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて洗濯。コーヒー飲みながら「石神井」続き。

素人がつまらないプロになることは簡単なのだが、もっと面白い素人になっていくのは難しいことだ。」(p74)

お弁当を用意して外出。作業部屋で絵の続きをやる。順調に進む。

開店。昨日に引き続き品出しを進める。この日は若いお客さんが多かった。おしゃれな男の子3人組や、いつも1人で来てくれる高校生の女の子など、けっこう熱心に棚を見てくれる。夕方ごろに宮脇さんがzineに興味があるという香大の女の子を連れて来てくれる。写真をやっているそうだ。zineの話を少しして、まずは1冊買ってみたらどうですか?とダメ元でうながしてみたら、2冊買ってくれる。さらに長島有里枝「「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ」、「写真分離派宣言」とかなり渋い本を買ってくれて驚いた。焚き付け過ぎただろうか?店としては香川の人の手に渡ってくれてありがたい気持ち。

まどと待ち合わせ、閉店後に半空へ。レコ寄席のチラシを暖さんへ渡す。来年に企画するイベント関係の連絡をする。とりあえず連絡すべき人には全員メッセージを送れた。その後時宅へ行く。最近料理研究家の方が時宅のことをSNSで書いていて、その文章がかなり拡散されていた。ウインナーをつまみに瓶ビール飲んで、ゆかちゃんやモモさんといろいろしゃべった。


28日(火)

朝8時に起きる。適当に支度をして南へ行き、モーニング。読書続き。まどはこの日男木島へマンガ資料用の写真を撮りに行くとのこと。自分も一緒に行く予定だったけど、絵を描いたり映画を見たかったりでやめにした。

南を出て別れ、散歩。ずんずん歩いて讃州堂さんへ行く。徒歩で行くのももう何回目かで、近く感じた。いろいろ見て2冊ほど購入。高松刑務所の塀のまわりをぐるっと歩いていき、福岡町にある「よしのや食堂」へ。ここは以前ネットで見かけて気になっていたお店。「大衆食堂」の大きなのれんに「めし しる」と書かれた立て看板。この外観だけでもそそられるものがある。入ると大きな炊飯器の前に若い店員さんが立っていて、元気よく挨拶してくれる。棚にある惣菜からアジフライと卵焼きのセット、まんばのけんちゃん(香川の郷土料理)を取って、味噌汁とごはんを頼んだ。お客さんは作業服姿の人やタクシーの運転手が多い。おかずはどれも程よい味付け。ごはんは中サイズでもかなりのボリュームがあり、ちょうどお腹いっぱいになった。ビールや日本酒もあり、飲もうと思えば朝から飲める。また近くに来ることがあったら寄ってみようと思う。

スマホに入れていた万歩計アプリのポイントがたまっていて、Tポイントに換える。ポイントを使ってビールを買い、店に戻ってアニエス・ヴァルダ「幸福(しあわせ)」見る。淡い色彩と細かいカット割りが印象的。最初はのんびりと楽しんでいたけど、話が進むにつれて「おいおい…」となっていく。見終えて、八百屋で買い物。

作業部屋でキャンバスの続きをやる。もう少しで完成するか。

帰宅。まどは島から帰ってきてクタクタの様子。サッポロ一番塩ラーメンをゆでて、鳴門わかめ、ほうれん草、もやしを乗せて食べる。途中でごま油を足してみる。わかめは2回ほど丁寧に洗ったはずだけど、どうもあまり塩気が抜けていなかったようで、しょっぱかった。残念。食べ終えて洗い物を済ませ、読書。「石神井」読み終える。YouTubeで期間限定公開されていた葛生賢「火の娘たち」見る。10分ほどの短い映画。

再び作業部屋へ行き、キャンバス続き。一旦完成かというところまでいくが、もう少し進めたほうが良くなりそう。明日以降またやることにする。


29日(水)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて料理。にんじんとごぼうのきんぴら、ほうれん草ともやしのナムル、豚肉と玉ねぎのカレー炒めを作る。きんぴらに少しお酢を入れてみた。洗濯。

少し早めに家を出て店へ。階段などのそうじ。少し早めの開店。発送準備、品出し、均一本の補充、アルバイト用の本の準備など。受託商品が2種類到着する。店頭買取2件。うち1件のお支払は明日やることになった。

今日は友人の内田るんが東京から高松へ遊びに来ているので、これからまどと3人で飲む。

2023年11月24日金曜日

2022年(2023年11月23~24日)

22日(水)夜

体調があまり良くなく帰りたかったが、ブログを書いたりしていたら22時を過ぎてしまう。本を出荷して帰宅。早めに寝る。


23日(木)

朝7時半に起きる。体調は回復。ただ疲れていただけだったのかもしれない。朝ごはんを食べて料理。肉みそ(レンコンと椎茸を細かく刻んで入れる)、白菜のおひたし、いんげんの胡麻和えを作る。まどかさんからもらったティーバッグで淹れた紅茶を飲み、INA「つつがない生活」読み始める。

外出。店にお弁当を置いて、コンビニでレコード寄席のチラシを増刷。酒屋さんでビールとジンジャーエールを買い足す。スーパーで食材の買い出し。

作業部屋に戻り、おととい買ったレコードを聴きつつ絵の続きをやる。コーラスグループのレコードを聴いていたら一気にクリスマス気分になった。

開店。この日は勤労感謝の日で世間はお休み。明日も休みをとって4連休という人も多そう。品出し、発送準備、均一本の補充などを進める。定休日明けということもあり発送が多い。ウェブショップのほうでも商品が動いてありがたかった。夜に工芸高校美術科の生徒が作った雑誌「F」の7号を品出し。取材から執筆、撮影、デザインまで自分たちで手掛けている。今回は歴代の編集長にもインタビューを行っていて面白そうだ。

閉店後、本を出荷して店でお酒を飲みながら読書。「つつがない生活」読み終える。アメリカとフランスへの旅の話が特に良かった。店で本を読むのは外から見られている意識があると妙に読書がはかどるからだけど、店の外から見た時の自分を想像すると、ふと最近閉店してしまった近所の洋食屋さんのことを思い出した。夜にそのお店の前を通りかかると、照明を落とした店内で店長のおじさんがよく晩酌をしていて、バラエティ番組を見てげらげら笑っていた。その姿が妙に印象に残っている。こうして閉店後の店内で本を読んでいる自分も似たような存在かもしれない。こういうなんでもないことはすぐに忘れてしまうから、ここに書いておく。

つらつらと回想が広がり、六ろくとサンリンシャが閉店したのも、サンリンシャの蓮井さんが神戸へ、iLの浜吉さんが福岡へ引っ越したのもまだ去年の出来事なんだよなと思い出す。燦庫ができたのも去年だ。個人的には2022年のこれらの出来事のインパクトが大きく、なんとなく街の雰囲気が変わったような気がするけど、「変わっただなんて大げさな。あなたの中でだけの話でしょう」と言われればそれまでの話かもしれない。自分は「あなたの中でだけの話でしょう」と言う人がいたとしたら、その人の語る「街の話」も聞きたい。「自分語り」はとかく悪く言われがちだけど、人それぞれ着眼点や思い入れや人付き合いが違うのは当たり前でそこに面白さがあるはずから、みんなどんどんしゃべればいいと思う。

作業部屋で木枠にキャンバスを張る。今までずっと張りキャンバスばかりに描いていたので、10号程度のサイズを張るのにも慣れておらず時間がかかる。1枚だけ張れた。


24日(金)

朝8時に起きる。シャワー。お弁当を用意して外出、南でモーニング。色川武大「狂人日記」読み進める。主人公と圭子との会話のシーンが、お互い特異な精神状態に置かれていることを理解しつつ、自身の感じた世界をそのまま言葉にしていてとても良い。

「一本指を左右に振って、メトロノームを形造り、だんだんテンポを速めた。「だが、音はしない。形も見えない。空気が煮えたお湯みたいになって、ちりちり震えているみたい」」(p168)

さらに檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を読み始める。「狂人日記」の語りへの感受性をさらに深めてくれるようでとても面白い。

「実在を捉えることが哲学の企てであるとしても、変化しつづける実在はもとより記述不可能なのではないか。逆にいえば、それはいっさいの記号表現を逃れることにより、すぐれて実在として指示されるのではないか。しかしそうであれば、こうした実在の記述を可能にする直観の方法論とはどのように哲学の記述を構成しうるのか、これが問われることになるだろう。」(p13)

「私とは光が充ち溢れる実在のなかで、意識や記憶という特殊なリズムをもたらす屈折装置なのである。私は、流れである実在から独立することによって、その場が確保されるものではない。むしろ固有のリズムをもたらしながら自己の位相を織りなしていく、持続の一部とみなされるべきである。」(p20)

出て、作業部屋へ行きまたキャンバス1枚張る。

開店。小鉄君が来てくれて、「春とヒコーキ」のぐんぴぃのYouTubeが面白いという話。ぐんぴぃはブックオフで店長をしていたそうで、「アメトーーク」の読書芸人回でチュツオーラの「やし酒飲み」を推していたらしい。品出し、発送準備、書類作成など進める。昨日コピーしたチラシを裁断し、高松中心部以外の各所への発送準備。この日はまずまずやるべきことができた気がする。

今日はこれからまどと映画を見る。明日の夜は堀金君と打ち合わせ。

2023年11月22日水曜日

zoom鍋(2023年11月21~22日)

20日(月)夜

本を出荷し、お酒を買って、飲みながら深作欣二「狼と豚と人間」見る。事あるごとにひるがえる疑念、どこで誰が裏切るかわからない。ラストの展開には心の中で号泣。ムシャクシャした気持ちが吹き飛んだ。高倉健はもちろん、若い北大路欣也や中原早苗も良かったな。

前回の日記に書き忘れていたけれど、この日の朝にはLutz Mommartzというドイツの映画監督が撮った”Eizenbahn”という作品も見た。13分ほどの短いもので、電車の窓から見える風景を固定アングルでただずっと撮影している。一部編集してあるのだろうか。

帰宅。風呂に入り、少し本を読んで寝る。


21日(火)

朝8時頃に起きる。まどと外出し、店の入り口あたりをそうじ。エアコン室外機の裏あたりに、風で飛ばされた落ち葉やゴミなどがたまっていたのでかき出す。ぞうきんで室外機なども拭いておいた。南珈琲へ。階段にレコード寄席のチラシを貼っていただく。篠田浩一郎「形象と文明」続き読む。出て、宮脇書店で文庫や漫画など見る。まど漫画1冊購入。

この日はいろんなお店をまわりつつ、レコ寄席のチラシを置かせてもらった。チラシを置くといろんな人と少しずつ話ができていい。

ヤンフーでお昼ごはん。ラム肉のピタサンドとココナッツカレーを頼み、分け合って食べる。お腹いっぱい。この辺また子猫が増えた模様。コクアに行き、コーヒーを飲みつつ読書。平日にも関わらず、どんどんお客さんが来ていた。「形象と文明」読み終え、色川武大「狂人日記」続き読む。スケッチブックに絵を描く。コクアのテーブルの高さがちょうどよく、まどもとても気持ちよく作業できたようでうれしい。fragrant.でクッキー、茎で店入り口に飾るための花を買う。WAX GATE RECORDSへ行き、天草さんと少し話して、mashroomへ。ラテンもののスライドギターと、ドイツの男女混成コーラスグループのLPを購入。

帰宅、歩き回って疲れた。少し休む。洗濯。スーパーでビールやプリンなどを購入。帰って鍋の準備。この日は水炊き。まどがもらってきたゆずを使ってゆずぽんを作る。長野県の塩尻に住んでいる平間貴大と林香苗武とzoomで中継しながら鍋。向こうは豚キムチ鍋のようだ。2人は東京に住んでいた頃に知り合い、現在は長野のとあるワイナリーで働いている。ワインの保存は横向きと縦向きどっちが良いのか(所説あるようだ)という話から、絵の制作の話、BLの話までいろいろしゃべった。2人とも話しぶりにだいぶ落ち着きが出ていて、長野での生活も慣れてきたんだなと感じた。

鍋の後片付けをして、また映画。実相寺昭雄の初監督作「宵闇せまれば」見る。脚本は大島渚。エネルギーを持て余した若者グループが、ガスをアパートの一室に充満させて誰が一番堪えられるかというゲームをやりだす、という息苦しく予算のいらない設定。途中、俺たちの生はどうのこうの…という観念的な問答が始まる。こういうのはどうも苦手だ。ラストに流れる冬木透の音楽は良かった。


22日(水)

朝8時半頃に起きる。昨日食べ過ぎたからか寝つきが良くなく、たくさん寝たはずなのにまだ眠い。昨日の鍋の残りを温めて、キムチを足して朝ごはんのおかずにする。まどと昨日のこと、映画のなどいろいろしゃべる。外出。店のあたりまで来て、用意したお弁当を忘れていたことに気が付く。また帰って、自転車で再出発。ドラッグストア裏のあたりが駐輪禁止になっている。向かいの駐輪場だけだと明らかにスペースは足りないが…。

instagramを開くと、先日店でお話したお客さんからメッセージが届いており「お店大好きです」と書かれていてうれしくなる。少しずつこつこつやっていこうと思った(こういうことは何か嫌なことがあると一瞬でも忘れてしまったりするので、書いて残しておく。店を大切に思ってくれている人の存在を忘れてはいけない)。

開店。品出しなど進める。1940~50年代に出版された本を出したりした。この時代の本は面白いものが多いけど、終戦間もない頃で紙が悪くて、捨てられがち。たくさんある本を整理しようという時には、できるだけそのままにして一度見せていただけるとありがたい。徳島から高橋さんとPhil Booksさん来られる。ソレイユでアアルトの映画を見てきたそう。徳島市にあるミニシアターの情報を伺った。先週問い合わせのあった郵送買取の本が3箱届く。漫画の完結セットや歌集などが多くうれしい。査定してご連絡し、お振込み。夜にはルヌガンガ中村さん来てくれる。平尾君も来て、福岡に行った話などを聞いた。浜吉さんとも会ったようだ。

昼ご飯を食べながら、齋藤なずな「遡る石」を読んだ(読切。ネットで全部見れる)。とても良かった。

今日は閉店後に打ち合わせの予定が入っていたけど、なんとなく体調が悪く延期にさせてもらった。帰ってゆっくり休む。明日から4連休という人も多そう。

2023年11月20日月曜日

チラシ作業(2023年11月19~20日)

18日(土)夜

閉店後、昨日の夜行ったバーにマフラーを忘れてしまったので取りに行くと「一緒にいた方に渡しましたよ」と言われてしまう。おかしいなあと思って連絡してみると、持ち帰ってしまっていた模様。気になっていたDJイベントは疲れで行けずパスする。帰ってゆっくり風呂。多賀盛剛「幸せな日々」読み終える。まどが「詩集や歌集でおすすめのがあったら貸してほしい」と言ってくれて、北園克衛や石川美南など何冊か選ぶ。色川武大「狂人日記」少し読んで寝る。


19日(日)

朝8時前に起きる。ごはんを食べて洗濯物をたたむ。「狂人日記」続き。幻覚の描写が多い(作者自身の体験が元になっているのだろうか)が、自分を突き放すような醒めた文章で、引きずり込まれる感じはない。

外出。南へ行く。スケッチブックにドローイング、うまくいく。篠田浩一郎「形象と文明」、「狂人日記」続き読む。「形象と文明」の副題は「書くことの歴史」となっているけど、扱っている話題はかなり幅広い。スーパーで買い物をして、ルヌガンガで注文していたジャック・デリダ「動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある」を購入。哲学の本をここ1年くらいぼちぼち買っているが、それほど読めているとは言えない。

開店。この日は昨日より少し寒さもやわらぎ、お客さんが多い。皆さんけっこうじっくり棚を見て、買ってくださる。いろんな人が棚を静かに見ている空間が好きだ。品出し、発送準備進める。Syndicateでのグループ展に参加しているタムロさんが来てくれ、zineをいろいろと買ってくれた。とても楽しそうに商品の説明など聞いてくれてありがたい。夜は来月17日に予定しているイベント「レコード寄席」のチラシ用イラストを描く。デザインは不得意だ。なかなかうまく進まない。

本を買う快感と本を読む快感は別のものだ。また、売る快感、並べる快感などもある(「快感」は一部「苦痛」に置き換えてもいいかもしれない)。本に対してはたらく感覚にはいろんな種類があるなと思う。

閉店、本の出荷。チラシ作業の続きをやるためすぐに家に帰る。帰る途中、とある腹立たしい出来事を思い出しムシャクシャ。家に到着して、まどのMacを借りて作業。ストレスをネガティブに発散しても仕方がないので(と言いつつInstagramのストーリーに愚痴ってしまったが)、チラシの原稿が完成するまで寝ない!と決めて黙々作業。結果2時頃に完成。よかったよかった。


20日(月)

朝8時過ぎに起きる。昨日よりもさらに暖かい。朝ごはんを食べて「形象と文明」続き読む。お弁当を用意してまどと外出。店でPDFをプリントアウトし、コンビニでチラシを印刷。早速ルーツレコードさんへ持っていく。TraxmanのmixCDが安かったので購入。チラシを持って行くことにかこつけて買い物をしているようなところもあるな。

開店。この日は品出しはあまりせず、チラシの裁断作業やネット出品作業などを進める。SNSにレコード寄席の件を再告知。昨日SNSに投稿した文章がたくさん拡散されていた。バズというやつだ。たいていある程度膨らんでくると横槍を入れてくる人が出てくるので、ミュートする。

これから深作欣二の映画を見てストレスを吹き飛ばします。明日はチラシをいろんなお店に持って行く予定。

2023年11月18日土曜日

がやがや日記(2023年11月16~18日)

15日(水)夜

閉店後に絵を描くつもりが、ブログを書いたり帳簿付けをやったりで22時半まで残業。作業部屋へ行く。以前、完成したかなと思ったけど「いや、もう少し時間をおいてみよう」と保留にしていたキャンバスを見てみたら、やっぱり完成していた。同時並行で進めているキャンバスに少し手を加える。帰宅。篠田浩一郎「形象と文明」続き読む。密度の濃い内容で、なかなか読み進められない。

「(※ヴォリンガー曰く)ギリシア建築では石とともに、石によって人間はその言わんとするところを表現し、一方ゴシックでは、石にもかかわらずなのである。ゴシック式のカテドラルが表象するものは、「いわば石と化した垂直の運動であって、重量のいかなる法則も排除されているかに見える」」(p168)


16日(木)

朝9時に起きる。よく寝た。朝ごはんを食べて、コーヒー飲みつつ読書。お弁当を用意して外出。八百屋でみかんを買う。一袋200円、チョコやスナックを買って食べるよりよっぽど良さそう。

店に到着。開店までまだ少し時間があり、zineなどを置いている棚の改良をやる。一旦品物をどかして掃除し、おとといホームセンターで買った板を立てかけて少しの傾斜を作った。薄めの冊子への重力の負担が少し軽くなったらいいなと思う。

開店。通販や郵送買取、先日受けた取材、受託商品関連の連絡など進める。最近は16時を過ぎると急に日が傾いてくる。「アウトドア」をテーマに四国の様々な場所や人を紹介する「YON MAGAZINE」を品出し。まども漫画を描いている。宮脇さんも写真やエッセイで参加。東京から来られたお客さんと古本屋さんのお話。にこやかな方でこちらもうれしい気持ちになる。工芸高校美術科の生徒さんが冊子「F」の営業に来てくれる。見本誌を広げつつ見どころも紹介してくれて、ほっこりした。

閉店後に本を出荷して、デヴィッド・クローネンバーグ「ザ・ブルード 怒りのメタファー」見る。ラストに「えっ?」となってしまったけど、怪物登場のシーンの演出など良かった。見終えて小さなキャンバスを2枚並行して進める。いつの間にか1時近くになっていた。


17日(金)

朝9時前に起きる。朝ごはんを食べてシャワー。朝にシャワーを浴びたら体が疲れてしまうとわかってはいても、ついやってしまう。まどと一緒に部屋の掃除。コーヒー飲みつつ、多賀盛剛「幸せな日々」読み始める。タイトルはベケットからきているのだろうか。お弁当を用意して外出。八百屋でみかんと焼き芋を買って店へ。

開店。家から出た時には晴れ間がのぞいていたが、どんどん天気は悪くなり、雹まで降り始める。雨も強くなったり弱くなったりで安定しない。品出し、発送準備を進める。18時からまどに店番をしてもらう予定だったが、お客さんが来そうにないので早めの閉店にした。

店を閉めて、塩屋町のギャラリーSyndicateへ行く。Jackson Kakiさん、タムロ・ダベルさん、ギャラリーを運営するメンバーでもあるnoisy_eyeさんの3人によるグループ展「DREAMSTATE」はこの日が初日。到着するとちょうどアーティストトークが行われていた。高松市美術館の学芸員の方が司会をやっている。今回の展覧会は人間の行動に対してより干渉を強めつつあるオンライン社会と、それとともにある人間の身体性がテーマとなっている。アーティストの皆さんのお話どれも面白かった。

ルクスへ移動。この日は堀金君が主催のイベント。前売りは完売したそうでめでたい。初めて見たHchさんのライブもテクノ感ありかっこよく、ゲストのK-BOMBさんのライブではルクスによく来る服部さんがオフマイクで歌い始めて、デュエットみたいになっていたのも最高だった。いいイベントだった。

Syndicateの藤井さんに「齋藤さんもよかったら展覧会の飲み会合流しましょう」と言ってもらっていたので、連絡して混ぜてもらう。愛媛の四国中央市で芸術祭を企画しているという方もいて、去年第1回を開催した時の話がとても面白かった。


18日(土)

起きたら10時。どんどん起きる時間が遅くなっている。朝ごはん、洗濯。少し読書。外はひどく寒く、昼というのに昨日の深夜とたいして気温が変わらない。

開店。品出し、均一本の補充、発送準備など。店頭買取1件。この日はお客さんが多く、中俣さんや藤谷さん、アシュリー、栗金商店の2人など知人友人もけっこう来てくれた。後半は昨日の疲れが出た。

今日はこれからivoryさんのイベントに行きたいけど、かなり疲れている。どうしようか。

2023年11月15日水曜日

入口、プレイリスト(2023年11月13~15日)

12日(日)夜

閉店後に絵を描こうと思っていたけど、あまりに寒くすぐに帰宅。ロベール・ブレッソン「やさしい女」見る。原作はドストエフスキー。倒れるテーブル、不気味なベッドシーン、階段を駆け下りる速さ。英語字幕で一時停止しつつ見たけれど、いろいろ検索すると日本での上映を見て「字幕の文面が強烈だった」という人もいる。やはり一度は劇場で見たい。シャワーを浴びて寝る。


13日(月)

朝9時に起きる。朝早く起きて店のことをやろうと思っていたのに、寝坊してしまった。朝ごはんを食べて、お弁当を用意して出る。郵便局で本を発送し、100均でシャベルやバケツ、ゴム手袋を買う。店に戻り、入り口にひいてある段差緩和用の鉄板の下を掃除。鉄板を少しずらして、たまったごみや泥をシャベルでかき出しビニール袋に入れる。思ったよりも泥が多く、作業している様子も汚いので、明るいうちにやるのはやめにして閉店後にまわす。在庫整理作業をする。

開店。お客さんの入りはふつう。午前中降っていた雨はすぐに止んだ。均一本の補充、品出しなど進める。以前お預かりした本の査定金額が了承とれる。栃木に住んでいる佐藤拓人君の、コロナ禍にレコードにはまった様子を記録したzine "RECORD DENGON Diary"が届き、棚に出す。BGM用CDRとステッカー付き。最初はぼんやりとした「こういう音楽がいいな」という感じで買っていたのが、実際に自分の音楽知識を駆使して買っていく中で、だんだん輪郭を帯びてくる感じが読んでいて楽しい。

閉店後、鉄板下の掃除続き。カイロを背中に貼って作業。寒く暗い中やる泥のかき出し作業はわびしい。鉄板を動かすのを隣のれんげ料理店さんが手伝ってくれる。ありがたい。思ったよりも早く作業が終了。明日捨てる段ボールや粗大ごみを下におろして帰宅。シャワーを浴びて寝る。


14日(火)

朝7時に起きる。昨日買って結局食べなかったインスタントのスープ春雨で朝ごはん。早速外出して店へ。長すぎる材木を、電動のこぎりでゴミ出しできる長さにカット(早朝にすみません)。鉄板の代わりに設置するプラスチック製のスロープをボルトとナットで連結しておく。ネットで売れた本の発送準備も。朝からいろいろやった。南でまどと合流し、モーニング。青木淳悟「匿名芸術家」読み進める。

レンタカーを借りて出発。ゆめタウンで大量の段ボールを捨て、まどの仕事用パソコンを中古ショップで探す。何軒かまわるが、特にこれというのはなし。西村ジョイへ行き、zineコーナー用の板、灯油用のポリタンクなど買う。一旦家に行き、店にあったストーブなどをおろす。店へ行き、板をおろし、鉄板を乗せる。重い。プラスチック製スロープを設置。香西にあるリサイクル業者まで行き、粗大ゴミや鉄板を処分。3千円ちょい費用がかかるが、これを市の指定業者に頼んで店まで来てもらうと1万円以上かかるとのことだった。郷東の「ひさ枝」でうどん。天ぷらをおまけしてくれた。序盤から細々した用事をたくさん片づけた。

高速道路に乗り西へ。大野原で一般道へ降り、豊稔池ダムへと向かう。高松から1時間ちょいで着いた。このダムは大正時代に着工されて昭和初期に完成したもので、現存する日本最古の石積式マルチプルアーチダムとのこと。ブロックで作られていて、古代遺跡のような雰囲気。日が暮れる前に来れて良かった。山の紅葉や緑の匂いも気持ちがいい。

観音寺市街へ行き、喫茶店に入ろうとなるが2軒連続でふられてしまう。かろうじて開いていたカフェで休憩。下道で帰る。途中びんび三昧で夕ご飯。ぽかぽか温泉に行く。この日は人が少なくて良かった。テレビでやっていた前川清×純烈も良かった。

帰宅。大阪の古本市で買った今泉篤男「マチス」を読んで寝る。


15日(水)

朝8時前に起きる。料理。余りもの野菜とひき肉のオイスターソース炒め、小松菜のおひたしを作る。昨日ほとんど野菜を食べていなかったので、小松菜をたくさんゆでた。レンタカーを返して、銀行に入金。南へ行き読書。「匿名芸術家」読み終える。

早めに開店。店頭買取1件。品出し、発送準備進める。休み明けということもあり発送が多い。店頭のほうもけっこう買ってくださるお客さんが多かった。郵送買取の問い合わせも1件入る。夜になり栗金の2人が来てくれて、いろいろ話す。東京から来たというお客さんを連れて来てくれた。

寒くて気持ちがふさいでいたので、気分転換にSpotifyのプレイリストを作ってみました。50曲約3時間あります。
タイトルの「Egg Ham Night」というのは、こないだの大阪での個展で田窪さんに連れて行ってもらった居酒屋で食べたエッグハムの思い出が元になっています。ハムエッグを頼んだらハムが上の卵が下の状態で出てきて、もちろんハムエッグと味は全く変わらないんですが、2軒目の居酒屋でこれが出てきた時の見た目のインパクトが今でもかなり印象に残っていて、あったかい思い出として残っています。
でも、みんなそういうの一つはあるでしょ。「なんだったんだろあれ?でもいつでも思い出せば笑けてくるなぁ…(しみじみ)」みたいなやつ。そういうの増やしたいよね、音楽でもアートでも飲み会でもなんでも…という、そんなプレイリストです。
ジャンルはいろいろですが全体的にぼんやりとした雰囲気になっています。

今日はこれから絵をやる。

2023年11月12日日曜日

帰る場所(2023年11月11~12日)

10日(金)夜

ブログを書いたり、帳簿付けをしたりで少し遅れて閉店。本を発送。コンビニでビールと、「麻辣青豆」というグリーンピースを唐辛子と香椒で辛く味付けしたおつまみを買う。作業部屋で青木淳悟「匿名芸術家」読みつつ飲む。青豆が思ったよりも辛く、途中でギブアップ。キャンバス続きをやる。もう少しで完成しそうだけど、もう何回もやったタイプの絵のような気もしてきて、もどかしい。


11日(土)

朝8時前に起きる。朝ごはんを食べ、その後カンデラさんのドーナツとコーヒー。洗濯と掃除、洗い物。篠田浩一郎「形象と文明」続き読む。お弁当を用意して作業部屋へ。キャンバスを少し進める。

開店。この日はお客さんがとても多かった。先日届いた香山哲さんの「心のクウェート」と「すこし低い孤高」(こちらはラショウさんとの共著)を品出し。店頭買取2件。品出し、均一本の補充、在庫整理を進める。なかなか忙しいが、その分気持ちに張りも出る。

19時になり、まどと店番を交代。tooniceへライブイベントを見に行く。「壊れたホテル」の熊本さん企画のイベント。tooniceは9月ごろにスピーカーを新調したそうで、音がかなりクリアになっていたし、音量も大きかった。イベントは壊れたホテルとcowbellsのコラボも良い感じで、初めて見たJuri Suzueさんのライブも興味深く、taishijiのライブもかなり安定感が出ていて、ゲストの空間現代は圧巻だった。全体的に良かった。

ふらりと帰り、コンビニで買ったカップ麺を店で食べて、本を発送して帰る。シャワーを浴びて寝た。


12日(日)

朝8時に起きる。この日は2つはっきりとした夢を見た。1つは、世代も同じくらいで顔見知りのイラストレーターの人の家でなぜか目が覚め、「なんで自分はここにいるんですか?」と聞いて気まずい空気になる夢。もう1つは、ローカル線か何かから新幹線への乗り換えで急いでいて、東京行きに乗ろうとしていることに気が付いて「違う!香川だから逆だ!」となる夢だった。こないだは実家からほど近い駅(ほぼ野ざらしの無人駅だけど、夢の中では自動改札つきの駅舎があった)から歩いてどこかに向かおうとするが、どんどん日が暮れていく…という夢を見た。自分は駅が夢によく出てくる。どこかをさまよい歩く夢もよく見る。それと、最近は夢の中に出てくる「帰る場所」が、香川だったり東京だったり新潟だったりまちまちで面白い。自分が偏在していることに落ち着きを感じる身としては、なんとなくうれしい。

朝ごはんを食べ、たたききゅうりと卵焼きを作る。お弁当を用意して南へ。「形象と文明」続き。スーパーで食材や、この日のおかず用のコロッケを買う。ルヌガンガへ。気になっていたランビュール「作家の仕事部屋」を買う。まども興味あるとのことで、半額出してくれた。ちくま学芸文庫で出たデリダを注文する。

開店。開店早々、欧米からのお客さんが「写真集などはないか」と訪ねて来られる。いろいろ出して見てもらうが、結局昔の機関車を特集した雑誌などを購入していった。当初の狙いとはずれてしまったのかもしれないけど、店としては本棚から面白い提案ができたのかなとも思えて、うれしくなった。しかしその後は寒さもあってか客足はいまいち。在庫の整理やネット出品などを進めていく。閉店間際に北浜プラトーでの土曜社FAIRを終えた鶴崎さんが来店。少しお話する。鶴崎さんが福を運んできたようでその後なぜか立て続けにお客さんが来られ、売り上げはなんとかなった。

今日はこれから絵を描く。

2023年11月10日金曜日

物騒な日(2023年11月09~10日)

08日(水)夜

閉店後、本の出荷。篠田浩一郎「形象と文明」続き読む。

「デリダは、「言語(ラング)には差異しかない」というソシュールのテーゼ、つまり、差異によって成り立っているにすぎないシステムこそ言語そのものであるというテーゼを解釈しなおし、この差異を痕跡(トラース)(線や図形に引かれたり、彫まれたりしたもの)と取りなおすことによって「エクリチュールの新しい概念」を試みているのである。」(p70)

キャンバスの続き。引き続き小さいサイズのキャンバスを進める。良い具合になりそう。


09日(木)

朝7時半ごろに起きる。朝ごはんを食べながらケリー・ライカート「オールド・ジョイ」見る。ストーリーは男二人が車で山奥の温泉へ行くだけではあるけど、登場人物の細かい感情の揺れがなんともいい。静かだけどどこかヒリヒリしている。

まどと外出し、南へ行く。「形象と文明」続き読む。スケッチブック描くが、この日はあまりうまくいかず。青木淳悟「匿名芸術家」読み始める。自分だけ出て、レターパックや消耗品の買い出し。店に行って在庫整理少しやる。

開店。お客さんは少なめ。いつもは開店直後の来店が多いが、最近はそうでもなくなってきている気がする。日が暮れてからお客さんの入りが増えた。品出し、発送準備進める。エッセイスト高田さんの「FANDOM MOVIE NOTES」棚に出す。ヴァルダ、サタジット・レイ、市川崑、ホン・サンス、ロメール、トリュフォー、ホークス、小津などいろいろ。閉店間際、高知から仕事で来たというお客さんがいらっしゃり、最近できたお店の情報などを教えていただく。

閉店後、時宅で安岐さん、鶴崎さん、まどと飲みつつしゃべる。安岐さん今度尾道へ行くらしい。鶴崎さんの話すテンポが漫画そのままでうれしくなる。


10日(金)

朝9時に起きる。外は雨。早朝、店の近くにある中央公園にイノシシが出没したらしい。朝ごはんはパン。サバの煮つけ、さつまいものサラダを作る。料理の途中、震度2の地震。不穏だ。シャワーを浴び、「匿名芸術家」少し読む。次の定休日に車を出すことにして、レンタカーを予約。

開店。火災保険の業者さんが来て、口座引き落としの手続きをする。店頭買取1件。ほかお預かりしていた分の査定1件完了。品出し、在庫整理など進める。夜になってカンデラさんが来て、少し話した。「買い取りで本を持って来られたお客さんが、ゆめタウンのあたりでタクシーが中央分離帯に突っ込んでたよと言ってて…」と言うと、カンデラさん「それは見なかったけど、違う場所で別の事故が起こってましたよ」とのこと。何かと物騒だ。

今日はこれからもう少し在庫整理の作業をして、絵の続き。

2023年11月8日水曜日

近所を楽しむ(2023年11月07~08日)

06日(月)夜

閉店後、本の出荷。お酒飲みつつ、黒沢清「蜘蛛の瞳」見る。「蛇の道」に続き哀川翔が新島という役名で出ているが、「蛇の道」とはかなり違う雰囲気の映画で、「ニンゲン合格」「カリスマ」などに近い作風だった。見終えてキャンバス進める。やっているうちにいい具合になり、完成までいった。1時過ぎに作業終了し帰宅。


07日(火)

朝8時に起きる。この日は女木島でデイキャンプをする予定だったけど、昨日の夜から雨が降って地面が濡れてそうだし、風も強いしで中止。近場で過ごすことにする。

近くのクラフトビールスタンド「とりかご」さんにて週に一度喫茶営業をされている方がいるとの情報をInstagramで見たので、行ってみようかとなる。到着するとちょうどゆかちゃんがいて、しばらくして竹森もやってきた。ホットコーヒーとはちみつトーストを食べる。おいしい。

瓦町駅からことでんに乗り、仏生山温泉へ向かう。温泉へ入っているうちにお昼時になりそうだったので、初めて「宮武うどん」に入ってみる。きれいにそうじされていることがわかる店内で、とても落ち着く。かけ大といそべ天。おいしい。麺の食感が独特だった。温泉はいつもより長めに入り、ロビーで小島信夫「ハッピネス」読み終える。近くのブックオフに寄ってみると、トーマス・ベルンハルトが2冊もあった。他にも良い感じの海外文学が何冊かあったが、今回はベルンハルト「昏乱」を選ぶ。ほか110円均一から川端康成「水晶幻想/禽獣」(講談社文芸文庫)、ちくま日本文学の織田作之助を購入。

商店街へと戻り、ドトールで少し休憩。片原町駅でアシュリーと待ち合わせ、3人で北浜プラトーへと歩く。アシュリーは最近CDをウォークマンで聞いているらしい。「俺はカセットとかも聞いてるよ」と言うと、驚いていた。彼女は自分より20歳ほど若いが、なんだかこういう違いが面白い。プラトーでは東京のひとり出版社「土曜社」のポップアップが開催されていて、本の購入はもちろんのこと、本の内容に関連したワークショップや展示も行われている。ちょうど「私のアルバイト放浪記」(傑作)の作者、鶴崎いづみさんも東京から来ていていろいろお話。鶴崎さんは土曜社で働いている。2階に安岐さんがいた。4人で近況報告などいろいろ。プラトーは公に告知している以外にもいろんな人が集まって交流が生まれているようだ。

出て、3人で近くの居酒屋「鳥源」へ行く。5年ぶりくらいに来たのでは。突き出しのおでん、骨付き鶏、タコぶつ、ポテサラ、あさりバター、オニオンスライスとたくさん食べて飲んだ。さらにライオン通りに入り、まどが家に戻って、アシュリーと「カンクン」で飲む。制作のこと、大阪での展覧会のことなどいろいろ話した。カンクンは店内もマスターの雰囲気もゆったりしていてとても好きだ。また来たい。

帰宅。アキ・カウリスマキ「真夜中の虹」見る。カウリスマキの映画は構造やテンポがけっこう似ていたりするけど安心して見れる。この日は23時ごろに早めに寝た。


08日(水)

朝8時前に起きる。外の空気が冷たい。朝ごはんはパン。柿も食べる。まどと一緒に料理。白菜の浅漬け、牛肉のにんにく醤油和え、根菜とインゲンの煮物を作る。洗濯、そうじ。篠田浩一郎「形象と文明 書くことの歴史」読み始める。序盤は他の本で読んだことのある気がするトピックが多いが、おさらいにいいと思って読み進める。

外出。店の近くにある八百屋へ行くと、物にもよるが野菜の値段はスーパーのおよそ半額だった。しばらくはここで買うようにしよう。店で少し在庫整理。

開店。発送準備など進める。この日はお客さんそこそこ多く、皆さんけっこう買っていってくれた。まどかさんが来て映画の話をし、大三君が来て香港へ行った話を聞き(香港とても面白そうだ)、栗金商店の2人が来て吉増剛造の話をしたり、友達といろんな話をしつつも作業もそれなりに進んで楽しい一日。

これから少し本を読んで、キャンバスの続き。

2023年11月6日月曜日

個展が終わって(2023年11月04~06日)

03日(金・祝)夜

閉店後、まどと合流して栗林駅近くの「夜仲そば」へ行く。この辺にラーメン屋があまりないからか、栗林民らしき人々が続々とやってくる。醬油ラーメンを頼む。濁りのある変わったスープだった。少し甘みも感じる。

コープでアイスを買って帰る。セベロ・サルドゥイ「コブラ」読み始める。サルドゥイはキューバに生まれ、フランスで活動した小説家。この本以外にも2冊ほど翻訳されているようだ。かなり晦渋な文章で、ドノソを思い出すけど東洋思想への傾倒が感じられる。

この日来られた、すぐ近くに住んでいるというお客さんに「買い取りもやってます」と伝えると、びっくりしていた。まだまだ古本屋が視界に入っても家にある本を売ろうとなる人は少ないようだ。こちらからもっと発信していかないとな。


04日(土)

朝9時に起きる。遅刻する夢を見て気分が良くない。お弁当を用意して外出。ぱらいそさんへ行き、まどの誕生日をお祝い。誕生日はとうに過ぎているけど(10月26日)、ぱらいそさんの開店時間とyomsの店番との兼ね合いが難しく、この日になった。並んでいる間「コブラ」続き読む。バナナのパフェとラ・フランスのタルトを分け合って食べた。どちらもとてもおいしい。まどが「この辺はいいお店が多いから、雑誌やテレビももっと取り上げたほうがいい」と言っている。確かにそうかも。

開店。店頭買取2件。この日もお客さんが多い。品出し進める。夕方以降、客足がぱたりと途絶えてしまった。なんとなく気分がだれるが少しずつ品出し。

閉店後、マルナカでビールを買ってWAX GATE RECORDSの2階に行く。この日は店長の天草さんと、ぱらいその大津さんによるパンク/ニューウェーブのDJイベントが行われていた。デケデケのニューウェーブをこんな大音量で聞いたのは初めてかもしれない。大津さんはNo New YorkやIndustrial Recordsのコンピなどもかけていた。

離脱して、作業部屋でキャンバスの続き。帰ってシャワー、寝る。


05日(日)

朝8時に起きる。朝から既に疲れていて、気分がだるい。朝ごはんを食べて、お弁当の用意。小島信夫「ハッピネス」読み始める。スケッチブックに少しドローイング。

この日は前半少しまど店番。ソレイユで「エドワード・ヤンの恋愛時代」見る。細かいユーモアや構図の妙…しゃれている。作業部屋へ行き、キャンバスの続き。さっきスケッチブックに描いたドローイングの線を乗せてみる。先に進んできた。

まどと店番交代。品出しなど進める。棚もまあまあいっぱいになってきて、売れてほしいところ。なんとなく楽天tvのサイトを見てみたら、ルチオ・フルチやマリオ・バーヴァなどイタリアンホラーが充実していた。サミュエル・フラー「裸のキッス」「ショック集団」、タル・ベーラもいろいろある。

閉店後、キャンバスの続き。絵が進んでいるという実感はそのまま自分の前向きな感情につながる。今進めている絵はどうやらうまくまとまりそう。

大阪の個展がこの日に終了。結局最終日にはギャラリー行けず、搬出もPOLの田窪さんにやってもらうことになった。2月に参加したSyndicateでのグループ展、6月のVoidでの個展に続いて、空間に絵と言葉を並列して展示するには…という内容になり、結果今回が一番うまくいったんじゃないかと思う。文章をプリントした紙をピン留めするという簡単な方法になったけど、いわゆる美術展ではたいていカッティングシートを使っていてこういうやり方は見ないし、A4という規格サイズの矩形を文章に与えるのも、一番自然かもしれない。一度とことんはちゃめちゃにした展示もやってみたいけど、それはまた今度。

今回の個展とは無関係に、常日頃から思っていることだけど、モノとしての「絵」と「展覧会」という出来事があまりにも強く結びつきすぎているな、と感じることがある。「モノとしての絵画があるからこそ充実した空間になっていて、かつ展覧会とは決して呼べない出来事」にはどんなものがあるだろう。

家に帰って、風呂にゆっくりつかる。最近日記にも「疲れた」とか「やる気が出ない」とかばかり書いている気がするので、しっかりと養生しなければいけない。ネガティブな言葉を発するのは癖になりがちだ。「ハッピネス」続き読んで寝る。


06日(月)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べ、お弁当の用意をしてまどと南へ。読書続き、スケッチブックにドローイング。最近スケッチブックの調子がいい。作業部屋に戻って、明日のデイキャンプの準備。テントなどをザックに詰める。少しネット出品作業。開店前に少しだけでも進めるとなんだかいい気分。

開店。外は雨が降ったり止んだりの不安定な天気。品出しや均一本の補充、発送準備をする。店頭買取1件、以前お預かりした分の支払い1件。さらに段ボール3箱来る。ありがたい。夜には上海からだという若い中国人女性と、日本人の年配の男性が来られる。2人は居酒屋でたまたま知り合い、女性は川端康成の「古都」を探していて、ここを案内したんだ、と男性。「古都」は在庫がなかったけど、つたない英語でやり取りし、2冊ほど買ってもらえた。女性はしゃべるのがかなり早く、なんとなく意味はわかるものの(こちらがわかってなくても、察して流してくれた)なかなか返せず。英語うまくなりたいが、どうしたもんか。英語字幕つきでいろんな国の映画を一時停止しつつ見るとかどうだろうか。だめかな。

今日はこれから映画を1本見て、絵の続き。

2023年11月3日金曜日

違う厳しさ(2023年11月02~03日)

01日(水)夜

閉店後、イングマール・ベルイマン「冬の光」見る。その後キャンバスの続き。家に帰ってシャワーを浴び、徳田秋声「黴」(岩波文庫)少し読んで寝る。


02日(木)

朝8時半に起きる。朝ごはんを食べてまどと南珈琲へ。「黴」読み終える。何かのアンケートで古井由吉が講談社文芸文庫の中で好きなのは徳田秋声の「黴|爛」、と答えていた。確かに秋声のひらひらとした描写の美しさは古井由吉作品にも感じる(なんともぼんやりとした感想)。作業部屋でキャンバス進める。最近は抽象的な作風の絵を多く作っているのもあってか、少し手を加えただけでガラッと絵全体のバランスが変わる時があり、面白い。

開店。この日は天気は良かったものの、お客さんは少なかった。アシュリーが来てくれて、何冊か買ってくれた。

閉店後、本を発送。お酒を飲みつつ、藤原辰史「植物考」読み始める。その後、作業部屋でレコード聞きながらキャンバスをやる。ハードオフで300円くらいで買ったレコードが良い内容だとうれしい(大量のかぐや姫や松山千春をかきわけないといけないのは面倒くさい)。

(↓以下はこの日の夜にinstagramへ投稿した文章の一部)

2014年に、東京・阿佐ヶ谷の区民センター的なところで「絵画サークル展」という展覧会をやった。自分の他に6人の架空の人物をでっち上げ、メンバー7人のサークルとして行った個展。
この時は「いわゆるアートの場所と離れたなんでもないところに身を置いてみたい」という気持ちがあった。案の定、「ごめん、全然わかんないわ笑」と言いながら去っていくおばさんなどが来る。会期中はこういう良い緊張感をずっと感じていた。
しかし、会期が終わるとまたいつもの絵描きが身の回りにたくさんいる日常へ戻り、「こんなおばさんがいたんだよね」という「みやげ話」をすることになる。この時点で、最初やりたかったことは変質している。
結局、共通理解の持てるかわからない人たちのもとへ自分の絵を差し出す緊張感を、会期後も持続させることはできなかった。その頃は自分が「画家」でいることしかできなかったから当然だ。

こないだ、近所にある飲食店がこっそり別の場所でいつもと違う感じのメニューと雰囲気で営業するという情報を見て、行ってみた。到着すると、近所のまた別の飲食店の方もいて、みんなで飲みながらわいわい話した。
ふと「飲食や小売をやっている人と話してると、自意識との付き合い方がアーティストよりもよっぽどアーティスティックに感じることが多いな」と思った。
表現を自分の中心に置いている人間が行き交う世界は、自意識を振り回すことや容赦ない批判を交わすことも織り込み済みになっていたりするけど、そこから出ると「割とおかしなところにいたもんだな…」とも思ったりする。
店がそれを公然とやっていたらすぐにつぶれてしまうので、また違う厳しさがある。できるだけスマートにやらなければいけない。


03日(金・祝)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べてシャワー。コーヒー飲みながら読書、「植物考」読み終える。本棚から次に読む本を選ぶ。この時間がいつも楽しい。洗濯物を畳んでお弁当の用意。

開店。3連休初日ということもあり、県外かららしきお客さんも多い。先日行われた「うだつの上がる古本市」での出店でyomsを知ったというお客さんも来られ、うれしい気持ちになる。この日は久々にアルバイト用の本の準備を進めた。品出しもやる。観光シーズンはさっと見ていくだけとか店の前で記念写真を撮っていくだけの人も増えるが、やはり見るからに「買いに来ました」という雰囲気が出ている人も来るので、最終的な売り上げが良ければまあいいか、という感じ。

これからまどと、栗林駅の近くにある「夜仲そば」に行ってみようと思う。

2023年11月1日水曜日

うろうろ日記(2023年10月29日~11月01日)

28日(土)夜

閉店後、本の出荷。スーパーで安くなっていたコロッケと缶チューハイを買い、飲みながらベルナルド・ベルトルッチ「殺し」見る。ベルトルッチの監督第一作で、原案はパゾリーニ。思ったよりも静かな映画だった。夜の公園の淡々とした寂しさがいい。音楽も良かった。

12月17日に企画する、田口史人さんのレコード寄席をSNSに告知する。今回は「谷川俊太郎と詩人のレコード」編とのことで、いろんな人が来てくれそうだし、自分も聞くのが楽しみだ。忘年会など年末のスケジュールが立て込む前に、早めに告知しておいた。

結局キャンバスの続きはできず、帰って寝る。


29日(日)

朝9時に起きる。最近たくさん寝てしまうな。朝ごはんを食べ、お弁当の用意や洗濯、洗い物など。外出して、スーパーや100均で消耗品の買い出し。できるだけお札を崩し、小銭を作る。

開店。レジスペース内に本がたまってきたので、どんどん品出しを進める。急に冷え込んだからかお客さんは少なめ。夜になって生物さんとまみさん来る。まみさんのフリーペーパー「自然観察新聞」最新号のタネ特集を受け取る。その後堀金君来てくれて、大阪での話など。

閉店のタイミングでまどが来て合流、北浜へと歩いて向かう。商店街はハロウィンのコスプレをした若者が多い。ライオン通りは日曜でキャバクラ等が休みのためか、人は少なめ。いつも通り過ぎていた角の中華まん屋で肉まんを買ってみる。具だくさんでおいしかった。自分でかけるたれ(黒酢?)もいい感じだった。

北浜プラトーに到着。この日はうちの近所にある某店がこっそりと間借り営業をしていて、お邪魔してみた。食べ物は残念ながらなくなってしまってたけど、普段お店にないメニューを作っていたようだ。あまり見たことのないウイスキーで作ったハイボールや、ワインなど飲む。時宅のモモさんや、RNCラジオの出石さん(4年ぶりくらいに会った)もいて、たくさんお話できて楽しかった。

23時くらいに出て、商店街のほうへと向かう。片原町駅近くに丸々とした体の人懐こい白黒猫たちがいて、なでる。まどがうれしそう。

まどと別れて、燦庫へ行く。この日はヒップホップのイベントで、兵庫のMP5というユニットがゲストで出ていた。結局思ったより知り合いは多かったけど、普段そんなに行かないジャンルのイベントに行ってみるのも楽しいなと思った。


30日(月)

朝9時に起きる。重度のナルコレプシーで人生に困難が続く、という夢を見た。確かに最近やたらと眠い気がする。シャワーを浴びて朝ごはんを食べる。徳田秋声「黴」読み始める。

外出、スーパーで買い物をして店へ。開店。この日も品出しをどんどん進めていく。店頭買取1件。15時半より広告系の会社の取材。インタビューと写真撮影。小さな店舗紹介記事とのことだけど、棚の本も丁寧に見てくださり、チャイも頼んでいただいたりとうれしかった。インタビュアーの若い男性はゆくゆくはコピーライターを目指していて、詩にも興味があるとのことで、12月のレコード寄席の件を伝える。ハップさんがチラシを持ってきてくれたり(馬場正道さんのインドネシアSP盤コンピCDも持ってきてもらい購入)、馬場君やカンデラさん、ジュノ君が久しぶりに来てくれたりと、この日も楽しかった。

閉店後、少しずつレコードを聴きながらキャンバスを進める。3号くらいの小さなキャンバスは大きいサイズよりも細かいところに分け入ってバランスをとるようなことがやりづらく、難しさを感じる。今までとまた少し違う方向性に行きたい。


31日(火)

朝9時に起きる。朝ごはんを食べて料理。豚の生姜焼き、豆苗ともやしのナムル、卵焼きを作る。スーパーで買い物。お弁当をまとめる。

外出。岩瀬尾八幡の脇から峰山公園に向かって登っていく。たくさんの木が紅葉している。久しぶりに登るとけっこう疲れるな。30分ほど歩いて頂上の公園へ到着。数組のファミリーが遊んでいる中、テーブルのあるベンチに一人座ってお弁当。ぼーっとしていると気分が落ち着いてきてとてもいい感じだ。食べ終えてスケッチブックにドローイング数枚描く。

峰山公園のすぐそばにある「峰山往来文庫」へ初めて行く。こちらは少しの入場料を支払うって中にある古本を読んだり、公園に持ち出すこともできる。購入も可能。コーヒーを頼んで「カルロ・スカルパ 建築の詩人」をじっくり読む。心が洗われる。いつかイタリアでスカルパの建築を巡ってみたい。

下山して、銀行をまわる。ビールとポテトチップスを買って、作業部屋で飲みながらジャン=リュック・ゴダール「女と男のいる舗道」見る。見終わった後で調べてみると、アドリブ的な対話を使っていたり、オフショット部分をあえて使ったりしているようだ。お弁当も食べる。

久々にWAX GATE RECORDさんへ行き、勘でフォークのレコードを買う。使用楽器を見ているとアイリッシュハープ、ダルシマー、タブラなどいろんな国のものが使われていて、気になった。今週末はお店の2階でパンク/ニューウェーブのDJイベントを開催するそう。2階の部屋は防音仕様になっているらしい。

商店街はかなりの数の若者が仮装して歩いている。最初はうるさくて嫌だなと思っていたけど、自分も若者たちに混じって歩いていたらみんなの溌剌とした表情に泣けてきた。南珈琲に入って、「黴」続き読む。かたやハロウィン、かたや黴…。

キャンバスの続き。さっき買ったレコードを聞いてみたら、アシッドフォーク、カントリー、アイリッシュなど想像した通りの多彩な内容でよかった。1枚キャンバス完成。少し新しいことを試したらうまくいったので、この路線でもう少し試してみよう。

ルクスに行くと、ivoryさんや堀金君もいて、4人でいろいろ話す。4人とも高松で音楽イベントの企画を経験していると考えると、やろうとしている人はけっこう多いようにも感じる。こんなことやったら楽しいんじゃないかとかああだこうだ言って、楽しかった。


01日(水)

朝7時半に起きる。朝ごはん、シャワー。豚しゃぶと卵焼きを作り、お弁当を用意。

まどと外出。高松市美術館で「20世紀美術の冒険者たち」見る。国立近代美術館のコレクションからの、国内外の作家の作品で構成された展覧会。ヴラマンクなどが印象に残る。1階でやっていた川島猛展も良かった。

開店。品出し、査定など進める。小鉄君や宮脇さん来てくれる。最近友人知人がよく来てくれてうれしい。小鉄君とキップ・ハンラハンやTZADIKの話などをした。査定完了し連絡。その他、受託商品関連の連絡などをする。文化の日まわりはたいてい店の売り上げが良いが、今週末はどんな感じになるだろう。

今日はこれから映画を1本見る。

2023年10月28日土曜日

志賀(2023年10月27~28日)

26日(木)夜

22時過ぎまで残業。疲れ果てて帰り、ダラダラしてシャワー浴びて寝る。


27日(金)

朝8時半に起きる。実家から送ってもらった柿を食べる。ちょうど食べごろで、甘くておいしい。お弁当を用意する。

外出し、南でモーニング。谷川正己「フランク・ロイド・ライト」読み終える。モノクロだけど図版も豊富に掲載されていて良い本だ。スケッチブックにドローイング1枚描く。レターパックを買い足し、ルヌガンガに行って柿をおすそ分けする。

昨日お預かりした本を整理し、この日も1時間弱ほど早く開店。郵送買取の本の査定を中心に作業を進め、少し品出しもやる。郵送買取を依頼される方は本にある種の傾向がうかがえることが多いが、今回の方は洋書の歴史関係やジュエリーデザインなどの本がたくさんあり、かなり興味深い内容だった。昼過ぎににわか雨が降り「もう今日はだめかな」となるが、夜に客足は回復。こないだ来てくれた中国人観光客の人がまた来てくれた。高松に長く滞在しているようだ。

閉店後、個人的に相談があるとの連絡をもらい電話でいろいろお話する。どうなるだろうか。その後ルクスへ行きまいちゃんと話す。まいちゃんは明日の早朝に関西へ行き、芦屋のあたりで開催されるパーティーでDJするそうだ。「祐平さんの個展も行きたいです」と言ってくれるが、行ってくれるのかな。


28日(土)

朝8時前に起きる。朝ごはんを食べ、シャワーを浴びる。洗い物をしてコーヒー。先月に読み終えた後藤明生「小説 いかに読み、いかに書くか」の志賀直哉の章をおさらい。なんとなく以下の部分は日記文学について考える材料にもなりそうだ。書き手の視点の絶対性を肯定する態度というか…。

「即物主義とは、ごく常識的に言えば、心理とか感想とかいう形のないもの、見えない世界を、目に見える物体、行動に「異化」する方法だろう。その反対が、作者および作中人物の心理、感情などを通して事物、人物を描写する「感情移入」の方法だと思うが、志賀作品の方法は、そのどちらでもない。(略)「自分」の裸眼による「直写」と、そのあとに続く「自分」の感想、心理という組合せである。」(p72)

「志賀直哉が「拒絶」したものは「自分の資質にあわない文学」だけでなく、一切の「他者」ではなかったか、ということである。(略)他者から見られることを拒絶することであり、他者から解釈されることを拒絶することである。いい換えれば、見るのは「自分」だけであって、「自分」はけっして他者の目からは見られない。(略)つまりそこには、「見る←→見られる」という、他者との関係が成立しない。その成立を許さない。「見る←→見られる」という他者との関係を拒絶するのが、志賀直哉の「直写」ということなのである。」(p76-77)

外出。作業部屋でキャンバスに絵を描く。3号のキャンバスに手を付けるが、小さい分細かいところを調整して工夫していくやり方がとりづらい。今の自分には10~15号くらいのサイズがちょうどいいようだ。

少し早めに開店。この日は店頭買取が4件と多かった。ここ最近店を閉めがちだったせいかもしれないが。先日届いた郵送買取の本も、査定金額の了承が取れてお振込み。お客さんは開店してすぐは少なかったけど、夕方以降回復。15~17時くらいはたいてい来客が少ないが、この日は特にそういったことはなく、おおむね時間が遅くなるにつれてお客さんが増えた。

漫画家の奥田亜紀子さんとSNSで少しやり取り。奥田さんはなぜかYOMSと、自分とまどの個人アカウントまでフォローしてくださっているが、お会いしたことはない。しかし自分は以前に「ぷらせぼくらぶ」(旧版)も「心臓」も読んでいて、いい作品だなと思っていた。とてもうれしい。奥田さんは「ぷらせぼくらぶ」の新装版が出たこともあり、いろんなところで展示などをやっている。今日やり取りしたらキャラクターが出てこない一枚絵も描いたことがあるとのことで、とても気になる。いつか見てみたい。

ここ3日ほど仕事をがんばったので、今日はこれからお酒を飲みつつ映画を見る。余裕があればその後キャンバスの続き。

2023年10月26日木曜日

どんな店(2023年10月24~26日)

23日(月)夜

閉店後、エリック・ロメール「飛行士の妻」見る。公園での写真のくだりが長々と続いた後、口論のシーンになり雰囲気ががらっと変わるが、どちらも「映画が成立してしまうこと」について考えさせられる。見終わって帰宅。シャワーを浴びて寝る。


24日(火)

朝8時前に起きる。ごはんを食べて、スーパーで買い物。帰って読書。アンドレ・ブルトン「ナジャ」読み終え、谷川正己「フランク・ロイド・ライト」読み始める。昼ご飯は青梗菜、エリンギ、ベーコンのパスタ。にんにくと唐辛子を効かせすぎた。念入りに歯を磨く。

外出。瓦町駅でアシュリーと待ち合わせる。アシュリーは高校生の時からyomsに来てくれていて、現在は通っている美大を休学中で12月まで高松にいる。その後インドへ行くらしい。ヒマらしいのでこの機会にSyndicateへ見学に行こうと誘った。茎に少し寄ってからSyndicateへ行くと、ちょうど藤井さんも着いたところで、ギャラリー部分とアトリエ部分と見せてもらう。来月予定しているグループ展面白そうだ。同じビルの別の部屋をジュノ君も借り始めたらしい。見学後に喫茶店へ移動し、3人でいろいろ話す。アシュリーはやりたいことがたくさんあるようでエネルギーがすごい。今までは彼女を「学生」というカテゴリの中で見ていたような気がするけど、この日は一人の友人として会話できたことがうれしかったし、時の流れを感じる。

解散して、店へ行って発送作業。帰って料理。鯖の塩焼き、にんじんとじゃがいものきんぴら、青梗菜と卵の炒め、味噌汁(もやし、大根、油揚げ、小ねぎ)を作る。晩ごはんを食べ終えてビール。読書続き。ライトの、1970年代に作られたのかなという外観の建築が1909年のもので驚く。

もう一度作業部屋へ。一旦完成させたものの個展には出さなかったキャンバスを改良。ガッシュを塗っていた紙を板パネルに貼ってみる。

帰宅。シャワー浴びて、TSUTAYAの宅配レンタルでCDやDVDを注文。1時半ごろに寝る。


25日(水)

朝9時に起きる。寝すぎた。朝ごはんを食べ、お弁当を用意してまどと外出、ドトールでコーヒー買って公園に行く。着信があり、10時半からインタビューが入っていたことに気が付き青ざめる。個展が始まって完全に気が抜けていた。急いで店に戻り、インタビュー。大学生の皆さん親切で、落ち着いている。マーケティングがテーマのゼミとのことだったけど、参考になったのだろうか。

開店。この日は久々にアルバイトの人が来てくれることになっていたので、階段や作業部屋のそうじをする。店頭買取2件。うち1件は岡山からで、展覧会図録など売ってくださる。ありがたい。関東からの郵送買取の件で、段ボール3箱届く。先日お預かりした分の支払いが1件。アルバイトMさん来てくれて作業。この日はなぜかお客さんが多かった。品出し、均一本の補充、発送準備を進める。1時間ほど残業して査定続き。

閉店。本を発送して帰宅。疲れた。シャワーを浴びて、少し読書。12時過ぎに寝た。


26日(木)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べつつ、アマプラで配信終了間近になっていた川島雄三「わが町」見る。原作は織田作之助。辰巳柳太郎演じる主人公の父親は家父長制の染みついたいかにもマッチョな人物で、親子参観の授業中自分の娘に「この子、足らんのかいな」とぼやくところなど本当にひどいが、終盤しっかりと痛い目にあう。まどがアシスタントの出勤簿を提出しなければならないようで、出勤時間の計算を手伝う。なぜか合わない。そしてこの日はまどの誕生日だったことを思い出す(二人とも忘れていた)。今度ぱらいそさんへパフェを食べに行こうとなった。

1時間ほど早く開店。昨日の売り上げ分の帳簿付けをやり、品出しや受託商品の作業を進める。やっとよしのももこさんの新刊と、taishijiのCDアルバムを店頭に出せた。平尾君来てくれていろいろ話す。福岡へ行くらしい。この日の買い取りは店頭で段ボール2箱分のかなりありがたい内容のものが1件。また以前お預かりした分の支払いが1件あり、同じ方からまた段ボール4箱。最近にわかに買い取りが増えてきている。どんどんやっていかないといけない。売れてくれ。明日は郵送買取3箱の査定を終わらせてしまおう。

こないだ、ふと「気高さ、ままならなさ、ユーモアが一体になったような店になったらいいな」と思った。「気高さ」は「品の良さ」と言い換えても良いかとも思ったけど、きれいとは言えない空間で不愛想な店主がやっていても良い店というのはあるし、「気高さ」が適当かなと思う。昨日午前中にインタビューしてくれた学生のいるゼミはマーケティングがテーマとのことだったけど、戦略よりも試行錯誤を繰り返す中で出てくる人間臭い部分が気になる。そのためにはやはりある程度の年数店を続けていかなければいけない。

今日も少し残業。絵を描きたいけど、時間はあるかな。

2023年10月23日月曜日

大阪滞在記(2023年10月20~23日)

19日(木)夜

家に帰って、シャワー浴びて洗い物をし、着替えなどを準備する。早く寝ようと思っていたけど、なんだかんだ12時半くらいまで起きる。まどはマンガが忙しくなってきているようで、かなり遅くまで作業していた。


20日(金)

朝7時に起きる。着替えて、まどと南珈琲へ。まどはいろいろ疑問に思うことがたまっていて、話を聞く。マンガも忙しいのに大変だ。

コンビニでお茶を買い、フットバスに乗って大阪へ。車中、展示に使う文章に修正が必要かギリギリまで考えるが、このままにしようとなる。大阿久佳乃「じたばたするもの」読み終える。金関丈夫の名前が出てきて驚く。法政大学出版局から出ている金関の諸作は何冊か自分も好きで読んでいたけど、大阿久さんの興味を引いたアメリカ文学研究者としての著作はほとんど読んできていない。注意して探してみよう。田中菫さんの「MILKDISH」を読み始める。yomsに来てくれたことも少し書かれていてうれしくなる。菫さんの「つくること」についての考えが揺れ動くさまはとても良い。その様子について、改めて文章に書きたいとも思う。

道路混雑のため、20分ほど遅れて大阪駅に到着。そろそろ11月というのに、なんだか蒸し暑い。東梅田から谷町六丁目へと向かう。POLに着き、田窪さんに挨拶して荷物を下ろす。近所の「ひー豚」というお店で豚カツ定食。おいしかった。田窪さんと一緒に梱包を解いて、1人でジリジリと設営作業。梱包を解いた瞬間に「うわ、これは持ってき過ぎた」と思ったけど、5時間ほどかかって設営は終わり、最終的には絵も文章もちょうどよくはまった。いろんな人に見てほしい。

POLの下の階にあるスパゲティ屋さんで、田窪さんと、同じ階の奥にあるレコード店naminohana records店主のインベさんと飲む。料理が全部おいしいし、安くて驚く。これはすごい。田窪さんと瓶ビール3本飲み、ヘロヘロになる。

新今宮へと移動。この辺の安宿に泊まったことがなく、この日は「加賀」というホテルを予約した。2000円ほど。女性客も多いようだった。部屋は狭いけど、値段の割には良い気がする。近くの銭湯の入湯券がついてきたけど、かなりお酒を飲んでしまったので、歯を磨いてすぐに寝た。


21日(土)

朝7時半ごろに起きる。「MILKDISH」読み終える。宿の近くにある「入船温泉」という銭湯へ。ここは朝6時からやっていて、まだ朝早い時間帯だけどたくさんのお客さんが来ていた。直島の「I❤️湯」のタオルを持ったおじいさんがいて驚く。サウナもあってとてもきれいな銭湯。

「きらく」でホルモンうどんを食べようとしたら本日休業のようで、萩ノ茶屋アーケードにあるうどん屋さんに入る。そしてあぶらかすうどんと間違えてかす汁うどんを注文。やってしまった。でもかす汁うどんも香川では食べれない(というか、この店のオリジナルなのだろうか)し、あぶらかすよりもお腹にやさしそうだし、結果良かったかも。けっこうボリュームがあった。

中之島美術館で長沢芦雪展見る。有名な龍や虎の襖絵も良かったけど、同時代の画家として展示されていた蕭白の鷹の絵の屏風に見入る。告知ビジュアルにも使われている牛の絵が展示されていなかった。展示替えがあるのだろうか?

開場30分ほど前にPOLへ。作品リストを田窪さんが準備してくれていたので、仕上げていく。この日は初日なので一日在廊。アンドレ・ブルトン「ナジャ」を読みつつ、疲労で居眠り。昼ごはんはPOLの近くにある「金剛石」というお店であいがけカレー。美味しい。定食もあるらしいけど、みんなカレーを食べていた。まどのマンガのファンの方や、高松の漆芸研究所に通っていたという方も来られた。甲冑さんやオボコさんとも会えたり、トダさんも来てくれたりで嬉しかった。

19時をまわり、初日終了。naminohana recordsでyudayajazzさんのサルサmixCDを購入。その後、田窪さんの案内で、トダさんと3人で居酒屋2軒行く。1軒目は予約がなかなか取れないところらしかったけど、運良く3人でも入ることができた。常連さんがたくさんカウンターにいて、店員さんづたいに料理を運んでくれる。ネギ焼きおいしい。2軒目は中華食堂?のようなところで、ハムエッグがハム上/卵下で出てきたり(なんてことはないがなんとなく新鮮)、20席くらいあるけどおばちゃんが1人でまわしてたり、かなり独特だった。田窪さんは面白いお店をたくさん知っている。大阪は安いところが多くて良いな。

けっこう飲んでしまい、ほぼ終電で新今宮のゲストハウスに戻る。ここも隙間にたくさんの布などが詰められていたり、細かいおもしろが多かった。シャワーをなんとか浴びて寝る。


22日(日)

朝9時くらいまで寝て、南森町へ。天神さんの古本まつりに行く。ナンブ寛永さんの「南部堂」は非常に独特な品揃えで面白く、古いマティスの文庫版画集を100円で購入。ほかのお店で普通にフローベールや中上健次のジャズエッセイなども買う。ポール・シュレーダー「聖なる映画」があり、昨日甲冑さんとブレッソン話に花が咲いたのもあって惹かれたが、9000円で断念。

九条へ移動。ロッダグループでカレーを食べたかったけど、昨日夜中まで飲んで胃の調子が悪く断念。シネヌーヴォへ。入るなり、映画関連の書籍や昔のキネ旬がたくさん並んでいる映画愛にあふれた空間に感動。ファスビンダー「不安は魂を食いつくす」見る。ドアや壁による垂直方向の分割が印象的。

四ツ橋の中古レコード/CD店「◯か×」に行き、spontaneous music ensembleや梅田哲也さん、Childiscのコンピなど買う。「ややこしい音楽」という素晴らしいコーナーがあった。

玉出へ。opaltimesに6年ぶりくらいに行く。少ししかいれなかったけど、展覧会も面白かったし、ユッキさんとも久しぶりに話せてよかった。今回の展覧会はチラシ(というか、オブジェ)もすごい。展示されている作家さんのご家族がたまたまおられ、生活と制作のことなどを話す流れになった。展覧会のチラシもお渡しする。

また新今宮に行き、四三館というビルで行われているイベントへ行く。七円体という、様々な大きさのシンバル7枚をメンバー2人が向き合って叩くというユニットのライブ。コンクリートのビルの小部屋で異様な反響が起きていて、エレキギターみたいな音が聞こえたり、「バシャーン」という音がジュワジュワとドローンみたいに漂ったりして面白かった。この四三館という場所は、七円体の方が集めた主に日本の戦前の古物を展示する私設博物館のようになっている。この日はessential store店長の田上さんも品物を出されていて、解説を聞いて実際手に取りながら貴重な品を見ることができた。「香川で古書店をやってまして」と自己紹介、川島猛の話などで盛り上がる。仕入れのエピソードも伺ってしまった。古物商の世界は奥が深い。相場なんてありそうもないオブジェなど、どのように査定するのだろう。展覧会のフライヤーもお渡しする。しかし本当に強烈な場所だったな。

トダさんと大阪駅近くの「松葉」で串カツ食べて、高速バスに乗り帰る。帰りはずっとinstagramへ投稿するための文章を書いていたからか、すぐに着いた。商店街にいつもの猫たちがいた。


23日(月)

朝9時に起きる。シャワー浴びて洗濯。まどと外出し、南珈琲でモーニング。大阪であったことをいろいろ話す。tomoさんでお惣菜を買って、ルヌガンガで涼子さんとお話。まど新刊を3冊ほど買っている。漫画を描くようになってから明らかに読書量が増えているし、興味の幅も広くなっている気がする。すごいことだ。

開店。週末に品出しを全くしなかったためネット売り上げは芳しくなかったが、店頭でたくさん買われるお客さんが多かった。店頭買取1件。久しぶりに店に入ったせいか、体力は回復しているものの作業速度はいまいち。

今日はこれから映画を見て絵を描く。明日は定休日。久しぶりにSyndicateへ行く予定。

2023年10月19日木曜日

大阪へ(2023年10月19日)

18日(水)夜

均一本の補充、帳簿付けなどの細かい作業を22時頃までやる。本の発送。ついでにコンビニでブルーベリーヨーグルトを買って食べる。帰宅。なんだか体の調子があまり良くないので、シャワー浴びてすぐに寝た。


19日(木)

朝9時前に起きる。トーストと、さっこからもらった青森のりんごで朝ごはん。作業部屋に行き、展覧会に向けての準備。昼と夜のごはん用に、ぱらいそさんの下にあるお弁当屋さん「tomo」のお惣菜を買う。惣菜5~6種の盛り合わせにサラダを付けても530円。安くておいしい。

開店。展覧会の準備の続きをやりながら店番。準備は割とすぐに終わり、展覧会以外の旅の行程を見直す。京都で面白そうなイベントが多いが、大阪でもシネヌーヴォでファスビンダー傑作選をやっているし、長沢芦雪展も見ておきたいし、天神さんの古本市もやっている。迷うけど、今回は大阪に絞ろう。夕方に小野君、ivoryさん、アパッチさんが来てくれていろいろ話す。アパッチさんと00年代後半の日本のラップ(SCARS、SD JUNKSTA、ESSENCIALなど)の話をずっとしていたら、そのへんの音源を久しぶりに聞きたくなってきた。Concrete Greenも4と5は持っていた(CDRだけど)はずなのに、どこかに行ってしまったな。この辺の、サブスクにないものはメルカリやヤフオクを見てもかなり高くなっているようだ。最近は毎日のように友人知人が来てくれるので楽しい。今日もけっこうしゃべっていたけど、徳島から来られた方や中国からの観光客グループがたくさん買ってくれて、店頭売り上げは伸びた。

今日はもう帰って、シャワーを浴びて着替えをまとめる。明日は朝8時過ぎのバスで大阪へ。


2023年10月18日水曜日

微妙な疲れ(2023年10月17~18日)

16日(月)夜

24時頃まで店で作業していた。家に帰ってすぐにベッドに入る。まどがモヤモヤと考え事をしていて、自分にそのことを話してくれるが、つい自分の考えを一方的にしゃべってしまった。もっと相手の話を聞かなければいけない。まどだからこちらが一方的に話したって大丈夫だろうという甘えがあるのだろうと考えると、自分のことが気持ち悪い。


17日(火)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、すぐに作業部屋へ。段ボール箱にプチプチで巻いておいた絵を詰めて梱包していく。大きいサイズのものは段ボール箱を切ってテープで念入りに貼り合わせ固定し、さらに大きい箱にする。なかなか時間がかかる。まどに昼ご飯を用意しようと思っていたけど、無理そうだと連絡。お昼ご飯はうどん。結局14時過ぎに梱包作業は終了した。

外出。銀行にお金を入れて、南珈琲で休憩。手塚治虫「奇子」読み進める。店に戻って、ヤマトに発送をお願いする。その後はレジでネットで売れた本の発送準備やメールの返信など。本の査定まで行きたかったが、たどり着けず。

帰ってまどと晩ごはん。食べ終えて「奇子」読み終え、風呂に入る。関西方面の知人へ展覧会の案内メールを送る。文章を考えているうち、さらに展示に使えそうなアイディアがわいてきた。

ヴィットリオ・デ・シーカ「自転車泥棒」見る。切ない話だけど大人の動きを真似てちょこまかと動き回る男の子ブルーノがかわいくて、温かな気持ちになる。

1時前に寝る。


18日(水)

朝8時半に起きる。最近寝つきがあまり良くなく、眠い。まどもだいぶ疲れている様子。朝ごはんはトースト。洗い物、洗濯、部屋や風呂トイレのそうじ。外出、ナルホドでスチレンパネルを買う。糊付きのものは大きいサイズしかないようだ。

店で在庫整理とそうじをし、開店。今週に入ってから昼間妙に暑いような。個展や受託商品、郵送買取に関しての連絡。品出し、発送準備など。先日お預かりした買取の支払いが1件。大阪へ出発するのももうあさっての朝になってしまった。しかしなんとか出発前にやるべき店のことは最低限やれた気がする。夜になって新しく文章をひとつPDFにまとめる。これも展覧会場に展示する予定で、裏返しで置いておき、来場者にはギャラリーを出る際に持ち帰ってもらおうと思っている。

堀金君が、25日にいよいよ発売になる自身のアルバムを納品しに来てくれる。来月17日にはゲストにK-BOMBさん(今回出る堀金君のアルバムのジャケットも手掛けている)を読んでイベントも開催、こちらも楽しみだ。

今日はちょっと体調がいまいちなので、早めに寝たい。

2023年10月16日月曜日

古本市、居酒屋、ご相談(2023年10月14~16日)

13日(金)夜

閉店後、本を出荷して梱包作業の続き。プチプチを巻き終えた。帰ってシャワー浴びて寝る。


14日(土)

パンを買ってきて朝ごはん。先日オモコロでまどの漫画「話の話」シリーズの新作が公開になった。SNSを見ると単行本化してほしいという声も多いようだ。手塚治虫「奇子」続き読む。

開店。この日は郵送買取が1件到着し、店頭買取が2件。受託商品の振り込み。明日の徳島での出店に向けて値付け作業を急ぎで進める…などいろいろと忙しかった。開店時間中に選書作業をやろうとしたが、結局できず。18時半になってまどと店番を交代。レンタカーを借りて、ついでに買い物など。閉店時間の21時ちょうどくらいに店に戻る。スーパーで夜食を買って少し休憩。その後は出店に向けての選書や諸々準備。24時過ぎに終わる。帰ってシャワーを浴びて寝た。


15日(日)

朝6時に起きる。まどはこの日志々島へさっこの手伝いに行くことになっていて、自分よりさらに朝早く出て行った。ごはんを食べて車に乗り、徳島県の美馬市へ。美馬は山を越えたところにある町だけれど1時間ほどで行ける。193号線沿いの景色は起伏に富んでいて、走っていて楽しい。思ったよりも早く着いたので、「うだつの町並み」を少し散策。昔は藍と生糸の生産で栄えたとのこと。

8時半になり、会場への搬入が始まる。会場は「オデオン座」というところで、昔は芝居小屋や映画館として使われていたそう。美馬市指定の有形文化財にも指定されている。スタッフの皆さん熱心に手伝ってくださる。なんとなく前日箱詰めしている段階からうっすら気づいていて、設営し始めて改めて思ったが、本を持ってきすぎた。今までの出店で一番多かったかもしれない。

イベントは人の流れも多く楽しかった。主催側としては若干ライトなものを求めているのかなという感じもしたけど、児童書やライフスタイル系から民俗学や哲学まで、いろんなものが売れた印象。多く持ってきすぎたのが、結果的にはジャンルの幅が出て功を奏したかもしれない。文学好きのグループ客が楽しそうに後藤明生や大江健三郎の話をしていたり、若い女性が田中菫さんのMILKDISHを本当に気に入った様子で購入してくれたり、温かな気持ちになる瞬間がたくさんあった。イベント中はトークも2つ行われていて、特に甲斐かおりさんのお話は全国各地の街の拠点づくりの事例を豊富に紹介していて、とても興味深かった。

搬出を終え、オデオン座からすぐの「うだつ上がる」へお邪魔する。この日はこちらでも古本市が行われていたが、結局自分のブースにつきっきりで伺えず。「うだつ上がる」は建築家の高橋利明さんが運営している複合施設で、高橋さんの事務所も兼ねつつ、古本や古着、雑貨などが販売されている。お箸2膳と菜箸を購入。

終了後の懇親会には今回参加せず、早めに失礼して高松へと戻る。荷物をドカドカと店に運び、レンタカーを返却。頼酒店にでも行ってその後ラーメンかなと思ったら、そういえば今日は日曜だった、と思い出す(高松は日曜定休の飲食店がとても多い)。ぶらぶらと商店街を歩き、老舗の居酒屋さんへ入る。とても良心的な値段。たまたま隣に座っていたお客さんに話しかけられ、たくさんしゃべる。自分より10歳ほど年上の女性で、デパートで販売員をされているとのこと。商店街でのHow to surviveを教わり、自分も何かの拍子でウッと涙ぐんだ気もするが、なんでこみ上げたのか忘れた。あんたは真面目すぎる、でもそれでいいと思う、そのままでいろ、というようなことを言っていただき、普通に元気が出た。さすが販売員をされているだけあって、飴と鞭の加減が絶妙だとも思った。果たして自分が本当に真面目なのかはわからない。自営業というか、商店をやるようになってから、「他人には親切にしよう」のような至極当たり前の標語が妙に響く時があり、自己啓発本がこれだけ売れる理由もわかる気がした。自分は自己啓発本を買わないけど、買う人の気持ちはわかるし、馬鹿にしたくない。ちょうどyoms近くの喫茶店「グレコ」さんも飲んでいて、紹介してもらう。「こないだお客さんからyomsさんへの道を聞かれて教えましたよ」と言っていただき、うれしかった。ショップカード持っていきます!とお願いする。

居酒屋を出てルクスに行くと、ちょうど志々島から帰ったところだという大三君と稲盛さんがいた。いろいろ話す。途中服部さん来られる。聞くところによると服部さんはスマホを持っていないそうだ。

帰って、シャワー浴びて早めに寝る。


16日(月)

朝8時に起きる。朝ごはんはパン。まどから昨日の志々島での出来事をいろいろ聞く。グレコさんにショップカードを持っていこうとなり、外出。カフェオレを飲みつつ、大阿久佳乃「じたばたするもの」読み始める。序盤からソール・ベローやスタインベックなど、自分があまり読んできていない作家が取り上げられていて興味を引かれる。昨日居酒屋にいた方はおられないようだったが、カードは無事に置いてもらえた。

早めに店に行き、昨日の古本市に出した本を棚に戻していく。量が多く、全然終わらない。開店。昨日店を留守にした分、発送もたまっている。ゑでぃまあこんのお2人が来店され、ホリチさんのことなどいろいろお話する。6月に兵庫県加西市のVoidで個展をやった時、ゑでぃまあこんさん高橋幾郎さん頭士奈生樹さんのライブがあったのだけど、その時ゑでぃさん達はまわりにたくさんある絵がyomsの齋藤が描いたものだとはあまりわかっていなかったようで、今日ようやく「ああ、あの絵が!」と一致した。よかった。この日は店頭買取2件。ほか段ボール4箱来るが、これは後日連絡となる。新しい郵送買取の件も早く連絡しなければならない。しかしこの日は昨日おとといの分の帳簿付け、本を棚に戻す作業、発送準備で時間を使い果たしてしまった。

それとこの日は珍しく、古本屋の開業や出店に関する相談をお2人の方から別々にいただいた。特に開業についてはその人の人生に多大なコストがかかるので、どう答えようかいつも迷う。古本屋は楽しい。辛いことや腹の立つこともあるけどネットに書いたら引きずりそうだし、なるべく書きたくない。なので結果的にブログにも「ちょっといい話」ばかり書いてしまうが、精神的な報酬だけでは店は続かない。売る技術というのもあるにはあるけど、自分の中で他人へ伝えられるほどに整理できているわけではないし、まずはその人自身で1日いくら売る(そして、毎日売り続ける)にはどうすれば良いのかを考えてみてほしい気持ちもある。難しい…。と考えていたら、ルヌガンガの中村さんも、SNSに開業の相談に来られるお客さんへどう応えたら良いのか悩むという投稿をしていた。本屋や古本屋が増えないと読者の数も増えていかない。自分はこれから開業しようという人たちに対して少し厳しく考えてしまいがちなのかもしれない、と思った。

閉店後も発送準備をしてブログを書いていたら、24時前。もう帰って寝る。明日はキャンバスを箱に詰めて、大阪へ発送。

2023年10月13日金曜日

読書の秋?(2023年10月12~13日)

11日(水)夜

閉店後、本の出荷。この日は仕事を良いペースでやれたので、ほろよい梅酒サワーと餃子で休憩。絵を梱包するための段ボール箱をネットで探すが、なかなかちょうどいいサイズがなく時間がかかる。注文を終えたらもう12時近くになっていた。帰ってシャワー浴びて寝る。


12日(木)

朝8時過ぎに起きる。最近まどが朝に料理をするようになっていて、この日は朝ごはんに味噌汁がついた。落ち着く。外出し、梱包作業をやろうとしたけど、まどがモーニングへ行くというのでついていく。スケッチブックにマーカーで何枚か絵を描く。大阪への高速バスを予約。もたもたしていたら残りの席数が少なくなっていて危なかった。今ジャンボフェリーは週末の深夜便だと3000円ほどらしい。高くなったな。

開店。お客さんは少なめ。静岡県の虹霓社さんへよしのももこさんの新刊を注文。田中菫さんより追加納品をお願いしていた本が届く。今回は自分用に1冊多く注文しておいた。発送準備、品出しなど進める。店頭買取1件。

閉店後、本の出荷。スーパーへ行き、お菓子を買おうか迷ってやめにする。作業部屋に戻り、買い取りで入ってきたコンビニコミック版の手塚治虫「奇子」を読み始める。めちゃくちゃ面白い。読みふけりそうになるが、なんとか気持ちを切り替えてキャンバスの梱包作業。梱包は苦手だ(とSNSに書いたら、アーティストやイラストレーターとして活動しているフォロワーの方々からたくさんのいいねをもらった。なんだか少しほっとする)。西成で飲みたくなる(行ったことない)。しかしやっているうちに作業のリズムがついてきて、思ったよりも早く進んだ。明日中にはほとんど終わりそうだ。

帰宅。シャワー浴びて、洗い物をして寝る。


13日(金)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、洗濯。少し読書。まどと外出し、ルヌガンガへ行く。今月26日はまどの誕生日だと気が付き、早めの誕生日プレゼントを購入。本2冊と近藤聡乃さんのバッジを買った。まどは図書館へ。自分は作業部屋へ行き、梱包作業の続き。

開店。この日は店頭買取2件。うち1件は量が多いため後日支払いとなるが、近年出版された手に入りにくい海外文学の単行本がたくさん。ウルフやフォークナー、ユンガー、フローベールなど自分好みのものも多い。明後日の徳島での出店までに値付けを間に合わせるため、ピッチを上げて査定を進める。結果1日分の売り上げを超える査定額になった。電話で報告すると了承も取れて、ひと安心。この他にも関東からの郵送買取のメールや、ご近所からの買取の問い合わせがあった。買い取りが多くなるとこちらのテンションも上がってくる。田中菫さんの「MILKDISH」再入荷分を品出し。この本は個人的にとても感じるところの多い本なので、たくさんの人のもとに届いてほしい。

世間的には読書の秋のはずだけど、どうも店頭売り上げが最近芳しくないのが気になる。買い取りは多いんだけど。

これから梱包作業続き。早いとこけりをつけてしまいたい。

2023年10月11日水曜日

雨のち晴れ(2023年10月08~11日)

07日(土)夜

閉店後、本の出荷。作業部屋で森敦「意味の変容」読み終える。この本はとある古書店で安く見つけて勢いで買った。読み終わるくらいのタイミングで、柄谷行人や中上健次が寄稿している付録冊子が欠けていることに気が付く。残念。価格のところにでも注記しておいてほしかった。キャンバスの続き。いい感じに進んでいる。帰ってシャワー浴びて寝る。


08日(日)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べ、さぎ「ふあんをまるめて星にする」読み始める。さぎさんは東京に行った時に下北沢で友人に紹介されて、ちょうどすぐそばにあった「日記屋月日」さんでこの本が販売されていた。その時は買わなかったけど、結局香川に帰ってから気になって月日のウェブストア経由で購入。

外出。消耗品やレターパックを買い、作業部屋でキャンバスの続き。県外で1回個展をやるとだいたい何にどれくらいお金がかかるのか、大まかに頭の中で計算してみる。展覧会をやるといくらかの売り上げはあるが、それが自分の活動を持続していけるだけのものかは、けっこう微妙なところだ。じゃあどうするのか、落としどころをじりじりと考えていきたい。

開店。開店早々「さすがにこれはいかんだろ」という出来事が発生し、疲れてしまう。うーん。ここ数日晴れてはいてもなんとなく頭が痛くて調子が出なかったが、今日は夕方から小雨。お客さんは少ない。郵送買取の査定、品出し、ネット出品など進める。郵送買取、価格了承取れる。夜になり、東京のギャラリーTOWEDのメンバーでもある画家の綱田さん来られる。現在岡山のギャラリーOFにてグループ展に参加中とのこと。いろいろお話する。たくさん買ってくれるお客さんも来られて、売り上げはどうにかなった。

閉店後、キャンバスの続きをやる。とりあえず塗り重ねていくが、いまいち着地点が見えない。個展までにもう1、2枚完成できるといいんだけど。気に入っていたCDがやたらと音飛びするなと思っていたら、外側からひび割れたように劣化していて、一部の曲が聞けなくなっていた。CD-RではなくプレスCDで発売からは20年と少し経ったくらいのはずだけど、こんなに早く劣化するものだろうか?

帰る途中、昼間にあった腹の立つ出来事をボヤこうかと思って友達がやっている店の前を通るが、他にもお客さんがいたのでやめた。歩いているうちに「ボヤくために行くなんて微妙だな」と思い直す。子猫が雨に濡れていた。お酒を買って帰り、「ふあんを」読みながら飲む。あまり飲めずに3分の1くらい捨ててしまった。シャワー浴びて寝る。


09日(月・祝)

朝8時過ぎに起きる。まど味噌汁とハムエッグを作ってくれた。朝ごはんを食べて読書。「ふあんを」読み終える。日記は面白い。日記の面白さを、こないだ読んだ後藤明生「小説 いかに読み、いかに書くか」の志賀直哉の章を頭の中で引き合いに出しつつ、文章の一人称性についていろいろ考える。店に行き、昨日買い取った本や雑誌の整理。

開店。メルカリで買ったプライヤー(キャンバス張り器)届く。店頭買取1件。お客さんは昨日に比べれば多かったが、店頭売り上げは振るわず。ネット売り上げに助けられた日。

閉店後、増村保造「黒の超特急」見る。タイトルほど超特急はフィーチャーされていない。田宮二郎の、喜怒哀楽がごった煮になったような震え声の迫力がすごい。加東大介のえげつない悪党ぶりもいい。登場人物全員が保身と復讐のために、ラストまで狂気を加速させていく。面白かった。

本を出荷して帰る。


10日(火)

朝7時半に起きる。朝食はパン。シャワー浴びて料理。手羽と余り物野菜(白菜、にんじん、もやし、玉ねぎ)を使ったうま煮、オクラときゅうりの梅和えを作る。

お弁当を用意して外出。中央公園のベンチに座り、スケッチブックに絵を描く。やっぱりこのベンチは落ち着く。保育園児もたくさん遊んでいる。Jeph Jermanなどガサゴソした物音系のローファイノイズを周囲の音と混ぜて聞く。公園でこういう音楽のリスニングDJイベントをやったら楽しそうだ。12時をまわり、市役所に続く地下道から公務員の人たちがぞろぞろ出てきた。古井由吉「夜の香り」読み始める。

「二十何年かぶりで目にした駅前の風景は、当然のこと、昔とすっかり変っていた。いや、変ったなどというようなものではなくて、昔、広場のあったところに、今も広場がある、のに過ぎなかった。」(p25)

お弁当を食べ始めるとバラバラとにわか雨が降ってきた。南珈琲に逃げ込み、読書続き。とても混んでいる。

作業部屋へ。公園で思いついた文章をIllustratorでPDFにまとめる。これでようやく個展に出すための文章が全て完成。コンビニに行ってプリントする。ドーナツやお茶を買い、ナルホドでマスキングテープや虫ピンを買って、再び中央公園へ行きおやつを食べる。ここ最近、公園や喫茶店にいるととても調子がいいのに、店や作業部屋に行ったとたん気分がだるくなるという日が続いている。どこか遠くに行きたくなる。天気も不安定だし、季節の変わり目だし、そんな時期なのかもしれない。

レジに戻って少し発送作業。以前お預かりした本の査定金額、了承取れる。静岡県富士宮市の「虹霓社」さんより、よしのももこさんの新刊サンプル届く。

夜は個展に出す絵の選別作業。ギャラリーの図面を見直し、念のため多めに持っていくことにする。選び終わったところで、疲れのせいかなんなのか、吐き気が出てくる。絵の続きをやりたかったが帰宅。少し本を読んで寝た。


11日(水)

朝7時半に起きる。まどがお弁当のおかずと朝ごはんの支度をしてくれている。パンを食べて、お弁当を準備して外出。猫を見かけるが避けられる。また南へ行き、読書の続き。まどの新作が明日オモコロに載るようで、一足早く見せてもらう。

まどと別れて、スーパーで養生テープを買って帰る。プチプチのロールも持ってきて、絵の梱包の準備。

開店。店頭買取2件。写真集など多くありがたい。この日は発送件数が多く、なかなか忙しかった。些末事の福田さんや安岐さんも来て、お客さんと少しずつおしゃべりできたのもよかった。ヒジャブを巻いた女性が「イスラムについての本ありませんか」と訪ねてきたので、大三君の本を見せると「これテレビで見ました!」ととてもうれしそうにしていた。インドネシアの方で、フィカルさんのモスクにも行ったことがあるそうだ。発送準備終えて品出し、均一本の補充。ここ数日均一本がそこそこ売れている。この日はなかなか良いペースで作業ができた。

今日はこれから絵の梱包。大きめの段ボール箱を調達したい。

2023年10月7日土曜日

もうすぐ個展(2023年10月05~07日)

04日(水)夜

閉店後、本を出荷し、スーパーで買い物をしてすぐに帰る。ヨーグルトにブルーベリージャムをかけて食べる。早めに寝た。


05日(木)

朝9時前に起きる。10時間以上寝てすっきり。朝ごはんを食べて久しぶりに南へ。アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア」続き読む。最近本を読むペースがどうも遅い。南を出ると、偶然アシュリーとすれ違う。秋田にいるのかと思っていたけど、インドに行く予定があるそうで、ビザ取得の関係で香川に帰ってきているらしい。

来年に予定しているイベント関係の連絡を進める。楽しみだ。

開店。この日はネット出品していたものがよく売れた。発送準備を進める。他店頭買取2件持ち込みあり。昨日メールをいただいた郵送買取の件も流れをご承諾いただき、本の画像を送っていただけることになった。夕方になってアシュリー来てくれる。高校生の時から来てくれていて、移転後のyomsにも何度か来てくれているけど会うのは久々。いろんな話をする。意外と長く香川にいるようで、それならSyndicateに見学に行ったらいいだろうと思い藤井さんに久々に連絡をとってみる。今月の下旬に行けるかなという感じ。入れ替わりでKさん来られ、ビクトル・エリセや加藤泰、黒沢清などいろんな映画の話をする。

閉店後、本の出荷。お酒を買おうか迷ってやめる。作業部屋で文章を考える。あともう2つくらい作りたくて、1つできるがもう1つがなかなか出ない。文章は展示の始まる直前まで粘れるし、絵の作業に切り替えるべきか。帰宅、1時前に寝る。


06日(金)

朝8時に起き、朝ごはん。シャワー浴びる。涼しくなったし公園に行こうとなり、まどと外出。コンビニでカフェオレ買う。公園で保育園児たちが走り回っているのを見るのも久しぶり。「映像のポエジア」読み終える。素晴らしい本だった。

「ある朝、木の枝が甦り、若葉で覆われていた。だが、はたしてこれは奇跡だろうか。これは真理である。」(p364)

開店。お客さんは少ない。昨日お預かりした本の査定や品出しを進める。2週間後に迫った個展についての連絡。大阪で泊まる宿も予約する。ついつい安い宿を探してしまうが、年に1回くらいはいい宿でゆっくり過ごすような旅行もしてみたい。

閉店後、本を出荷してビールを買う。飲みながらD.W.グリフィス「散り行く花」見る。リリアン・ギッシュはこの当時20歳くらいか。父親の暴力におびえるシーンの表現力がすごい。その暴力親父役のドナルド・クリスプも良かった。自分の娘が中国人と関わっていると知るや突然激高し父親ぶりだすところは、100年以上前の映画ではあるけれど現在にも通じる普遍的な問題を扱っている。

キャンバスを進めて帰る。寒い。


07日(土)

朝8時に起きる。朝ごはんはパン。スウェットを着ようか、シャツにしようか迷う気温。料理。ポテトサラダ、鶏肉のカレー炒め、にんじんのマスタードシード炒め作る。レタスを添えてお弁当完成。森敦「意味の変容」読み始める。店へ。この日は前半まど店番。お弁当を食べて、アルバイトの人に作業してもらうための本を準備する。

店番交代。品出し、発送準備など。まどはこの日在庫整理も手伝ってくれた。お客さんは昼から夕方にかけては多かったが、夜は少なかった。3連休中はどうなるだろう。受託商品や郵送買取についての連絡あり。

今日はゆっくり絵を描く。個展初日まであと2週間、作業可能なのは正味10日くらいか。

2023年10月4日水曜日

夜散歩(2023年10月03~04日)

02日(月)夜

閉店後、本の発送。安くなっていた唐揚げとビールを買って飲む。新しいキャンバスにガッシュを塗る。帰ってシャワー浴びて寝る。


03日(火)

朝8時頃に起きる。朝ごはんはトースト。午前中はずっと家で文章の作業。Illustratorでデータを整えてPDFにする。これまで店でも同じ作業をやろうとしてなかなか進まなかったけど、まどがそばで作業している空間で一緒にやっていると進むのがとても速い。いい感じだ。

スーパーで買い物をして料理。ベーコンエッグ、ピーマンとにんじんのおかか和え。かぼちゃを薄切りにして焼き、塩をふる。

食べ終えて外出。作業が思ったより良いペースで進んでいて、気持ちがいい。いちじくの木から甘い匂いがする。実の周りには蝶がたくさん舞っている。ルーツレコードに行き、CDを見る。興味のあるコーナーをひと巡りして、立花ハジメ「ロー・パワー」買う。これはバンドのLow Powersではなくて、ソロでウーリッツァーを演奏した曲が入っている。スーパーで買い物して帰宅。文章の作業続き。夜になって、カツオのタタキを切って夕ご飯。

2人で外へ散歩に出る。出てすぐは寒いくらいに感じたけど、歩いているうちにだんだんと暑くなり、半袖に。途中たこ焼きを割り勘で買って食べる。タリーズで休憩。アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア」続き読む。帰りは岩瀬尾八幡を通って帰る。猫がこっちに寄ってきて、なでれるかなと思っていると、鼻先が触れそうなタイミングでプイと行ってしまった。かなり人なれしていて、食べ物を持っているかどうかの鼻もきくようだ。

帰って風呂に入り、12時半頃寝る。


04日(水)

朝8時に起きる。この日も朝ごはんはトースト。食べ終えて、お弁当用に麻婆豆腐を作る。その後文章の作業続き。昨日よりもさらに良いペースで進み、終わりが見えてきた。これがひと段落すればとりあえずは安心できる。

開店。発送準備、均一本の補充など進める。instagramを見ていると、うちで卒論に使うのでと原民喜全集を買ってくれた大学生のお客さんが教員試験に合格したようで、地元の出身校で新年度から働くらしい。めでたい。最近、高校生の頃からyomsに来てくれていたお客さんが大学を卒業して就職し、仕事の傍ら音楽イベントの企画などをしていたり、時間の経過を感じることが多い。夜になり、中国かららしきお客さんがチラホラと来る。ドカドカ買っていく感じではなく、皆さん雑誌や写真集を丁寧に吟味していてうれしくなる。店頭買取1件、楽譜の寄付が1件。郵送買取の問い合わせメールも1件来る。

今日は疲れた。早めに家に帰って寝る。

2023年10月2日月曜日

日常へ軟着陸(2023年10月01~02日)

30日(土)夜

閉店後、本を出荷し、ルクスで行われているDJイベントへ行く。ジントニック飲む。お客さんに若いダンサーの人たちが多く、踊っている姿が見ていて楽しい。疲れているはずが、いろんな人と話していたらいつの間にか遅くまでいた。帰って、シャワー浴びて寝る。


01日(日)

朝10時に起きる。たっぷり寝た。東京でもらったブルーベリージャムや、買っておいたウインナーやハムで朝ごはん。おいしい。

開店。お客さんはそこそこ多いが、売り上げは伸びず。品出し、発送準備を進める。夕方あたりからまた疲れが出てきた。昨日いらんこと言ったなあと思い出して悔やむ。次の定休日はノートパソコンを家に持って行って、文章の作業をすることに決める。まどと一緒の空間で作業をしたほうがはかどりそうだ。

閉店後、作業部屋へ。東京で買ったCDを聞きつつ、以前ハンディプリンターで文字をプリントした紙に色を塗ってみる。もう何をやろうとしていたのかもわからないが、何もやらないよりはましだろう。

作業部屋を出て、本の出荷。少し肌寒いくらい気温が下がっている。お酒飲まずに帰宅。シャワー浴びて寝る。中古CDをヤフオクやメルカリで探すのはキリがないな。


02日(月)

朝8時半に起きる。この日も朝ごはんはパン。アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア」続き読む。洗い物、洗濯。15日に徳島県美馬市で行われる古本市への出店のために、レンタカーを予約。ウインナー焼いてお弁当を用意。作業部屋へ行き、昨日色を塗った紙をいたパネルにボンドで貼り付けようと思いつく。思いついただけで、特に実行できず。

開店。SNSでの開店投稿で「月初めの月曜日はたいていお客さんは少ない。なぜかというと時宅さんもれんげ料理店さんもお休みだから。はしごする人は少ないとしても、周りのお店が開いているかどうかは大きい…」というようなことを書こうとしたが、特にそのようなことはなく、結果的にお客さんは多かった。海外から日本人写真家の写真集を求めてやってきた方や、まどへのファンレターを持ってこられたお客さんも来られた。ネット出品していたものも良く売れて、臨時休業の分を少しカバーできた気がする。夜になって、中山和也さんの写真集と高原颯時さんの作品集を品出し。中山さんのほうは、先日高松で飲んだ浅見さんが編集を手掛けている。

今日はこれから絵をやる。明日は家で集中して文章の作業をする予定。

2023年9月30日土曜日

お墓参り(2023年9月28~30日)

27日(水)夜

18時半に店を閉めて、店の近所にあるサウナ「ゴールデンタイム」に初めて行く。小ネタがいろんなところに仕込まれていて、独特な雰囲気。脱衣カゴに北野武、佐山聡、山田勝己など著名人の格言が添えられていた。サウナは熱くていい感じ。ここから頼酒店にはしごしたらとても良さそうだな。

マリンライナーに乗って岡山へ。後藤明生「小説 いかに読み、いかに書くか」読み始める。これは面白い。表紙の導入文を読むと小説の書き方入門という感じだけれど、実用書的な内容ではなく、明治から戦後すぐくらいまでの作品を題材にして、作家の歴史的立ち位置や文章の特色を鮮やかに解説している。志賀直哉についての章は読んでいて思わず電車の中でうなってしまった。

岡山でまどと合流。少し食べておくかとたこ焼き屋さんに入るが、なかなかたこ焼きが出てこない。新しく作ってくれていたようで、テイクアウトに変更してもらう。申し訳ない。

バスで東京へ。


29日(木)

新宿に8時前に到着。ベルクで朝ごはんを食べ、どこへ行こうか考える。いつもの旅行ではギチギチに予定を固めるところが、今回はだいぶふわっとしていた。

荻窪へ。文禄堂という本屋さんで、yomsのトートバッグに絵を描いてくれた花原史樹君のポップアップを見る。たくさんのグッズが売られていて、自分もクリアファイルを購入。リストを見るとだいぶ売れているようで、品切れの商品がたくさんあった。

菊川へ移動しStrangerでカサヴェテスを見て現美でホックニーを見ようかとも思ったけど、なんとなくやめにする。まどは高円寺へ行き、自分は吉祥寺へ移動。これから義理の家族に会うのに髪がだいぶ伸びていたので、QBハウスで切ってもらう。レア〜ユニオンとまわる。気になるレコードはあるけどちょっと高い。ユニオンで以前から買い直そうと思っていたCDが立て続けに安く見つかった。なんとなく、今回はCD運が良いのではという気がしてくる。

西荻窪へ移動して、盛林堂さんへ。委託棚にはまども古本を置いていたことがあった。牧野信一「バラルダ物語」購入。富士そば食べる。西荻に住んでた頃しょっちゅう行っていたソーセージとハムのお店「もぐもぐ」へ行き、自分たちへのおみやげを買う。ここのは安くておいしい。

中野へ行きユニオン見るが、特に買わず。CD運は別に高まってはいなかったようだ。

高尾へ向かう電車の中で「小説」読み終える。とても面白かった。中公文庫あたりで復刊しないだろうか。まどと合流して、バスで霊園へ。宗派を問わない、やたら整然とお墓の並んでいる様子は来るたびに東京を感じる。まどの家族はいろいろあり実家と呼べる家がなく、お墓参りの機会をとても大切にしている。急いで来たが自分たち2人が一番乗りだった。まどのおじさん夫婦とお姉さん夫婦が集合し、手を合わせる。タクシーでいつものお店へ移動、みんなで会食。yomsのショップバッグにおみやげのうどんと和三盆糖を入れて渡す。

まどは疲れて宿へ行き、自分は京王線に乗る。アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア」読み始める。幡ヶ谷のforestlimitに到着。この日はidealaというリスニングイベントが行われていて、入るとGOFISHのライブの途中だった。ベルリンから一時帰国中の大城さんはいろんなフィールドレコーディング音源でDJをやっていて、ヒューンと何かが落ちたと思ったら大音量のカエルの合唱になったり、かなり良かった。来週ベルリンに戻るそうだ。考えてみたら大城さんと会ったのは8年以上ぶり、良いタイミングだった。すずえりさんとも10年近くぶりに会えてうれしい。白いシャツにレッドアイこぼした。

阿佐ヶ谷のホテルに帰って寝る。


29日(金)

朝7時前に起きる。この日もまどと別行動を取り、早めの出発。新宿で途中下車、またベルクで朝ごはんを食べて佐倉へと向かう。佐倉までは1時間20分ほど。「映像のポエジア」読み進める。

「なんの努力もなく観客に与えられる結論など、不要である。思考が誕生するときの苦しみと喜びを、作家と分かちもつことのない観客に、作家はなにかを語ることができるだろうか。」(p34)

「映画では時間のなかにばらまかれている事実はすべて使うことができる。生活のなかから好きなものを選んでくることができる。(略)この〈何でもどうぞ!〉は、小説という織物や、戯曲という織物にとっては、本質的なものでないが、映画にとってはもっとも本質的なものである。」(p106)

佐倉駅から無料送迎バスに乗り、川村記念美術館でジョセフアルバース展を見る。なぜか以前美術館からチラシを置いてくれませんかと電話があり、もちろんですと答えたらチラシと一緒に招待券も入っていた。ありがたい。アルバース展は思ったよりコンパクトにまとまっていたけど、資料も充実しており良かった。関連として常設展でソル・ルウィットやブリジット・ライリーも取り上げられている。ロスコもたっぷり見れたし、常設の素晴らしい美術館はいいなと改めて思った。Tシャツが思ったより安く、購入。

錦糸町まで戻ってまどと合流。まどはチェックアウトぎりぎりまで寝て、その後科博へ行ったそう。kndさんが以前行ってて気になっていた「コーピー」というお店に行く。エジプトの「コシャリ」という料理をメインに出している。米と細切れのパスタ、豆、フライドオニオン、トマトソースが基本で、よく混ぜてソースで辛味酸味を調整しつつ食べる。具材はいろいろ。おいしかった。カルダモンコーヒーがとても合う。

まどと再度別れて三ノ輪へ行き、wellの高原さんが働いている「リサイクルショップあうん」に行く。柔らかい照明のかわいいお店。高原さんはawnという名義で古着に少し手を加え、店内で販売している。Tシャツ1枚購入。ポップアップが来月中野で行われるそうだ。

あうんから三河島駅まで歩く。小さな商店や工務店がたくさんある。古いお菓子屋さんで普通に人形焼など売られていた。途中、「帝国湯」という銭湯を発見し寄ってみる。名前に迫力があるが、いつごろの創業なのだろう。建物内部の意匠も良かった。木製の大入札が掲げられていた。

下北沢へ移動。駅を出ると大きな月のバルーンが出ていて、お祭りのよう。ユニオンへ行くとVaporwaveカセットコーナーがあり、買いやすい値段のものもあったが、あまりこのジャンルには明るくなくあと少しのところで手が伸びなかった。古書ビビビに寄り、ここでも特に買わず。

まどと合流して、BONUS TRUCKへ。友人の川口さんがBotanyという名前で火・金に出店している。いろんな果実やハーブを漬け込んだサワー屋さん。少しだけノンアルのメニューもある。この日は十五夜に関連したイベントが行われていて、川口さんはかなり忙しそうだった。Botany向かいにあるpianola recordで店長の國友さんといろいろお話し、CDを買う。pianolaでは高松で活動しているマサミさんのCDも売られている。ミヤジが一生懸命モチつきのスタッフをやっていた。桜木さんとも挨拶。初めてちゃんとお話した中村としまるさんから、徳島の角打ちをいろいろ教わった。まどBotanyTシャツを購入。帰り際にすずえりさんとも会うことができた。

新宿へ行き、バスで帰る。


30日(土)

8時前に岡山駅に着く。どうせなら岡山でモーニングを食べようとなり、ネットで検索して見つけた看板猫のいるらしいお店へと歩く。思ったよりもだいぶ遠かった。猫は残念ながら2階で寝ているとのこと。

マリンライナーで高松に戻る。まどに少し店番を頼み、久々に綿谷へ行くと、疲れのせいかうっかり大を頼んでしまう(綿谷の大はかなりのボリュームがある)。マルナカで夕ご飯や消耗品の買い出し。

店番交代。非常に眠く、お客さんがいなくなった隙にウトウトしていた。受託商品関連の作業をやる。田中菫さんの新しい本「MILKDISH」を品出し。導入部分には2022年夏から2023年夏に作った料理をまとめたとある。しかし、料理の写真が淡々と続く中に身辺のことも綴られた日記や制作中の絵画の写真が差し込まれており、それらを時系列で見ていくことで、田中さんの中にある「作ること」に対する思索の揺らぎを読み手も追体験するような内容になっている。田中さんのinstagramの投稿はずっと追っていたけれど、本にすると見え方がまた全然違う。改めて通して読みたい。

今日は小野君がルクスでイベントをやっているそうなので、一杯飲んで帰る。

2023年9月27日水曜日

うまくいかない(2023年09月25~27日)

24日(日)

閉店後、スーパーで買い出し。帰宅してビール。豆腐に野沢菜漬を乗せたやつをおつまみにする。曽根中生「夜をぶっとばせ」見る。主演の高田奈美江(中学生)は本物の不良。自分は不良に全然興味がないが、これは当時の不良が見たら盛り上がるだろうな、というテンションは伝わってくる。昔のマクドナルドや新宿DUGが見れて楽しい(しかしヤンキーがDUGに行くのだろうか)。渡辺えり子やなぎら健壱が判で捺したようなつまらない教師役で出演していて、はまっている。


25日(月)

朝8時に起きる。ハムエッグとトースト、コーヒーで朝ごはん。野呂邦暢「愛についてのデッサン」続き読む。もうあさっての夜に東京へ向かわなければいけないことに気が付き、まどと話し合い予定を立てる。外出、作業部屋へ。大きめの画用紙へ前に買ったハンディプリンターを試す。文字のプリントは問題なく可能だが、まっすぐ、行幅を均一に…となると難しいようだ。

開店。品出し、発送準備。お客さんそこそこ来られる。いまいちやる気が出ない。開き直ってゆっくり作業を進める。戦前のマッチラベルを検索したり、電車旅のブログを見たりして、気を紛らわす。夜になり、生物さんとまみさん来てくれる。まみさんの作った「自然観察新聞」を3種類受け取る。一番新しい号は変形菌特集で、五色台で採集したという菌の標本も見せてもらう。時間が経つにつれて少しずつ形が変化していくそうだ。来年はもっと山に行ったりとか、初めての街を散歩したりとか、余裕のある時間の使い方をしたい。

閉店後、作業部屋でハンディプリンター続き。うまくいっていない部分は修正テープで消す。いろんなディテールが重なってきて邪魔に感じる。苦しい。


26日(火)

朝7時半に起きる。朝ごはんはトースト。シャワーを浴びて洗濯。少し本を読んで、午前中はずっと旅行中の行程の整理と確認。思ったよりも時間がかかった。疲れた。スーパーで買い物して、料理。豚しゃぶおろしポン酢とゆで汁を使ったスープ、水菜と大根のごまマヨネーズサラダ、そうめん。今年最後のそうめんになりそう。まどがアイスを買ってきてくれた。

晩ごはん用のお弁当を準備して、外出。銀行や郵便局などをまわる。くつわ堂に入って読書、「愛に~」読み終える。香川みやげに和三盆糖を購入。作業部屋に行き、文章の作業の続きをやろうとするがどうも決め手にかけ、苦しくなる。Electro Hippies、Sore Throat、Heresyなどのハードコアパンクを久しぶりに聞く。なんもやる気せず。やっぱりハンディプリンターは使わない方向でいこうとなる。今後使うことはなさそうだし、ヤフオクで売るか。唐突に眉毛を全部剃ってしまおうかと考えるが、買い取り依頼が減りそうなのでやめる。

遠方の友人より連絡あり、絵のことで何か一緒にできないかとのこと。暗い気分だったこともあってシビアなお金の話になる。今後どういうふうに活動していこうか。

たこ焼きとビールを買って、田中絹代「女ばかりの夜」見る。こないだ見た溝口健二「夜の女たち」(田中絹代主演)のその後、という感じの映画。主演の原千佐子いい。しかしつらい話だ。

帰宅。シャワー。明日の出発のための準備。お弁当のおかずを作ろうと思っていたけど、寝てしまった。


27日(水)

朝7時半に起きる。お弁当用に豚の生姜焼きを作る。トーストで朝ごはん。洗濯物をたたんで旅行の準備。中原昌也「死んでも何も残さない」読み始める。この本が出た時の中原さんはちょうど今の自分の年と同じくらいだ。

外出。松下製麺所でおみやげ用のうどんを購入。また暑くなってきた。南へ行き読書。まどキャリーケースの持ち手部分が早速壊れた模様。東京に行ってから壊れるよりましだったかもしれない。

開店。ネットで高い本が売れてひと安心、この日は文章の作業をやっていくことにする。しかし、郵送やらドラッグストアまで歯ブラシなどを買いに行ったりしていたら時間がなくなり、作業できず。売れた本を探すのに手間取って汗をかいたのでサウナに行きたくなり、19時半の閉店予定を1時間繰り上げ、その旨SNSに告知。休憩で「死んでも~」読み終える。権威への嫌悪感など共感できるところは多いけど、読んでいてけっこう疲れた。

これからサウナに行き、まどと東京へ。

2023年9月24日日曜日

地球の肛門(2023年09月23~24日)

22日(金)夜

閉店後、本を発送してスーパーでお酒を買い、店で飲む。サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」読み終える。作業部屋で絵を描く。キャンバス1枚完成。まだいけるような気もするけど一旦止めておくことにする。帰宅、シャワー浴びて寝る。


23日(土)

朝9時過ぎに起きる。寝すぎた。また弁当箱を店に忘れたことに気が付く。最近忘れ物が多い。朝ごはんを食べ、コーヒーを飲みながら野呂邦暢「愛についてのデッサン」読み始める。最近フォークナー、大江、ベケットなど読んでいたので、端正な文章がとても落ち着く。

外出。とても涼しい。今日明日とコクアでフリマが開催されていて、レコードが気になるけど、時間がなく明日にする。店に行って在庫整理など。湿度のためか外よりも室内のほうが暑い。

開店。昨日お預かりした本の査定、品出しなど進める。明日またアルバイトの人が来てくれるので、そのための本の準備も。

閉店後、ルクスで行われているイベントへ行く。ゲストで来ていたDJ Strawberryさんはトルコの出身で現在はベルリンに在住とのこと。Footwork的なリズムを軸にアシッドなシンセが乗ったり、いろんな展開があった。一旦店に戻って、本を出荷。帰ってシャワーを浴び、まどが買っていた遠藤一同「発達障害かと思ったら統合失調症の一部でした」を読み終えて寝る。


24日(日)

朝8時に起きる。まどが早起きしてお弁当を作ってくれていた。朝ごはんを食べ、洗い物、洗濯物を畳んでまた洗濯。

ファミマでアイスカフェオレを買い、久しぶりに中央公園へ。マルシェ的な催しが行われるようで、たくさんのテントが立っている。仮説の小さな動物園まであり、リクガメやミミズク、イグアナなどがいる。「愛に~」続き読む。まどは図書館へ行った。公園を出る時、地面に「米」の字のような線が引いてあり、地球の肛門みたいだなと思って写真に撮った。撮影している自分の陰も入って、なんかいい写真になった。地球の肛門をスマホで撮影した。

KOKUA COFFEE ISLANDで行われているフリマへ行く。レコード、雑誌、古着などがあり、ちょうどこれからの季節に良さそうなスウェットを見つけ購入。ルーツレコードへ行き、ハワイアンの安いレコードを1枚買う。

開店。発送準備、品出し進める。4年前にyomsへ来たという女性から「今もあってうれしいです」とお声がけいただき、こちらもうれしくなる。この日は店頭買取2件と、以前お預かりしていた分の支払いが2件。夜になって猛烈な疲労がやってきてなんでだろうと不思議に思ったけど、よく考えてみれば12日間連続で働いているのだった。もっとダラダラする時間がほしい。

今日はもう帰って、お酒を飲みながら映画でも見ようと思う。早く寝てしまいたい。

2023年9月22日金曜日

商売(2023年09月21~22日)

20日(水)夜

21時半まで作業をやり、閉店。本を発送してお酒を買う。最近よく飲んでいる。作業部屋で市川沙央「ハンチバック」一気に読み終える。家に帰ってシャワーを浴びて寝る。


21日(木)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはん。納豆ご飯にすだちが合う。まどが愛媛で買った工藤冬里さんの器にコーヒーをいれてくれた。飲みながら近藤ようこ「水の蛇」読み終える。これは2017年に出たビームコミックスだけど、収録されているのはいずれも30年近く前の作品(当然、ビーム以外の漫画雑誌に掲載)。

外出。酒屋とスーパーで買い出し。京都のシャイスケさんにフライヤーデザインの謝礼などを振り込む。

開店。展覧会フライヤーの発送準備。買取の査定金額了承取れ、振り込み。郵送買取で届いた本の状態を確認。受託商品に関しての連絡。たまっていた査定や振り込みの件がようやく全てひと段落ついた。レジスペース内が本でいっぱい。どんどん出していかないといけない。夜になり、マサミさんが新作CDを納品しに来てくれる。

閉店後、ヤンフーへ個展のチラシを置いてもらいにいく。久しぶりにいろいろお話。2人は出店も多くて常に忙しそうだけど、店のことと同時並行で物件の改装も進めているらしい。ついでにファラフェルとポテトのセットをテイクアウトする。400円。安い。出ると、こないだだいぶつれなくなっていると感じた猫が知らないカップルとじゃれていた。

店でファラフェルポテトを食べる。この日はお酒なし。食べ終えて作業部屋で絵の続き。どうなるかな。帰宅。シャワー浴びて、サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」読み始める。1時前ごろに寝た。


22日(金)

朝8時ごろに起きる。まどがお弁当のおかずを作るのを手伝う。外出し、南でモーニング。ベケット続き読む。スケッチブックに2枚絵を描く。郵便局まで歩いて本を出荷、スマートレターなど買い足す。作業部屋へ戻って、絵の続きを少しやる。

開店。昨日と比べるとだいぶ天気も安定して涼しくなり、お客さんは多い。店頭買取1件、後日お支払となる。10月に参加する古本市の連絡。品出し進める。マサミさんのCDも品出し。夜になって雨が降り始め、頭にねじれるような痛みが走る。

絵よりも古本のほうが商売としては自分に合っている。距離感の近い関係が苦手な自分にとっては、人付き合いが浅く広くなるところも合っていると思う。しかし絵を描いたり、それを世に出すことでしか考えられない抽象的な事柄はあまりにも多いので、そっちはそっちでやり続けたい。考えてみれば、自分は古本と絵という、世間から「そんなもので暮らしていけるわけがない」と思われているもので生活している。

今日はこれから文章の作業。

2023年9月20日水曜日

休日返上(2023日09月19~20日)

18日(月・祝)夜

21時半くらいまで帳簿付け作業などやり、閉店。本を出荷してスーパーでビールとコロッケを買う。作業部屋で飲みつつ、黒沢清「蛇の道」見る。これはすごい。いろんな角度から不穏さが突き付けられる。コメットさんのステッキを振り下ろす動き、銃撃シーンでの唐突な上下のアングルなどの緩急が印象に残った。「CURE」より好きかもしれない。「蜘蛛の瞳」も見なければ。


19日(火)

朝7時半に起きる。朝ごはん食べて料理。豚の生姜焼きとポテトサラダを作り、千切りのにんじんとブロッコリーをゆでる。シャワー浴びて、コーヒー飲みつつ沢山遼「絵画の力学」続き。外出。スーパー、八百屋、100均とまわって食材や消耗品の買い出し。

店に到着。定休日だけどやることがたまっているので店を開けつつ作業。いつもの開店時間より早くから開始。お客さんはチラホラと来られる。査定と、個展チラシの発送準備を進める。途中抜けて、郵便局でチラシを発送し、茎と栗金商店へチラシを置いてもらいにまわる。めぐさんと久しぶりにしゃべった。堀金君とマンガや映画の話をいろいろする。店に戻ってまた査定。

夜になり、東京の友人山口晋似郎さんとパートナーのみずきさん、画家の松園さん、シンガーソングライターのさわさんの4人が来てくれる。昼は豊島に行っていたそうだ。しんじろうさんに七幸を前もって教えておいたら行ったようで、楽しんでくれた様子。5人で頼酒店~丸亀鳥で飲む。丸亀鳥は堀金君から聞いていたお店で、自分もまだ行ったことがなかったけどいい感じのお店だった。骨付鳥もおいしかった。出て、しんじろうさんと松園さんと3人で缶チューハイなど飲みつつ少し夜の街を散歩。解散して、帰ってシャワーを浴びて寝た。


20日(水)

朝7時半に起きる。昨日買った食材や弁当箱を全部店に忘れたことに気が付き愕然。まどが鳥肉を焼いてくれて、あとは余っていたおかずとごはんをタッパーに盛り付け、お弁当にする。南でモーニング。「絵画の力学」読み終える。今回は再読で、前回読んだ時と微妙に引っ掛かる章が違ったような気がする。今回はアルバースとアンドレの章が印象に残った。出て、ルヌガンガへ行き、誕生日プレゼントにティム・インゴルド「応答、しつづけよ。」を買ってもらう。ありがとう。

早めに店に着き、開店。この日は発送がとても多かった。そしてありがたいことにお客さんも多かった。査定もどんどん進める。些末事研究福田さんがビールを飲みながら工芸高校の生徒さんが作った「F」を見ているのでいろいろ話していると、ちょうど工芸の女の子2人組がやってきて、4人で少し話す流れになる。2人とも美術科ではなかったけど、ノリがよく元気だ。漫画を買ってくれる。小説も読むとのことで、福田さん「これもどう?」とポール・オースターを買ってプレゼントしていた。閉店間近になって査定ひと段落つく。へとへと。

もう今日はゆっくりしたいけど、何しよう。明日もまた個展チラシの発送準備、京都は別件の査定、郵送買取や受託商品の連絡など、やるべき作業が多い。

2023年9月18日月曜日

改装フェス(2023年09月16~18日)

15日(金)夜

閉店後、帳簿付け、本の出荷。店に戻り出店に向けての選書作業。やはりすぐには終わらず、23時半ごろまでかかる。最近は出店時の什器の組みかたをその都度考えていて、けっこう悩みどころだったが、今回はすんなりと決定。今後の基本形ができた。帰宅。シャワーを浴びて寝る。


16日(土)

朝8時ごろに起きる。南へ行き、モーニング。スケッチブックに絵を描き、沢山遼「絵画の力学」続き読む。その後ドトールへ行きまた読書。運転中にも飲めるようにと大きめのアイスティーを買う。カフェイン強め。

レンタカーを借りて出発。yoms前でさっこと合流し、本や折りたたみ椅子などを積み込む。11時過ぎの時点で3人とも既にお腹がへっていて、早速ゆめタウンでパスタ。出てくるまでに時間がかかったけどおいしかった。

「おやつのカンデラ」でやっている上野あづささんの個展を見に行く。カンデラさんは開店してからこないだで1年が経ったけど、定休日がかぶっていて今まで伺えていなかった。民家がきれいにリノベーションされている。あづささんの個展は2階で行われていて、ペインティング作品と、今までzineなどで発表したイラストの原画が展示されていた。ドーナツを買って出る。

高松から松山までは、高速で1時間半ほど。こないだ18きっぷで高松から今治まで3時間半かけて行ったことを考えるとすごい差だ。いつも坂出から瀬戸大橋を渡って岡山へ出ていたので、今回のルートはほとんど初めて通る道だった。3人でいろいろ話しながら西へ進む。途中石鎚山SAで休憩。特に愛媛らしいもの買わず、どの山が石鎚山かもよくわからず。松山ICで下り、途中ナビに農道のような道を案内され迷いながら目的地へと向かう。

15時過ぎに工藤冬里さんのご自宅へ到着。あまり人の気配がなくどうしようとなっていると、冬里さんのお母さんが出てこられる。Voidのダイゴさんや冬里さんは買い出しに行ったそうだ。お母さんにダイゴさんがリノベを手掛けた部屋を見せてもらう。少し待たせてもらっていると関西方面からの出店者が続々到着し、ダイゴさんや冬里さんも帰ってきた。yomsは万が一雨が降ってきても大丈夫なよう、玄関脇のスペースでブースを組むことに。準備はすぐに終了。蒸し暑い中作業していて汗をかいた。車でドラッグストアに行き、アイスやお菓子、虫よけスプレーなどを購入。冷房が気持ちいい。戻ると陽もだいぶ傾き少し涼しくなっていた。

暗くなりイベント開始。今回のイベントは冬里さん宅の一部をダイゴさんがリノベして、その完成を祝う「改装フェス」。ライブが冬里さんのmaher shalal hash bazと、姫路からゑでぃまぁこん。出店が古本、カレー、コーヒー、冬里さん関連の音源や器。古本思ったよりも売れた。器をひとつ購入。フードもおいしい。この日のマヘル(初めて見た)はさっこや礼子さんも参加していて、かなり珍しい編成で見れた。どうやったらこういう音楽ができるんだろう。というか、「音楽ができる」って何だろう、と思わされた。

ライブが終わりひと段落したところで撤収し、挨拶して出発。あまりにも汗をかいたので、IC近くにある温泉へ行こうとなるが、ここでも迷う。いつもの車でなかったのでナビを見るのにも勝手が狂ってしまった。サウナにも入ってさっぱり。着替えのTシャツを持ってきておいて良かった。気持ちを切り替えて出発。まどがコーヒーをおごってくれた。

本の片づけは後にして、帰宅したのは1時前。疲れているにも関わらず、興奮していたせいかなかなか寝付けず。


17日(日)

朝8時頃に起きる。早々に出て、店に荷物をおろしてレンタカーを返す。この日も南でモーニング。読書進める。出て、きむらで弁当を2つ買い、店で本や道具の片づけ。

開店。この日はお客さんも買取も多かった。店頭買取3件。郵送買取の追加分がまた水曜に到着することになる。来月の大阪での個展のチラシが到着。京都のディナミシャイスケさんによるデザインで、自分の絵や文章がヴァイオレントに(褒めています)刻まれ絡められていて愉快だ。夜になって、昨日の改装フェスにも来ていたVoidスタッフのハヅキちゃんや京都の後藤さんが店に来てくれる。ハヅキちゃんに川上弘美の「ハヅキさんのこと」を薦めてみると、買ってくれた。

閉店後、ルクスにチラシを持っていく。レッドアイ飲んでまいちゃんと少し話す。まいちゃん大阪でDJの予定があるらしい。帰ってシャワー浴びて早めに寝た。スーパーのお弁当を2食続けて食べるのは胃腸に悪い。


18日(月・祝)

朝8時に起きる。トーストを食べ、ラジオ体操。洗濯物たたむ。まどと外出し、自分は店へ。この日はアルバイトの人が久しぶりに来てくれることになっており、午前中いっぱい在庫整理とそうじをやる。在庫置き場の棚が役に立った。暑くて汗びっしょり。

開店。この日も日曜ほどではなかったがお客さんが多かった。この日も店頭買取3件。うち1件は徳島からで段ボール4箱、後日振り込みとなる。明日の定休日を使ってどんどん作業を進めていこう。殺人的な暑さの8月は買取が少なかったが、少し涼しくなって依頼が増えてきたか。アルバイトMさん来てくれて作業。たまにバイトの人が来てくれると良い緊張感が出る。ほか受託商品や、買取に関するメールを送る。買取のほうは遠方だが、郵送にするか出張にするか迷っている。とりあえずお売りいただける本の画像を送っていただくことにした。

今日はこれから映画を1本見ようと思う。

2023年9月15日金曜日

大阪で個展(2023年09月14~15日)

13日(水)夜

閉店後、ヤフオクで買ったハンディプリンターを試す。最初全くインクが出ず焦るが、ネットで改善方法を調べてノズルクリーニングを数回やると、問題なく文字が出力できた。これで文章をいろんなものにプリントしてみようと思う。

本を出荷し、スーパーでビールとチーズを買って店で飲む。千種創一「砂丘律」読み始める。歌集を読むのもなんだか久しぶりな気がする。キャンバスの続き。午前中マーカーの線を無理やり入れてみて、どうなるもんかと思ったけど、どうにかなりそうだ。12時半頃に帰り、シャワーを浴びて寝る。


14日(木)

朝7時半に起きる。トーストを食べて、洗い物や掃除、洗濯、ごみ捨てなど。お弁当の準備。京都のディナミシャイスケさんから個展のチラシのデザインが送られてきたので、SNSに告知。

齋藤祐平個展「君に途中」
会期:2023/10/21(土)〜11/5(日)(水、木曜休み)
会場:POL(大阪府大阪市中央区谷町六丁目18-29-2F)
開場時間:月、火、金曜…13〜18時、土、日曜…12〜19時





















外出。レンタカーを借りて久しぶりの出張買取。マンションの1室に到着し「この棚に入っているものをお願いします」とご案内いただく。事前に聞いていたよりもたくさんの本がありうれしい。早速結束に入り、1時間と少しかかって完了。台車を3往復して車へと運び込む。汗をかいたので一旦家に着替えを取りに行き、店で本をおろす。レンタカー返却。

13時過ぎにまどと店番を交代。午前中に展覧会の告知と出張買取と集中力のいる作業をして、疲れた。早速買い取った本の査定を進めていく。夜になり、埼玉から来られたご夫婦(男性はラッパー小林勝行さんのドキュメンタリー映画「寛解の連続」を取られた方で、女性は去年のミモカアイでも展示をされていた画家の方)や、長野からよく来てくれる石垣さん、宮城から4年ぶりに来てくれたユリさんなどいろんな方が来店。皆さん丸亀の中園孔二展をご覧になったそう。中園展を目当てに県外からいろんな人が来るので、もう1年くらいやっていてほしい。

発送準備で30分ほど押して閉店。本を出荷してスーパーでビールを買う。店でユリさんからもらったあられをつまみに飲み、「砂丘律」読み進める。帰宅。シャワーを浴びて早めに寝た。


15日(金)

朝8時過ぎに起きる。たっぷり眠れた。この日も朝ごはんはトースト。洗い物とお弁当の準備をして読書。「砂丘律」読み終え、沢山遼「絵画の力学」続きへと戻る。

10時過ぎに2階作業部屋へ。真夏の時期は4階が暑くてクーラーをつけても耐えられないくらいだったけど、少し涼しくなったので道具やキャンバスなどを4階へ移動して掃除。18日にはまたアルバイトの方がネット出品作業をやってくれる予定。

開店。お客さんはそこそこ多い。店頭買取2件。郵送買取の見積もり1件。まどかさん来てくれて、映画の話をいろいろ。ソレイユでウェスアンダーソンの新作見たとのこと。DVDを貸してくれた。夜になって、アートコレクターのMさんが来店。Mさんは自分の絵も一枚買ってくれたことがあり、今年の2月に吉祥寺でやった個展にも来ていただいた。会ったのは10年ぶり。久しぶりにお話しして、東京からわざわざ本を持ってきて売ってくださり、とてもうれしかった。「かなり絵が変わりましたよね」と感想をいただく。確かに東京にいた頃と比べるとかなり変わったな。Mさんと入れ替わりで堀金君が来てくれて、いろいろお話。堀金君は11月にルクスでK-BOMBさんをゲストにイベントを企画している。最近イベントが増えてきて楽しい。

明日は愛媛県某所にある工藤冬里さんのお家で行われるイベントで出店。これから選書をする。

2023年9月13日水曜日

新鮮さ(2023年09月11~13日)

10日(日)夜

疲れてしまい、本棚作り中止。スーパーに寄って帰宅。カレーを作る。シャワー。スケッチブックに絵を描き、「大江健三郎自選短編」読み進めて寝る。


11日(月)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べて、お弁当の用意。早めに外出し、店の不燃ごみを捨てる。ソレイユで森達也「福田村事件」見る。月曜はメンズデーで、ちょうど午前中に見終わる(=店の開店に間に合う)回があった。細かい感想は実際に見た人と話したい。自分は少なくとも必要な映画とは思えても良い映画とは思えなかった。

開店。開店直後からお客さんが来られ、気持ちがいい。週末のお客さんが少なくなったのは、少し涼しくなって外で遊ぶ人が増えたからかもしれない。15時半頃からにわか雨。「福田村事件」のモヤモヤを少しでも晴らすべく、Stan Brakhage ”Desert”見る。1976年作、10分ほどの作品。ブラッケージ久しぶりに見たけど、良かった。品出し、発送準備進める。はっきりしない天気の割にはお客さんが多い。夜に小野君来てくれて、いろいろ話す。

閉店後、2階本棚作りの続き。なかなかスムーズにいかない。残りの作業を明日にまわして、キャンバスの続き。このまま進めても、あまり新しいことがやれなさそう。どうするべきか。少し早めに作業部屋を出て、セブンイレブンでハイボールとカルパスを買うと、ちょうど馬場君がやってきて、お酒もちょうど買ったところだとのことで、ベンチに座って飲む。ここ最近馬場君はだいぶ言葉が辛口になっている気がする。実は元からだったのかもしれないが。少し前から頭の中でつかえていたことが話せた。いつの間にか1時半になり、帰ってシャワーを浴びて寝る。


12日(火)

朝7時半に起きて、朝ごはんを食べる。大江健三郎読み進める。スーパーへ買い物。帰ってみるとまどがいない。この日てっきり家でアシスタントのバイトかと思っていたら、別の場所での仕事だった。悪いことをしてしまった。午前中はずっと読書。昼ご飯は煮込みラーメンとイカ天。ラーメンはあまり何も考えずに買ったら袋に「激辛」と書いてあり、ひるむ。

来年10月に予定していた個展の予定を一旦白紙にさせてもらう。声をかけてくれたのはもう10年以上の付き合いになる友人で、申し訳ないけれど、どうしても良い展覧会が作れそうな気がせず断ってしまった。良い出来事(展覧会でもイベントでも)はたいてい新鮮な関係性や人の流れを含むもので、どこかに甘えや馴れ合いを残したまま進むとあっという間に腐ってしまう。

作業部屋へ行き、本棚作りの続き。柿内正午さんのPodcastを聞きながらやる。2.5次元演劇(好きな人は「テンゴ」と略すようだ)の話が面白かった。本棚なんとか完成して、設置。2×4材は重い。今まで段ボール箱にしまってドカドカと置いていた本を棚に並べると、だいぶ部屋がすっきりしてきた。少しキャンバスを進め、南でアイスカフェオレとハムトースト。読書。

スーパーに寄って家に帰り、料理。ハマチの煮つけ、だし巻き玉子、イカ天入り野菜炒めを作る。まどが帰ってきて、余っていたカレーを出汁で少しのばし、カレーうどんを作る。お腹いっぱい食べたら、疲れと前日の夜更かしのせいか眠くなってきた。

風呂に入り、「大江健三郎自選短編」読み終える。勅使河原宏「砂の女」見る。ロケ地は静岡県の浜岡砂丘というところらしい。断続的に砂が流れたり砂山が崩落したりする映像が挿入され、その豊かな表情がどこか生き物のようで不気味だ。岸田今日子の主人公の体への視線がなまめかしい。

来月大阪でやる個展の初日まで40日を切った。早く告知したい。


13日(水)

朝8時前に起きる。トーストを食べ、お弁当を準備して早々に外出。2階作業部屋で本の整理。こないだヤフオクで買った新しい道具についていろいろ調べる。キャンバスの続き。このまま進めていくといつもの感じで終わりそうな気がして、全然違う線を乗せてみる。やった瞬間「うわあ」となるが、どうなるだろう。

開店。風はだいぶ秋めいてきているが昼間はまだ暑い。品出し、発送準備進める。まどの参加した合同誌「もぐらホリデ~」がウェブショップでも売れていて、発送作業が忙しい。夜に大三君と千葉さんが来て、こないだのライジンでのイベントや「福田村事件」についていろいろ話す。

今日はこれから新しい道具(ハンディプリンター)を試す。その後はキャンバスの続き。明日は午前中から出張買取。

2023年9月10日日曜日

平日と週末(2023年09月08~10日)

07日(木)夜

ブログを書いて投稿。家に帰って、疲れて寝てしまう。風が涼しく、だいぶ秋めいてきた。

6日の夜、佐貫さんと浅見さんと飲んだところにヒマさんも来てくれたのはかなりうれしい出来事だったなと噛み締める。自分が「絵ってほんと不思議なタイミングで完成するよな…」となんとなしに考える時、よく頭に思い浮かぶのは佐貫さんとヒマさんの絵だった。


08日(金)

朝7時頃に起きる。軽く朝ごはんを食べて料理。オクラと長芋の梅和え、豚肉と野菜としめじの辛みそ炒めを作る。まどと外出、南へ。「大江健三郎自選短編」続き読む。400ページと少しまで読み、これでやっと半分くらい。出てまどと猫のいそうな場所をまわるが、おらず。朝早い時間帯は寝ているようだ。作業部屋へ行き、本棚作りの続き。思ったよりも時間がかかる。展覧会チラシ入稿完了。

10年ほどお会いしていなかった方から、突然うれしい連絡あり。楽しみだ。

開店。この日もお客さんが多く、ネット出品していた本もそこそこ売れる。店頭買取1件。市村柚芽さんの画集「花」を品出し。これは先日出版されたばかりの本で、2020年から描かれた花の絵のシリーズと、市村さんによる詩と日記が収録されている。ハードカバー函入りのとてもしっかりしたつくり。市村さんの本のデザインはいつも浦川彰太さんというデザイナーの方が手がけている。yomsで扱っている小内光さんや富澤大輔さんの本は、浅田農さんによるデザイン。作家とデザイナーとのやり取りを、作られたものを通して継続的に感じるのは楽しい。夜になって郵送買取の件で連絡。査定金額了承とれ、お支払する。

閉店後、本の発送。ジャン=ピエール・メルヴィル「賭博師ボブ」見る。終盤、賭博に急に熱中しだすボブに「おい!なぜ今?」となるが、ラストとても良かった。見終えて、少しキャンバスを進めて帰る。外がシャワー浴びて寝た。


09日(土)

朝7時半に起きる。朝ごはん食べながらビクトル・エリセ「エル・スール」見る。タヴィアーニ兄弟の映画でもよく見たオメロ・アントヌッティが出ている。顔に差す影や、漂うたばこの煙の美しさが印象的。ストーリーは謎めいた部分が多いが、もともとは3時間の長編として構想されていたのが約半分の長さになってしまったらしい。お弁当を用意して作業部屋へ。本棚作りの続きをやる。やっと1つ完成。残りもう2つ。

開店。この日は店頭買取2件。うち1件は医学関連の専門書の買取で、一度キャンセルとなったものの、再度持ってきていただけた。買い取った本がたまってきたのでこの日はひたすらに品出し。最近は売り上げもお客さんの数も、週末より平日のほうが多いような。ちゃゆう君がキーツを買ってくれてうれしかったり、まどかさんと映画の話を少ししたりなど。

21時きっかりに閉店、早足でgoatのライブへと向かう。途中で前売りチケットを忘れたことに気が付き、ダッシュで戻る。なんとか始まったばかりのところに間に合った。会場にはたくさんの人が詰めかけていて、別に自分は運営に関わっているわけでもないのにうれしくなった。ライブ最高に良かった。神戸から来ていた蓮井さんや、みきちゃんにまどかさん、ヤマハラさんとかと話す。まみさんから「自然観察新聞」をもらう。よく知らなかったけど五色台でネイチャーガイド?をされているそうだ。ライブイベントで音楽と全然関係のないものをもらうのはなんだか楽しい。

帰宅。シャワーを浴びて1時半頃寝た。


10(日)

朝8時半に起きる。お弁当を用意してまどとまた南へ。大江健三郎続き読む。100均で消耗品を購入。作業部屋で本棚作りの続き。またひとつ完成する。

開店。お客さんは少なく、夕方から雨が降り始める。この日も品出しを進めていく。まどが参加した合同誌「もぐらホリデ~」を品出し。この合同誌に集まった11人の方々は普段モクリというアプリで作業通話をしている仲とのこと。作業しながら気を紛らわすためにおしゃべりする漫画家やイラストレーターの人はけっこういるそうだ。まどが「合同誌を作ることになったよ」と言い出してから冊子が完成するまでは相当早かった気がする。

文学フリマが来年高松で開催されるとのこと。四国では初めてらしい。盛り上がりそうだ。

今日はこれから本棚作りを終わらせて、家に帰って料理。

2023年9月7日木曜日

人が流れる(2023年09月05~07日)

04日(月)夜

3階の在庫整理と絵の続きをやろうと思っていたけど、明日まどが食べるおかずを作らなければいけないことを思い出し、スーパーで買い物をして帰宅。麻婆豆腐、小松菜のおひたし作る。トマトも切っておく。トマトに塩をふってビール。「大江健三郎自選短編」読み進め、小山田浩子、大竹昭子「嘘がつけない人」読み終える。

小山田「たとえば工場で働いていたときのことを書いていると、自分がした覚えのないことも思い出されてくるんです。それが思い出せたら書けるんです。」(p13)

シャワーを浴びて寝る。


05日(火)

朝7時半に起きる。早々に着替えて店に行き、燃えるゴミを捨てる。南珈琲でモーニング。スケッチブックに絵を描き、沢山遼「絵画の力学」続き読む。ジョゼフ・アルバースやラウシェンバーグ、バーネット・ニューマンなど、やっぱりこの辺が最近の自分の関心と重なって面白い。

レンタカーを借りて、西村ジョイへ。木材売り場(とても暑い)で、在庫を置く本棚のためのアイディアを練る。7年前、店用の本棚を作るために使ったパイン集成材の値段を見てみると、今は倍くらいの値段になっていた。値上がりが深刻だ。大量の2×4材を買ってカットしてもらう。2×4材はあまり好きではないけど、お客さんの目に触れるところでもないしいいだろう。

朝日町の「かじかわ」というお店に行く。ここはうどんとそうめんの両方を出している珍しいお店。両方をひとつのどんぶりにミックスすることもできる。冷やし梅そうめんとかき揚げを食べる。ホームセンターで汗をかいた体に濃いめの出汁がしみる。

リサイクルショップやGUをまわり、ズボンや下着を買う。郷東町のハードオフでレコードを見る。大量の松山千春やかぐや姫、アリスなどをかきわけてムード音楽のLP2枚と台湾の観光みやげ10インチ、ザビエル・クガート参加のタンゴの10インチを購入。ペラジャケの10インチはなんかかわいい。

まどから仕事が早く終わったと連絡あり、店へ戻って木材をおろす。合流して、城東町のあたりにある「倚水軒」という中華料理店に初めて行く。中華料理のお店に行くのがかなり久しぶりだ。青椒肉絲定食を食べる。まどは水餃子、ライス、ポテトフライ。おなかいっぱいになってしまう。まど参加のマンガ合同誌「もぐらホリデ~」読む。先日行われたコミティアではほぼ完売したらしく、めでたい。いろいろなタイプの作品が収録されていて、その中でもまどのマンガは簡潔で他の作品ととりわけ異なる味わい。

ぽかぽか温泉へ行く。温泉に入った後、座敷で「絵画の力学」続き。11時ごろに帰り、この日は早めに寝た。


06日(水)

朝8時ごろに起きる。お弁当を準備してレンタカーの返却。ガソリンスタンドに行ったらリッター190円になっていた。この日も南に行き、スケッチブックに絵を描いて読書。店へ。2階にあるものをどかして棚を組み立てるためのスペースを作り、昨日1階に置いた2×4材を2階へと移動。

開店。この日はにわか雨が降ったりと変な天気だったけど、お客さんは多かった。Tさん久々に来られ、フォークナーや三隈研次の話などいろいろ。Tさんは時代劇映画にも詳しく、聞いていて勉強になる。これからソレイユに「福田村事件」を見に行くそう(見終わった後にもう一度来られ「良かった」とのこと。自分も見に行きたい)。この日は品出しをがんばった。ヤフオクで買った道具や郵送買取の本、注文していた自主制作の商品などが次々届き、今日は全ての作業は無理そうだと早々にあきらめる。夜になり、yomsでも画集を扱っている佐貫絢郁さんと編集者の浅見旬さんが来店。佐貫さんのinstagramストーリーで丸亀の中園孔二展を見に行っているのに気づいていたので、なんとなく気配は感じていた(そして、はたきを念入りにかけた)。お二人とは7月に横浜で会っていろいろ話したばかりだけど、その時は主に佐貫さんの作品について話したので、今回はまた違う話をいろいろ。浅見さんがメンバーのwell(アパレルや冊子の発行などいろんな活動をされている)についてもいろいろ聞く。途中藤谷さん来てくれて、ポータブルのレコードプレイヤーを譲っていただく。今自分が持っているプレイヤーはおそらくピックアップに問題があり、異様に音が小さかった。こちらは問題なさそう。

飲みに繰り出した佐貫さん浅見さんに「合流しても良いですか」と連絡したら「ぜひ」とのお返事をいただいたので、ダメ元でヒマさんも誘ってみると、なんとちょうど二人が飲んでいる店の近くにおられたようで、4人で飲むことになる。よって屋で合流。閉店ギリギリまでビールやハイボールを飲みながらお話する。ヒマさんと浅見さんは神戸が地元で、ディープな話が楽しい。佐貫さんや浅見さんの話を聞いて、なんとなく関西のいろんな点が線で少しつながった感じがした。2軒目は某アーティストも高松に来た際にはよく行くというバーへ。久しぶりにウイスキーのロックなど飲む。結局2時くらいまでずっとしゃべっていた。


07日(木)

朝6時半くらいに一度起き、また寝て9時過ぎに起きる。久しぶりに2日酔い。シャワーを浴びて朝ごはんを軽く食べる。昨日まどにおかずは作るよ宣言をしたにも関わらず、まどはパパっと手際よく豚しゃぶと、小松菜とにんじんのおひたしを作っていた。申し訳ない。個展チラシの関係の連絡をやる。

開店。店頭買取1件。この日は発送が多く、なかなか忙しかった。個展チラシの発注枚数とデザイン固まる。初日の1ヶ月前までには各所への発送を終えたい。来週に出張買取1件入る。

夜、池田若菜さんがパートナーの方とお二人で来てくれる。池田さんとは共通の友人が多いけどお話するのは初めて。吉祥寺の「百年」で今年の2月に個展をやった際には、絵を1枚買ってくれた。前々から絵を好きでいてくれたそうだけど、共通の友人が多いというのはそんなに知らなかったようだ。池田さんがフルートとボーカルで参加しているバンドThe Ratelはかっこいい(アルバムのジャケットデザインを、yomsのショップバッグもやってくれた加瀬透君が手掛けている)。東京の小伝馬町に「ツバメスタジオ」というギャラリーを併設した面白い録音スタジオがあるとのこと。これからごはんを食べに行くようで、自分もご一緒したいところだったが、やることがたまっていて泣く泣く断念。また東京に行った時にお会いしましょう。

中園孔二展が最終日間近ということもあり、最近割と近しいところにはいたけどあまり話したことのなかった方が店に来てくれることが多い。とてもうれしい。人が流れているのを感じるのが好きだ。

閉店後、本を出荷してスーパーで買い物。ブログをまとめて書く。これから帰って料理。

2023年9月4日月曜日

朝に映画(2023年09月02~04日)

01日(金)夜

閉店後本を出荷して、スーパーでビールとおつまみを買い、店で「大江健三郎自選短編」読みつつ飲む。店の外からの目が多少あるからか、集中できる。区切りをつけて作業部屋でキャンバスの続き。前までああでもないこうでもないといじくりまわしていた絵が、意外とすぐに完成。どうなるかわからないもんだ。家に帰り、シャワーを浴びて、サンダルを洗って寝る。


02日(土)

朝7時半に起きる。この日も二度寝しないよう気を張って持ちこたえる。朝ごはんを食べ、洗濯などをする。読書。「自選短編」と沢山遼「絵画の力学」を交互に読む。気持ちがいい。お弁当の準備。

まどと外出。この日は前半まど店番で、自分は2階で早めの昼ご飯。来月の大阪での個展のアイディアを練る。絵の他に文章を組み込む予定で、それらをどのように空間へ構成するのかがまとまらない。下手をすると、絵だけで良かったのではないか…ということになりかねない。いろいろと考え、ひとついけそうなアイディアが浮かび、必要な道具を検索。高かったのでヤフオクに出品されていたものをとりあえず入札。どうなるかな。本の在庫の整理をやる。

店番交代。展覧会への不安を引きずり、いまいちやる気出ず。こんなことではいけない。店と絵、それぞれの仕事や活動が、他の一方がうまくいかない時の言い訳になっていないか。品出し少し、発送準備。

閉店後、本の発送。映画を見ようと思ったらWiFiの調子が悪いようで、結局読書。キャンバスを進めて、帰ってシャワー浴びて寝る。


03日(日)

朝8時に起きる。ごはんを食べつつ、溝口健二「夜の女たち」見る。1948年公開。西成や天下茶屋のあたりが舞台で、町はまだボロボロ。田中絹代と、その妹役の角田富江の途中からの豹変ぶりがすごい。田中絹代は売春婦を演じても周りの不良娘たちと明らかに雰囲気が違い、かえって根っこにある品の良さが浮き出ている感じがした。田中絹代が監督した「女ばかりの夜」はこの作品のその後とも呼べる内容のようだ。お弁当を用意して外出。作業部屋でネット出品作業を少しやる。

開店。お客さんは日曜にしては少なめ。発送準備、品出し、郵送買取の見積もりなど。気になっていた自主制作本の取り扱いについてのメールも送る。この日はあまり間を置かずきっちりと仕事ができた。ヤフオクで入札していた制作用の道具、無事に落札。

閉店後、本を出荷してルクスへ。パイナップルジュースを飲み、堀金君と諸々打ち合わせ。楽しくなりそうだ。帰ってシャワーを浴びて寝る。


04日(月)

朝7時半に起きる。ジャン=リュック・ゴダール「男性・女性」見ながら朝ごはん。シャンタル・ゴヤ美しい。コーヒー飲む。店2階の倉庫部分に本棚を作ろうと思い、明日ホームセンターに行こうと決める。レンタカーを予約。

お弁当を用意して外出。湿度が低くなって気持ちがいい。銀行にお金を預けると、思っていたよりも残高がありほっとした。100均で消耗品を買う。作業部屋でキャンバスの続き。スムーズに進んでいるけど、この辺でもう少し違ったことをやってみるべきかもしれない。昨日話し合ったことをまとめて堀金君にLINEで送る。

開店。お客さんは少ない。この日は発送準備の後、在庫整理を進める。2階に本棚を作るため採寸、必要な木材や道具を割り出す。受託商品や郵送買取の連絡も少し。

今日はこれから3階の在庫整理も少しして、キャンバスの続き。

2023年9月1日金曜日

お祝い(2023年08月31~09月01日)

30日(水)夜

閉店後、チャールズ・ロートン「狩人の夜」見る。ミッチャム怖い。銃を構えるリリアン・ギッシュのかっこよさ。顔への照明が効果的。ラストも良かった。キャンバスを進める。うまいこといき、なかなか家に帰れない。12時半ごろ帰宅し、シャワーを浴びて寝た。


31日(木)

朝8時過ぎに起きる。ご飯を炊いてお弁当の用意。コーヒーの粉がちょうどなくなったし、南に行こうとなる。外は妙に湿度が高い。南に入って、再度まどの原稿チェック。ほぼほぼ完成か。まどは来月バイトがたくさん入っているようで、忙しそうだ。「大江健三郎自選短編」読み始める。最近は長めのものをコツコツ読むのが好きだ。作業部屋へ行き、少しキャンバス進める。

開店。発送準備、品出し、均一本の補充など進める。外は小雨が降ったり止んだりで、どうも気分が上がらない。店頭買取2件。

15時になり、一旦閉店。まどと合流して外出。一昨日誕生日だったので、お祝いに服を買おうということになり商店街へと出る。夏休み最終日で高校生が多い。出てから、Rocksteadyも栗金商店も休みだということに気が付き愕然とする。無人古着屋にも入ってみるがやはりだめで、とりあえずぱらいそに入り、いちじくのパフェを食べる。プリンやゼリー、アイス、パウンドケーキ?などが何層にも重なっていて、味の変化が楽しい。FUZZに行く。オータカさんに挨拶するのも久しぶりだ。服を見るがなかなか決まらず、結局別の日に持ち越しにした。

営業再開。たまたま前を通りかかって店の存在に気が付いた様子の方がけっこう買ってくださった。うれしい。以前お預かりしていた買取の査定金額、了承とれる。

閉店後、集中してキャンバスの続きを進める。やはりある程度時間をかけて進めると次やるべきことが見えてきやすい。1枚完成。本を発送して帰り、シャワーを浴びて寝る。


01日(金)

朝7時半に起きる。朝にスマホを見て時間が過ぎるのがもったいないので、ごはんを食べながら映画を見ることにする。吉田喜重「戒厳令」見る。三國連太郎主演で、2.26事件が題材。派手な演出はなく、とても低予算で作られている。観念的な会話が続くが、映像の構図の美しさで冗長には感じず、2時間弱引っ張られてしまう。さすがだ。

お弁当を用意して外出。作業部屋の片づけ。以前手を付けて放っていたキャンバスの続きをやる。大幅に塗りつぶすことに。

開店。お客さんは少なめ。品出しなど進める。店頭買取1件、郵送買取の見積依頼1件。夕方になり、若いお客さんがちらほらと来る。みんな一人客。藤谷さんが来て、フライヤー持ってきてくれたついでにビール飲んで本を買ってくれた。

今日は店で少し本を読んで、キャンバスの続きをやる。