2020年11月29日日曜日

2020年11月28~29日

27日夜

まどが浦沢直樹と諸星大二郎の対談番組を見ていたので、一緒に見る。諸星先生、終始「うぅ~ん」「あぁぁ~」とうなっている。なかなか深まらない。最高。ミヤモト惣菜店さんに行き、ビールとスモークカマンベールチーズで飲む。チラシを置いてもらった。帰って筋トレ、シャワー。早めに寝る。


28日

朝9時頃に起きる。まどとモーニング。小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。もう少しで読み終わりそう。森敦が出てきたが、なぜか「『月山』の作者」と表記されている。延々と続く「群像」のパーティーで談笑していた(小説の途中からそういう場面になる)はずの藤枝静男、柄谷行人、大庭みな子、「別れる理由」主人公の前田永造、群像の編集長、小島本人もいつの間にかどこかへ行ってしまって、舞台が今パーティーなのかどうかもよくわからなくなり、森敦だけがいる?、のか、よくわからない。わからないし、実際文章もわからないというふうに書かれている。しかしそう書いているのは他でもない小島自身だ。

「一年も二年もつづいたパーティの会場には、そのまわりに何人かの人物がいなければならないはずである。『別れる理由』の作者が、やがてその主人公の前田永造が姿を消したあとも、たしかほかの人物は残っていた。ところが『月山』の作者が講演に出かけたときのことを語りはじめてからしばらくすると、意味ありげに居残っていたということになっていた編集長さえも、いるのかいないのかわからなくなり、もはや、ここはパーティなんかではなく、ただ『月山』の作者が語っているばかりのように思える。」(第3巻P420、146章冒頭)

帰って料理。まどは洗濯。タコミート、ほうれん草とエリンギのバター炒め、粉ふき芋を作る。ずっと切らしていたローズマリーをおととい買い足して、粉ふき芋にまぶす。

開店。お客さんの入りはふつう。チラシ作りなど一段落したので、品出しを進める。うーん、もっと買取が欲しい。出張・郵送買取も受け付けておりますので、tao.kuroinu@Gメールまでご一報ください。

夜20時からはさっこのライブ。今回はお客さんのスマホにカリンバの演奏を録音してもらい、各自動き回りながら任意のタイミングで再生、停止、録音を繰り返すというもの。お客さん飲み物もけっこう頼んでくれてうれしい。終わって時宅に行き、豚肉とナスの煮物をつまみにビールを飲む。さっこから島に住む猫の話を聞く。増えすぎてしまうので、猫を嫌う人も多いようだ。帰って筋トレ。シャワー浴びて寝る。


29日

朝8時頃に起きる。朝ごはんを食べて、小島信夫「別れる理由」3巻やっと読み終える。途中他の本もいろいろ読んではいたけれど、全部読むのに1ヶ月弱かかった。2段組み3巻で計1400ページ以上ある。しかしこの長さじゃないと表現できないものはやっぱりあるなあと思った。最後は小島と森敦の対談で終わるが、実際書かれた当時に「文藝」から対談(「文学と人生」。文庫化されている)を依頼されている。終わった後もさらに「文藝」の対談へ続いていくという流れ。この最後の部分は、対談前に2人が電話で話した内容が小説に生かされている、ということだろうか。実生活と小説との垣根が溶けていく。

「話すということは、小説の場合と同じように、気がせいていても、そうとは見せずに、現在にあそばさせ、あそぶことなのだわ。(中略)全体の構造についてはすこしも書かれていなくて、アイマイであって、構造は分らないことのために書かれているということをいいたいのじゃない?」(第3巻P456)

外出。スマートレターやレターパックを買い、スーパーで買い物。帰って料理。卵焼き、鳥軟骨のスパイス炒め、白菜の浅漬けを作る。

開店。少しずつ品出し。昨日馬場君から預かった霊霊霊(馬場君と岡山の行司君がやっているユニット)のzineも出す。休憩中、Spctator最新号「土のがっこう」読み始める。堆肥作りって面白そうだなあ。ネットでアラン・ロブ=グリエ「嫉妬」が安く出ていて、つい買ってしまう。

今日はゆっくり風呂に入りたい。

2020年11月27日金曜日

2020年11月27日

26日夜

閉店後、本の出荷とスーパーに買い物。酒は買わず。帰って料理。豚の生姜焼き、にんじんともやしのナムル、ほうれん草おひたしを作る。筋トレ、シャワー。岡﨑乾二郎「視覚のカイソウ」読み進める。


27日

朝7時半に起きる。ごはん食べて、まどと外出。喫茶店で小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。連載されている「群像」のパーティーで、藤枝静男や柄谷行人、大庭みな子らと、「別れる理由」主人公の前田永造があたかも作者の小島本人のように会話している。その会話に小島本人まで加わる。会話は章をまたいで長々と続くが、章の頭で「前回こう言ったかと思うが…」としゃべり出したりして、登場人物は小説内にいるにも関わらず小説の進行を意識しているらしいことがわかる。そのうち「こんなにこのパーティーの部分ばかり続けていて良いのか?」というようなことを言いだして、編集長まで登場する。

100均に寄って、油粘土と半紙を買う。家に帰って粘土をこねる。久しぶりにやってみると、「子供の頃はもっとうまくいったのに、こんなに難しかったっけなあ」と苦戦。

開店。お客さんは少ない。人の行き来が少ないと気持ちもだるくなってくるが、品出しを進める。工芸高校の生徒さんが作った雑誌「F」を出した直後、いつも来てくれる「F」の二人が偶然来店。キーファーの画集が気になったらしい。うれしい。

店にやってくるお客さんと「接客」という立場で(ここが重要)話していると、たいていこちらが聞き役にまわることになる。「そうなんですね」「なるほど」とずっと話を聞いていると、だんだんと意識が冴えてくるというか、自分が主張のないのっぺりした存在になっていくように感じることがある。しかしそれが楽しい。
段ボール何箱も買取があると、改めて「自分の好みや読書の範囲なんてほんとにちっぽけなもんだよな~」と、突然大自然が目の前に開けたような気分になる。それも楽しい。

今日は何しよう。

2020年11月26日木曜日

2020年11月26日

25日夜

閉店後、本の出荷。まどが弁当のおかず用に軟骨のから揚げと煮物を作ってくれた。もやしのナムルだけ作り足す。佐伯一麦「ア・ルース・ボーイ」読み始める。シャワー浴びて絵を進め、寝る。


26日

朝8時頃に起きる。ごはんを食べて絵の続き。キャンバス1枚完成。もう少し手を加えるかも。最近描いた数枚の絵は、なんというか、自分の手癖をわかっていてそれを活かそうとしているような感じのものが多い(と書いたところで、これは自分にしかわからないことかもしれない)。もっと自分が「これ大丈夫か?」とびっくりしてしまうような絵も描いてみたい。

コンビニでコーヒーを買って中央公園に行く。南新町に新しくセブンイレブンができたり、春風堂が移転しておしゃれになったり(30日オープン)、また雰囲気が変わってきている。「ア・ルース・ボーイ」読み終える。日なたのベンチでもけっこう寒く、あんまり座っていられない。早めに家に戻る。岡崎乾二郎「視覚のカイソウ」の解説部分を読み始める。作品のタイトルにはとても長いものもあるので、一部は別紙に記載されている。ほとんど散文だ。

開店。今日はそこそこお客さんが来る。神戸の山田さんから新刊取り扱いのメール届く。工芸高校の学生さんが雑誌「F」を納品しに来てくれる。宮脇さんとみかんちゃんが来てくれて、みかんちゃんからみかんとみかんジュースをもらう(宮脇さんに商品撮影をお願いしていたらしい)。年明けにやるイベントのチラシを印刷。プリンターのインクがなくなったので店を一瞬閉めてマルナカへ買いに行く。品出し。

まだ手を付けていないキャンバスの蓄えが、徐々に減ってきた。キャンバスも買うと値が張る。SNSに「キャンバスも買取します」と告知してみた。そういえばもう高松に引っ越して丸5年は経っている。東京に住んでいたのは約10年間だったから、その半分の時間を既に高松で過ごしていることになる。最初の3年くらいは忙しくていっぱいいっぱいだったけど、やっと最近余裕もできて、絵に打ち込めるようになってきた。

今日はこれから明日の弁当を作る。お酒を飲もうか迷う。

2020年11月25日水曜日

2020年11月24~25日

23日夜

閉店後、軽く遅い晩ごはんを食べる。ケン・リュウ「紙の動物園」読み終え、手塚治虫「ばるぼら」読み始める。


24日

朝8時前に起きる。定休日。ゴミ出し、朝ごはん。黒沢清監督「カリスマ」見る。昼ごはん軽く食べて外出。郷東のマクドナルドで読書。ここはきれいな店内で、人も少なくて(ドライブスルーのお客さんが多いのだろう)好きだ。「ばるぼら」読み進める。安部公房、遠藤周作、ヴェルレーヌなどたくさん作家の名前が出てきて楽しい。

画家を語る時に「私小説的な」という形容が使われているのを目にするたびに、もっともっと一人称小説を読まなければ、という気持ちになる。「自分語り」と揶揄するのは簡単だけど、一人称の語りのレトリックはそう一筋縄でいくものではない。世界の認識をごりっとずらすような危険なものでもある。

あかね温泉に初めて行く。ゆっくりサウナであったまる。黒沢清の映画を最近よく見ているせいか、なんでもないようなひなびた銭湯の風景も、どことなく陰影が濃く思えてくる。有線の放送もなんだか趣深く感じる。遠くに見える2階の窓から突然女性がボトッと身を投げ出しそうな気がする。気持ちいい。休憩所でまた読書。売店でぜんざいが売られていて気になったけど、開店前だったので今回はやめにする。

商店街への帰り際に川沿いの道を通ると、水門があって、その後ろに紅葉した山がこんもりと見えていて、近所のはずなのになんだか旅情を感じた。「水門の後ろに山」という光景が自分の中に刷り込まれていないというだけなんだろうけど、なんでこういう感情が突然湧いてくるのか気になる。視界に入った下校途中の小学生の晩ごはんを想像したりする。

南でコーヒーとハムトースト。今まであまりハムトーストを頼むことなかったけどおいしい。小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。藤枝静男と柄谷行人が出てきて、小島信夫ではなく、なぜか「別れる理由」主人公の前田永造と話し始めた。小島本人はそれをそばで見て、いぶかしく思ったり動揺したりしている。なんなんだろう。

宮脇で本を見ていると、まどから早く仕事が終わったというLINEがあり、急いで家に帰る。料理。とんかつとフライドポテトを揚げて晩ごはん。余っていた卵焼きと野菜炒めとスープも食べる。フライドポテトにカレーパウダーとクミンをまぶしたらおいしかった。まどは実はこの日休みだったのを間違えて出勤して作業を手伝う羽目になったそうで、かなり疲れている。

「ばるぼら」読み終え、イングマール・ベルイマン監督「魔術師」見る。冒頭の、太陽の光が刺し込む林の中を馬車が行くシーンが美しい。すごいな。


25日

朝8時前に起きる。寒くなった。焚火がやりたい気分。小松菜のおひたし作る。ごはんを食べて「別れる理由」読み進める。キャンバスの絵を進める。前の持ち主が描いた鉛筆の下書きの上から、マーカーの線や、絵の具を少しだけつけた筆のかすれを乗せていく。なんとなく良くなりそうな雰囲気。郵便局でお金をおろし、八百屋で買い物。

開店。連休明けの寒い日というのもあって、お客さんは少ない。先日見つかった家のトラブルの件、業者が決まって、今週中に下見に来てもらえることになった。福田さんが来てくれて、いろいろ話す。

年明けにやるとあるイベントのチラシ作り。チラシ作りは苦手だけど、使うイラストをなんでもいいからひとつ描いてみると、はずみのつくことが多い。今回も鏡もちと門松を描いたら全体のレイアウトがするっと決まった。

背中が痛い。姿勢が悪いからか。筋トレやらないと。今日はもう少し絵を描きたい。

2020年11月23日月曜日

2020年11月23日

22日夜

閉店後、ケン・リュウ「紙の動物園」読み進める。筋トレ、シャワー。少し腕立て伏せやるだけでもだいぶ違う。絵を進める。こないだ一旦完成させた絵を再度詰めた。新しいキャンバスにも少しマーカーなどで描き始める。


23日

朝8時半に起きる。朝ごはんを食べて、少しだけ小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。まどと少し山を登って峰山ハチミツでモーニングを食べる予定だったけど、さっことさくらことようちゃん(さくらこの息子)との5人でまたkincoさんへ行くことにする。

店の前で集合し、kincoさんまで歩く。散歩にはちょうど良い距離。途中ようちゃんがなんどかぐずるが、さっこが飛んで行って話しかけたり肩車すると、すぐに泣き止んで笑いだす。本当にすごいな。モーニングを食べながら近況報告。さくらことさっこは、長野の大町に住んでいる淺井真至と3人で「まほうどう」というグループをやっている(一度自分も参加して、大阪のギャラリーopaltimesでのグループ展に出したりした)。まほうどうは12月に大阪で展示をやるらしく、忙しそうだ。茎の前を通って帰る。3人はこれから香西のほうへ海を見に行くらしい。

開店。発送準備作業を進める。店頭買取1件。この日はお客さんは来たものの、売上げはあまりいかず。連休最終日はみんなゆっくり自宅で過ごしているのだろうか。

夕方まどと店番を交代し、料理。豚しゃぶのすだちにんにく醤油、野菜炒め、卵焼きを作る。さっこが志々島でとれた唐辛子をたくさんくれたので、SNSに告知する。28日にやるライブも予約が入ってきている。

ソレイユでバート・スターン監督「真夏の夜のジャズ」見る。メンズデーなので500円オフ。最近ソレイユはマイルスやモータウンなど音楽ものをたくさんやっていてうれしい。映画は1958年に行われたニューポートジャズフェスティバルのドキュメンタリー。観客のたっぷりとした表情がたくさん捕らえられているのが良い。ヨットや水しぶきのカットも美しかった。

まどと再度店番を交代して、作業続き。店頭売上はそんなにいかなかったけどネットで売れている。今日は元々徳島へ行くために休む予定だったと考えれば、まずまずかもしれない。

今日はこれから本を読む。明日は定休日なので、まだ行ったことのないサウナに行こうかと思う。

2020年11月22日日曜日

2020年11月22日

21日夜

閉店後、売れた本の出荷。黒沢清監督「ニンゲン合格」見る。ラスト近くの、大杉漣がチェーンソーを振りかざすシーンは良い。人間賛歌という感じがする。登場する人物のほぼ全員がかなりおかしい。間違ったり、勘違いをしたり、秘密を持ったり、感情を昂らせたりしていく様子が淡々と、慈しむように描かれていく。シャワー浴びて寝る。


22日

朝8時頃に起きる。朝ごはん。鶏肉としめじのカレー炒めを作る。まどと外出。カレンダーを発送し、この日も喫茶店へ。小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。登場人物たちが小説の枠を飛び越えて作者に直接(?)関与しようとしてくるところは、のちの「寓話」などにも通じる。しかしその要素が現れ始めるのも連載開始から10年以上が経ってからというのが、なんというか途方もない。まどと「ニンゲン合格」の話をする。そういえば、この映画も家族の話だし、唐突に馬が現れるのもなんだか小島作品と似たところがある。まどは昨日仕事先で知り合った友達とごはんを食べに行っていた。

スーパーに寄って一旦帰り、昼ごはんを食べる。紺屋町のコトマスさんへ、友人の濱口桜子とさっこのライブペイントを見に行く。とてもかわいい良い空間。さっこはカシオトーンや声などのいろんな録音を会場のいろんな場所から流し、それらとセッション。桜子はスケッチブックやコトマスの黒板に絵を描いたり、マスキングテープを貼りめぐらせたりしていた。2人ともちょっと固くなっているような気がした。断片のコラージュのようでもさっこの音は気持ち良い。

minamoへ、イラストレーターSAAYA MASAKIさんの個展を見に行く。minamoが目下制作中の高松お店マップにMASAKIさんはイラストを提供されていて、自分とまどの似顔絵も良い感じに仕上げていただいた。ご挨拶できてよかった。竹森と3人で少しマンガの話をする。

店番交代。この日はお客さんが多く、雑貨やZINEや古本など、いろんな品物が売れた。一箱の入れ替えと、品出しを少し進める。店頭買取1件。「ドローイングを見たい」というお客さんがいらっしゃって、スケッチブックを見てもらったら、一枚お買い上げいただいた。絵の話や、描いている時の精神状態の話などをする。興味を持って聞いてくださったので、突っ込んでいろいろ話してしまった。

明日はまどと午前中少し山に登る予定。

2020年11月21日土曜日

2020年11月20~21日

19日夜

閉店後、料理。ニンジンのおかか和えと、ナス、キャベツ、しめじ、鶏肉の辛みそ炒めを作る。バイトへ。帰ってシャワー。


20日

朝8時前に起きる。ゴミ出し。朝ごはんを食べて、まどと一緒に出る。昨晩また家のトラブルを発見してしまい、以前家の修繕をやっていただいた方から教わった方法が使えそうだったので、ホームセンターで材料を買って、自分なりにやってみる。トラブルは全て通過点に過ぎないとはわかっていても、どうにも気持ちが萎える。というか辛い。火曜にも貯水タンクの水漏れがあったばかりなのに。なんで自分ばっかり、という気分にもなってくる。良くない。なんとか開店時間には間に合った。

開店。テッツォカレンダーが一晩で20部完売。ひたすら梱包作業を進める。店を一瞬閉めて郵便局で発送。お客さんは夜になるにつれて増えた。

コロナの感染がまた拡大しているので、バイト先の社員さんに電話し、しばらくお休みをいただくことに。また始められそうだなと思ったら連絡ください、ということになる。理解のある会社で良かった。ありがたい。

閉店。お酒を飲もうかなと思ったけど、絶対寝てしまって後悔するのでやめにする。イングマール・ベルイマン監督「仮面/ペルソナ」見る。千種創一歌集「千夜曳獏」読み終えて、シャワー浴びて寝る。


21日

朝8時起き。まどとkincoさんへモーニング。いつものグラノーラではなく、パンや目玉焼きのセットにする。おから?がおいしい。サラダにジュースもついて500円は安い。小島信夫「別れる理由」3巻読み進める。このまま行くのかなあ…というところで、いきなり展開ががらっと変わるのでびっくりする。以下は第117章の冒頭で、この時点で10年以上連載を続けているのに、まるで根を上げたように、突然作者が読者へと問いかけ始める。妙な哀切とおかしみがある。

「読者よ、編集者よ、今しばらく読者とじかに話をすることを許されよ。こう呼びかけるだけで、『別れる理由』の作者は、まるで、ほんとうにすぐ眼の前に読者がいるような気がしてくるのである。すべては作者自身のせいではあるとはいえ、前には声をかけてきたものも声をかけなくなり、また新しく声をかけはじめたものも、その後私の横をだまって通りすぎるようになり、そうしてまた新しい読者があらわれたが、それも、このようにして私は群衆や通行人の中をひとり歩いているように思えてならない。見なれぬ帽子をかぶりよそ行きの服を着てとりすまして歩いているからだ。そんなものかなぐり捨てて普段着で行こうではないか。声がかからぬものなら、こっちからかけてみようではないか。」

家に帰り、昨日自分で修繕した跡を見てみるが、やはりうまくいっていない模様。いつもお世話になっている職人さんへ電話し、来てもらうことになる。ストレスでどうにかなりそうだけど、家のトラブルは小島信夫作品にもつきものだ。だからなんだ。まどがそうじや洗濯を始めたので、それを手伝うことで気を紛らわす。昼ごはんは隣の田中さんからいただいた魚の粕漬けと、野菜のトマト煮込み。

まどが前半少し店番をやってくれることになったので、アップタウンに行ってコーヒーを飲む。読書。ケン・リュウ「紙の動物園」読み始める。ストレスがおさまらず、頭の中でアーとかウーとか言う。帰ってスケッチブックに少し絵を描く。

店番交代。3連休といってもそれほどお客さんが多いわけではない。やはりコロナ拡大の影響だろうか。カレンダー梱包作業続き。品出しも進める。

今日も映画を見ようと思う。

2020年11月19日木曜日

2020年11月19日

18日夜

閉店後、島田潤一郎「本屋さんしか行きたいとこがない」読み終え、バイトに行く。コロナの感染者数が増えてきたらまた休みをもらうべきだろうか。休むなら早めが良いだろうか。迷う。帰って、シャワー浴びて寝る。


19日

朝8時前に起きる。暖かい。朝ごはんを食べて絵を進める。あともう少しでうまくいきそう。

今日も中央公園に行く。小島信夫「別れる理由」3巻を読み進める。この時間はいつもどこかの保育園児と保育士さんたちが遊んでいる。公園にずっといると、「子供が楽しそうに駆け回っていて、後ろで枯葉がただはらはらと散っている」のを、次第に「枯葉が風と一緒に楽しそうに駆け回っていて、子供は実は何も考えずただ落ちているだけの存在だ」というふうにも感じられるようになってくる。対象の認識の仕方に広がりが出てくる。こういう状態になると絵がうまくいく気がする。スピリチュアル、サイケデリック、病理などの怪しげな言葉で語られることもあるし、芸術的、詩的、映画的とも呼ばれるだろう。みんな少し身に覚えがあるはずだけど、言葉にして説明しようとするとどこか陳腐に感じたり、胡散臭かったりして、あえて強く語ったりはしない。たまに語ろうとしてもうまくいかなくて恥ずかしくなったりする。相手の表情から何かを読み取った気になって、おかしなタイミングで笑顔を漏らしたりする。そこがまた、人間臭くて味わい深い。

100均と八百屋に行って帰る。春菊の胡麻和えを作り、まどが作ってくれていた肉じゃがと一緒に盛り付けて弁当の完成。

開店。品出しを進める。気圧の変化のせいかあんまり売れない。鈴木哲生氏デザインのカレンダーを品出しする。休憩中、千種創一歌集「千夜曳獏」読み始める。

今日はこれから明日の弁当を作って、その後バイト。昼に進めた絵を完成させてしまいたい。

2020年11月18日水曜日

2020年11月16~18日

15日夜

閉店後、まどとしゃべる。まどはここ数日森達也のドキュメンタリー映画を熱心に見ている。田中英光「オリンポスの果実」読み進める。スケッチブックにボールペンで少し絵を描く。バイトへ。帰り際にお酒とつまみを買ってしまう。意外にごくごく飲めた。シャワー浴びて寝る。


16日

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べて、絵をやる。キャンバスにガッシュとペン。けっこううまくいった。

久しぶりに栗林公園に行く。桜ももみじも真っ赤に紅葉している。ちょうど見ごろだろうか。遠足らしき学生グループもいる。「オリンポスの果実」読み終え、小島信夫「別れる理由」読み進める。もうすぐ2巻が読み終わりそう。正直けっこう読んでいくのがしんどかったけど、2巻の終わり際になったところで、また「おっ」という箇所が増え始める。

「永造は一息ついた。そしてあそこへ早く到達せねば、とりかえしがつかぬ、にもかかわらず、いつも道は遥かで、時は待ってくれない、と思った。『せいては事をし損じる』という声がきこえるのではないか、と耳をすました。しかし、きこえなかった。」

いつも座っているベンチの前には池が広がっていて、今日はこれまでいなかった鴨の集団がいた。鳴いたり、水面をついばんだり、羽ばたいたり、飛びながら水面に降り立ったり、いろんな音がしていい感じだ。池に立った波紋に映った紅葉がゆらめいてきれいだ。

開店。お客さんが少ない。店頭買取1件。隣の田中さんが柿と本を持ってきてくれてうれしい。少しずつ品出しを進める。来週の月曜(祝日)を休むことにしたので告知。嫌なニュースをSNSで深堀りしてしまい、元気がなくなる。ながいひるの木村さんが「最近周りでSNSから離れる人が増えているので、入荷情報などをnoteにも書いていこうと思う」とツイートしていた。東京のほうは暑いらしい。気圧の変化か頭が痛い。いまいちだ。

閉店後、まどと店の本と棚をどかして、階段下にある貯水タンクの様子を見てみる。数日前からぴちゃぴちゃという嫌な音がしていたと思ったら、タンクから伸びているオーバーフロー管というところから水が漏れていた。調べてみるとタンク内部の部品が経年劣化してくると水が一定の水位で止まらなくなり、オーバーフロー管から漏れてくるらしい。水まわりのトラブルは気持ちが萎える。バイトに行って、筋トレしてシャワーを浴びてさっさと寝た。


17日

朝7時半起き。定休日。貯水タンクの件で大家さんや業者に電話。ビーズクッションに座って「別れる理由」2巻読み終え、3巻読み始める。少しキャンバスに絵の続き。正午くらいに業者が到着。やはりタンクの水漏れは部品の経年劣化によるもののようだ。部品調達のため一旦事務所に戻るとのこと。時間が空いたので喫茶店に行くことにする。最近また香川県の感染者数が増えてきているので、空いているところにした。小林信彦「ビートルズの優しい夜」読み始める。最近ずっと「別れる理由」を読んでいるので、おそろしいほど読みやすく感じる。気持ちいい。店に戻り、部品の交換開始。ネットで売れている本の発送準備を進める。タンクも、水を送るポンプも、一般的な耐用年数は15年ほどだそうだ。とりあえず、不安が過ぎ去ってほっと一息。

外出。東京の鈴木哲生君から来年分のカレンダーが到着したので、梱包用の資材を購入。銀行と八百屋をまわる。家に帰り、まどの作った大学いもと田中さんからもらった柿を食べながらお茶を飲む。もう日が暮れてきた。何かおいしいものが食べたい。スーパーに鴨ローストを買いに行くと、時期でないのか置いてなかったので、まどに夜は外食にしようとLINEを送る。帰って棚を戻したり本を詰めたり。まどと六ろくでカレー。チョリソーとポテトも食べる。漫画の話など。ルクスに行ってビールを飲む。まいちゃんと映画の話。ビール飲んだら眠くなってしまった。帰って棚の整理作業続き。定休日だけどあんまり休めていない。たまにこんな日もあるか。風呂に入り、さっさと寝た。


18日

朝8時起き。ごはんを解凍したら熱をかけすぎて固かったので、キャベツの浅漬けとお茶をかけて食べる。料理。キャベツの浅漬け、卵焼き、ほうれん草とニンジンとツナの炒め物、ポテトサラダを作る。23日に徳島へ行こうと思っていたけど、コロナが心配なのでやめにした。残念。

中央公園に行く。桜の葉っぱが色づいてきれいだけど、もう散り始めている。お茶を飲んだり、昨日まいちゃんからもらったお菓子を食べたり、スケッチブックに少し絵を描いたりしつつ、「ビートルズの優しい夜」読み終える。

開店。長野の田口さんから商品到着。品出しや発送準備を進める。店頭買取2件。ありがたい。お客さんも多い。休憩中、島田潤一郎「本屋さんしか行きたいとこがない」読み始める。

今日はこれからバイト。映画をもっと見たい。

2020年11月15日日曜日

2020年11月14~15日

13日夜

閉店後、本の出荷とガス代の支払い。店に戻り、明日のペーパートークの準備をする。机を出し、集まった印刷物を並べ、遠隔参加の方へ返送するレターパックに印刷物を1部ずつ取って入れていく。22時半頃まで作業。風呂に入り、森田真生「数学する身体」読み進めて寝る。


14日

朝8時に起きる。料理。鶏肉とナスとキャベツのオイスターソース炒め、にんじんともやしのナムルを作る。まどと喫茶店へ。昨日届いたばかりのまどの漫画本を見せてもらう。いい感じだ。年始に茎でさっこのライブを企画していて、そこで初売りするらしい。読書。家に帰って、トイレと風呂の掃除をする。

開店準備をまどに頼んで外出。自転車で10分ほどのアパートまで出張買取にうかがう。漫画、リトルプレス、雑誌など。ありがたい。なんとか12時前に間に合う。

店番交代。ペーパートークの参加者が続々ご来店。今回は最終的に19人の方々にご参加いただき、21種類の印刷物が集まった。県外からは愛媛、岡山、兵庫、大阪、石川、三重、東京、千葉。「前回出したペーパーではこういうことを書きましたが、その後~」と、イベントを身近に感じてくれていることがうかがえるものもあり、とてもうれしい。

岡山から戸田さん来てくれて、中原浩大の話で盛り上がる。藤谷さんと小説の話。どれから読んでいいやらわからないという方は多い。もっと面白く気軽に手に取ってもらえるような工夫をしていけたらいいなと思う。休憩中「数学する身体」読み終える。

閉店。お酒でも飲もうかと思ったけどやめて、あっためた豆乳飲みながら小島信夫「別れる理由」読み進める。アルバートアイラ―聴く。いい感じだ。シャワー浴びて寝る。


15日

朝8時前に起きる。料理。豚の生姜焼き、ほうれん草のおひたし、蒸しナスを作る。炒めもの(コンロ片方、手がかかる)とゆでるもの(コンロもう片方、放っておける)と蒸すもの(電子レンジ、放っておける)だと、調理時間が短くて済む。朝ごはん食べて、まどは一人喫茶店へ。INA「牛乳配達DIARY」読み終える。とても良かった。昨日集まった印刷物の整理をする。店頭のチラシフリぺコーナーで配布し、次のペーパートークで初めて参加された方のレターパックに入れたりもしている。

外出。西村ジョイへ行き、防音に使えるポリエチレンのシート、強力両面テープ、ドア用隙間テープを購入。店員さんに細かく聞いたので間違いはないはず。サニールートに行ってアイスコーヒーとハムチーズトースト。たまたま矢野さんの最終勤務日だった。矢野さんはこないだの個展で絵を買ってくれて、こう飾ろうと思うんです、飾り終えたら写真送りますね、とうれしそうに話してくれる。うれしい。田中英光「オリンポスの果実」読み始める。自分も物事をネガティブに考えがちな時はあるけど、田中英光や葛西善蔵なんかを読んでいると「いくらなんでもそれは…」と思って、冷静になる。ニトリへ。ビーズクッション見る。配送料が意外とかかるのでやめにした。乾燥で最近肌が荒れているので、加湿器を買う。トレーにオイルを入れるとアロマもできるらしい。今度ヒノキのオイルを買ってみようか。たくさんの荷物を自転車に載せて店へ戻る。

店番交代。お客さんそこそこ。田口さんに商品の納品依頼のメールを送る。レンタカーの予約をする。品出し進める。均一棚が荒れていたので、整理と補充。さえちゃんが来て、ZINEを作りたいとのことで、印刷業者や製本のやり方などいろいろ話す。どんなZINEができるか楽しみ。展覧会見たというお客さんから、「ドローイングノートの○○っていう絵良かったです。あれってどんな動機で描かれたんですか?」とうれしい反応をいただく。細かく見ていただいてうれしい。やる気が出る。

今日はこれからバイト。少し絵も描きたい。

2020年11月13日金曜日

2020年11月13日

12日夜

閉店後、ヴィム・ヴェンダース「かつて…」読み終える。ヴェンダースの写真ってこんなに素晴らしいんだな。びっくり。映画見たいなあ。バイト行って、久しぶりにルクスに行ってトマトジュースを飲み、まいちゃんとしゃべる。シャワー浴びて寝た。


13日

朝8時に起きる。ゴミ出し。朝ごはんは白飯に納豆、しらすを乗せて、昨日みかんちゃんからもらったすだちをかけて食べた。まどと一緒のタイミングで出る。今までなんとなく気になってはいつつも入ったことのなかった喫茶店に入ってみる。きれいだけど、なんとなく殺風景で落ち着かない。小島信夫「別れる理由」読み進めて、スケッチブックに2枚ほど絵を描いた。ナルホドに画材を買いに行く。ちょうど20%オフセールをやっていたので、マーカーやアクリル絵の具、スケッチブックなど多めに購入。無印で加湿器を見て、スーパーに寄って帰る。

開店。店頭買取1件。良い本がたくさん、ありがたい。安岐さん来てくれて、徳島の神山で行った展覧会のことや、高松市美術館で行われている展覧会のことなどを話す。この日もけっこうお客さんが多い。乾燥して肌がやばいことになっているので、加湿器をネットで調べる。ニトリのが安くて良さそう。

ペーパートーク用の印刷物も郵送や持ち込みで次々到着。自分も「間違えたら絵が描けていた」というエッセイ的な文章を書いてA5サイズにまとめてみた。今日までに自分含め12名から印刷物が集まっている。明日また増えるだろう。楽しみだ。

この日はまどのマンガをまとめた本も到着。今まで自分でプリントして発行したものはあったけど、印刷業者に発注して作ったものはこれが初めて。販売するのはもう少し先にするらしい。まどはコマごとの展開のさせ方とか、うまいなあと思う。売れてほしい。

明日は午前中に出張買取。今日はバイトもないので、今のうちにペーパートークの準備と料理を済ませておこうと思う。

2020年11月12日木曜日

2020年11月12日

11日夜

閉店後、ゴーチエ「死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇」(岩波文庫)読み終える。バイトに行き、小島信夫「別れる理由」2巻を読み進める。59章(それでもまだ半分もいってない)の冒頭は「どうも夢くさいぞ」となっており、このあたりから登場人物が突然黒人になったり、主人公が女になったり、ロバがしゃべりだしたりする。まだ600ページ近くある。長いなあ。シャワー浴びて寝る。


12日

朝7時半に起きる。段ボールをゴミに出してすっきり。朝ごはんを食べる。

外出。郵便局と銀行をまわる。喫茶店に入り、「別れる理由」読み進める。並行して森田真生「数学する身体」読み始める。岡潔「数学する人生」の編纂もされていた方だ。荒川修作についても書かれている。1時間くらい喫茶店でずっと本を読んでいると、体調や状況にもよるけど、意識が軽くなってじわーっと周囲に溶け出していくような感覚になる。自我をぽーんと遠くに投げやっているような、ゆっくり自分と時間を扱えているような気分。

「周囲の環境と対立し、それを克服すべきものと捉えるのではなく、むしろ環境を問題解決のためのリソースとして積極的に行為の中に組み込んでいく。マグロにとって周囲の水の流れは、運動のためのリソースであって、障害ではない。」

帰って絵をやる。気持ちの余裕ができている時はうまく進む。ここ数日描いては消してを繰り返していた絵が完成。本を読んでいたら絵が描けるようになった。

開店。寒くなってきて客足が鈍くなるかなと思っていたら、それでもお客さんが来てくれてほっとする。NPO法人柑橘ソムリエのみかんちゃんが来てくれて、激レア柑橘という「柚香(ゆこう)」をおみやげにいただく。ゆずと橙の自然交配種と推定されている品種のようだ。みかんちゃんは本当にいつも何かしらの柑橘を持ち歩いている。すごいな。

以前買取でお伺いしたお客さんがいらして、「展覧会行きましたよ。ずいぶん個性的な絵ですね、また展覧会やる時には教えてください」と名刺をいただく。香川の美術協会の会員だそうで、驚く。今まで美術団体の方とは関わりがなかったので、なんだか不思議な気分。しかしこういうやり取りも、古本屋を並行してやっていたから生まれたのかもしれない。古本屋は本当にいろんな方々と関わる仕事だなと思う。うれしい。

今日もこれからバイト。だるいなあ。

2020年11月11日水曜日

2020年11月09~11日

08日夜

作業がたまってしまい、閉店が10時前になってしまう。「京都・六曜社三代記 喫茶の一族」読み終える。かわいい表紙だけど、内容は凄絶だ。バイトに行き、コンビニでチューハイとサラダチキンバーを買って久しぶりに一人で飲んだ。


09日

朝7時半に起きる。朝ごはん。シャワー。9時に友達とモーニングへ行く予定がキャンセルになり、部屋でぼーっとする。小島信夫「別れる理由」2巻を読み始める。まだ3分の1なのか、長いな。外出、100均やスーパーをまわる。トイレの消臭スプレーやセロハンテープなど買い足し。

開店。この日も開店早々からお客さんがご来店。平日・週末関係なく、12~15時と18~20時くらいの時間帯がお客さんが多い気がする。依頼されていた原稿ひとつ送る。昼ごはんは昨日まどが仕込んだスモークチキン。おいしい。昨日食べたチキンバーとは段違い。

閉店。読書、バイト、シャワー。友人から来月高松行くよと連絡があり、おすすめの観光地や飲食店を送る。


10日

朝8時前に起きる。定休日。ゴミ出し、朝ごはん。料理。ハマチの煮付け、オクラともやしのナムル、卵焼きを作る。

絵を描く。書き足したりつぶしたりを繰り返す。ずっとやってたら2時間くらいがあっという間に過ぎた。だんだん次が見えなくなってきたなと思った時には、すぐに離れて別のことをするのが良いようだ。

昼ごはんを食べて、高松市美術館のアニュアル展を見る。大西康明さんの作品良かった。大きなポリ袋?の風船がふくらんだり縮んだりして、吊るされている豆や米を飲み込んだり、風船の下に並べられた器がちらっと見えたりする。こう書いても何が何だかわからないけど、やんわりと関係し合っている現象そのものが面白い。

喫茶店に入り、今日も友人に香川情報を送る。ゴーチエ「死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇」(岩波文庫)読み始める。少しスケッチブック描くがあまりうまくいかず。「別れる理由」読み進める。外国人の登場人物と接する時の主人公のしゃちこばった感じが笑えてくる。喫茶店を出て、宮脇書店で少し立ち読みしてスーパーに寄って帰宅。また絵をやる。寒い。なかなか進まない。

料理。ハンバーグとキャベツの浅漬けを作る。まども帰ってきて一緒に夕ご飯。まどのアイディアで、ハンバーグをすだちにんにく醤油で食べてみる。おいしい。風呂に入る。

まどと黒沢清監督「LOFT」見て、早めに寝た。


11日

朝8時ごろに起きる。料理。青梗菜とニンジンのおひたし、里芋の煮っころがしを作る。今日も絵をやる。進んでることは進んでいるけど、白く塗りつぶしていくばかりで、だんだん画面の中の要素は少なくなってきている。しかしよく見るとうっすら下に書いた線などが見えていて、やはりこれは進んでいると実感する。八百屋へ買い物に行き、帰って少し読書。

開店。お客さんは夕方にかけて多くなった。今日明日と冷え込むようなので、少し客足は減る傾向かもしれない。発送準備、メール返信、品出しなど進める。どんどん品出しを進めたいが、細かいやるべきことがたくさんある。

なんとなく精神的にだるい一日。寒いので肩も凝っている。あまりごちゃごちゃいらないことを考えたくないけど、どうにも難しい。「まかせる!」という感じで力を抜いていたい。

今日はこれからバイト。再開してからまだ10日くらいなのに、早くも行くのがかったるくなってきた。「バイト1回の給料で一週間分の喫茶店代になるんだぞ」と自分に言い聞かせて、やっていくことにする。

2020年11月8日日曜日

2020年11月07~08日

06日夜

筋トレやって風呂。早めに寝る。


07日

朝5時起き。朝ごはんを軽く食べて外出。週末のこんな朝早くでも意外と街に人がいる。徹夜明けらしき若い人たちが牛丼屋にたくさん。JR四国の普通列車と一部私鉄とバスが2100円で1日乗り放題になる「四国再発見早トクきっぷ」を使って、電車で松山へ。ウトウトしながら小島信夫「別れる理由」を読み進める。少しだけスケッチブックに絵も描く。新居浜を過ぎたあたり(高松~松山のほぼ中間)から眠気も覚め始めた。正午前に松山駅に着く。松山駅はいかにも地方のターミナル駅という感じの暗さがあって好きだ。大々的に改装されてしまうらしい新潟駅にも似た雰囲気を感じる。駅の中にある「デリー」でカレーを食べる。

小雨の中、歩いて愛媛県美術館の真鍋博展へ。すごい作品数と密度。おそろしいほど緻密な線。活動初期の油彩画(20代半ばにして既にスタイルを確立している!)も展示されていた。本の装画に使用された作品も多いので、古本の勉強にもなった。日記が書かれたノートには「○時○分に服を脱ぐ」といった細かい出来事が小さな字でびっしりと書き込まれている。美術館限定販売というトートバッグを買う。筒井康隆と星新一の本に使われたイラストが表裏にプリントされていてかわいい。

大街道まで歩き、マリモという喫茶店に行く。店に入った時にはテレビがついていたけれど、コーヒーを注文すると、テレビが消されてニーナシモンのレコードがかかった。多和田葉子「犬婿入り」読み始める。建物の外壁工事中で、「工事でレコードの針が飛ぶんよ」と言いながらもニコニコした表情を見せるママさんが素敵。

大街道を抜けて、久々に浮雲書店さんへ。2年以上ぶりかもしれない。小西国太郎「秘境祖谷物語」(ソロー宮脇さんの個展会場にもこの本が資料として置かれていた)、後藤明生「カフカの迷宮」、リチャード・マティスン「13のショック」(早川・異色作家短編集)、小山清「落穂拾い・犬の生活」(ちくま文庫)、青木淳悟「私のいない高校」購入。店長さんは用事で出ていた。店番をされていた方といろいろお話する。

松山市駅方面へ歩き、本の轍さんへ。やはり2年以上ぶり。イベント開催やリトルプレスの取り扱いについてなど、いろいろお話する。植草甚一「カトマンズでLSDを一服」購入。本の轍さんには「植草甚一のスクラップ・ブック」シリーズがたくさんあってうらやましい。

市駅から路面電車に乗ってトマト書房さんへ。浮雲書店さんでけっこう買ってしまったので、何か一冊だけ…と思ったら、小島信夫「寓話」があってのけぞる。一冊にしてはパンチがありすぎる。しかし相場よりも安い。現金が足りなくなっていたので、お金をおろして購入。絵が売れて臨時収入が入ったばかりのタイミングで良かった。他にも小島信夫「島・抱擁家族」、野呂邦暢「草のつるぎ」購入。たくさん買ってしまった。

喫茶店に行こうか迷ったけど、時間がなくてあきらめる。帰り道に猫がいたので、写真を撮ってまどに送る。夕ご飯を食べるお店が見当たらず、結局またデリー。ビールを飲もうか迷ってやめにする。帰りの電車で「犬婿入り」と「別れる理由」1巻を読み終え、「京都・六曜社三代記 喫茶の一族」読み始める。これはすごい。ロマンのある一冊。

家に帰り、まどと今日あったことをしゃべる。店は雨ということもありお客さんは少なかった模様。しょうがないか。シャワー浴びて寝る。


08日

朝8時頃起きる。料理。豚しゃぶ、オクラの梅肉和え、ニラ玉。ニラは一束を3回に分けて使って、結局全てニラ玉になった。まどからiPadを安く譲ってもらったので、初期設定をしてProcreateという描画アプリをインストールする。これで絵を描いてみよう。

まどと喫茶店へ。Procreateのことをいろいろ教えてもらい、少し描いてみる。筆圧もかなり細かく感知されるようだ。ツールの設定もかなり細かく決めることができる。レイヤーやコピー&ペーストも、うまく使いこなせればかなり面白くできそう。スケッチブックに描いた絵を撮影してProcreateで加工して、Bluetooth経由でプロジェクターからキャンバスに投影し、なぞっていくなんてのも楽しそうだ。想像がふくらんでいく。「喫茶の一族」読み進め、まどと店のことについていろいろ話す。

ルヌガンガへ行って、中村さんと久々にいろいろ話す。Spectator最新号「土のがっこう」購入。yomsでも扱っている冊子「ようかいどく」の吉野さんや、鳥取・汽水空港の森さんも寄稿している。

開店。今日は天気も良く、昨日の反動かお客さんがかなり多い。店頭買取も2件。どんどん品出しを進める。

AIR Onomichiの方々がいらっしゃって、いろいろお話する。高松の本屋さんをまわられているそう。尾道も好きな街だ。松山も好き。高松にはない陰影があるなと思う。どこかに旅に出ると高松にない特色を見つけて「いいなあ」と思うけど、帰ってくると「やっぱり落ち着くなあ、なんでだろう」と不思議に思う。その理由がすぐに浮かんでこないのは、要するによほど自分に合っているということなんだろう。中四国は広くて景観の変化に富んでいるし、街の雰囲気もそれぞれかなり違っていて楽しい。

今日はこれからバイト。

2020年11月6日金曜日

2020年11月06日

05日夜

閉店後、本の発送。雑誌44冊セットが売れたので、重い段ボール箱を台車で運ぶ。こういう時、近くにコンビニや郵便局があって良かったなと思う。家に戻って料理。白菜、ニンジン、ひき肉の炒め煮を作る。くちびるの内側に口内炎ができている、昨日食べたそばが良くなかったかもしれない。バイト行く。シャワーを浴びて、島村利正「妙高の秋」読み進めて寝る。最近筋トレさぼり気味。


06日

朝8時半に起きる。ゴミ出し、朝ごはん。寒さはそれほどでもない。森泉岳土「ハルはめぐりて」読み終える。外出。郵便局でお金をおろして喫茶店へ行く。「妙高の秋」読み終えて、スケッチブックに絵を描く。いろんな線や形を散らしていると落ち着く。絵を描くことで自分が結局何になるやらわかったもんじゃないけど、描くたびに何かしらが良くなっているのは強烈に感じていて、それだけでも儲けものという気がする。帰って、明日電車の中で読む本を選ぶ。この時間が楽しい。少し絵を進める。キャンバスに、スケッチブックから拾った線をペンで描いていく。

開店。均一本が昨日今日とよく売れているので補充する。さっこのCDをウェブショップに登録し、ライブ情報と一緒にSNSへ告知。長野の田口さんから「季刊・黒猫」2020年秋号が到着していたので品出し。これはペーパートークに参加している人にも見てほしい。古本の品出しも進める。休憩中、森泉岳土「耳は忘れない」読み終える。

お客さんから「個展行けなかったんですけど、絵ってまだ見れますか?」と聞かれたので、持ってきて何枚か見てもらったら、なんと、売れた。すごい。MOTIFに置いてもらった個展のチラシを手に取っていただいたそうで、気になっていたとのこと。売れたのも嬉しいし、会期が終わってからこれだけ気にかけてくださっているというのも嬉しい。こんなことってあるんだな。店をやっているから行けばとりあえず会える、というのも良かったのかもしれない。

明日は朝早いので、筋トレやって風呂入って、早めに寝ます。

2020年11月5日木曜日

2020年11月04~05日

03日夜

バイト休み。お茶を飲みながら黒沢清監督「散歩する侵略者」見る。ガンアクションのシーンがかっこいい。小島信夫「別れる理由」読み進める。普段ほとんど本に書込みすることはないけど、そうそう売らないだろうと思うので、気になった部分の頭に○印をつけていくことにする。少しスケッチブックに絵を描いて寝る。


04日

朝7時半に起きる。ゴミを出し、朝ごはん。少し絵を進める。もう少しでキャンバス完成しそう。

9時過ぎに外出。電車で太田まで行き、バスを乗り継いで(電車からすぐ乗り換えられるように時刻表が組まれている)、ぽかぽか温泉へ向かう。温泉とサウナを1時間半ほど楽しむ。泡がわいている水風呂があり、よく冷えるのがうれしい。テレビではずっと米大統領選のニュース。温泉から上がって、きつねそばで昼ごはん。コーヒー牛乳も飲む。2階の人工芝が敷かれたフロアに行くと、じいさんばあさんがカラフルなビーズクッションにうずもれて眠っており、のどかな雰囲気。「別れる理由」読み進めつつ、森泉岳土「祈りと署名」「夜よる傍に」読み終える。サウナ後のじんわりした感じが後になって効いてきた。結局5時間くらい過ごしてしまった。

街中に戻り、まだ帰りたくないので南珈琲に行く。ブレンドと、小腹がすいたのでハムトーストも頼む。おいしい。本を読んで、スケッチブックに絵を描く。いい感じだ。

一度帰って、買い物に出る。レターパックを買い、高松駅で週末の旅行用に「四国再発見早トクきっぷ」を買う。JR四国の普通電車が2100円で一日乗り放題。前日までに購入し、使う日を前もって指定しなければならない。スーパーで買い物して帰宅。

料理。焼き鮭、里芋のゆかりまぶし、青梗菜とニンジンのおかか和え、白菜の浅漬け、夕ご飯用にレタスチャーハンを作る。お腹が減ったので、まどはまだ帰ってこないけど、先に食べることにする。

ロマン・ポランスキー監督「ローズマリーの赤ちゃん」見る。主演のミア・ファローがかわいい。バイトに行き、帰って絵を描く。2週間くらいずっと進めていたキャンバスが完成。うれしい。


05日

朝7時半に起きる。ゴミ出し。朝ごはん。昨日作った白菜の浅漬けがおいしい。島村利正「妙高の秋」読み始める。「別れる理由」はとても長いので、途中にマンガとか薄めの文庫を読んでいくことにする。絵を描く。キャンバス1枚下塗り。YouTubeに沼野充義と貝澤哉がナボコフについて語っている動画があったので、聞きながらやる。車のウインカーやドアの鍵など、時代や国によってかなりつくりが違うので、翻訳の際にどこまで現代のディテールに寄りそうべきか、または注釈を入れるべきかが難しいという話などなど、とても面白い。

開店。郵送買取の依頼が1件入り、写真を送っていただいて見積りを出す。ご了承いただきほっとする。良い本がたくさん。発送準備、品出し進める。さっこのCDがこないだたくさん入荷し、全て買い切ることにしたので、商品管理用のふせんを作って貼る。ウェブショップにも登録しないといけない。細々とした作業がたくさんある。

今日はこれから本を発送して、明日の弁当のおかずを作り、バイトに行く。帰ったら少し本を読みたい。

2020年11月3日火曜日

2020年11月02~03日

01日夜

大阪市存続が決定、ほっとする。

久しぶりの深夜のそうじバイトはつつがなく終了。しばらくやってみて、お金と体力と相談しながら減らすかどうか決めよう。絵を描く時間がほしいし、映画ももっと見たい。風呂に入り、サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」読み終えて寝る。


02日

朝8時前に起きる。今日は一日雨らしいので、栗林公園は明日にする。ごはんを食べて、絵を描く。キャンバスの続き。まずまずうまくいきそう。関川夏央「寝台急行『昭和』行き」読み始める。紀行エッセイを久しぶりに読んだ。今週末の土曜は元旦以来に電車で松山まで行く。楽しみ。PayPayから電話があり、セットアップをする。ニラ玉作る。

開店。コルトレーン聞く。一箱の入れ替え。思っていたよりお客さん来る。年明けにやる店内企画のメール連絡。楽しみだ。気圧のせいかうだつが上がらない。そういう日ということにする。

閉店。バイトに行き、「寝台急行」読み終える。シャワー浴びて寝る。


03日

朝8時過ぎに起きる。ゴミを出しそびれた。

まどと外出。松下製麺所でかけうどんとちくわ天。やっぱりおいしい。栗林公園へ。初めて掬月亭へ行ってみる。今日は栗林公園にて鯉の放流式が行われる予定で、掬月亭では関連して鯉をモチーフとした作品の展覧会が行われていた。先日店に来ていただいた北郷さんも立体作品を出している。建物も良いし、日差しも暖かく、抹茶と栗まんじゅうもおいしかった。入亭料が700円かかるので今まで通り過ぎるだけだったけど、この機会に行けて良かった。公園を出て南珈琲へ。午前中から観光客みたいな過ごし方をしている。小島信夫「別れる理由」読み始める。小島作品で一番長く、2段組みで全3巻、合計1200ページ以上ある。時々他の本もはさみながら読み進めていきたい。家に戻り、まどはぽかぽか温泉へ。自分は明日に行く予定。鶏肉と小松菜と油揚げを適当に炒めて弁当完成。

開店。火曜は本来定休日だけど、今日は文化の日で臨時営業。明日代休をとる予定。店頭買取2件、どちらもとても良い本ばかりでうれしくなる。岩手の村上さんからミャンマーレコードの本追加納品あり、品出しする。

休憩中、「別れる理由」読み進める。冒頭から、人間心理の細部をえぐる(ほとんど妄想に近かったりするが)ような描写が続く。

「『おかしいね』『ほんとに、おかしいわね』こうした会話が出来たらどうか、と考える。それが出来ないのは、そのわけは色々あるのだ、と考える。そう。子供。それまでの不和の日々。そう、不和の毎日。これだ。そのために、『おかしいね』『ほんとに、おかしいわね』といったふうには行かない。許すも許さぬもない、という、こういうやり方ができない…」
「彼女は彼の指をもてあそびながらいう。そういうとき彼は、決して油断をしない。指は自分のほんの一部であって、本体は別のとこにあるという恰好をくずさない。ひそかに彼は思っている。未練を作るのは、これからさ。今こうして暮していることが、それにつながるのさと。」

今日はバイトなし。映画を見るか、絵を描くかする。

2020年11月1日日曜日

2020年10月30日~11月01日

29日夜

気分がくさくさしている。「島尾敏雄対談集 ヤポネシア考」読み終えて寝る。


30日

朝7時半に起きる。ゴミ出し、朝ごはん。キャベツの浅漬けを作るようになってから、いつも買っているボトル入りのキムチをあまり食べなくなった。冬になったら白菜で作ってみよう。薄い毛布をかぶってうとうとしていたらだいぶ気分もさっぱりしてきた。

外出。中央公園に行く。サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」読み始める。スケッチブックに4、5枚ほどボールペンで描く。

5、6人の小学生の男の子たちがボールを蹴って遊んでいて、いつの間にか自転車を乗り回し、さらにかくれんぼのような遊びをやりだした。いつどのタイミングで「この遊びをやめよう」となったのかが、見ていても全くわからない。自分が子どもの頃どういうきっかけで場のノリが変わっていたのかも、もう忘れてしまった。ひとりの男の子が「おーいこっちこっち」と言ったけど、そっちに行ったところで何があるのか、その男の子も何もわかっていないのではないか。ボールを蹴って追いかけまわすだけで楽しかったのが、いつの間にかキーパーという役割を決め出したりして「サッカーらしく」なっていくのはなぜなのか。

帰って絵をやる。スケッチブックに描いた絵と同じような形をキャンバスに描いてみる。いい感じに進んでいる気がする。

開店。藤谷さん来てくれて、買ってくれたドローイングコピー本を渡す。お客さんは少なめ。どんどん品出しを進める。

閉店、スーパーで豆乳など買う。缶入りのトマトチューハイを飲みながら、まどと一緒に黒沢清監督「叫」見る。最近「スパイの妻」含め黒沢清の映画をよく見ている。シャワーを浴びて寝る。


31日

朝8時に起きる。軽く朝ごはんを食べて、久しぶりに日本のヒップホップのPVをいろいろ見る。今日は午前中から河川敷で焚火をやるので、道具の準備。

馬場君と合流して、スーパーに寄りつつ河川敷を目指す。春以降、気温が高くなってきて長いこと焚火をやっていなかったので、今回は半年以上ぶりになる。桜の木が植えられたあたりから枯枝を拾ってきて、段ボールを火種にして着火する。空気がひどく乾燥しているおかげか、すぐに炎が立つ。川には白鳥がいて、新潟を思い出して(冬になるとよく田んぼでモミをついばんでいる)懐かしい気持ちになっていると、こちらへ寄ってきた。誰かが餌付けしているのか。しかし、四国に白鳥なんているもんだろうか。ひょっとしたら何かの間違いでこの川に不時着してしまったのかもしれない。届け出るべきだろうか。ウッドストーブの上に置いた小さなヤカンからシューという音が立ち始めたので、お茶をいれる。馬場君とぽつぽつと話す。目の前に火があると、視線のやり場があって落ち着く。薪は意外に早くなくなってしまうので、茂みにその都度取りに行くのもなんだか良い気分だ。女性が一人で木陰に折り畳みの長椅子を出して、シュラフをかぶって寝ている。真似したい。ウインナーを串に刺して火にあぶると、あっという間に表面が良い色加減になって、パチッという音とともに皮が避ける。フランスパンにはさんで食べる。おいしい。カマンベールチーズもあぶって食べる。おばあさんがやってきて、白鳥に向かって、鳴きまねか高い声で話しかけると、白鳥も返事をして、ちぎって投げられたパンを食べ始めた。

店に戻る。ちょうどさっこがやってきた。いつもより早めに来たのでどうしたのかと思ったら、商店街や公園で歌ってみて何が起こるか実験してみようと思う、とのこと。まどが無印で買った棚がやってきたので、キッチンへ運び込む。

まどと店番を交代。店頭買取3件。品出し進める。疲れがたまってきた。夜は久しぶりにさっこのライブ。今回はたっぷり1時間ほど弾き語り。フィッシュマンズ「MAGIC LOVE」のカバーもあった。物販もけっこう売れて良かった。

店を閉めて、時宅で飲み物をテイクアウトし、家飲みする。枝豆スナックやピーナッツをつまみに、梅酒を飲む。宮脇さんからお土産でもらっていた佐渡の日本酒も飲んだ。さっこから昼間の引き語り実験の報告を聞く。投げ銭をもらって、カレーをおごってもらい、明日ギターを教える約束を取り付けてきたらしい。予想以上にいろんな出来事が起こっていた。


01日

朝9時に起きる。けっこう寝た。さっこは早起きして、ギターを教えるための準備を進めていた模様。まども起きてきたので、喫茶店に行く。さっこが、関西に自分と会わせたい人が何人かいるようで、その話を聞いてまども興奮気味で、相槌を打っていたら関西へ行く日にちまで決まりそうになるが、その人のことを全然知らないので、「へえ」と思うばかりでいまいち気乗りせず。さっこがその人と自分のことを大切に思ってくれていることは伝わるけど、だからといって自分はその人のことを大切に思えるわけではない(それがどうした、と言うこともできるかもしれない)。「ここで『別にそんな行きたくないかな』と言ったら面倒くさい感じになるかなぁ」とか考える。どうせ関西に行くなら、以前から行きたいと思っていた場所を優先してまわりたい気もする。自分はいつも予定をギチギチに入れてしまう癖があるけど、誰かに予定をおまかせするのも、今後楽しくなっていくのだろうか。スーパーに寄って、カレーを作る。最近けっこう友達としゃべったり遊んだりする機会が多く楽しい。コンビニで電気代の支払い、本の発送。

開店。店頭買取1件。栗林公園内の掬月亭で作品の展示をしているという陶芸家の方がご来店、my ceramicsの作品やzineなどをたくさんお求めいただいた。偶然立ち寄ったとのこと。うれしい。栗林公園にはよく行くけど掬月亭には行ったことがなかったので、明日行ってみようか。買取で入った灰田高鴻「スインギンドラゴンタイガーブギ」1巻を読む。

白鳥のことを調べてみたら、香川県にもいろんなところに飛来しているらしく、ほっとした。

今日から長いこと休んでいた短時間のそうじバイトが復活。今のところ週4で入れてるけど、様子を見つつ減らしていくかもしれない。