2019年12月31日火曜日

2019年12月31日

朝9時起き。

小島信夫「実感・女性論」読み終える。読み進めるにつれて、ところどころにもやっとする箇所もあったけど、後書きを読むと、やはりいつもの背筋のすっと寒くなるような感じがある。
「男性読者は、この一見よわき『私』なる男を軽蔑しながら、心安らかに共感し、女性を見つめ、鬼の首をとったようなつもりになり、女性をヤユしたようなつもりになる。ところがそのうち、ヤユされているのは自分である。それも作者がヤユしているのではなくて、ほかならぬ女性なる存在がヤユしているのである、と気がつく。」
この本は一応エッセイの体をなしている。が、いったい「私」はどこまで「私」なのか。

開店。
今日は火曜日で、本来なら定休日なのだけど臨時営業。のんびり本を読みながらやろうと思っていたけど、なんだかんだで品出しや発送準備。そして郵送買取6箱到着。査定を進める。

晩ごはんは鳥そば。かつおとしいたけの出汁で、そばは観音寺のマルキンというところの八割そば。うまくいった。
絵を2枚描く。ペースが乗ってきた。来年はもっともっと描いていきたい。

今日はさすがにお客さんは少なかった。お客さんが来るとしたらこれから深夜にかけてだろうか。
来年も、充実した品ぞろえでお客さんを迎えられるようにがんばりたい。

明日は早起きして道後温泉へ。

2019年12月30日月曜日

2019年12月30日

昨日の夜は、まどと時宅に行った。
途中で偶然安岐さんも来て、美術の話やいろんな街の話ができて良かった。絵に関して、今年はなんだか考えがあっちこっちにいってたけど、そんなに自分の態度を厳密にする必要もない。あんまり頭でっかちにならないように、コツコツと手を動かしていきたい。

朝5時くらいに、気持ち悪くなって一度起きてしまった。お銚子2本しか飲んでないのに、疲れているのだろうか。どうもお酒に弱くなった。

起きたら10時半。小雨。少し頭が痛い。
開店。本の引き取り1件。民俗学や歴史などの専門書が多めで、ありがたい。品出しを進める。

この1年は買取も増え、お客さんから勉強させてもらうことが多かった。特にある程度まとまった量の専門書が入ってくる時などは、そのお客さんの知識や好奇心、本と共に過ごした時間が、具体的な物量となってドッと向かってくるような感覚がある。こちらは「日本の精神医学の歴史」「香川の植生と獣害の関連」といった、日常でほとんど話さない話題について突然大量の情報を受け止めて、それを査定してお金を払い、さらに値段をつけて売らないといけない。それを続けていると、ベストセラーや実用書への見方も自然と変わってきたりする。
「お客さんは神様」とは思わないけれど、お客さんは自分の認識している世界をどんどん拡げてくる。なかなか大変だけど、向き合っていきたい。

晩ごはんは豚肉の粕漬け、里芋と長ネギのゆず味噌煮、水菜と大根のサラダ。

今日はバイト納めで、明日店は臨時営業。これからTSUTAYAにDVDを返しに行く。

2019年12月29日日曜日

2019年12月28~29日

28日

朝8時起き。
ごはん食べて、昼の弁当を作る。水菜のサラダ、焼き鮭、卵焼き。
電気カーペットの上で、毛布にくるまりながら本を読む。とても眠い。

開店。
会社勤めの人は今日から連休の人も多いはずだけど、家のことが忙しいのだろうか、お客さんは少ない。自分も、年末のふわっとした空気に、いまいちやる気が出ない。

年末は、自分の考えをむりやりまとめてしまいがちで、どうもいけない。
今年起きたことをざっと振り返ってみる。
新店舗オープン。自分もまども退職をして、自分はほぼ店専業となり、まどは学校に通い始めた。まどが医者の薬の処方ミスにより入院するというトラブルもあった。店舗上の階のリフォームと引っ越し。祖母が亡くなり、帰省。県外への出店は、鳥取と祖谷と尾道。店内でもいろんなイベントをやった。
いろいろあって大変な年だった。来年はもっと落ち着きたい。

まどが晩ごはんにカレーを作ってくれる。トマト多めでおいしかった。自分もスパイスカレーに挑戦してみたい。

もういまいちかなと思ったけど、夜からお客さんも増え、なんとかなった。
バイトから帰り、「マルセル・デュシャンとは何か」読み終えて寝る。


29日

朝9時半起き。寝すぎた。

キアロスタミ「オリーブの林をぬけて」見て、茨木のり子「貘さんがゆく」読み終える。
風呂に入って、洗濯して、ライブのリハーサル。今日は今年最後のさっこ月例ライブで、まどと自分も演奏することになっている。ギターの上に乗せたシンバルにコンタクトマイクをつけて、シンバルを揺らしたりしながらフィードバックを操作する。
インスタントのタイラーメンを食べて、小島信夫「実感・女性論」読み始める。

この日はけっこうお客さんが多い。品出しを少しずつ進める。

ライブはさっこがまず1曲弾き語りをやり、その後に3人で「ふるさと」を軸に各々即興を交えつつ演奏するというもの。2人は手ごたえがあったようだけど、自分はちょっとうまくいかず。お客さんは今までの月例ライブで一番多かった。
さっこは今カキ漁の仕事をしていて、今ちょうどシーズンということもあり忙しいようだ。1枚絵を買ってくれる。うれしい。

今日はバイト休み。少し飲みに行こうと思う。

2019年12月27日金曜日

2019年12月27日

昨日の夜は絵を描いた。1枚完成。

朝8時半起き。

25日の水曜日に東京の幡ヶ谷で行われたK/A/T/O Massacreというイベントで、友人のNothtoこと直嶋岳史がライブをしていた。直嶋さんは去年、自分の録音した素材を加工して「Flower & Metal」というアルバムを作ってくれていて、おとといのライブでも、その中の音源を使用していたようだ。
アルバムはこのリンク先から聞ける。
https://encadre.bandcamp.com/
最近音の制作はほとんどやれていない。イッペンさんから借りたオールインワン型のシンセも、小鉄君から借りたサンプラーも触らずじまいになっている。カセットテープに録りためている音素材はあるので、読書の時間のためのアンビエントとか、作ってみたいなあと思う。

まどとモーニング。会社勤めの人は今日が仕事納めという人が多そう。自分は大晦日まで休みなし。
高松駅前のチケットショップで、3回分余っている18きっぷを買う。元旦にこれを使って道後温泉に行く予定。1回分余るので、またチケットショップに売るつもり。

柳田国男「野草雑記・野鳥雑記」読み終える。

開店。少しずつ品出しを進める。郵送買取1件到着、査定。
まどは学校の宿題をして、美容院に行った。

直嶋さんから25日のライブの録音が送られてきたので聞いてみる。いろんな音源をスクリュー(遅くして再生すること)してコラージュしている。時折テクノっぽかったりブレイクビーツっぽい展開もあって、かっこよかった。

店でストーブをつけて、「もうしばらくいいかな」と思って消すと、あっという間にまた寒くなってしまう。空気が乾燥しているのか。高松市もインフルエンザが流行してきているらしい。気を付けなければ。

平芳幸浩「マルセル・デュシャンとは何か」読み始める。

今日はこれから少し絵を描いて、バイト。帰ったら少し本を読む。

2019年12月26日木曜日

2019年12月26日

昨日の夜はまどと話して、すぐに寝てしまった。

朝9時起き。やっぱり寝てしまう。
ごはん食べて、昼のお弁当を作る。実家から送られてきたサンマの焼き漬けと、白菜と長ネギの炒め物。
「野草雑記・野鳥雑記」読み進める。方言についての考察が多め。

開店。品出し。最近雨が多く、今日は特にお客さんが少ない。

昨日の夜に吉野さん夫妻の「ようかいどく」を改めて通して読んだ。桃子さんも聖さんも、日々いろんな方向に思考をめぐらせていて、実践していこうとしているのがじりじりと伝わってくる。
平野公子さんがいらっしゃって、吉野さんから預かっていた献本分をお渡しする。

晩ごはんは鶏肉と野菜のオイスターソース炒め、山芋の酢醤油漬け。
いただいたゆずがまだまだあるので、ゆず茶用のシロップを作りたい。スパイスも入れたらおいしそう。
まどは今日から冬休み。店番を代わってもらって、映画を見る。キアロスタミ「そして人生はつづく」。

郵送買取のご依頼1件。画像を送っていただき、見積りを出す。

今日はバイト休み。絵を描く。

2019年12月25日水曜日

2019年12月25日

朝7時半起き。こんな感じで、夜1時くらいに寝て、7時半か8時に起きるくらいにしたい。
映画。キアロスタミ「友だちのうちはどこ?」を見る。ストーリーはいたってシンプル。しかし出てくる大人たちがみんな驚くほど子どもに対して高圧的で非協力的な人ばかりで、見ていてハラハラする。すごいな。最後は少し柔らかい部分もあった。
少し本を読む。

開店。品出しを進める。
豊島で養鶏を営んでいる吉野さんが、冊子「ようかいどく」を持ってご来店。
吉野さんがやっていたサニチャーやチロリアンテープなどの音楽活動について、自分は熱心なリスナーというわけではなかったけれど、それでも吉野さんの名前は雑誌などを通して知っていた。豊島に引っ越しているという話も円盤の田口さんから(どういうきっかけからその話になったのか忘れたけど)聞いていて、お話すると、香川に引っ越した時期も自分とほぼ同じで驚く。チュツオーラや保坂和志の話もして、うれしい気分。
「ようかいどく」には、日々を過ごす中で生まれる世の中の規範や政治経済などへの思いがぎゅっと詰め込まれていて、すごい熱量。版画で刷られた表紙や、和綴じ製本もかっこいい。とりあえず販売はせずに、店内の閲覧コーナーに設置する。

晩ごはんは、おととい作った里芋とにんじんの煮物と、昨日新潟の実家から送られてきた豚肉のみそ漬けを焼いて食べる。豚肉は「北越後パイオニアポーク」という仰々しい名前で、とてもおいしかった。実家にお礼の電話を入れる。
庄野潤三「けい子ちゃんのゆかた」読み終え、柳田国男「野草雑記・野鳥雑記」読み始める。

時宅のモモさんが、焼いたばかりのチキンを持ってきてくれる。うちで配布していたゆずと交換。つけあわせのレンコンも、ほくほくでおいしい。

まどは今日が年内最後の登校日で、明日から十日間ほど休みになる。イオンにスターウォーズを見に行った。

今日もこれからバイト。帰ったら絵を描きたい。

2019年12月24日

昨日の夜はバイトから帰って、少し本読んで、A4の光沢紙に1枚絵を描いた。

8時半起き。今年ももうあと一週間。
ごはん食べて、「イル・ポスティーノ」見て、三品輝起「すべての雑貨」読み終える。

スーパーに買い出し。郵便局でスマートレター買う。
TSUTAYA行ってDVDを返却し、また借りる。キアロスタミのジグザグ道3部作。
図書館に寄って帰る。

まども帰ってきて、晩ごはんの準備。鶏肉と野菜のトマト煮込みを作り、フランスパンを切り、ウインナーを焼く。クリスマスイブなのでケーキもある。
食べながらいろいろな話。お互い年々状況は良くなっているのでは、と確認する。
庄野潤三「けい子ちゃんのゆかた」読み始める。
髪を切ってもらって風呂に入る。

ペーパートーク用の原稿を作る。印刷して完成までいけた。年をまたいでいるのであまり実感がわかないけど、次のペーパートークまであともう10日ほど。

バイト行って帰ってきたところ。これからもう少し本を読むか、絵を描くかして寝る。

2019年12月23日月曜日

2019年12月22~23日

22日

朝8時半起き。
まどに店番をお願いし、レンタカー借りて、本の引き取りに向かう。芸術関係や郷土関係、昔の児童書など。ありがたい。裏庭で採れたというゆずや橙、張りキャンバスも30枚ほどいただいた。車をいっぱいにして、一度戻る。
いらない家財道具をリサイクルショップに売って、ズボン買って、「ひらり」でチリトマトラーメン食べて、ブックオフで矢口高雄「マタギ」(ヤマケイ文庫)買って、銭湯行って、帰る。

まどと店番を交代し、品出しや発送準備。午後に買取依頼一件あり、その査定もする。
閉店して料理。ベーコンと卵の炒め物と、水菜と大根の胡麻マヨネーズ和え。
金子光晴「ねむれ巴里」読み終える。

バイト終え、iLに行ってビール飲みながら浜吉さん、まいちゃん、さちこさんといろいろ話す。珍しくJPOPがかかっていた。iLには古本(浜吉さんの私物)コーナーもあり、マーガレット・アトウッド「侍女の物語」を買う。けっこう安かった。いつの間にか2時半くらいになっていて、まいちゃんと一緒に浜吉さんを家まで送り、帰る。


23日

朝9時起き。
ごはんを食べて、三品輝起「すべての雑貨」読み始める。
田口さんから「来年もお願いします」とメールが届く。うれしい。

開店。
以前フリーペーパーを置きにきてくれた女の子が「どこに置いてますか?置かれているところを写真に撮りたいんですけど」とやってくる。このフリーペーパーは大学のゼミの取り組みで作ったもののようなのだけど、彼女曰く「zine」なのだそうだ。写真を何に使うのかは聞いていない。伝えたいことや置いてもらう場所よりも、伝えている自分と置いてもらった事実のほうが、彼女にとっては重要なのかなと感じてしまった。

昨日入荷した本を品出しする。引き取った本の中には戦前出版された古書もあり、棚の時間軸が広がるようで楽しい。

些末事研究の福田さんが来て、年末年始の営業の話などする。以前仏生山の駅のそばにあった呑み屋さんが大晦日にも営業したところ、単身赴任の会社員のお客さんなどでにぎわっていたそうだ。うちは大晦日の火曜は臨時営業で、元旦と2日はお休みの予定。

マンガ読みたい。「凪のお暇」も店に出す前に読めば良かったな。

晩ごはんは昨日作ったごま和えと、まどがスーパーで買ってきた鴨のロースト。鴨肉というと高級感があるけど、400円くらい。
明日の弁当用に里芋とにんじんのゆず味噌煮、鱈の塩焼きを作る。味噌煮にしょうがも入れてみたら、香りがまろやかになった。鱈にはゆずの果汁をふった。

「四国の魚」(1975年刊)という本が入荷。郷土料理のページを読んでみると、東かがわ市の白鳥には、なまこのぶつ切りを茹でてきなこをまぶした「なまこのぼたもち」という料理があるそうだ。もち米よりもなまこのほうが入手しやすかったのだろうか。また、農山村ではたんぱく源の確保のため、ため池にいるフナをあの手この手で臭みを消しつつ食べていたらしい。てっぱいくらいしか知らなかったけど、他にも大豆と一緒に甘辛く煮込んだりとか、いろんな調理方法があるようだ。
今年の年始は豊島の安岐さんの家で、白みそとあん餅の雑煮をいただいた。新潟と香川は本当にいろいろ正反対でおもしろい。

今日もこれからバイト。明日は定休日なので、映画を見たり、何か作ったりする。

2019年12月21日土曜日

2019年12月21日

朝9時起き。良く寝た。

高松市美術館に工芸高校美術科の作品発表展を見に行く。店によく来てくれるSちゃんの絵は、主張が意外なほど控えめで良かった。
見終わってから、昨日思い出したアートプロジェクトでの記憶や田口さんとの会話と絡めていろいろと考える。Sちゃんの絵が「良かった」とはどういうことなのだろう。
ある作品に対する感情の起伏を支えている要素は無数にある。作者への印象。作品の展示されている環境、たどり着くまでの景色。美術史への位置づけ。誰とその作品を見て、その時同行者はどういう反応を示したか。その後に見た別の作品や、展覧会全体の印象は。
Sちゃんの絵から今回感じた良さは、自分とSちゃんとの記憶に支えられている部分が大きい。しかし今後彼女の作る絵がどんな角度から自分の中に入ってくるかはわからない。今日感じた良さからはみ出たものが、時間をかけて絵に蓄積された時、また別の感情が呼び起こされるのだろうし、呼び起こされたいという期待もある。
アートプロジェクトでの作品の良さは、その地域の積み重ねた時間が醸し出す情緒に支えられていることも多い。そこに意識をめぐらさず、作品の力を過信してしまうのは避けたい。

喫茶店でコーヒー。金子光晴「ねむれ巴里」読み始める。
ルヌガンガで「BOOK在月 book7」買う。島根での様々な本の取り組みを紹介したリトルプレス。

開店。ありがたいことにお客さんが多い。
地元へ戻るというアベさんが来て、余っている生活用品をもらう。
晩ごはんは大根・水菜・ベーコンのサラダと、里芋のゆず味噌煮。どっちもうまくできた。

今日はこれからバイト。映画が見たい。明日は前半まどに店番してもらい、レンタカーで本の引き取り1件。

2019年12月20日金曜日

2019年12月19~20日

朝8時起き。今日はレコード寄席。
ごはんを食べて、掃除機をかけて、田口さん用のふとんを出す。

本を読んで、絵を描く。おととい途中までいってた絵が完成。
絵を描かなくなると、いざ描こうとした時に失敗が怖くなってしまって、手の動きが鈍くなってしまう。うまくいかない絵をどうにかしようともがくことで、普段の自分の手癖ではまず考えないような形だとか、色の組み合わせが生まれたりもする。

レコード寄席も今回が3回目。今回のクリスマス編も、主に戦後から70年代末、高度経済成長期を経て「恋人はサンタクロース」に至るまでの日本のクリスマス観を、レコードを通してたどってみようという内容でとても楽しかった。
終わってから田口さん、ゆきのちゃん、鳥取からいらしたタナカさんと少しごはんを食べに行く。いろんな話をした。インターネットに残った情報に触れてばかりいると、情報の背後にある「その人の過ごしてきた時間の奥行き」に想像がいかなくなってしまうことがある、という話が印象に残った。自分に対しても他人に対しても、意見の整合性ばかりに敏感になりがちで、その人の思考錯誤には無頓着になりがちというか。いろんな人の意見を聞いて変化したり、そのために相手の意見へ歩み寄る心の準備をするのも大切なことだ。「ブレない」人はどこか奇妙に感じてしまう。
Spectatorで「三ツ沢通信」について田口さんが書いた文章にも、ものや人の背後にある時間への洞察について記述がある。
「物事が劣化するのと同様に記憶も少しずつ忘却されていくことで、人々は感情と向き合うことが出来、人がまとう気配として『過去』をぼんやりと察することで『他者を思う』ということを身につけていくのだと思うのです」

田口さんとタナカさんは、この日は綾川の清水和尚のお寺に泊まるとのことで、また今度ということになった。


20日

朝8時過ぎに起きる。ごはん食べて本読んで、昨日のイベントの片付けをする。
ミランダ・ジュライ「いちばんここに似合う人」読み終える。

開店。
児島さんが来て、自然農法やカレーの話。自然農法や有機農法とかって漠然と感覚的にとらえていたけど、土も全然耕さないとか、虫の駆除を天敵を近くに放つことで行うとか、様々なやり方があるそうだ。
店をやり始めた最初の頃は「やりたいことを思いっきりやれる拠点ができたぞ!」という気持ちがあったけど、最近は自分がお客さんに対して何かするというよりも、お客さんからいろいろ教えてもらうほうが楽しい。

昨日田口さんから買った冊子「と豆腐軒の想い出」を読む。これは田口さんが日本の各都道府県に関する思い出を書いてまとめたもの。
大分県の章で、別府での「素人アート・フェス」(仮称)のこと、そしてその(内容的にはともかく集客的には成功した)イベントの記憶に囚われて自分の表現を見失ってしまった男性の話が出てくる。このイベントには自分も参加していて、1週間ほどたくさんの人たちと共同生活をしながら大きな絵を作った。もう10年以上も前の話。別府の温泉は効能が強すぎて体がぐでんぐでんになり、作業は難航した。
アートプロジェクトと呼ばれるような催しには過去何回か制作者として関わったけれど、あまり良い思い出がない。いろんな人と仲良くしなければいけないような重圧を感じてストレスが蓄積し、精神的にもまいっていたと思う。
自分の活動ペースがつかめてきたのは、水道橋「路地と人」での「Circle X」というグループ展と、代々木八幡20202での「平間貴大レトロスペクティブ大回顧展」を企画した2010年からだ。まどと付き合い始めたのもこの年。それももう10年前の話になろうとしている。

今日はこれからバイト。明日は工芸高校の卒展を高松市美へ見に行く。

2019年12月18日水曜日

2019年12月18日

朝8時半起き。ごはんを食べて、灯油を買いに行って、ぼーっとする。

まだ読んでない本を眺めて、次はあれ読もう、その次は…と考えるのは楽しい。目次や内容紹介を確認したりしながら、いつの間にか10分20分と経っていたりする。
ジャンルや書かれた時代の他に、買った時期や場所にもふり幅をある程度もたせながら順番を決めていることに気付く。ものから記憶が呼び起こされることを、自分で編集して楽しんでところがあるようだ。旅先で本を買いたくなる心理には、こういう部分が作用しているのかもしれない。

開店。ネットでけっこう売れている(買取歓迎しております。出張買取、郵送買取も対応可能です。ご依頼はtao.kuroinuアットgmail.comまで)。

東京からみかんちゃんこと広井さんが来てくれる。宇和島へはかなりの頻度で行っているそうで、高松へも年内どうしても行きたくて今回やっと来れた、とのこと。うれしい。今年の春にやったトーク「あなたの知らないみかんの世界」は、みかんちゃんのみかん愛が炸裂したとても良いイベントだった。また来年もやりたいねという話をする。

岡山から、ゲストハウス「とりいくぐる」の明石さんと井浦さんがご来店。
井浦さんは、知り合ったのは多分12年くらい前で、その時は藝大の学生だった。素人の乱に遊びに来ていて知り合ったはず。ずっと会ってなかったけど、岡山OFでの1回目の個展の時、OFの行司君から「『新しい部屋』っていう名前のお店ができたらしいですよ」と教えてもらって行ってみたら、とりいくぐる裏の物件で井浦さんがお店をやっていた。

晩ごはんは小松菜を使ったパスタ。ちゃんと洗ったと思っていたけど、砂が入ってしまった。
ミランダ・ジュライ「いちばんここに似合う人」読み始める。

昨日かなり休んだのに、なんだか疲れている。寒くて着ぶくれしているからか。
今日はこれからバイト。明日はいよいよレコード寄席。

2019年12月17日

朝8時起き。外は小雨。
後藤明生「挟み撃ち」、「境節詩集」(現代詩文庫)読み終える。

ごはんを食べて外出。
図書館に行き、スマホにメモした読みたい本を検索。意外とないものも多い。
TSUTAYAに寄る。キアロスタミ作品が6つほど入っていて興奮。いつまであるかわからないし、この年末年始に見てしまおうか。

帰って、Spectatorの「日本のヒッピー・ムーヴメント」特集を読みつつ、コーヒー飲んだり絵を描いたりする。少し大きめの光沢紙にインクとアクリル絵の具。
おととい買ったファンヒーターが到着。だいぶ快適になりそうだ。

この日の晩ごはんはまどが作ってくれた。じゃが芋の炒め物と、鱈鍋。

TSUTAYAで借りたキアロスタミ「桜桃の味」見る。淡々とした映画だなと思って見ていたら、主人公が老人に再び会いに行く場面でハッとした。なんて寂しい人なんだろうか。相手に抜き差しならない判断を迫るようなやり方でしかコミュニケーションできない人はいる。しかしその不器用さを、詩情をもって美しく描くことは難しい。ラストも鮮烈。

バイトに行って帰ったところ。もう少し絵を描くか本を読むかして寝る。

2019年12月16日月曜日

2019年12月16日

昨日の夜はやけくそな気分で、スナック菓子食べてビール飲んでしまった。

朝8時半起き。
風呂に入って、少し本読む。

開店。店頭買取1件、レコード寄席再告知。おかげ様でレコ寄席の予約もけっこう入ってきた。今回は15席限定。埋まってほしい。

18きっぷのシーズンなので、電車旅への想像がふくらむ。姫路から姫新線~芸備線と乗って広島まで出る、中国山地の真ん中を横断する旅は面白そう。

自分はなんでもないことですぐに感動するし、すぐにがっかりする。東京にいた時はDVDソフトを扱う仕事をしていて、落語のDVDを見ては「寄席にも行ってみたい」としみじみし、昭和の新日本プロレスのDVDを見ては「武藤かっこいい」と興奮し、有馬記念のDVDを見てはトウカイテイオーの追い込みに泣きそうになった。今日は80年代の野球雑誌(巨人軍中心)を見ていて、定岡に愛着がわいてきた。
傍目からどう見えるかはわからないけど、自分に対して「もっと静かにできないのか」と思うことがよくある。これでも昔よりは落ち着いた。うまく付き合っていきたい。

晩ごはんは、昨日まどが作ってくれたカレー。明日の弁当用に豚ひき肉と野菜の炒め煮と、ほうれん草のごま和えを作った。

今日もバイト。明日は定休日。

2019年12月15日日曜日

2019年12月14~15日

14日

朝7時半に起きる。
絵を描く。光沢紙にインクとアクリル絵の具。2枚うまくいく。

まどとモーニング。スケッチブックにマーカーで1枚描く。
ダイソーでA4サイズの光沢紙を買う。帰ってそうじ。

開店。店頭買取1件。時折雨。まどが風邪気味のようだ。
なんとなく自分も風邪な気がして、不安になる。もしインフルエンザだったらレコード寄席も中止になってしまう。どうしよう。

夕ご飯は塩ラーメン。おろしにんにく、ほうれん草、長ネギ、わかめを入れる。白ごまとごま油も追加。

「和辻哲郎随筆集」(岩波文庫)読み終え、後藤明生「挟み撃ち」読み始める。

バイト行って、はちみつしょうが玉子酒を飲んですぐに寝る。


15日

9時半起き。9時間寝た。
まども自分も体調回復、ひと安心。しかし自分の、風邪やウイルスに弱い体質は本当に嫌になる。マスクや手洗いうがいもして、気を付けてはいるけれど。

買い物に出る。ゆめタウンで靴下、浄水器のカートリッジ、プリンターのインク、石油ファンヒーターを買う。ファンヒーターは後日配達。オフハウスで作業用テーブルを買い、軽トラを借りて店まで運ぶ。花ノ宮町の「そらの庭」で昼ごはんを食べて、パッケージプラザでビニール袋を買って戻る。まどと店番交代。疲れた。

マンガのまとまった買取があり、ありがたい。少しずつ品出しを進める。
ネット出品分の商品管理にいろいろ至らない点があるようで、落ち込む。一度総ざらいしたほうが良いのか。途方もない作業量になりそう。
ここ最近どうも気持ちが締まらず、落ち着かない。自分にもっとガツンとした刺激を与えたい気分。

今日もこれからバイト。

2019年12月13日金曜日

2019年12月13日

朝8時過ぎに起きる。
ごはん食べて外出。銀行に売上金を預ける。ナルホドで絵の具を買って帰る。
絵を描こうとするが、「文藝」を読み始めたらMOMENT JOON「三代(抄)」が本当にすごくて、読みふけってしまう。音楽の活動しか知らなかったけど、触れるだけで血が噴き出してきそうな文章だ。
ここで未掲載分も追加された完全版が読める。
https://i-d.vice.com/jp/article/vb5dwm/moment-joon-three-generations-1
「三代(抄)」のすぐ後に掲載された磯部涼「移民とラップ」もとても良かった。

キッチンの排水管のそうじ。重曹と米酢をかけて、熱湯で洗い流す。面白いくらい泡が立つ。酢は匂いの抑制にも効果がありそう。

開店。
金沢で本屋をやりたいと思っている、という方が来店される。去年のお盆に帰省した帰り、電車で北陸をずっと南西につたって行ったら途中台風で足止めを食らって、金沢に急遽一泊した。土砂降りで、街に出た時にはもう日も暮れかかっていたけど、街の雰囲気がとても良かった。また改めて行ってみたい。

雑貨店メイクメリーさんが閉店後の店舗の片付けをしているところにお邪魔して、照明器具をひとついただく。
今日の夕ごはんは、残っていたすき焼きで済ませる。明日の弁当用にあさりとほうれん草の炒め物、山芋の醤油漬けを作る。炒め物は唐辛子を入れすぎてちょっと辛くなってしまった。

昨日今日と、これといって引き金になるような出来事があったわけではないのに、自分のダメな部分ばかりが気になってしまう。そういう時もあるか。

「文藝」読み終える。サミュエル・ベケットをめぐっての保坂和志/宇野邦一の対談。
「自分のなかのモロイ的な部分、ベケット的な部分でもって社会とかかわるにはどうすればいいのか」(保坂)
「ベケットや小島信夫を読むにあたって、彼らの生きた社会的、歴史的葛藤を忘れることはできない。しかしそれぞれに歴史の言葉を解体するようにして書いている。そういう葛藤を裏切らない形で自分の思考を開いてゆくにはどうしたらいいのか」(宇野)

今日はこれからバイト。

2019年12月12日木曜日

2019年12月11~12日

11日

朝8時起き。
ごはん食べて、郵便局で本を発送して、読書。「フエンテス短編集」読み終える。

なタ書に昨日、香港からzineを作っているという人がやってきたようだ。ヴァネッサさんと知り合いだったりするだろうか。気になる。

開店。店頭買取1件。品出しや発送準備などの単純作業をしていると気持ちが落ち着く。
小豆島の田山さんが「読点 magazine、」というフリーマガジンを持ってきてくれた。本屋についてのフリーマガジンで、インタビュー記事が多く充実した内容。

翌日の弁当用に焼き鮭、春菊のごま和え、山芋の醤油漬けを作る。

夜はルヌガンガ中村さんの幹事で忘年会。店には来ていただいてたけれど、今までそんなに話をする機会のなかった方々と話せて良かった。SNSに投稿している入荷のお知らせがけっこうチェックされているということもわかり、うれしい。


12日

朝8時過ぎに起きる。
昨日の忘年会でけっこうお酒を飲んだということもあってか、頭がぼーっとする。ごはんを食べて、洗濯したり少し本を読んだりしていたら、あっという間にいい時間になってしまった。

開店。この日も常連さんがちらほらとご来店。ありがたい。この一年で定期的に来店されるお客さんが増えた。

今はライターとして某誌で働いている友人のつっさんが来て、取材。つっさんと知り合ったのは大学の頃で、もう15年くらいになる。店ができるまでのいきさつや、去年の11月にやった「ポリ裏ブックバザール」について話す。
思えば、東日本大震災後に「東京から出ようか」となんとなく考えていた自分たちが2013年に高松へ来た時、いろいろ案内してくれたのはつっさんだった(引っ越したのは2015年秋)。引っ越してからは蓮井さんの好意でサンリンシャの店内に間借りして本を売らせてもらったり、なタ書の藤井さんから情報をもらってten to senの杉浦さんづたいで前店舗の物件を借りることが決まったり、本当にたくさんの人にお世話になっている。

晩ごはんは、冷凍してあった牛肉を使ってすき焼き。

東京に住んでいるもんだみなころちゃんから、新しく冊子を作ったので置いてくれないかと見本誌が届く。手紙を読むと、このブログも読んでくれているらしい。ゆっくり返事を書こう。

今日はバイト休み。風呂に入って絵を描く。

2019年12月11日水曜日

2019年12月10日

朝9時過ぎに起きる。
「直島から瀬戸内国際芸術祭へ」読み終える。「瀬戸内国際芸術祭の根底には『現代美術を限界芸術の中に含められないか』という願望もあります」という記載があった。

香川県立ミュージアムでやっている「日本建築の自画像」展を見に行く。日本の建築史を概観するような展覧会なのかなと思っていたら、予想以上に香川県下の建築や所縁の人物の足跡にスポットを当てた内容の展覧会だった。
~~以下、展示を見て気になった点など~~
「天地根元宮造」は、伊藤忠太が日本で最も原始的な家屋として想定した建築様式。外から見ると、伊勢神宮の社殿の屋根を地面に置いたような形をしている。満州開拓団宿舎にもそのイメージ(神からの加護)が利用された。広島県の呉にはこの様式で建てられた三角兵舎が1992年まで残存しており、こうの史代「この世界の片隅に」にも三角兵舎の描写が見られる。
「帝冠式建築」は、西洋建築の上に日本の城を重ねたような、和洋折衷の建築様式。愛知県庁舎など。モダニズムの建築評論家からはファシズム建築と批判された。
鎌倉芳太郎は、1891年香川県生まれ。東京美術学校にて伊藤忠太の指導を受ける。沖縄で美術教師として働きながら、沖縄の美術や工芸を研究。1923年、政府による首里城取り壊しのニュースを見て伊藤忠太に働きかけ、中止を決定させる。戦後は琉球紅型の研究と型絵染の制作に努め、1973年に人間国宝認定。著書に「沖縄文化の遺宝」など。
香川県下の建築に関しても、県庁や坂出の人口土地はもちろん四方蓋造の民家の分布など、綿密な調査に裏付けされた見応えのある内容だった。

宮脇書店総本店をのぞき、喫茶店に入って「フエンテス短編集 アウラ・純な魂 他四編」読み始める。

帰って塩ラーメンを作って食べる。洗濯物をたたむ。

まど帰ってきて、晩ごはん。昨日の余り物で済ませる。
4階で2人で絵。まどはiPadに描いている。自分は光沢紙やスケッチブックにインクやアクリル絵の具など。3枚ほど完成。だんだん色数が増えてきた。この調子でやっていきたい。
絵を描きつつ、フエンテス短編集と、文藝の「韓国・フェミニズム・日本」特集号を少しずつ読む。文藝はルヌガンガに注文までしたのにほったらかしで、結局単行本化された今のタイミングで読み始めた。

バイト行って帰ったところ。明日は香川の本屋さん界隈の忘年会。

2019年12月9日月曜日

2019年12月09日

朝9時前に起きる。10時間くらい寝た。だいぶ疲れているようだ。
福武總一郎・北川フラム「直島から瀬戸内国際芸術祭へ」読み始める。第一章の中で、福武氏が「すべての人間や企業活動の目指すゴールは、よいコミュニティを創ることだと思います」と強調し、アブラハム・マズローの欲求段階説を用いてその理念を解説しているのが印象的。マズローは「自己超越欲求」という利他的な思考を最上位に置いているという。瀬戸内での取り組みは今後どんな展開を見せるだろうか。
水菜の胡麻マヨネーズ和えを作り、弁当完成。

開店。ネットでけっこう売れている。
PayPayの営業が来る。以前手続きを途中まで済ませていたけど、質問メールを送ったら返信が来ず、そのままになってしまっていた。現状を確認してもらうことに。
昨日読み終えた木山捷平「苦いお茶」を店に出そうか考える。今は保留にしよう。

晩ごはんは、豚肉と野菜をかつおだしと味噌で煮込んだ。毎日のように大きな鍋で煮込み料理をしている。楽だ。ごはんが炊けるまでの間に、スケッチブックにボールペンで2枚絵を描く。

今日もバイト。帰ったらまたすぐに寝てしまいそう。明日は県立ミュージアムでやっている展覧会を見に行く。

2019年12月8日日曜日

2019年12月08日

朝9時起き。
10時には丸亀町グリーンで設営をやらなければならず、あわてて出る。ごはんと昨日のすき焼きが余っていたので、弁当は準備できた。しかし看板やチラシなどを忘れたことに気付き、取りに帰る。

いつものグリーンマーケットは11~16時でやっているけれど、今回はクリスマスマーケットということで、12~18時の出店。飲食やプレゼント向け雑貨のブースがたくさん並んでおりにぎやか。そんな雰囲気の中、古本はなかなか動かない。絵本はそこそこ売れたか。
店番の合間に本を読んだり、少し絵を描いたりする。「堀田善衛詩集 一九四二~一九六六」、木山捷平「苦いお茶」読み終える。お客さんが少なかったとはいえ、しっかり2冊も読んでしまった。木山捷平を読んでると、すっとぼけたユーモアに声を出して笑いそうになってしまう。「修身の時間」の先生と児童との掛け合い、「豆と女房」の豆泥棒への貼り紙、もう勘弁してくれと言いたくなるくらい可笑しい。心の中があったまる。
同じ新潟出身の、マルテの近藤君と新潟話をする。長岡の真登というラーメン屋さんはおいしいらしい。

店に戻って荷物を置き、ダントツにラーメンを食べに行く。今回は並、ニンニク入り、濃さ普通、脂多め、野菜3倍。このくらいが量も味も自分にはちょうどいい気がする。
まどと店番を交代。まどは栗金商店の2人と王将に行った。伝票を整理して、出店に持って行った本を棚に戻す。

今日はバイト休み。絵を描きたいけど、もう寝てしまうかもしれない。

2019年12月7日土曜日

2019年12月07日

朝8時起き。
岸政彦「断片的なものの社会学」読み終える。日常遭遇する、誰かに伝えようという気も起こらない出来事を見つめ、言葉を与えてみること。自分がzineやフリーペーパーに魅力を感じるのは、そういった「何事もなさ」の輝きが詰まっているからではないか、と思った。大きな話題になる(「バズる」)ようなトピックではなくても、そこから感じたり考えられることはたくさんあるはずだ。

まどとモーニング。2人で行く時はたいていずっと話をしているか、お互い黙々と自分の作業をしているかのどっちか。今日はタピオカブームや「断片的~」やシカクのことについてなど、いろいろな話をした。

帰って少し掃除や片付けをして、開店。ありがたいことに、とてもお客さんが多い。

休憩中、灯油と食材の買い出し。大家さんからなんと牛肉をいただいたので、晩ごはんはすき焼き。おいしい。
木山捷平「苦いお茶」読み始める。

明日は丸亀町で出店なので、選書をする。店のほうは、夜までまどが店番をやってくれる予定。
とても疲れている。これからバイト。帰ったら風呂に入ってすぐに寝よう。

2019年12月6日金曜日

2019年12月06日

朝8時起き。ウエルベック「ある島の可能性」読み終える。
絵を描く。ここ数日、光沢紙にインクと水彩で「冬の断片」という名前の抽象的な絵をずっと描いている。色を置いたり線を走らせているうちに「次はここをこうしてみよう」とか、いろんなアイディアが湧いてきて、集中力も高まる。しばらく続けてみよう。

開店。
クレヨン画家の加藤休ミさんがご来店。加藤さんの本を扱っているルヌガンガを目指していて、偶然立ち寄ったとのこと。うれしい。加藤さんは夏葉社から出た田口さんの「レコードと暮らし」の装画も描かれている。先月夏葉社の島田さんが来たばかりだし、2週間後はレコード寄席で田口さんがやって来る。だから何だという話だけれど、偶然が重なっている。

晩ごはんは、昨日のサラダと煮物が残っていたので、卵とベーコンの炒め物だけ作って完成。

岸政彦「断片的なものの社会学」読み始める。
「どんな人でもいろいろな『語り』をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その『何事もなさ』に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる」
「実はこれらの物語は、別に隠されてはいないのではないか、とも思う。それはいつも私たちの目の前にあって、いつでもそれに触れることができる」

大阪のミニコミ販売店/ギャラリー「シカク」のたけしげさんが書いたnote「シカク運営振り返り記」を読む。
https://note.com/shikakunote/m/mff722fc84f64
シカクには中津に店舗がある頃から何度か行ったことがある。おそらく香山哲さんや東京のモグラグギャラリー経由で存在を知ったのだろう。展覧会ごとに特設サイトを作ったり、DMをマメに各所へ送付していたり、メルマガを発行したり、本当に気配りが細かい。見習わなければならない点が多い。
しかし中津の店舗をリフォームした時のエピソードは強烈だ。自分だったら絶対に根を上げていると思う。

今日はこれからバイト。

2019年12月5日木曜日

2019年12月05日

朝8時起き。
八栗寺の疲れは意外に早く収まった。ごはん食べて少し本を読む。
外出。ナルホドでパステルカラーの絵の具を買う。あまり買わない色の絵の具を買うと気分が上がる。中間色も混ぜれば作れはするけど、すぐ手に取れる状態にあるのが大事な気がする。頭の中の色のレパートリーが増えるのが楽しい。
郵便局でスマートレターを買い、スーパーに行って帰宅。水菜のサラダを作る。おとといゆきのちゃんが持ってきてくれたオリーブの新漬けも入れてみた。

開店。古本と受託商品の品出し。
最近は以前も来てくれたお客さんが再訪してくれることが多い。若いお客さんが少ないような気もするけど、年配のお客さんが増えて、相対的に少なく感じているだけだろうか。

新入荷のzine2種を読む。
高松から福山に引っ越したヤジベエさんの「ばななぼーと」第3号、今回も面白い。VHSを現在でも販売している店舗を求めて日本全国旅をするという内容で、特に映画に詳しくなくても楽しめる軽妙な文章が魅力的。しかし軽妙さの中にも感じる情熱は、やはり好きだからこそ。
札幌の芝さん発行の「プレス芝」は今回が4号目。料理特集、旅特集に続き今回は年末特大号。15名ほどの寄稿者には「私を変えた〇〇」というお題が与えられており、内容は雑多になるけど、皆さんの喜びや悩みや生活の空気がすっと流れ込んでくるようで心地よい。芝さんのすっきりと余白をとったデザインもいい感じ。このざっくりした面白さはzineならではという感じがする。しかしなかなか一見さんには伝わりにくいところでもあると思うので、売るほうもがんばりたい。

晩ごはんは昼に作ったサラダと、根菜の煮物、せいご(スズキの幼魚)のから揚げ、玉ねぎの素揚げ。玉ねぎは少しべちゃっとしてしまった。高温でカラッと揚げるのが良さそう。

今日はバイト休み。絵を描く。

2019年12月4日水曜日

2019年12月03~04日

03日

朝7時半起き。今日は定休日。

早起きして紅葉を見に行こうと考えていたら、午前中に電気工事の予約を入れていたことに気付く。予定を変更して読書。
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト「キュレーションの方法」、井伏鱒二「厄除け詩集」、山川直人「夜の太鼓」読み終える。「キュレーションの方法」は思ったよりエッセイ色の強い内容だったけど、訳者あとがきにもあるように自分語りの要素は薄く、非人称性が際立つ文章になっていた。アーティストの未だ実現していないプロジェクトに対して、注意深く耳を傾ける姿勢が印象的。サイ・トゥオンブリーとの詩についての会話や、1992年のローベルト・ヴァルザー・ミュージアム設立についてなど、文学と関連する話題も多い。
少し発送準備や、ネット出品の作業、スリップ作りをする。

業者が到着して、2階リビング天井のシーリング交換。やっとダクトレールの取り付けが完了した。電球をつけてみると、壁の天井際までまんべんなく明るくなり、とても良い感じ。

外出。電車で八栗へ向かう。ミシェル・ウエルベック「ある島の可能性」読み始める。最初は自転車で行ってみようかとも思っていたけど、八栗に着いてみると想像以上に登り坂が長く、電車で来て正解だったなと思う。庵治石を扱う石材店や彫刻家のアトリエなどがあり、歩いていて楽しい。ケーブルカー乗り場の脇から参道へ入るとさらに傾斜はきつく、休憩を入れつつ登る。久しぶりの山は落ち着く。
お寺に着き、鐘の揮毫を確認。以前お客さんと新潟の話になった時、「八栗寺の鐘の揮毫は会津八一のものですよ」と教えてもらっていた。紅葉もまだ残っていて、お迎え大師からの眺めも良かった。
八栗駅近くの喫茶店で休み、家に戻る。まどと合流して買い物。インスタントの塩ラーメンに、鳴門の生わかめとごま油を足してみたら、めちゃくちゃおいしかった。たまに食べたい。
インクで4枚絵を描く。

夜、ゆきのちゃんとせとうちスタイル須鼻さんと鍋。今年最初の忘年会。いろんな話をした。


04日

朝8時起き。泊まっていたゆきのちゃんとまた少し話す。この冬、小豆島から佐渡ヶ島に引っ越すとのことで、帰省時の楽しみがまたひとつ増えそう。

銀行、図書館、TSUTAYAとまわる。マサラ亭の向かいにあるお弁当屋さんでおかずだけ買って戻る。ここのお弁当屋さんはボリュームもあるし安いし、おいしい。だしの風味が効いてる。

開店するが、昨日八栗寺に行った疲れで体が思うように動かない。コーヒー飲むと少しやわらぐ。店頭買取1件。
今日の晩ごはんは、昨日の鍋で使わなかった具材をオイスターソース、醤油、生姜、みりんで炒め煮にして完成。

年末年始の営業はどうしよう。昨年末のプレオープン時にはお客さんがけっこう来たから、今年も年始休みは元旦と2日だけくらいにしておこうか。

これからバイト。なんとなく日記に書いてなかったけど、バスターミナルの掃除をやっている。もう4ヶ月経った。1時間でパッと終わるし、売上が伸びなかった日も賃労働があると少し気が楽になる。

2019年12月2日月曜日

2019年12月02日

朝8時半起き。
昨日は疲れていて、バイトから帰ってすぐに寝てしまった。最近8時間くらい寝るのが普通になってきている。7時間くらいにしたい。
雨が降っていたようで、道路が濡れている。なんとなく気分もだるい。ごはんを食べて絵。はがきサイズのコピー用光沢紙にインクで描いてみる。10枚描いて、いくつかうまくいった。色をつけてみても面白そうだ。

灯油を買いに行き、開店。コーヒー飲みながら品出しを進める。店頭買取1件。
日本の古典文学を探しているというお客さんがご来店。前は日本の古典も少しあったけど、売れて少なくなってきてしまった。外国からのお客さんから、万葉集や源氏物語はありますかと質問されることもたまにある。

「まちのゲストハウス考」(学芸出版社)が入荷。中国地方のゲストハウスが多く取りあげられており、拾い読みしてみたらすごく面白い。ひとつの拠点ができるだけで人の動きがガラッと変わるんだな、と改めて思う。20代の頃から現場たたき上げで経営されている方も多く、身が引き締まる。蛇谷さんが鳥取の「たみ」の前に経営していた岡山の「かじこ」については、東京に住んでいた時、佐賀在住の音楽家小田寛一郎さんから話を聞いていた。いろいろと繋がってくる。
しかし今年行った鳥取や尾道は本当に良い街だった。絶対にまた行きたい。

今日の晩ごはんは小松菜のおひたしと豚の生姜焼き、長ネギの味噌汁。
材料も前もって買っておいたので、ごはんを食べてから少し本を読む時間もできた。

イマイチな天気の割にはかなり売上が良かった。こういう日はバイトに行くのがだるい。
明日は定休日。晴れたら八栗寺に紅葉を見に行こうと思う。八栗寺の鐘には会津八一の揮毫がある、とお客さんに教えてもらったので、それも実際に見て確認しよう。

2019年12月1日日曜日

2019年12月01日

朝8時半起き。
昨日ルヌガンガで買った、Spectatorの「日本のヒッピー・ムーヴメント」特集を見ながらさっこと「ヒッピーとは何ぞや」という話をする。いつの時代もヒッピーの生き方や態度は困難を伴うものだろうけど、その精神は今でもいろんなところに息づいていると思うし、批判的に検証するのにも意味がある。
ルヌガンガ店頭には平野甲賀さん作の「本」という文字があしらわれたライトボックスが昨日から設置されていて、とても目を引く。いいなあ。
3人でモーニングに行き、いろいろ話す。さっこが一枚絵を買ってくれた。

開店。店頭買取2件。少なくなってきていた文学や芸術関係など、ありがたい。品出しや、連絡を進める。

自分はいろんなものにすぐ興味を持つけど、そこから得た知識を整理したり統合するのは苦手だ。古本屋は取っ散らかった知識をそのまま査定の際などに強みにできる部分もあり、ありがたい。

夕方にまどと店番を交代し、スーパーに行き、料理。鯖の塩焼き、小松菜おひたし、カボチャの煮物を作る。
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト「キュレーションの方法」読み始める。10代の時にチューリッヒの街でハンス・クルージーに会って、作業場にまで行っていたと書かれていて興奮。ハンス・クルージーは路上で花売りをしながら絵を描いていた人で、とても大好きな画家のひとり。アール・ブリュット/アウトサイダー・アートの文脈で語られることが多い。2012年に京都で行われた展覧会には東京から見に行った。記録魔だったようで、フィールドレコーディングをコラージュした音楽も作っている(調べてみたら、Anton Bruhinのコレクションから発掘された音源をイタリアの実験音楽レーベルAlga Marghenがリリースした、という流れのようだ)。これもすごく良い。

今日もこれからバイト。帰ったら絵を描きたい。

2019年11月30日

朝8時半起き。まどと朝ごはんを食べて少しゆっくりする。そうじ、洗濯。

昼間少しまどに店番をやってもらうことにして、円盤レコード寄席のチラシをいろんなお店に置かせてもらいにまわる。サンリンシャの蓮井さんと話していたら、最近姿を見なかったアベさんの生存が確認できたそうで、少し安心する。

まどと店番を交代し、品出しと本の整理を進める。
「HAB Human and Bookstore 新潟」読み終える。内沼晋太郎さんと北書店・佐藤雄一さんの対談を読んで、店と自分自身との付き合い方のバランスについて考える。佐藤さんの、方法論の話をしてきたけど結局は良い本を仕入れて良い棚を作りたいってことに帰結する、というお話に深く納得。棚を絶えず耕して、毎週来ても何かしら発見のある、普段づかいの古本屋であることを常に維持していきたい。
この対談記事も良かった。「セレクトしているという事はそんなに優雅じゃない」「重要なのは「選ぶ自分がなぜあるか」って事」「「お客さんが取られる」っていうのは大きな本屋さんの理論でしょうね」。起業ノウハウについてのお話も興味深い。
http://dotplace.jp/archives/8734

夜はさっこの月例ライブ。今回はさっこが志々島や粟島、伊吹島などのお年寄りから聞かせてもらった歌をろうそくの灯りのもとで歌っていた。例えば同じ「伊勢音頭」でも、さっこの生まれた香西と志々島とではまったく節回しが違い、さらに志々島の中でも歌う人によって歌詞までが違ってくるそうで、「〇〇さんの伊勢音頭を歌います」と前置きして歌っていた(志々島では、伊勢音頭は造った船を送り出す時に歌われていたとのこと)。さっこのこういう聞き取りの部分も、何か形にして残せないものだろうか。
アベさん来てくれて驚く。年内に高松を出るらしい。

バイトから帰って、さっこと表現についていろいろ話す。作る作品そのものよりもライフスタイルを打ち出していくやり方に関して自分はどう向きあっていくか、など。先週は和歌山、次は京都、その次は長野に行くそうで、またいろんな話が聞けそう。