2020年3月30日月曜日

2020年03月29~30日

29日

朝8時起き。

この日はまどが昼間店番をしてくれることになった。お茶飲みながら本を読む。ヘンリー・ミラー「南回帰線」読み終える。
料理。きのうコチ(魚)を初めて買ってみた。大根と一緒に醤油、しょうが、みりんで煮つけにする。冬菜とちくわと油揚げの炒め物も作る。昨日の夜に作ったハム入りポテトサラダを加えて完成。

外出。商店街の人手はそんなに少なくもないようだ。
サンリンシャに行って、「さよたんてい」追加5冊受け取る。びっくりさんもいて、久しぶりに少し話す。
ルヌガンガに行く。この日はネジマキネコさんが店内で出店していた。お客さんが多い。米本浩二「評伝石牟礼道子 渚に立つひと」買う。
店に戻り、まどは頭が痛いそうで、早めに交代する。

お客さんが多く、ありがたい。昨日は全然だった。やはり気圧がグンと下がってくる日はだめだな。
「渚に立つひと」の表紙を見ていると、なんだか涙がこみ上げてくる。今もし存命だったら、どんな言葉が出てきただろう。

千葉さんが久しぶりに来てくれて、「サン」という雑誌をご納品。「サン」は障がい者サービス事業所の名称でもあり、「アートリンク」というアーティストと障がい者とが一緒に創作活動をする事業を行っている。この冊子はアートリンクの皆さんの作品や活動を紹介するもの。編集でダイゾー君、デザインでサンリンシャの蓮井さんも関わっている。

岩男淳一郎「絶版文庫発掘ノート」読み始める。1983年に出た本だけど面白い。「いや、これは新版で出てるはずだぞ」と思って調べ直したり、いろいろ復習になる。

夜はさっこライブ。時々換気をしつつやる。今回はお店にある本からお客さんにフレーズを拾ってもらい、それを歌詞にして即興で歌うというもの。マスクをお客さんに配って、言葉を書いてもらい、それを見ながら歌ったりしていた。

バイト行って、久々にアプリでビート作って寝る。


30日

朝9時起き。ハムエッグを作って食べる。

公園で本を読む。「絶版文庫発掘ノート」面白い。希少本を掘る楽しみだけでなく、とにかく作品を読んで、その文章の素晴らしさに触れてほしいという熱が伝わってくる。「真の読書人とは骨董屋ではない」。

開店。だんだん雨模様になってきた。お客さんは少なめ。店頭買取4件。

明日進学で香川から秋田へ引っ越すというアシュリーが来てくれた。アシュリーは工芸高校でF3という美術雑誌を作っていて、一緒に雑誌を作っていた汐音ちゃんも同じ大学へ通うことになっている。2人はすごく情熱を持って取り組んでいた。大学に行ってからも、卒業してからも、何か面白いことをやっていきそうな気がする。店をやっていれば帰省時にその話を聞くことができるので、これからも続けていきたいなと思う。

「文藝」次号はCOVID-19のことを取りあげているようだ。速い。

今日もバイト。

2020年3月28日土曜日

2020年03月27~28日

26日夜

バイトから帰って保坂和志「もうひとつの季節」読み終え、キャンバスに絵を描く。つい集中してしまい、夜2時半までやってしまった。


27日

朝9時半起き。ヘンリー・ミラー「南回帰線」読み始める。まどとコーヒー飲みながら世間話。

開店。雨が降ったりやんだりで、頭も痛い。店頭買取2件。
世の中がウイルスの脅威と自粛ムードで窮屈だ。今週末に外出の自粛を呼びかけられている人も多いので、遠隔参加のみでペーパートークをやったら良いかなと一旦告知したけれど、いろんな可能性を考えたら微妙だなぁと思ってしまい、取り下げた。うーん、難しい。

年度の変わり目で、引っ越すんですという話を聞くことが多くなった。お客さんと話していると気分が明るくなる。ありがたいことだ。

この日はまどがご飯を作ってくれた。料理を全くしない日も久しぶりな気がする。

折坂悠太の配信ライブ見る。同じ曲でも演奏ごとにアレンジが頻繁に変わっていてすごい。新曲も良かった。

本読んで、インクで光沢紙に絵を描く。新しいペン先は繊細な線が引ける。3枚くらいやったけどあまりうまくいかず。


28日

朝8時起き。ごはん食べて料理。かぼちゃとにんじんの煮物、冬菜のおひたし、親子丼。冬菜(とうな)は新潟ローカルの野菜。ほどよい苦みがあって、おひたしやみそ汁の具にするとおいしい。

図書館に行って、帰って本読む。
さっこの明日のライブは、ちょっと迷って結局やることにした。どれくらいお客さんが来るかわからないけど、換気と、来場者全員アルコール除菌でいくか。

開店。今日もすっきりしない天気。お客さんは少ない。

こないだよっちゃんのフリーペーパーを読んで山下陽光さんのことを思い出したので、陽光さんと下道基行さんのやっている「山下道ラジオ」を聞いてみる。高松市美術館で見た下道さんの展示は良かったな。
https://note.com/atarashiikotto
陽光さんと、今中野ロープウェイというお店をやっているイトウさんが13年くらい前に素人の乱でやっていたラジオも面白かったな。またいろいろ思い出してしまう。

今日もバイト休み。本読むか映画見るかする。

2020年3月26日木曜日

2020年03月26日

朝9時前に起きる。昨日は少しお酒を飲んでしまって絵描けず。

マルク・ダシー、白川昌生、田中純、松浦寿夫、塚原史「村山知義とクルト・シュヴィッタース」読み始める。
キャンバスやる。これはさすがに良くはならないんじゃないか、という絵が少しうまくいった。完成まであと少し。
去年岡山での個展に向けて描いていた時は、線をきっちり決めて詰将棋みたいに画面を作っていた。最近は適当というか、うまくいかなくてもそれはそれでいくらでも回収できるのではないか、みたいな気持ちになってきている。まだまだ描けそうだ。

開店。品出しや、ネット出品の作業を進める。
komachiの取材。ライターの林さんにはもう何度もお世話になっている。初夏っぽい本をということで、旅の本をいくつか選ぶ。実際のところ旅行もしづらい雰囲気の昨今だけど、本で雰囲気だけでも味わえれば良いんじゃないか。

岐阜から豊島に戻ってきている安岐さんが来てくれる。もう1年IAMASで研究に励むとのこと。ちょうど安岐さんの好きそうな民俗学関係の本がたくさん入ったタイミングだったのでうれしい。

夕ごはんはいかとほうれん草のパスタ。「村山知義とクルト・シュヴィッタース」読み終え、保坂和志「もうひとつの季節」読み始める。

今日もバイト。

2020年3月25日水曜日

2020年03月24~25日

23日夜

8号のキャンバス1枚できる。


24日

8時起き。キャンバス3枚下塗り。まどはまだ寝る様子。
一人でコンビニでコーヒーを買って公園に行き、後藤明生「不思議な手招き」読み終える。幼稚園児と保育士さん達がぞろぞろとやってきてかわいい。足元に鳩がやってくる。鳩の頭をなでてみたい。
銀行にお金を預けて、スマホ修理のお店に行く。ここ最近iPhoneの画面上部に帯状のジラつきが出ることがあって、この症状が出ている時は画面タッチが反応せず、とても不便。みてもらったら、これは「タッチ病」と呼ばれるものらしく、6や6sなど古いiPhoneで、中のICに負荷がかかった時に発生するそうだ(7以降は改善されている模様)。4~5日預かりで、修理費用は2~3万かかるらしい。

帰って昼ごはん食べて、絵を描く。スケッチブックに何枚かボールペンで描く。8号のキャンバス1枚できる。
iPhoneのデータバックアップをとりながら、本の発送作業。

秋田県にお住まいの安藤さんという方から、香川県出身東京都在住の音楽家、川染喜弘さんについて様々な方が文章を寄せたフリーペーパー「イリュージョンミュージック」が届く。
川染さんは音楽家というか、パフォーマーというか、普段の生活の中で多くの人が気にも留めず忘れてしまうようないろんな物事に体ごと突っ込んで、一瞬で磨き上げるようなことをやっている。自分が最初に見たのは、川染さんがメンバーだったカニバリズムガンジーバンドというユニットのライブで、2003年の恵比寿みるくだった。その後、ツポールヌさんとやっていた「(音がバンド名)」とか、ソロのライブとか、いろいろ見ている。一昨年のお盆に東京に行った時、総武線で横からバンバンと肩を叩かれ、横を向くと川染さんがいた。ドトールでアイスコーヒーを飲みながらいろいろ話した。
フリーペーパー冒頭の山下陽光さんの文章良い。一人の人間の中で起こる感動は、他人から見れば一見何も関係のないような無数の出来事に支えられていることが文字になっている。点が線になり、面となって立ち上がる。川染さんのライブではあふれ出るアイディアに自身の体の速度が追い付かなくなってしまうような瞬間があって、滑稽にも見えるけど魅力的で、陽光さんは思い出す速度を上げてできる限り定着させることでそれに拮抗しようとしているかのようだ。

まどがハローワークから帰って、ラーメンを食べに行った。スマホを修理に出すくらいなら新しい中古の端末を買うほうが安そうなので、いろいろ調べる。
合流して、仏生山温泉に行こうとしたら、なんと休み。スタバに入って、萩原井泉水「奥の細道ノート」読み始める。家に帰ってまた読書。スケッチブック少し。外でカレー食べて喫茶店。「奥の細道ノート」読み終える。

tooniceにライブを見に行く。ignition block Mかっこよかったな。蓮井さんからマスクもらった。

帰ってからも、川染さんのフリーペーパーを読んでいろいろなことを思い出し、なかなか寝付けず。


25日

朝8時半起き。
家事をやって、ハンバーグを作る。ハンバーグは少ない材料で簡単にできてなんとなく贅沢な気分になるので良い。
日記ノートを掘り起こしてみたら、2010年からのものが残っていた。それ以前のもあるはずだけど、実家かもしれない。

開店。お客さんの入りは普通くらい。店頭買取3件。ありがたい。
晶文社より「野中モモの『ZINE』小さなわたしのメディアを作る」10冊届く。

夕ごはんはハンバーグと茹でたブロッコリーとにんじん、焼いたかぼちゃ、玉ねぎとわかめの味噌汁。

ウェブマガジン「レビューとレポート」第10号が公開になった。
https://note.com/misonikomi_oden/n/n30499f356ba4?magazine_key=m075a5bacea51
今号は去年女木島で制作・発表されたKOURYOUさんの作品「家船」の特集で、「高松の古本屋」という記事でなタ書の藤井さんと一緒にインタビューを受けている。「レビューとレポート」はアートコレクターのみそにこみおでんさんという男性が編集長。みそにさんは自分の絵もけっこう買ってくれている人で、こういった情報の発信やイベントの企画も積極的にやっている。しかもサラリーマンの仕事と並行して。すごいなと思う。
KOURYOUさんもみそにさんも東京にいる頃からの付き合いで、昨日の川染さんのことといい、なんだか過去がどんどんやってくるような不思議な気持ち。

今日はバイト。

2020年3月23日月曜日

2020年03月23日

22日夜

「COM傑作選 下」読み終え、バイトに行く。帰ってキャンバスに取り組む。1枚下塗り、1枚完成。ここ4日で、8号のキャンバスが3枚完成した。どんどんやろう。


23日

朝8時半起き。ごはん食べてコーヒー。

まどと警察署に行き、古物商の事業所登録をしようとしたら、去年の頭に住所変更をした際にもう手続きは終えていたようだった。
拍子抜けした気分で、近くのたばこや蒲鉾店(なぜたばこやなのかはよくわからないが、この店名でもう200年ほど営業されている)さんに寄り、八百屋でみかんと野菜を買って帰る。ほうれん草のおひたしを作る。

後藤明生「不思議な手招き」読み始める。ひいじいちゃんの本棚にあった一冊。ひいじいちゃんの本棚には、前に読んだカーソン・マッカラーズやサンリオSF文庫もあり、欲しくなる本が文学だけでもたくさんあった。最近店でまとまって売れた岩波の中国詩人選集もここからいただいたもの。自分がその本棚を注意して見たのは20代も後半になった頃で、自分の趣味とかぶっていたので驚いた。

久しぶりにソレイユに行き、「シュヴァルの理想宮」見る。河出文庫で出ているシュヴァルの本はだいぶ昔に読んだので、内容をすっかり忘れてしまった。映画は伝記というよりはヒューマンドラマ色が強いものだったけど、けっこう良かった。絵葉書を作って売りましょうと言われた時とか、「嫌だ!」という感じでもなくて、ただただ「どう反応すればいいのかわからない」という表情を見せていて、いいなと思った。

帰ってごはんを食べて、まどと店番を代わる。発送作業や品出し。店頭買取1件。
野中モモさんの新刊取り扱いについて、晶文社より返信あり。10部買い切りで扱う予定。
かまんよ書店の青木さん来て世間話。

夕ごはんは手羽中と根菜の生姜煮と玉子焼き。昼に作ったほうれん草のおひたしを足す。

去年の3月に比べると、若干買取が少ないような気がする。棚が薄くならないか心配だ。世の中の情勢を考えると、今は暇つぶしの道具を手放したくない気分の人が多いのかもしれない。売り上げのほうは今のところ悪くない。

今日もバイト。帰ったらまた絵を描きたい。

2020年3月22日日曜日

2020年03月22日

21日夜

フィルポッツ「闇からの声」読み終え、風呂。「COM傑作選 上 1967~1969」読み始める。
キャンバスに絵を描く。途中まで進めていた絵はなかなかうまいこといかず、とりあえず別のキャンバスを下塗りしてみたら、そっちのほうがあれよと言う間に進んで、1枚完成。あんまり根詰めて向き合っていると、逆にうまくいかないものらしい。暖かくなってストーブなしでも作業できるようになってきたし、今のうちに進めていきたい。


22日

朝8時起き。

「COM傑作選 上」読み終える。岡田史子の作品はいいなあ。草森紳一が巨人の星について書いた文章もすごい。
「人生は勝負だというが、案外、人間勝負しないものだ。勝負することを、むしろ避けて、おたがいの傷をなめあうのが、世の中である。多くの人は、なんら勝負することなく、人生を終える。勝ち負けがはっきりすることをおそれて生きる。だから、理性によって、おとなが泣かなくなる。」

スーパーで食パンと牛乳を買ってきて、フレンチトーストを作る。まどと河川敷へ花見に行こうと話す。

開店。三連休最終日だけど、お客さんが少ない。先週の日曜も少なかった。明日仕事だからか、低気圧の影響か。日が暮れるにつれて頭が痛くなってきた。
民俗学・社会学関係を中心に品出し。少し本の位置を変えてみる。

夕ごはんはそば。具は春菊、鶏むね肉、ねぎ。「COM傑作選 下 1970~1971」読み始める。

今日はバイト。帰ったら絵を描く。

2020年3月21日土曜日

2020年03月21日

20日夜

店を閉めて、まどとプレオープン中のベンさんのお店に行く。前のお店よりもバーっぽい雰囲気で、瓦町駅から近いけどひっそりした路地にあり、とても良い感じのお店だった。ピクルス、鴨のロースト、スモークソーセージ、どれもおいしい。ギネスとウイスキーを飲む。
iLに行き、トマトジュースを飲みながら浜吉さんといろいろ話して帰る。


21日

朝8時起き。朝ごはん食べて読書。スケッチブックにボールペンで1枚絵を描く。
外出。本を発送して、レターパックやビールの買い足し。

開店。今日もお客さんの入りは悪くない。
ナカマタさんがこないだのペーパートークの印刷物を取りに来てくれる。鎌倉芳太郎の話をすると、村山知義の弟子筋?で、高松に住んでいる方がいらっしゃるようだ。「その辺のことについて調べて、お店で何かしら発表していけばいいんじゃないですか」確かに、おもしろそう。ペーパートークで少しずつ調査報告をしていくのもいいかもしれない。
去年の秋から美術関係の本をまた読むようになって、最近は1910~20年代の日本美術への興味が再燃してきている。

夕ごはんは野菜と鶏肉のトマト煮込み。たっぷり作る。最近塩辛い味付けにしがちだったので、塩を薄めにした。

今日もバイト休み。じっくり本を読みたい。

2020年3月20日金曜日

2020年03月20日

朝8時起き。

まどとモーニング。少しスケッチブックに絵を描く。フィルポッツ「闇からの声」読み始める。いろいろ世間話。
少しぶらぶら。ソレイユでは今、大橋裕之さんの「音楽」や「シュヴァルの理想宮」をやっている。見に行きたい。ルヌガンガに行き、pha「どこでもいいからどこかへ行きたい」を買う。

田巻一家と合流し、うどんを食べに行く。今は家族4人で東京に住んでいて、遠くないうちに栃木県の宇都宮に引っ越す予定とのこと。向こうで商売を始めるらしい。夫婦2人とも演奏やパフォーマンスをしているので、表現活動ともうまく接続できればと考えているようだ。子育ては大変そうだけど、同じような状況の知人友人と集まって、子ども同士で遊んでもらって親同士は食べて飲んでしゃべってという会も何回かやったらしく、そういうのも楽しそうだなあと思う。
店に戻ってまた少し話す。この日は岡山に泊まるとのこと。

先週の日曜日はお客さんが少なかったので、この3連休はあまり期待できなそうだと思っていたら、予想以上に来ていただいてうれしい。
徳島から川人さん来る。以前会った時よりだいぶ痩せていて、ダイエットして1ヶ月で3キロ落としたと言っていた。夏中には10キロ減を目指していきたいそうだ。
さちこさん来てビール。ペーパートークに興味があるそう。昨日来てくれた、東京に住んでいる松原さんも興味ありますと言ってくれていた。次は5月9日。たくさん参加者が集まるといいなあと思う。

夕ごはんは小松菜とじゃが芋とツナのパスタ。蒸したかぼちゃを添える。

今日はバイト休み。まどと一緒に、プレオープン中のベンさんのお店に行く。

2020年3月19日木曜日

2020年03月18~19日

17日夜

スケッチブックにボールペンで絵を描く。2枚けっこううまくいった。


18日

朝8時起き。

ごはん食べて、久しぶりにキャンバスに絵を描く。年末、買取にうかがったお宅でいただいたもの。白のペンキで塗りつぶし、鉛筆やマーカーやアクリル絵の具で少しずつ描き足していく。よれよれの細かい線や形を配置して、最後に直線で画面を区切って構成を絞ってみる。けっこううまくいった。この感じでもう何枚か進めてみたい。

開店。先週の平日と比べるとお客さんが少ないけど、普通かなという感じ。ネットのほうはけっこう売れている。
預かっていた本の査定をして、振込み。郵送買取も1件届く。

夕ごはんは豚肉と野菜の辛味噌炒め、トマトと玉ねぎのサラダ、春菊の胡麻和え。
木山捷平「鳴るは風鈴」読み始める。

お向かいの片山さんとしゃべっていたら、今まで音楽の話なんて一度もしたことがなかったのに、いつの間にか頭脳警察の話になっていた。

バイト行って、金陵のワンカップ買って家で呑む。ビールよりも日本酒が飲みたい気分だった。まどに見つかる。おっさんくさく思われたようだけど、もう実際おっさんだ。


19日

朝8時起き。

喫茶店に行く。「鳴るは風鈴」読み終える。
「鳴るは風鈴」に収録されている「コレラ船」は、中国から日本へ引き揚げる途中コレラ患者がいることがわかり、一時停泊することになった船内でのやり取りを描いている。どこかダイヤモンドプリンセス号と印象が重なる。パニックとは程遠いのんびりとした会話が交わされているけれど、死と隣り合わせの状況ではよけい不気味だ。

家に帰って、この日もキャンバスを進めてみる。楽しい。
「よし!いい絵ができた!」という時よりも、「この絵の感じでもう10枚描けそうだ!」という時のほうが充実感がある。完結させることよりも連続/拡散させることのほうが自分は興味があるらしい。

開店。品出しを進める。昨日はちょっとお客さんが少なかったけど、今日はけっこう多い。売り上げも良かった。

まどはこの日が職業訓練校最終日。夜にクラスメイトの人達とごはんを食べに行くとのことで、夕ごはんは自分の分だけ作れば良いことになった。昨日とほぼ同じ野菜炒めと、余りものの春菊胡麻和えで済ませる。

アニメイトでGペンとペン軸を買う。スケッチブックもあった。家から一番近い画材販売店だ。

野中モモさんの「野中モモの『ZINE』小さなわたしのメディアを作る」読み始める。野中さんのエッセイとしても読める文章になっていて、細かな時代の空気感も一緒になって伝わってくるのがとてもいい。売る側としての、取り扱い依頼を全て受け止めきれない辛さが書かれた部分は、店をやっている自分も読んでいて心苦しくなった。

東京から友人の田巻さん河野さん一家がやって来る。二人とも出産や子育てなどもあり忙しく、前に会ったのはもう5年くらい前だろうか。少し話して、明日改めて一緒にごはんへ行こうということになった。

今日もバイト。

2020年3月17日火曜日

2020年03月15~17日

15日

朝9時起き。まどがSPF材を組み合わせて作ったベッド、すごくよくできている。マットレスは体の重みを分散させて「柔らかいけど、体が沈まない」仕組みになっているものらしく、表面に細かな起伏がある。ツボが刺激されて気持ちいい。

澄田喜広「古本屋になろう!」読み終える。なんとなく頭の中だけでわかっていたことが次々と言語化されていく。「本は高いところへ流れる」の、一連の流れをシミュレーションした文章はすごい。

開店。雨が降ったりやんだりの変な天気。
平日と比べても、極端にお客さんが少ない。お客さんの行動パターンがガラッと変わってしまったんだなと感じる。

夕ごはんは親子丼と、春菊のおひたし。
夜は喫茶店に行って、帰って、本を読んだり絵を描いたりして過ごす。気圧のせいか頭が痛いし、なんだかイライラする。絵を何枚か描いていると、いくつか良いのができて、少し気持ちがほっとする。
磯﨑憲一郎「電車道」読み始める。

バイト行って、久しぶりにウイスキー飲んで寝る。


16日

8時過ぎに起きる。

ごはんを食べて税務署に行き、確定申告と納税。食料、レターパック、店用のビニール袋、カセットコンロ用のボンベなど買い足す。

開店。昨日よりお客さんが多い。少しずつ品出しを進める。店頭買取2件。

夜はルヌガンガに行き、中村さん、宮脇さん、田山さんとで会議。田山さんが名古屋で行っていた本をめぐる取り組みについて、改めてお話を伺えてよかった。宮脇さんの絶妙にキャッチ―なアイディアを出すセンスはすごい。
宮脇さんは別の飲み会に移動し、ほかの3人でkonojiに移ってごはん。

バイトに行って、少し本を読んで寝る。


17日

朝9時起き。昨日と比べるとずいぶん暖かい。
ごはんを食べて、少し事務作業。郵便局に行って本の発送。

河川敷で焚火をするために、荷物の準備。この間アマゾンで買ったウッドストーブ、テントマット、ミルやコップなどのコーヒー用具一式。弁当も用意する。
途中図書館にも寄ったり、スーパーで水を買ったりしつつ、河川敷に13時前に到着。まずは弁当。「電車道」読み終える。
ウッドストーブを組み立てて、段ボールをちぎって着火し、細い枝を折って入れていく。段ボールはすぐに火が付いて炎が立つけれど、燃えつきるのも早く、枝までなかなか燃え移らない。座っている近くには大きな桜の木が何本か立っていて、根元に折れて乾ききった枝もたくさん落ちているので、燃料には困らなそう。係員の人達が近くで枯草をかき集めて山にする作業をしていて、そわそわする。
悪戦苦闘して、なんとか灰の向こうに赤く燃える炭がのぞいてきた。スチール製の小さなポットをストーブの上に乗せ、隙間から枝を差し込んで火力を安定させつつ、コーヒー豆を挽く。思ったより枝が燃えるのが速く、何度か桜の木まで枯枝を調達しに走る。
お湯が沸いて、コーヒーをいれる。山尾三省「祈り」読み始める。焚火をしながら山尾三省を読んでみたくて、このタイミングを前々から狙っていた。ストーブにくべる枝をポキポキと折りながら読むのはとてもいい時間だった。
17時頃になって、まども家に帰ってくる時間なので、水をかけて火を消し、戻る。

夕ごはんはタイラーメン。わかめとネギ、生卵を入れる。ごはんも追加。まどと映画の話をする。「祈り」読み終える。

原稿書き。うまく進まない。ブログはあまり深く考えずやったこと起こったことを書けば良いだけだから楽だ。お題のある文章を書くのはまだ慣れない。編集者とか、読む相手を想定して「うまいこと言えてるかな」「気に入ってくれるかな」と気にしているからかもしれない。とりあえず完成、送信。

今日はバイト休み。さっさと寝るか。


2020年3月14日土曜日

2020年03月14日

昨日の夜は少し本を読んで、絵を描く。あまりうまくいかず。

朝7時半起き。

与那原恵「首里城への坂道」読み終える。鎌倉芳太郎は1960~78年の間、新潟大学教育学部高田分校で講義を行っていて、「越後系型染」という本も出しているそうだ。

まどとモーニング。ノートにマーカーで絵を描く。J.G.バラード「殺す」読み始める。

ガス代を払って、銀行にお金を預けて、ホワイトデーにチョコレートケーキを買う。
まどはレンタカーを借りて、マットレスと木材を買いに行った。木材を組み合わせて大きなスノコを作り、そこにマットレスを乗せてベッドにする予定。

開店。店頭買取1件。郵送買取の問合せ1件。どうも平日のほうがお客さんが多い気がする。
映画、郷土、絵本など品出し。

お客さんと話していると、ウイルスに対する考えにそれぞれ温度差があることがわかる。いろんな人の温度を感じることで、自分のことを少し離れたところから見ることができる。
SNSばかり見ていると、情報がこちらに向かってくるように感じてきて、だんだん辛くなってくる。実際の会話は相手の表情にかすかな動揺や興奮が見えたり、前後の関係ない話題から相手の感情の波に想像を働かせたり、発話するテンポやリズムも相まって、もっと複雑に言葉を味わっている気がする。
以前Twitterのフォローをゼロにして、リストも作らず、気になった人のツイートはその都度検索して見るようにしていた時期があった。その時は「お話を伺いに行く」という感覚が強かった記憶がある。

夜に1時間だけそうじのバイトを入れてはいるけれど、ほぼ古本屋専業になってからそろそろ1年が経とうとしている。年末くらいから買取・売上ともにそこそこ安定してきて、ペーパートークを定期開催したり、新刊の取り扱いを始めたりした。
自分は何かを作ることと調べることが好きで、その2つが生活の中に欠如してくると急に調子が悪くなる。作ったものや調べたことをまとめるのは苦手。古本屋は取っ散らかったままの知識をそのまま活かせるところが自分に合っていると思う。作ったものも店で売れば良いのだ。本をきっかけにしてお客さんからいろんなお話を聞くことで、自分の興味が広がっていくのも楽しい。

夕ごはんは昨日作ったカレー。「殺す」読み終える。

今日もバイト休み。絵を描く。

2020年3月13日金曜日

2020年03月13日

朝8時起き。喫茶店でモーニング。

与那原恵「首里城への坂道」読み進める。鎌倉芳太郎の他にも気になる人物が続々出てきて楽しい。「おもろさうし」の研究を進め、数多くの史料を伊波普猷に提供した新潟県出身の沖縄学者田島利三郎。加計呂麻島出身のロシア文学者、昇曙夢。「マヴォ」の同人として村山知義や田河水泡とも交流があり、戦後は琉球博物館の館長もつとめた山里永吉。

スーパーに寄る。牛肉が半額だったので買う。

開店。原稿の依頼が1件。アマゾンで頼んでいたウッドストーブが到着。
店頭買取3件。映画、民俗学、郷土関係など。ありがたい。年度末というのもあってか、買取が増えてきた。どんどん売っていかないといけない。買い取った本を活かせずにためてしまうのは申し訳ない気分になる。
来店されるお客さんも多い。古本市延期の件でマルテの近藤君とやり取りした時、北浜にも最近お客が増えていると聞いた。

徳島がご実家という鍼灸師の方がご来店。どこかの街で開業を考えているとのこと。あんまやお灸に関して、四国はけっこう有名らしい(お遍路文化の影響もあるか?)。中国では毛沢東時代に方法論がかなり整理されて、日本はそれと比べると独自の発展をしているそうだ。年末に入った古い東洋医学の本を見てもらい、いろいろと教えていただいた。

夕ごはんは半額の牛肉を使ってビーフカレー。ゆでた菜の花も添える。やっぱり牛肉はうまいな。

確定申告書が完成。出版社へ直取引についての問い合わせをする。
ペーパートークの告知。次回は5/9の開催。ゴールデンウィークはイベントが重なりそうなので、翌週にした。

今日はバイト休み。少し絵も描きたい。

2020年3月12日木曜日

2020年03月12日

朝8時起き。

小島信夫「小銃」読み終え、与那原恵「首里城への坂道」読み始める。香川県の出身で、沖縄の風俗や工藝の記録に大きな足跡を残した鎌倉芳太郎についての本。

スーパーと八百屋に行って、野菜や調味料を買い足す。
帰って、夕ごはんのおかずを早めに作る。トマトと玉ねぎのサラダと、菜の花のおひたし。

開店。チャイマサラ作る。店頭買取1件。郵送買取のご依頼1件、画像を送っていただいて見積りをする。査定額了承いただけた。
休校の影響か、お客さんに若い子が多い。なんとなくうれしい。

ラウンジカドの成田さん来てくれる。東京・三軒茶屋の生活工房で行われる展覧会のリサーチに関わっていて、設営を終えて帰る途中で高松に寄ったとのこと。生活工房はいつも面白い企画をやっていて好きなギャラリー。

夕ごはんは午前中作った2品と、根菜と手羽元の生姜煮。うまくいった。大根がまだまだ安い。

香山哲さんの「ベルリンうわの空」が今日も1冊売れ、20冊仕入れていたのが残り1冊になった。仕入れてから約1ヶ月半が経っている。定休日を抜かせば、2日に1冊くらい売れている計算になる。多くの人に読んでほしい本なのでうれしい。出版社へ10冊追加納品を依頼するメールを送る。

3/20~22に丸亀町グリーンにて予定されていた古本市が6月に延期になった。残念だけど、その分時間ができたので、店に集中しようと思う。

「瀬戸内海の旅」(現代教養文庫、1961年)をめくる。男木島では昔、米を得るために、高松の稲作農家へ島で育てた牛を貸し出すということが行われていたそうだ。この本には船に牛を乗せて送り出すところの写真が載っている。「借耕牛(かりこうし)」というらしい。

今日もバイト。

2020年3月11日水曜日

2020年03月11日

10日夜

映画。増村保造「巨人と玩具」見る。アドレナリン全開でたたみかけ、クライマックスまでひたすら増していく狂気がおそろしい。この狂気は炎上商法が幅を利かせている現代にもどこか通じるものがあるのでは。90分ちょいの映画だけど、もっと長く感じた。


11日

朝9時起き。ごはん食べて読書。暖かくなってきて、ストーブをつけなくても過ごせるようになってきた。

9年前の3月11日は秋葉原にある会社で仕事をしていて、6階のオフィスだったのでものすごく揺れた。けっこう厚みがあるはずのデスクトップパソコンの本体がバターンと倒れたのを覚えている。秋葉原から神田川沿いに西へと歩いて、下北沢に勤めていたまどと新宿で合流し、荻窪まで帰った。

開店。品出し進める。今日も、平日の割にお客さんが多い。
店頭買取3件。ありがたい。出張買取のご依頼も1件入る。まだ仕分け途中とのことで、伺うのは少し先になりそう。

この日の夕ごはんはまどが作ってくれることに。

安岡章太郎「戦後文学放浪記」をパラパラめくる。小島信夫についてのエピソードがあった。
「編集者が部屋を覗くと、小島はバネ仕掛けのデスク・チェアーをばらばらに分解したまま、茫然と突っ立っていたりする。つまり、彼は原稿を書こうとするうちに、椅子の具合が気になって、ちょっとだけ直すつもりが、ついに一と晩じゅうかかって椅子を完全に分解したまま、組み立て不能になったというわけだ」
うーむ。

休憩なしで作業したので、さすがに疲れた。今日はこれからバイト。

2020年3月10日火曜日

2020年03月10日

朝8時起き。

滝口悠生「やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)」読み終える。あとがきでの、日記と小説の違いについて触れた箇所が興味深かった。「時間が経って、多くの出来事が消え失せたあとで、その日をどうにか取り戻そうと願うように記される言葉は、日記とは別のかたちで出来事を記録する」。

絵をやる。プリンター用光沢紙に最近作った消しゴムはんこを数種類重ねて捺し、交差した線をマーカーでなぞって、半分偶然のようにできた形を組み立てていく作業。一枚できた。
持っている既製品のスタンプをあさっていると、7年ほど前に作った消しゴムはんこが出てきた。完全に存在を忘れていた。最近作ったものと比べると、つくりがだいぶ荒い。手っ取り早く作ろうとしたのか、単に下手くそなのか。たぶん両方だ。とりあえず今のほうがうまく作れていたので、ちょっとうれしい。

昼ごはんを食べて外出。歩いて香東川の河川敷に向かう。
歩くのは良い。BGMもいらない。歩いてる最中は本も読めないし、絵も描けないし、自転車の倍以上の時間がかかる。その分普段「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」とあくせくしている自分を断ち切ることができる。バスの本数も少ないし、とにかく目的地まで進むしかない。
郷東橋から香東川の上流のほうを見ると、香川県らしい小さな山の影が重なり合う景色が広がっている。この景色は以前から好きだったけど、足を止めて河川敷を歩いてみたことはなかった。犬の散歩をしている人がちらほら通るくらいで、騒がしくなく良い感じ。大きな桜の木が何本も立っていて、ちょっとした林のようになっているところもある。焚き火をした跡もあった(が、直火は良くないだろう)。ウッドストーブが届いたら、ここで一度試してみようか。

家に戻るとまどは既に帰っていて、ホームページの作業をしていた。
夕ごはんを作る。焼き鮭、春菊と卵の炒め物、大根とにんじんの煮物。霜降り明星ANN0は新年度も継続、うれしい。

ごはんが炊けるのを待っていると、まどが突然「幸せ!」と叫んだ。2人とも自分の中でやるべき作業を進めて、心の中で温めていたやりたかったことにも手をつけられていて、お互いがほどよく干渉し合えている感じ。こういう時間を少しずつでも過ごしていければ良いなと思う。鮭もうまい具合に焼けた。

小島信夫「小銃」(集英社文庫)読み始める。自分は「美濃」にものすごい衝撃を受けたのだけど、メタフィクションの要素が強くなる前の時期の作品も、やっぱり面白い。「死ぬと云うことは偉大なことなので」とか、なんだろうこれは。「小銃」の書き出し、「私は小銃をになった自分の影をたのしんだ」はすごい。

28日のイベントは諸般の事情で中止になってしまった。微妙な時期だ。

今日はバイトも休みなので、これから映画を一本見ようと思う。

2020年3月9日月曜日

2020年03月09日

朝8時半起き。
ごはんを食べて、本を読んで、スーパーに行く。なんとなく体調がいい。

昨日の焚き火では何箇所かで火が焚かれていて、そのうちの一箇所が煙も少なく火がまっすぐきれいに立ちのぼっており、スマホで撮った写真を見て調べてみると、「ウッドストーブ」という道具を使っていたようだ。一度燃えて発生した煙の中にまだ残っている可燃性物質をうまく再利用するような仕組み(二次燃焼というらしい)になっていて、効率よく炎が上がる。アマゾンで注文。まずは河川敷で試して、その後島に行って砂浜で焚いてみようか。テントを張ってのんびりしたい。

開店。ありがたいことにお客さんが多い。昨日お預かりしていた、段ボール1箱分の本を査定。店頭買取も2件。
買取が続かずに、棚がやせてしまうのは怖い。ざっと計算しても月に数百冊の本を売っているし、その分また仕入れないといけないのだ。売って仕入れて棚を耕して、いつ来ても何かしら発見のある楽しいお店にしていきたい。買取依頼まだまだ歓迎しています。

夕ごはんは手羽先の酢醤油炒め、菜の花の胡麻和え、蒸したにんじんとじゃがいも。
吉行淳之介「着流し対談」読み終え、滝口悠生「やがて忘れる過程の途中」読み始める。

ルヌガンガの中村さん来て、世間話や作戦会議。アイディアを出し合ってたらなんだか盛り上がってきた。

今日もバイト。明日は定休日、何して過ごそうか。

2020年3月8日日曜日

2020年03月08日

朝8時起き。
ごはん食べて本を読む。

外出。雨も止んだ。岡山に向かう。
マリンライナーの中で池内紀「恩地孝四郎 一つの伝記」読み終え、水木しげる「総員玉砕せよ!」読み始める。負傷した兵の遺骨を確保するため、スコップで小指だけ切り落とすシーンが切ない。まだ生きていることが、逆にお荷物にされている。上官の面子と精神論のために、命がゴミみたいに捨てられる。潔さなんてどこにもない。

岡山到着。レンタサイクルを借りて岡山県美の坂田一男展へ。
同時代に生きたレジェやコルビュジェ、モランディなどの作品も絶妙な位置に配置されていて、批評的にお互いを補完し合っていた。ちょうどこの間読み終えた「抽象の力」での、同時代性に注視した論の構成とやはり似たものを感じて、にやりとしてしまう。一部の作品での線のゆらめきが醸し出すバランスの危うさと拮抗が興味深かった。

自転車で少し行ったところにあるフリーダムタコスというお店に行く。タコライス、チキンタコス、メキシカンポテト、ハイビスカスティーのセット。おいしい。なんとなく前からタコスを食べたい気分だった。

県立図書館で行司君と待ち合わせ。少し図書館の本を見る。
古京文庫さんへ。ほしい本がたくさんあって、こういう時には多少高くても気合いを入れて決めの一冊をと思うのだけど、結局買いやすい値段の本をたくさん買ってしまう。イヨネスコ「孤独な男」、ロブ=グリエ「快楽の館」、木山捷平「大陸の細道」、読み終えたのを店に出して売れてしまっていた小島信夫「抱擁家族」などを買った。

近くの喫茶店でコーヒーを飲む。OFの今後の展覧会予定を聞く。面白そうだ。

河川敷でやっている焚火に、行司君と混ざる。まったく初対面の人ばかりだったけど、マシュマロやつくねを串に刺して焼いたり、コーヒーをいただいたりして、とても楽しかった。気が付いたら4つくらい火が焚かれていて、ぼーっと火を見ているだけでなんだか充実した気分になってくる。気がつくとかなり時間が経っていた。高松でもやりたい。

行司君と別れ、カドでごはん。成田さんとけっこうしゃべった。「鳥取、尾道、岡山、高松の4つはけっこう近いから、お互い行き来して何かやれたらいいですねえ」確かに。それぞれ雰囲気もかなり違うし、楽しそう。

帰りのマリンライナーで「総員玉砕せよ!」読み終え、吉行淳之介「着流し対談」読み始める。
店に戻って事務作業。バイト。

もう少し絵を描くか本読むかして寝ます。

2020年3月7日土曜日

2020年03月07日

朝8時起き。
高井有一「夜の蟻」読み終え、池内紀「恩地孝四郎 一つの伝記」読み始める。

まどが無印良品で注文したベッドが、なんと入口から中に入らずキャンセル。折り畳みか分解ができるものでないと厳しいようだ。
気を取り直してモーニングに行く。心なしかお客さんが少ないような気がして、みんな外出を控えているのだろうかと思っていたら、すぐに人が増えていっぱいになる。何か大きな出来事があると、なんでもそれに引っ張られて考えてしまいがちだ。

開店。今日はペーパートーク。

高知から「夜と昼」の廣江さんがやってくる。店を2週間ほど休んでいるそうで、今は自転車で四国をぐるっと周っているところらしい。近況や、最近読んだ本について話す。「ペーパートークやってるんで、今何か書いて出してみませんか」と言ってみたら、旅で見た情景を文章にしてくれた。うれしい。

徳島で「ナガヤプロジェクト」を運営している、いちご農家の西岡さんが来店。今月28日にナガヤで行われるイベントには古本で出店する予定。

どろん堂さん、竹内夫妻、汐音ちゃんなど、なじみの人達もたくさん来て楽しい一日。

前回年始にやったペーパートークは、年末で忙しかったのか参加人数は少なかったけど、今回は多かった。参加人数10人、15種類の印刷物が集まった。白黒印刷の文章主体のものもあればカラフルな見た目のものもあり、幅の広さがうれしい。次は5月。ゴールデンウィークはイベントが集中しそうなので、ずらして開催にしようかなと思う。

今日もバイト休み。昨日の夜は本を読んで終わったので、今日は少し絵をやりたい。

2020年3月6日金曜日

2020年03月06日

8時半起き。
カレル・チャペック「いろいろな人たち」読み終え、高井有一「夜の蟻」読み始める。

古本が買いたくなったので外出。磯﨑憲一郎「終の住処」買う。喫茶店に入って「夜の蟻」読み進める。

戻って開店、品出し。
まどが受託商品の清算を進めてくれて、自分の詩集やTシャツの売上も積もり積もってそこそこの金額になっていた。新しい靴でも買おうか。

小鉄君が来てくれて、いろいろ話す。お預かりしていたステッカーも売れていたので清算する。
ナカマタ先生が明日のペーパートーク用の印刷物を持ってきてくれた。うれしい。今のところ遠隔参加で4つ届いていて、自分合わせて計5名。当日参加でどのくらい増えるか楽しみだ。

昼間の空がだんだん春めいてきた。外でテントを張って、本を読んだり絵を描いたりしたい。地面からの冷えさえなんとかなれば楽しそう。モンベルのクロノスドーム2型というテントを持っているけど、ちょっと重い。もっと気軽に外でゴロゴロできればいいなと思う。

今日はバイトなし。本を読んで、少し絵を描きたい。

2020年3月5日木曜日

2020年03月04~05日

03日夜

詩・散文集「あてのはずれに」増刷し、風呂に入って、山下澄人「ルンタ」読み終える。めちゃくちゃ面白かった。
コーヒーを飲みすぎたせいか、全然眠れず。


04日

7時半に目が覚めてしまう。
ごはん食べて、ラジオ聞きながら「あてのはずれに」製本作業。10部完成。最近作った消しゴムはんこを使い、犬おわりに送るための絵を7枚作る。早起きのおかげで作業ははかどった。本の発送、電気代の支払、八百屋。

開店。雨でお客さんは少ない。店頭買取1件。
品出しと発送準備を進め、犬おわりへ送る手紙を書く。

夕ごはんはポテトサラダ、豚肉の生姜焼き、春菊のおひたし。
カレル・チャペック「いろいろな人たち」読み始める。

バイト行って、少し本を読んですぐに寝た。


05日

朝10時起き。9時間以上寝てしまった。日によって睡眠時間にばらつきがあるのは良くないな。さすがに体力は回復した。
灯油を買いに行く。

開店。ネットでよく売れている。品出し。書類の記入。
男の子が「この辺に、もっと古本屋はありませんか」と聞いてきたので、なタ書の場所と藤井さんの電話番号を教える。

ペーパートーク用の印刷物を作る。南新町のパン屋さんのイートインで描いたスケッチをまとめたもの。豆本にしようかと思っていたけど、A4にプリントした状態もけっこう良かったので、裁断せず出すことにした。

古本屋が仕事になってから、早いものでもう1年経とうとしている。去年の春から夏にかけては、この先やっていけるのかどうかの不安も大きく、苦しい気持ちで過ごす日が多かった。年末くらいからまあまあ売上も落ち着いて、油断はできないけれど、気持ちの面で少し余裕ができている。もっと買取が増えてほしいところ。
絵に対する気持ちもかなり変化してきている気がする。フルタイムで働いていた時には「労働の時とは違う自分でありたい」という思いがあったし、それが創作をめぐる自分の身振りに及ぼす影響も想像以上に大きいようだ。東京にいた頃と比べると、「何者かでありたい」という欲求はかなり薄くなったと思う。

難波ベアーズで今日山本精一さんは「コロナ調伏撲滅祈念 山本精一絶叫無観客ライブ」をやった。配信は無し。誰も聞けないけど、たくさんの人が「ああ、今山本さんは誰もいないライブハウスで絶叫しているんだなあ」と想像したはずだ。ひょっとしたら、普通にライブをした時よりもたくさんの人が、現在の山本さんの存在や意識について考えたかもしれない。すごいことだ。

今日はこれからバイト。帰ったら少し絵を描いて、本を読みたい。

2020年3月3日火曜日

2020年03月02~03日

02日

この日はお客さんは少なかったけど、けっこう売れた。ずっと品出しして、夜は記事の校正。

夕ご飯はサバの塩焼き、にんじんともやしのおかか和え、卵と菜の花の炒め物、味噌汁。思ったよりも時間はかからず。

バイト行って、本読んで寝る。


03日

朝9時起き。よく寝た。

ごはんを食べて読書。レベッカ・ソルニット「ウォークス」読み終える。終盤にはパフォーマンスアートに関しての言及もあり、ヴィト・アコンチやマリーナ・アブラモヴィッチが取りあげられていた。
「アラン・カプロ―は、ポロックの重点は美的対象としての絵画から『日記体の身振り』としてのそれに以降した、と1958年に書いている。(中略)芸術家がカンバスへ向かう画家をはるかに凌駕する身振りの可能性を拡げようとする時、彼らの範となりうるのは科学者、シャーマン、刑事、あるいは哲学者であり、芸術品はそうした探求の物証か、鑑賞者の探求を助ける小道具でしかなくなるのかもしれない」
山下澄人「ルンタ」読み始める。

minamoに但馬ユカリさんの個展を見に行く。木版に水彩絵の具を乗せて刷った版画、淡い色彩。
店によく来てくれている汐音ちゃんがいた。今日卒業式だったとのこと。汐音ちゃんは秋田の大学に進学が決まった。よく一緒にいるアシュリーも、なんと昨日同じ大学への進学が決まったらしい。「高嶺格さんに教わりたい」と言っている。帰省した時に話を聞くのが楽しみだ。
國廣さんが中ザワヒデキさんの「現代美術史日本篇」を読んでいた(但馬さんだったかもしれない)。この本には自分が2010~12年くらいにやっていたライブペイントイベント「間欠泉」のことと、自分の「ヒアリング」という絵の図版が載っている。4月の頭に出る大山エンリコイサムさんの「ストリートの美術」という本でも、「間欠泉」について触れられた文章が掲載される予定。

歩いて図書館へ。鎌倉芳太郎について調べる。鎌倉芳太郎は香川県木田郡三木町に生まれ、大正期に沖縄で美術教師をしながら現地の風俗や工芸について調査と記録を進めた人物。日本政府による首里城取り壊しの計画を阻止するため、伊藤忠太に働きかけたりもしている。

銀行寄ってサンリンシャに行き、売り切れていた「こんにちは!さよふしぎたんていしゃです!」を再び仕入れ。
蓮井さんが「これ齋藤さんですか?」と、フライヤーデザインの本を広げる。小田島等さんと二艘木洋行とコインランドリーでやった3人展「オールドファッション」のフライヤーが載っていた。デザインは加瀬透君。これは本当にかっこよく仕上げてくれた、うれしい一枚。
konoji/dot.の小野さんと3人でいろいろ立ち話。

ルレーヴでパン食べてコーヒー飲む。スケッチブックに絵8枚描く。
帰宅。インタビュー記事校正。やっと仕上がった。

3月26日に発売される野中モモさんの「野中モモの『ZINE』 小さなわたしのメディアを作る」では、今も店でやっているPaper Talkのことが紹介される。Paper Talkの告知をモモさんがmixiで見かけて連絡をくれたのは2008年くらいか。
最近20代の頃の自分が勇気付けてくるような出来事が続く。振り返らなくても目の前からいろんな思い出がやってきて、「よっ」と笑顔で挨拶してくれるような感じ。うれしくなる。

まどがそぼろ目玉焼き丼、煮物、味噌汁を作ってくれた。おいしい。

店のレジで事務作業。詩集「あてのはずれに」を増刷。
これから週末のPaper Talkに向けての原稿作りと、時間があれば犬おわりに送る絵を作る予定。

2020年3月1日日曜日

2020年02月29日~03月01日

28日夜

円盤のレコブック「青春を売った男達」読み終える。
消しゴムはんこ一つ彫って、少し本を読んで寝た。

この日の夜、若い子6人くらいのグループがやってきて、気になる本を買ってお互いにプレゼントし合っていた。話を聞く感じでは、その場で思いついてやっていたようだ。古本だと単価は数百円だし、見た目と中身が微妙に食い違っていたりする面白さもあるし、そういうのがやりやすいかもしれない。


29日

朝8時半起き。

高松市美術館にバウハウス展を見に行く。歴史的なことよりも、ひとつの教育機関としてどのような取り組みを行っていたかについて掘り下げられた展示だった。ミサワホームがかなり充実したコレクションを持っているようだ。

久しぶりに綿谷でうどん食べて、開店。最近さぼり気味だったポップを書く。
雨のせいかお客さんは少ないけど、ゆっくり見ていってくれる人が多い。久しぶりに喫茶席も全て埋まった。

夕ごはんはひき肉、ほうれん草、にんじん、しいたけのパスタ。

夜はさっこの月例ライブ。この日はギターの弾き語り。志々島の盆踊り唄も歌っていた。島のおばあちゃんの手伝いから生まれた歌などもあって、曲の背景が見えるのが良かった。

ライブがおわり、時宅で少しお酒を飲む。月例ライブの宣伝について会議する。
この日はけっこう疲れて、帰ったらすぐに寝た。


1日

朝8時半起き。
さっこから、志々島のお年寄りから聞いた話を聞かせてもらう。昔志々島には2人の船大工がいたこと。木の船にはよく虫がつくので、潮の引く日に浜に船を並べて、煙を炊いて燻したこと。その際に、船についている棒で船体を叩きフナダマ様(船の魂、という意味か)に呼びかけたこと。フナダマ様は蛇を嫌うので、ヘビ年生まれの人間が船に乗ると縁起が悪いとされたこと。溺死体の体の向きは性別によって変わること。今は観光資源ともなっている海ほたるは、肉食で溺死体を食い荒らすため、気味悪がられていたこと(死体に群がる海ほたるがぼうっと塊になって光っていることもあったらしい)。など。
3人でモーニング。さっこのカキ漁の仕事は年度末まで続くらしい。

開店。この日は店頭買取3件。内容もビジネス書や海外文学、児童書など幅広い。休憩なしでずっと作業。校正もやらないといけないけど、忙しくてできなかった。

今日はこれからバイト。