2023年12月27日水曜日

暮れの挨拶(2023年12月25~27日)

24日(日)夜

本を出荷して帰宅。まどと買ってきたケーキを食べる。今年一年どうだった、とまどに聞くと「(漫画家として)デビューした」との返事。来年もずっと描きまくる日々になりそうだ。クラフトビールを飲みつつ、カフカ全集「日記」続き読む。


25日(月)

朝8時に起きる。久しぶりにごはんと味噌汁の朝食。洗い物や掃除などする。コーヒー飲みつつ読書。外出し、ナルホドで絵の具を買って作業部屋へ。途中まで進めて詰まっていたキャンバスにマーカーで線を引いてみる。

開店。この日は若いお客さんが多かった。学生はもう冬休みに入っているのだろうか。ずっと査定とカレンダーの梱包資材作り。発送準備もやった。

閉店後、本を出荷。たまっていたTポイントでおつまみを買い、ビールを飲みながら店で読書。その後キャンバスの続き。少しだけ進んだ。


26日(火)

朝8時頃起きる。ご飯を炊くのを忘れて、まどと南でモーニング。読書。レターパックを買い、さらにうどんを食べる。植田うどんで温ぶっかけ。甘めのつゆ。三越のあたりに「ロバのパン」(移動販売のパン屋さん)が来ていて、一つ買ってみる。「びみょ~なおいしさ!」というポップ(ひどい)がついていた、いもチーズパンを購入(おいしかった)。ルーツレコードへ行き、けっこう長居して何も買わず。すみません。自分でもこういうことをしてしまうし、yomsで店番をしている時もお客さんに寛容でありたいと思う。

昨日からの梱包資材作り続き。思ったより早めに終わる。八百屋へ買い物。発送準備や、28日と30日に県外へ出る時の行程などを練る。お預かりしていた本の査定が1件終了し、振り込み。いろいろやっていたら20時を過ぎていた。晩ごはんはまだ行ったことのなかった中華料理店「福園」で餃子、半チャーハン、唐揚げのセット。

帰宅して料理。親子丼、春菊胡麻和えを作る。薄く切ったかぼちゃを焼いておく。風呂に入って、出るとちょうどまどが某所にて行われていた民俗学勉強会から帰ってきたところだった。おいしい料理も出て楽しかったようだ。自分も行く予定だったが忙しくて無理だった、また今度。

ビール飲みながら、楽天TVでレンタルしたサミュエル・フラー「裸のキッス」見る。コンスタンス・タワーズの表情の迫力が素晴らしい。演出やカメラワークの即物的な鋭さと、主人公ケリーの感情の起伏とが絡み合って異様な何かが立ち上がる。ケリーがキャンディを殴るところを横からとらえた強烈なカットは、暴力を目の当たりにした傍観者の視点にカメラが置かれていて、見てはいけないものを見てしまった気分にさせられる。「拾った女」でもほぼ同じようなカットがあったな。


27日(水)

朝8時に起きる。朝ごはん。まどがコーヒーを入れてくれて、少し読書。お弁当の用意。外出、チケットショップへ行き18きっぷを1日分だけ購入。100均でセロハンテープなど買う。店に戻り、片づけ。

開店。この日はアルバイトMさんが作業に来てくれる日で、追加で作業してもらうための本を準備。店頭買取1件、先日お預かりした分の支払いが1件。この日はお客さんとお話して「よいお年を」と言うことが多く、もう今年も終わりなんだなと感じた(よく考えてみればこの日含めもう5日しか残ってないのだけど)。Mさんとも古本屋のことや仕事一般についていろいろ話す。ジュノ君来てくれる。Syndicateの上で来年からギャラリーを始めるらしい。皆さん活発だ。品出し、発送準備。この日は店頭でも単価の高い受託商品がぽつぽつ売れて、売り上げは良かった。

先日、半月舎の御子柴さんと古本屋業務についてお話できたのがうれしかった。もっと同業者(できれば大都市圏以外で実店舗を運営している方)と日々の業務について話してみたい。込み入った話なのでぶしつけに質問するわけにもいかないが。来年はそういう機会も増えるだろうか。

明日は臨時休業をとって、兵庫県加西市Voidにて行われるイベント”deep relax"に行く。栗金商店の2人と、DJのワカバ君も一緒。Voidの大吾さんには、6月の個展、9月の工藤冬里さん宅での出店と、今年とてもお世話になった。自分もがんばろう。

2023年12月24日日曜日

モチでも(2023年12月22~24日)

21日(木)

23時半ごろまで作業して、本を出荷し帰宅。こないだ両親からおみやげにもらった「鞆の浦サイダー」が1本余っていたので、ハイボールにして飲む。ハチミツやシナモンが入っていてとてもおいしい。G・ウィリアム・ジョーンズ「ベルイマンは語る」少し続き読む。


22日(金)

朝8時過ぎに起床。まどが作ってくれていたほうれん草の味噌汁を飲む。外出、非常に寒い。南に入って読書。「ベルイマンは語る」は映画だけでなく演劇についても多く語っていて、むしろこちらのほうが具体的な演出の工夫などについて語られており興味深い。三島由紀夫「サド侯爵夫人」をベルイマンが演出し東京で上演した時の写真も載っているが、いつ頃のものだろう。

開店。昨日の売り上げの帳簿付け。外は少し雪のちらつく寒さで、日本海側ではかなり雪が降っているようだ。Fujimura Familyも参加しているMARGINAL PRESS発行のzine”EMO"を品出し。「「痛み」との向き合い方」をテーマにトークセッションやイラスト、詩などが掲載されている。郵便局の集荷が来て、カレンダーをまとめて発送。昨日お預かりした本の支払い1件、ほか査定2件終了。夜はなんだか久々の品出し。

閉店後、本を発送して、スーパーに寄って帰る。ビールを飲みながらパーシー・アドロン「バグダッド・カフェ」見る。この映画が好きな人がたくさんいるというのはうなずけるけど、自分はあまりはまれず。また見返す機会があれば違う感想を持つだろうか。相互フォローになっているOさんとSNSでメッセージをやり取り。Oさんは漫画家で、自分の絵もまどの漫画も好きだと言ってくれている。両方ほめてくれる方はけっこう珍しい。ありがたい言葉をたくさんいただく。共通の知人もいるし、来年どこかのタイミングでお茶しましょうとなった。ゆっくり風呂に入って寝る。


23日(土)

朝7時半に起きてごはん。読書続き、「ベルイマンは語る」読み終える。ベルイマンは作品数が多いし、作風の幅も広い。次は何見よう。お弁当の準備をして外出。現在20%OFFセール中のWAX GATE RECORDへいき、ガレージパンクのLPを1枚購入。サーフインストとかガレージはレコードで聞くといい感じだ。みかんとお菓子を買って店へ。

開店。寒さも当たり前という感じになってきたのか、この日はお客さんが多かった。品出しをどんどん進めていく。濱田晋さんの写真集”Polyphony”を出す。田口さんの「店の名はイズコ」をお買い上げいただいたお客さんから「この本めちゃめちゃ面白いな!そんだけです」と電話あり。たくさんある田口さんの著書の中で自分も「イズコ」が一番くらいに好きなのでうれしくなる。日が暮れて、宮脇さんがYON MAGAZINEの日野さんを連れて来てくれる。YON MAGAZINEにはまどもマンガを寄稿している。この日はルヌガンガで宮脇さんと日野さんのトークイベントがあり、自分は店番で行けなかったがイベントに行く前らしき方々がたくさんいらっしゃった。クリスマスプレゼントに本を買っていただいたお客さんも何人かいてうれしい。

閉店後、まどが時宅へ行くというので自分もついていく。ビールとマンゴージュースを飲んで、キムチ奴や生春巻きなどを食べる。その後自分は作業部屋へ。小さなキャンバスをあれこれといじっていたら、いつの間にか完成した。少し地味な感じの色合いだけど、こういうのもあっていいだろうと思えた。ストーブのすぐ前で水をたくさん含ませた筆で絵の具の色を広げていると、乾きの速さが変な具合になって面白い。


24日(日)

朝7時半に起きて「モチでも焼こうか」と声に出すが、二度寝して9時起床。モチを食べて洗い物と洗濯。コーヒー飲みながらカフカ全集「日記」続き読む。なんとなく2023年に読んだ本と映画のベスト10を考える。本は10冊で収めるのは難しい。文学関連10冊とそれ以外10冊にしたい。

のど飴とケーキを買って店へ。開店。店頭買取1件。品出し、発送準備、カレンダー梱包資材の準備、来年のイベント関係の連絡など。夜になってお客さんも少なくなり、査定のほうを進める。アパッチさんやまいちゃんがイベントのフライヤーを持ってきてくれた。

今日はこれから家に帰ってケーキ。食べ終えたらゆっくり本でも読む。

2023年12月21日木曜日

なんかいろいろいい(2023年12月16~21日)

15日(金)夜

閉店後、本の出荷。作業部屋に行って絵の続きをやる。ほんの少しだけやって帰るつもりが思ったより時間をかけてしまった。帰ってゆっくり風呂。檜垣立哉「ベルクソンの哲学」少し読む。だんだん読むスピードが速くなってきたような気がする。


16日(土)

朝8時に起きる。この日も朝ごはんは豆もち。まどが作ってくれていた味噌汁も飲む。読書続き。作業場へ行きキャンバス続き。2枚同時に進めていて、1枚は無難で退屈、もう1枚はどんどん悪化していく。どうなるだろうか。

開店。この日は暖かいが風が強く、一日中気圧の谷間のような天気。先日到着した鈴木哲生君デザインのカレンダーを品出し。早速ウェブショップで何部か売れる。閉店間際に明日のレコ寄席での出店用に古本を選書。

閉店後、カレンダーの梱包をやって本を発送し帰宅。少し読書。


17日(日)

朝8時過ぎに起きる。たっぷり寝た。まどと外出。天気は良いが風がかなり冷たい。日本海側は雪が降っているようだ。南に入り「ベルクソンの哲学」読み進め、少しスケッチブックに絵を描き、カフカ全集「日記」読む。スーパーと100均で食料や消耗品など買い足し。店に戻り、昨日選書した出店用の本を箱詰め。

開店。この日は途中からレコ寄席の会場設営などあるため16時までの営業。品出しを少しやり、カレンダーの梱包作業を進める。Fujimura Familyの写真集「PROOF OF LIVING」を出版したMARGINAL PRESSより、発注していた新刊が到着。

16時に閉店し、本を台車に乗せて燦庫へと運ぶ。会場設営はほとんど済んでいた。井川さんも来て少し打ち合わせ。田口さんと半月舎御子柴さん来て、設営。レコードと古本をわっせわっせと運ぶ。晩ごはんにうどんでもいければと考えていたが、2人は昼既に食べていた模様。時間もなく結局パンを買って食べた。

レコ寄席は今回「谷川俊太郎と詩人のレコード」編。フリージャズやリーディング、童謡、アニメソングなど様々な音源がかかった。谷川俊太郎のメディアへの意識の高さは、他に聞けた吉増剛造や高木恭造らとはまた別のベクトルを向いていて、とても興味深かった。集客に関しては予約の時点でyoms店内のキャパを越えていて、燦庫で開催した甲斐があった。物販もけっこう売れたようだ。

焼き鳥屋で打ち上げ。まどとIDO CAFE市原さんも一緒。いろいろな話をした。


18日(月)

朝10時に起きる。寝るのが遅く、あまり眠れた感じがしない。昨日買っておいて余ったパンと、差し入れでいただいたドーナツ、コーヒーで朝ごはん。外出し、郵便局で発送。八百屋でみかんとバナナ入り甘食を買う。

開店。アルバイトMさんが来てネット出品作業。店頭買取1件。品出し、発送準備など進める。夕方ごろになんだか頭がぽーっとしてきて、昨日寒い風に当てられて風邪をひいたのだろうか?と不安になり、早閉まい。帰宅してベッドに入っているとだんだんと落ち着いてきて、そんな深刻な体調ではなさそうで安心する。しかし疲れているのは間違いないので、思い切り10時間くらい寝た。途中でベッドに入りながらエルド吉水「龍子」1巻読む。凄まじい筆致だ。


19日(火)

朝7時半に起きる。体調回復。南へ行き、「ベルクソンの哲学」読み進める。

レンタカーを借りて、出張買取で宇多津へ向かう。まどはこの日は別行動で、詫間までさっこの船を撮影しに行った。出発してすぐ、ぽつぽつ雨が降り始める。現地へ着くと倉庫などではなく現在も住まわれているお家の一室で温かい中作業ができ、玄関からすぐの駐車場にも屋根が付いていて、濡れずに運び込みができるつくりになっていた。真冬での倉庫作業に備えて新しいアウトドアジャケットも買っておきたい。段ボール2箱分ほど選ばせていただいたほか、今後の参考に聞いておきたいとのことで、まだ売れない本の軽い見積もりをお出しした。

思ったより早く終わったので仏生山温泉へ行く。ロビーの文庫本販売コーナーでレヴィナス「存在の彼方へ」と葛西善蔵「哀しき父・椎の若葉」が各200円で売られており、購入。ここはたまにいい本が安く売られていることがある。温泉にゆっくり浸かって、「ベルクソンの哲学」読み終える。読むのにかなり時間がかかったけどとても良い読書体験だった。

レンタカーを返し、丸亀町でまどと合流。片原町駅前で猫をなでて、某所で行われている某会に参加。美術館の学芸員さんも集まり、図録や写真なども交え今年見た展覧会を振り返るという内容。さいたま国際芸術祭や都現美で行われている豊嶋康子展、国立西洋美術館でやっていた「スペインのイメージ」展など。その人独自の視点からの話を聞くことができて面白かった。

店でほんの少し作業をして、帰ってすぐに寝た。


20日(水)

朝8時に起きる。昨日まどはさっことピザ屋へ行ったらしく、かなりのボリュームだったようで余ったのを持ち帰ってくれていた。朝ごはんに食べる。スーパーへ買い物。まどがシチューを作ってくれて、自分は洗い物など手伝う。マーカーで紙に1枚絵を描く。G・ウィリアム・ジョーンズ「ベルイマンは語る」読み始める。図版も多く、思ったより読みやすい。

早めに開店。店頭買取2件。濱田晋さんの写真集「Polyphony」届く。愛媛県に取材したもので、wellの村尾さんがデザインを手掛けている。この日はありがたいことに発送が多く、忙しかった。来年に予定しているイベント関係の連絡なども進める。夜に矢野さん来てくれて、いろいろ話してなごんだ。

閉店後、カレンダーの梱包資材を切る作業。これがけっこう時間がかかる。ブログも書いたり、ネット出品した本の整理もやったりで23時過ぎごろまで作業。

自分が面白いと感じたことは、誰かに伝えて共感を得るまでもなく、やっぱり面白い。友達や他人が面白いと感じたことを自分が面白いと感じることができなくても、その人が感じた面白さが減るようなことはない。なんかいろいろいい。


21日(木)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、お弁当を用意して早めの外出。郵便局まで本を出荷しに行き、その後は梱包資材作りの続き。

開店。この日は店頭買取が3件。うち1件は段ボール5箱で後日連絡、ほかもう1件も身分証お忘れで後日の支払いとなる。愛媛県からの郵送買取も1件到着。年末を感じる。少し品出しをして、他はずっとカレンダーの梱包作業。やっとひと段落ついた。26日に店頭販売分の残りをウェブショップに登録する予定。いろんな意味で、店頭で売れてほしいところ。郵送買取分は1950年代の修学旅行のしおり(どれも香川県の小学校で頒布されたもの)などがあり、とても面白い。受託商品も振り込みは終えているがまだ出せていないものがある。品出しと均一本の補充も少しやる。

閉店時間を過ぎてもネットで売れた本の発送準備や郵送買取分の査定と振り込みなど。気が付いたら23時を過ぎていた。映画や読書の時間が欲しいけど、良い本がたくさん入ってきていると幸せな気分になる。

2023年12月15日金曜日

コツや秘訣(2023年12月14~15日)

13日(水)夜

閉店後、本を出荷してトキワ新町や丸亀町近辺を歩く。昨日店の鍵を落としてしまった(前回の日記に書いた「諸事情」とはこのこと)ため。やっぱり、ない。交番へ行くがパトロールに出ているようで、呼び出したところで待たされそうだったため明日にして店に戻る。少しネット出品作業。作業部屋へ移り、絵をやる。また新しいキャンバスに手をつけた。

トイレに行くと、なんと無くしたと思っていた鍵が出てきた。ズボンの、ベルトを通す穴にカラビナやリードで鍵をつなげていたのが、丸々ズボンの内側に入ってしまっていた。バカすぎる。おかげでたくさん散歩できた。


14日(木)

朝8時頃起きる。まどが「お腹が痛い」という。自分はなんともないが、悪いものでも食べたのか。洗い物、洗濯物の片づけ、お弁当の用意などやって外出。南でモーニング。カフカ全集「日記」続き読む。やっと120ページくらいまできて、まだあと300ページ近くある。小説よりもストレートに自閉的な部分が出ていて、自分もかなりそういう部分があるとはいえ、ずっと読み続けるのはしんどいものがある。なんとかユーモアにくるんで小説へと昇華しようとしているのが泣けるけども。今年中に読み終わるのか。交互に読んでいる「ベルクソンの哲学」もじっくり取り組みたい内容で、なかなか進まない。カバンの中には気楽に読める殿山泰司「JAMJAM日記」もある。チェイサー的なもんだろうか。

まどと買い物。無印でお香や無地のノートを買う。八百屋でみかんも購入。

開店。マロンさん来て、まどと昼ご飯を食べに出かけていった。発送準備、品出し進める。受託商品に関しての連絡も。この日は常連さんも何人かいらっしゃり、東京からというお客さんが「行くのを楽しみにしていました」と言ってくださったり、いい気分。閉店間際にサチコさんが来て、久しぶりに話す。昔作った詩集を買ってくれた。

「店を続けるコツ」「愛される秘訣」のような記事なんかを見ると、自分がもし聞かれたらどうしようと考える。わかったようなことを言って、舌の根も乾かないうちに店がつぶれでもしたら恐ろしい(長く続くほど良いというわけでもないが)。しかし思い出してみると、開店当初のほうが傾向と対策的なことを考えがちで、浮ついていたような気がする。不安で何かにすがりつきたかったんだろうか。買い取りを重ねていろんな人の本を日々受け入れ続けていると、自分のエゴはどうでもよくなってくる。共感ではないし、傾聴とも少し違う気がする。それもどうでもいいか。

閉店後、キャンバスの続き。思ったよりも速く進み、完成。こないだ描き上がったキャンバスに続き、これも2日で完成した。ここ1年ほどの間に描いていた抽象画は図と地を入れ子にするような絵が多く時間がかかっていたけれど、キャラクター(図)を決めておくと全体の構図も早めに決まり、完成のポイントが見えやすい。これには良い部分も悪い部分もあるだろうけど。

本を出荷してルクスへ行き、まいちゃんとダラダラ話す。27日にルクスで食品まつりさんのライブがあるらしい。自分はその翌日に加西Voidでも食まつさんのライブを見る予定だけど、この日も行こうかなと思う。


15日(金)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて、ubuwebにあるサミュエル・ベケット「フィルム」を見る。ベケット唯一の映画作品(1965年)で、最晩年のバスター・キートンが出ている。小説や戯曲よりもずっとわかりやすく、笑いもあるし、かわいい子犬や子猫も出てくる。ゆらゆらと左右にパンを繰り返して、主人公を追いかけまわしているようなカメラワークも面白い。脚本はどのようになっているのだろうか。まどが起きてきて、豆もちを焼いてくれる。大豆の香ばしさが意外とコーヒーにも合う。檜垣立哉「ベルクソンの哲学」続き。

「純粋知覚は、本質的に瞬間的な知覚である。だからそこから認識の構図を組み立てなおすならば、知覚に記憶が入り込み、瞬間に過去が侵食してくる契機を見とらねばならない。純粋知覚は、あくまでも知覚の「非人称的な基底」なのである。」(p122)

開店。この日もマロンさんが来てくれて、まどといろいろ漫画の話をしている。横で聞いているだけでも面白い。春木君来てくれて、うちで買ってくれた本を使って書いた卒論が無事に通ったとのこと。うれしいしめでたい。品出し、スリップ作り、発送準備など進める。あさってに迫ったレコ寄席の再告知も。予約は増えてきているが、もっともっとたくさんの人に見てほしい。愛媛からの郵送買取が到着。最近郷土関連の絵葉書を出していたら、「香川の紙モノがありますけど、送りましょうか」とメッセージをくださった。昔の商店街や高松けいりんのチラシなどがあり、とても楽しい。

今日はもう疲れたので、少しだけ絵を進めて帰ることにする。

2023年12月13日水曜日

やめゆわ(2023年12月11~13日)

10日(日)夜

閉店後、燦庫へ。ヤンフー3周年記念イベントに顔を出す。cowbellsのライブを見て、ビール1杯だけ飲んで出た。作業部屋へ行き、伊藤整「イカルス失墜」続き読む。ubuwebにアップされているトリシャ・ブラウンのパフォーマンスの動画(”watermotor","Primary Accumulation")を見る。少しキャンバス進めるが、行き詰ってきた。以前に手をつけて放っていた小さなキャンバスの続きをやり始めると、こちらはあっけなく完成。どこでどうなるかわからない。


11日(月)

朝8時頃に起きる。朝ごはんを食べて料理。ひき肉と白菜、にんじん、長ネギ、もやしのみそ炒めと卵焼きを作る。ぼんやりした日のお弁当は茶色くなりがち。コーヒー飲みながら読書。外出。スーパーで少し買い物をして作業部屋。新しい小さなキャンバスに色を塗る。

開店。昼過ぎからぽつぽつと降り始め、お客さんの少ない一日になる。店頭買取が1件。久しぶりに出張買取のご依頼もあり、来週の火曜にお伺いすることになった。天気が良くなるといいんだけど。神奈川県から郵送買取1箱届き、振り込み。品出しやネット出品、イベントの連絡など進める。

閉店後、本を出荷してお酒を買い、作業部屋へ。読書、キャンバス続き。新しいキャンバスにも手を付け始める。さっと手数少なく決める癖をつけたいが、なかなかうまいこといかない。


12日(火)

朝8時に起きる。ごはんを炊いて朝ごはんを食べる間に、ケリー・ライカート「リバー・オブ・グラス」見る。洗い物、読書、洗濯。

外出。南に入る。朝まどと会話していた時に出てきた「やめゆわ」について考える。「やめようか」という言葉を言おうとして途中で「やめるか」が割り込み、「やめゆわ」になったというもの。「やめゆわ」のような言葉は日常会話でよく口からつい出てしまうものじゃないかと思うけど、発話の段階で出てきたとしても、文章に書かれる際には読めないからと「やめるわ」に修正されてしまう。「やめゆわ」のような言葉で文章を書くことは可能だろうか。「イカルス失墜」読み終え、檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を読み始めると、そこにつながるような箇所が出てきた。

「そこで複数の途が、可能的ではあれ行為に先だって存在するかのように描かれているのはなぜなのか。それは進行したことから進行しつつある事情を再構成するという意味で、やはり決定論と同様に時間の空間化に依拠するものではないか。(略)可能なものとは、実在が生じたあとで、そこに付加されるように成立するのである。」(p83)

本屋で本をぶらぶら見て、何も買わず出る。綿谷で肉うどん食べる。店で、先日買ってもらった絵を梱包して発送。コンセントまわりのそうじ。換気扇もそうじして油をさす。

作業部屋で絵の続き。昨日手を付け始めたキャンバスのほうが先に完成する。煮詰まってくると、軽い気持ちで進めていたほうがいつの間にか完成してしまうことがよくある。

久しぶりに頼酒店へ。店には自分の他に先客2人。リチャード・ブローティガン「ハンバーガー殺人事件」を読みつつ、ビールとレモン酎ハイ、ガーリックトースト。角打ちとブローティガンという組み合わせがとてもちょうどよく、良い気分。

帰宅。古川卓巳「拳銃残酷物語」見る。終盤の銃撃戦のシーンは良かったけど、全体的にどこか食い足りない感じがした。風呂に入り、少し本を読んで寝る。


13日(水)

朝8時に起きる。朝ごはん。まどがおかずを作ってくれている横で洗い物をしたり、スーパーへ買い物に行ったりする。読書。「ハンバーガー」読み終える。ブローティガンの小説では様々なことがなんでもないように通り過ぎていく。

外出して、店に到着すると、諸事情が発生。いろいろあって開店が1時間弱遅れることに。発送準備など進める。店頭買取2件。日が暮れた頃にまさみさんが来て、いろいろお話。新潟の話などもする。まどや小鉄君も来る。

今日はこれから少し用事を済ませ、ネット出品をやって、絵の続き。

2023年12月10日日曜日

春めいた冬(2023年12月08~10日)

07日(木)夜

本を発送し、作業部屋でキャンバスの続き。少し手を入れたら、なんか失敗した気がする。難しい。家に帰るともう12時半、まどはまだ起きている。シャワーをがんばって(朝に浴びると疲れてしまう)浴びた。


08日(金)

朝8時に起きる。ごはんを食べて洗い物、お弁当の用意。コーヒー飲みながらカフカ全集「日記」読み進める。今年中に読み終えられるのだろうか。外出、銀行とスーパーをまわって作業部屋へと向かう。オーネットコールマンを聞きながら絵の続き。昨日失敗したところをなんとかカバーしようといじる。こういう悪あがきが良い方向へ転んだりすることもたまにある。

開店。連絡関係を一通りやり終えたので、この日はまずまず気楽。品出しなどを進めていく。東京で今年会ったKaede Adachiさんの邦楽DJmixを聞く。箏や鼓の音がとてもかっこいい。また聞き直そう。

閉店後、本の出荷。スーパーに寄って炭酸水や柿の種などを買って帰る。帰ってハイボールを作り、飲みながらまどとヴィム・ヴェンダース「パリ、テキサス」見る。話はシンプルだけど2時間半もある。しかし2時間半でしか描けない空気が確かにある。


09日(土)

朝8時に起き、ご飯を食べながらまた映画。オーソン・ウェルズ「黒い罠」見る。有名な冒頭の長回しは本当にすごい。終盤の、闇夜の中ヴァルガスがクインランを追いかけていくところもいろんな構図から撮られていて面白かった。洗い物、洗濯。お弁当を用意して作業部屋へ行き、絵の続きをやる。

開店。なんだかやたらと眠い。7時間は寝てるんだけど。店頭買取で先日お預かりした分の支払い1件、さらに新しいお預かりが1件。この日は夜にお客さんが多かった。鳥取から山田さんが来店。山田さんはいろんな県外のライブイベントにふらっと現れていて(本人は「それほどでもない」と言っていた)、よく友人のストーリーでも見かける。ぽつりぽつりと話す。途中まどかさんとみきちゃんも来る。時宅へ行くらしい。NGOで年2、3回ミャンマーへ行くというお客さんがいらっしゃり、村上巨樹さんのミャンマーレコード事情のzineを買ってくださる。明日まで滞在されるとのことで、高松のいろんなお店情報を伝えた。

閉店後、LINEでデザイナーの方と打ち合わせ。自分が当初出したアイディアの至らなかった部分が明確になり、なんだか恥ずかしい気分になるが、向き合ってこつこつやっていこうと思う。デザイナーの人はこういうところが気になるんだなというのもわかって(自分でも少し考えてみればわかりそうなことだったりもするのだけど)いい時間だった。とりあえず、次に連絡するのはだいぶ先のことになりそうだ。

帰宅。まどと少し話してシャワーを浴びる。ウイスキー水割りを少し飲みつつ、カフカを読む。1時前に寝た。


10日(日)

朝9時過ぎに起きる。よく寝た。朝ごはんを食べて読書。カフカを少し読んでから、伊藤整「イカルス失墜」読み始める。お弁当を用意して外出。かなり暖かく、まるで春がもう来たみたいだ。スーパーをふらふらして、なぜかカンパンを買う。

開店。ネット出品作業などを進める。この日はかなりスローペース。自分をゆっくり休ませつつ動くような感じで作業した。昨日と同じく、陽が傾きかけてから来客が増える。夜になってサンドマンが来て、いろいろ話す。ライブやイベントの集客の話など。島田さんのやっている「真夜中の喫茶店」に最近大学生がよく来ているそう。なんとなくジョンレノンを聞く。とてもいい。

今日はこれから燦庫にヤンフー3周年記念イベントを見に行く。

2023年12月7日木曜日

師走な日々(2023年12月04~07日)

03日(日)夜

ブログの更新などをやっていたら遅くなってしまった。この日はまどに髪を切ってもらう予定だったけど、だいぶ疲れてしまったようで、またにする。本を出荷し、コンビニのネットプリントで田中菫さんの”HOT MILK LETTERS"最新号を入手し、帰って読んだ。

コンビニのイートインで、ガラス越しに外を眺めながら無表情で札束をビラビラめくっている男がいた。万札であれば数十万という厚さだった。何者だろう。


04日(月)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて洗濯。まどはこの日豊島へ取材に行くそう。のんびり構えているのでなんとなく心配になり、フェリーの時間を調べてみると、思ったよりもずいぶん本数が少ないことがわかる。結局、直行ではなく小豆島経由で向かう便に乗ることに。

外出。八百屋に寄って長ネギとみかんを買う。作業部屋に行き、おととい完成した絵に少し加筆。うまくいく。instagramで購入したいとメッセージを送ってくれた方に連絡し、めでたく売約となる。ありがたい。新しいキャンバスにも手をつける。出だし順調。

開店。店頭買取1件。こずえちゃん来て、ゆっくりといろんな話。また適当に来てほしい。品出し、発送準備進める。来年に予定しているイベント関係の連絡などもやる。何かと慌ただしい。休憩中に安江リエ、及川賢治「ひもがいっぽん」読む。夜に高松のギャラリーSyndicateでのグループ展に参加していたJackson Kakiさんが寄ってくれる。東京での共通の知人の話などになったり、Kakiさんの今後の活動の話を聞いたり、かなり刺激になった。自分もこつこつとやっていきたい。Kakiさんは今月末に東京の桜台にあるpoolというところでパフォーマンスをやる予定だそう。ここは12年前に自分とまどの結婚記念パーティーをやった場所だ。ただの偶然だけど、なんだかうれしい。

閉店後、本を出荷。家でひとつ気合いの入ったメールを送ってから早めに寝た。


05日(火)

朝9時に起きる。朝ごはんを食べて、ジャン=ピエール・メルヴィル「サムライ」を見つつまどに髪を切ってもらう。以前に一度見たことがあるけど、まどが見てみたいと言うので再見。歩道橋の上で銃撃戦の始まるシーンは何度見てもかっこいい。昼ごはんはブロッコリーとツナのパスタ。

昨晩送ったメールに返信をいただく。来年はまた変化の年になるだろうか。

外出。市役所へ行き用事を済ませる。まどはめまいがするとかで耳鼻科へ行ったが、結局あまりたいしたことはなかった模様。良かった。ラボレームスで合流する。カフカ全集「日記」と檜垣立哉「ベルクソンの哲学」を交互に読むが、どちらも読むのに体力が必要な文章で、若干他の本に逃げたくなっている。

よって屋へ行き、骨付鳥やぎょうざ、サラダなど食べる。まどがコナリミサト「ひとりで飲めるもん!」みたく、ぎょうざ用にコショウ多めの酢と酢醤油と2つの小皿を用意してくれた。よって屋はたいていどれを頼んでもおいしい。18時までだとビールや角ハイが220円でとても安い。ついお腹いっぱい食べてしまった。

その後、某所にて毎月行われている、民俗学の研究者の方々が集まる勉強会へお邪魔する。皆さん専門家なので、素人の自分が話を聞いても固有名詞などは当然わからなかったりするが、「資料のそういうところに着目するのか、すごい」という驚きはある。アーティストなど専門外の人間が伝統芸能や地域の習俗を扱う時の視点の面白さにも触れていた。まどと「面白かったね」と言いながら、雨の中帰宅。ゆっくり風呂に入って、ブログを書いて寝た。


06日(水)

朝早く出ないといけないのにおかずも作らないと…と考えていたら、ちょうどよく6時半に目が覚める。料理。ひき肉とにんじんとししとうの辛みそ炒め、卵焼き、ほうれん草のおひたしを作る。朝ごはん。

外出。店に行き、こないだ堀金君と打ち合わせたことをテキストにまとめる。その後堀金君と待ち合わせ、下見。みきちゃんも来てくれる。いい感じになると良いな。みきちゃんから地元和歌山のミカンをいただく。ありがとう。

開店。店頭買取1件。この日は発送件数が多く、あまり品出しはできず。売れてくれるのはありがたい。いつも郷土資料や歴史の話を聞かせてくれるYさんご来店。SNSに投稿した香川関連の絵葉書の入荷情報をご覧いただいたようで、この日はご自身の絵葉書コレクションを見せていただいた。戦前発行のものや、なかなか見ないという県庁竣工記念時のものなど、貴重なものがたくさんあった。夜に栗金の2人がまた来てくれて、打ち合わせる。和歌山のみかんは食感がゼリーのようでとても甘みがあり、おいしかった。

閉店。朝から動いてへとへとになってしまった。本を出荷してさっさと帰る。少し休んで、メグマイルランド/ウチダゴウ「Y×丂句J〈〈×カ又句」(タイトルは当て字だそう)読む。メグマイルランドさんは陶芸作品で展覧会をされたり(この冊子も展覧会に合わせて製作されたもののようだ)、活動の幅が広い。次に勅使川原宏「いけばな」見る。父・蒼風のドキュメンタリー映画。音響に「大野松男」とあるが、アニメ版鉄腕アトムの効果音を手掛けた大野松雄のことだろうか。


07日(木)

朝8時に起きる。まどの作ってくれた味噌汁を飲み外出。非常に風が強い。南でモーニング。先日店に仕入れた佐藤拓人君のレコード購入日記zine「RECORD DENGON Diary」読む。夫婦そろってネットに実店舗にとレコード求めて繰り出している様子が読んでいて楽しい。出て、パッケージプラザで梱包資材を購入。近々入荷予定の鈴木哲生カレンダー用。大きいプチプチのロールを抱えて店まで戻る。

開店。来年開催するイベントの連絡や、郵送買取の見積もりなど。見積もりは了承取れ、発送してもらえることになった。この日は店頭買取2件。2000年頃のファッション雑誌や洋書の画集などもあり楽しい。来年気合を入れて進めることになりそうな件についてもメール。夜になってフランスかららしき観光客2人組がやってくる。どうやらマンガ好きのようで、日本語も達者な様子。勇気を出して「私の妻もマンガを描いていて、今年雑誌でデビューしたんです」と話しかけ、まどの参加した合同誌「もぐらホリデ~」を渡してみる。「とても面白かったです、応援します!」と1冊買ってくれた。ありがたい。こういうことがあると店をやってて良かったなと思う。半空さんでうちを紹介してもらったらしく、こういうところも店同士が近い高松ならではかもしれない。

今日はこれから少し休んで、久しぶりにキャンバスの続き。

2023年12月3日日曜日

なんだかんだ(2023年12月02~03日)

01日(金)

閉店後、本の出荷。ついでにコンビニでお酒とつまみを買う。飲みながらホン・サンス「逃げる女」見る。見終わってから絵の続きをやる予定だったけど、夜遅くなってしまい帰宅。


02日(土)

朝7時に起きる。早起きできたのでまた映画。吉田喜重「血は渇いてる」見る。今まで見た吉田喜重作品とはだいぶ印象の異なる、軽快なテンポで進む社会派サスペンス。佐田啓二演じる主人公に芽生え始めた自意識に、芳村真理演じる生命保険会社の広報担当が焦りを募らせていく様子がいい。

洗濯をして、お弁当を用意して外出。店に行き、ガソリンスタンドまで灯油を買いに行く。夏に買った大きな台車にポリタンクを乗せてみたら、とても安定していていい感じ。しかし、思わず声が出そうなくらい灯油が高い。電気毛布などでできるだけ節約したい。その後、作業部屋で絵の続き。とりあえず完成。しかし後で何度も完成後の画像を見直していると、もう少し手を加えたくなってきた。

開店。店頭買取1件。この日は品出しをどんどん進めた。途中どうにもやる気がなくなり、ついドラッグストアへお菓子を買いに行く。店に戻って食べていると、まどがケバブを持ってやってきた。同じように口寂しくなったようだ。

閉店後、ルクスに行く。この日のゲストはパソコン音楽クラブ柴田さんが別名義Vocoder GirlsでDJ。昨日親とあったせいか、なんだか頭がふわふわして落ち着かなかったけど行って良かった。小鉄君のDJもかっこよく、柴田さんのDJは直球なハードテクノの応酬と思いきやコラージュノイズな展開もあったりして最高だった。ビールをたくさん飲んだ。なんとなくふらっと帰ろうとしたら小鉄君が追いかけてきて「またまた」と挨拶してくれた。ありがとう。


03日(日)

朝9時に起きる。お弁当を用意して、着替えてモーニングへ。カフカ全集「日記」続き読む。思ったよりも文章の雰囲気は暗いが、精一杯のユーモアで文章へと昇華しようとしているのがうかがえて泣ける。

「ぼくの書く言葉は殆ど一つも他の言葉に合わない。子音がいかにも力なく擦れ合っているのが聞える。そして母音は博覧会のニグロの様にそれに合せている。ぼくの疑問はどの言葉の周囲をもぐるっと取り巻いている。ぼくには言葉より先に疑問が眼につく。然し一体それが何だ。ぼくには決して言葉が眼につかない、言葉は作り出すものだ。これは最大の不幸ではなかろうか。ただその時ぼくは、屍臭がぼくと読者の顔にじかに当たらない様な方向へ吹きつけることのできる言葉を作り出せなければならないだろう。」(p17)

スケッチブックに絵を描く。きれいな線が引けてうれしい。昨日完成した絵の画像をSNSに投稿したら「購入したい」と連絡があった。一度会ったことのある、信頼できる人。もう少し手を加えたくなって、待ってもらっている。

本を出荷して開店。すぐに買取の依頼がある。この日は結局店頭買取が4件あり、うち1件は後日に支払いとなるが、1日の売り上げ分と同じくらいの金額を払う結果となった。年末を感じる。何はなくとも買い取りがなければ店はまわっていかない。良い本もたくさん入ってきているし、どんどん出していこう。そして売れてほしい。ivoryさんが柴田さんを連れて来てくれる。ヤマハラさんや小鉄君も一緒。以前自分の出演した公園コンサートとK/A/T/O Massacreのコラボイベントを見ていただいてたようで、そのへんの話などをした。夕方に絵を描いているという高校生が来てくれて、展覧会をやってみたいけどどうしたらいいのか、と相談を受ける。とりあえず自分の最近の展示のことなどをいろいろと話して、少しだけ「ここに話をしに行ってみたらいいんじゃないか」とアドバイスした。夜は栗金商店の2人が来てくれて、いろいろ話し合い。忙しくいろんなことをした1日だった。

不器用ではあってもなんだかんだ良いやつであれば問題なし。と自分に言い聞かせている。

今日はもう遅くなってしまったし、帰って寝る。

2023年12月1日金曜日

友人と両親(2023年11月30日~12月01日)

29日(水)夜

閉店近くなり、東京からやってきた友人の内田るんさんが来店。一鶴で骨付鳥を食べてきたそう。まどもやってきて、3人で時宅へ。ビールは自分だけで2人はお茶を飲んでいた。るんさんとは2月に東京で個展をやった際にちらっと会ったが、その時はほとんど話せず。おそらく知り合って今年で20年になる。最近オタクになったとのことで(自分の中ではずっとマンガに詳しいイメージだったが…)、まどと呪術廻戦やゴールデンカムイの話で盛り上がっていた。途中から小鉄君が来て、今度は水木しげるや京極夏彦の話になる。自分はそれほど詳しくなく横で笑っている感じだったけど、面白かった。


30日(木)

朝8時に起き、まどが昨日作ってくれていた味噌汁を飲む。お弁当を用意して出発。南でモーニング。カフカ全集(新潮社版)の「日記」読み始める。これは長い。旅行中ぼーっと読むのに良さそう。その後、檜垣立哉「ベルクソンの哲学」読む。しばらくこの2冊を並行して読むことになりそうだ。出て、ルヌガンガへ行く。まど2冊購入。最近良く本を買っている。

開店。スマホに着信があり折り返すと、とあるジャンルについての本を探しているというお客さんからで、3冊ほど在庫があったので倉庫から取っておく。少しして店頭までいらっしゃり、じっくり見てそのうち2冊をご購入された。少し単価の高い本で、ありがたかった。品出し、発送準備進める。昨日お預かりした本の支払い。アルバイトMさん来て作業。昨日届いていた「YON MAGAZINE」追加発注分と、神奈川県のサンズイ舎さんが先日発行した「漁民の芸術Ⅰ」を品出し。「漁民の芸術」は三浦半島の漁具が美しいカラー写真で掲載。横須賀で鮮魚店を営む方への聞き取りや博物館の方による考察記事など、文章のほうも充実している。夜になって、るんさんが空港へのバスに乗る前に顔を出してくれた。ありがとう。安岐さん来てくれて、早速「漁民の芸術」をお買い上げ。

閉店後、本の発送。お酒飲もうか迷ってやめる。作業部屋へ行き、まじめに絵の続き。どこか決め手に欠ける。一部思い切って塗りつぶしてしまおうか?しかしこういう時は少し時間をおいてみたほうがいい。帰ってゆっくり風呂に入り、寝る。


01日(金)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べてお弁当の用意。現在旅行中で琴平に泊まっていた両親からLINEあり、9時半に店に寄ってくれることになる。

外出し、YOMSで待ち合わせ。均一棚も外に出して、普段営業しているのと変わらない感じで迎える。5年ぶりに両親と会った。店一本でやっていこうと言った時、母は「店とかは相当なセンスがないとできないもんだよ」と言っていたけど、今回実際に店を見てみると「センスいいねえ」と言っている。オイとなるが、まあよし。4人で喫茶店へ行き、1時間ちょいくらい話す。今回の旅行に関しては、前日琴平に泊まり、伊丹空港から飛行機で帰るということしか聞いていなかったけど、大阪でレンタカーを借りて出雲大社と玉造温泉をまわり、さらに尾道~鞆の浦~倉敷と山陽をまわって、琴平へと向かったとのこと。計4泊5日。いざ旅行するとなると過密スケジュールになるのは自分も似たところがある。今年の夏は日照り続きの猛暑で、今までほぼ毎年1等級の米が獲れていたのが3等級だったらしい。これはうちに限った話ではないそうだ。シューレで香川土産を買うのに同行し、お土産をもらって別れる。2人とも退職して朗らかになった気がする。自分も朗らかになりたいが難しい。とにかくはるばるありがとう。

八百屋で買い物をして、開店。この日は店頭買取2件。うち1件は最近少なくなっていた建築関係の本が多く、ありがたい。ほか、ご近所の方から買取についての問い合わせ。年末を感じる。発送準備など進める。夕方にまどかさん来てくれて、以前あてどなくドライブに行った話など聞かせてもらう。ロードムービーみたいな旅も面白そうだ。夜に大三君が来てくれて、またいろいろな話。

来年に予定しているとあるイベントの詳細が固まってきた。楽しくなりそうだ。

今日はこれから映画を1本見て、絵を少し進める。