朝8時起き。今日はレコード寄席。
ごはんを食べて、掃除機をかけて、田口さん用のふとんを出す。
本を読んで、絵を描く。おととい途中までいってた絵が完成。
絵を描かなくなると、いざ描こうとした時に失敗が怖くなってしまって、手の動きが鈍くなってしまう。うまくいかない絵をどうにかしようともがくことで、普段の自分の手癖ではまず考えないような形だとか、色の組み合わせが生まれたりもする。
レコード寄席も今回が3回目。今回のクリスマス編も、主に戦後から70年代末、高度経済成長期を経て「恋人はサンタクロース」に至るまでの日本のクリスマス観を、レコードを通してたどってみようという内容でとても楽しかった。
終わってから田口さん、ゆきのちゃん、鳥取からいらしたタナカさんと少しごはんを食べに行く。いろんな話をした。インターネットに残った情報に触れてばかりいると、情報の背後にある「その人の過ごしてきた時間の奥行き」に想像がいかなくなってしまうことがある、という話が印象に残った。自分に対しても他人に対しても、意見の整合性ばかりに敏感になりがちで、その人の思考錯誤には無頓着になりがちというか。いろんな人の意見を聞いて変化したり、そのために相手の意見へ歩み寄る心の準備をするのも大切なことだ。「ブレない」人はどこか奇妙に感じてしまう。
Spectatorで「三ツ沢通信」について田口さんが書いた文章にも、ものや人の背後にある時間への洞察について記述がある。
「物事が劣化するのと同様に記憶も少しずつ忘却されていくことで、人々は感情と向き合うことが出来、人がまとう気配として『過去』をぼんやりと察することで『他者を思う』ということを身につけていくのだと思うのです」
田口さんとタナカさんは、この日は綾川の清水和尚のお寺に泊まるとのことで、また今度ということになった。
20日
朝8時過ぎに起きる。ごはん食べて本読んで、昨日のイベントの片付けをする。
ミランダ・ジュライ「いちばんここに似合う人」読み終える。
開店。
児島さんが来て、自然農法やカレーの話。自然農法や有機農法とかって漠然と感覚的にとらえていたけど、土も全然耕さないとか、虫の駆除を天敵を近くに放つことで行うとか、様々なやり方があるそうだ。
店をやり始めた最初の頃は「やりたいことを思いっきりやれる拠点ができたぞ!」という気持ちがあったけど、最近は自分がお客さんに対して何かするというよりも、お客さんからいろいろ教えてもらうほうが楽しい。
昨日田口さんから買った冊子「と豆腐軒の想い出」を読む。これは田口さんが日本の各都道府県に関する思い出を書いてまとめたもの。
大分県の章で、別府での「素人アート・フェス」(仮称)のこと、そしてその(内容的にはともかく集客的には成功した)イベントの記憶に囚われて自分の表現を見失ってしまった男性の話が出てくる。このイベントには自分も参加していて、1週間ほどたくさんの人たちと共同生活をしながら大きな絵を作った。もう10年以上も前の話。別府の温泉は効能が強すぎて体がぐでんぐでんになり、作業は難航した。
アートプロジェクトと呼ばれるような催しには過去何回か制作者として関わったけれど、あまり良い思い出がない。いろんな人と仲良くしなければいけないような重圧を感じてストレスが蓄積し、精神的にもまいっていたと思う。
自分の活動ペースがつかめてきたのは、水道橋「路地と人」での「Circle X」というグループ展と、代々木八幡20202での「平間貴大レトロスペクティブ大回顧展」を企画した2010年からだ。まどと付き合い始めたのもこの年。それももう10年前の話になろうとしている。
今日はこれからバイト。明日は工芸高校の卒展を高松市美へ見に行く。
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