2019年10月13日日曜日

2019年10月12~13日

11日夜

店番をまどとバトンタッチして、岡山へ向かう。マリンライナーの中では、高松から飛行機で帰る予定だったけど台風の影響で新幹線に変更したという女性も乗っていた。

OFに19時前に到着。展覧会の搬入はスムーズに進む。ほとんど完了したけどドローイングが少し足りない。書き足して追加しよう。
OFの行司君の家に泊まらせてもらう。お酒を飲みつつ、3時間くらいいろいろと話す。「あの人のこの絵いいよね」みたいな話をするのも久しぶり。話しながらA4のコピー用紙に絵を描く。あまりうまくいかず。1時頃に寝る。


12日

朝8時起き。
まだ台風は近づいている最中で、西日本にはあまり影響もないはずなのに、風の音が強い。行司君は6時半くらいにもう目が覚めていたようだ。矢萩多聞「偶然の装丁家」読み終える。

喫茶店でモーニングを食べてOFへ。行司君は価格表作り、自分はドローイング。A4サイズのが2枚できたので追加、いい具合になった。詩集も、迷ったけど、売ることにする。開場。

近所のうどん屋さんで炊き込みご飯とぶっかけうどんのセットを食べる。九州スタイルのうどんらしく、やわらかめでもちもちした麺。おいしかった。
モモチャリを借りて県立美術館へ。熊谷守一展は線と色面による作風に至る前の、模索している様子のうかがえる絵がいくつかあった。同時開催の太田三郎展もかなりのボリューム。
cafe moyauでチャイを飲む。北川フラム「ひらく美術」読み始める。

OFに戻る。台風にも関わらずお客さんが来てくれる。18時からはライブ。カセットテープレコーダーからの音にモノトロンでフィルターをかけ、さらにディレイを通して加工する。30分間、けっこううまくできた。終わった後、中西君や高知大学の吉田さんとマレーシアやドイツの話。

行司君、吉田さん、中西君、犬おわりと5人で居酒屋「成田屋」へ。岡山市では有名なチェーン店らしい。鴨つくねや玉ひもの煮つけなどちょっと珍しいメニューもあるし、チューハイも焼酎と割りものがともに濃い目でうれしい。2杯飲んでお腹いっぱい食べて一人1500円ほど。高松にもこんなお店があったらいいのに。
5人で駅までずっとしゃべりながら歩き、別れる。楽しくて何時間でもやれそうだ。帰りのマリンライナーで「ひらく美術」読み終え、吉田健一「汽車旅の酒」読み始める。旅の終わりの少し寂しい気持ちに、さらに旅情を吹き込んでくれる。ページをめくった先に、こんな文章が2行だけぽつんとあったりするんだから最高だ。
「御馳走を食べては、又どこかに行って御馳走を食べて、いつの間にか夜なのだから、――旅行がしたい。」
旅への渇望感からほとんど絶句してしまったかのような間がたまらない。


13日

9時起き。ぐっすり寝た。
ごはん食べて本を読む。台風で東日本にかなりの被害が出ている。友達にLINEで連絡。昨日開催予定だった全感覚祭は、この日の深夜に渋谷近辺のライブハウスに会場を移して開催。柳沼君もシルクスクリーンのブースを出すことになっている。SNSを見ると、浸水被害ですら一部自己責任論で語ろうとしている人もいるようで、自分が社会的な弱者に立たされた時の想像力もないのだろうかと、うんざりしてしまった。公共や福祉の概念が壊れてしまっている。

開店、品出し。休憩中に読書と、作業スペースの掃除。

中園孔二さんの画集を久々に見る。
https://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/000000001422/
中園さんは突然台風の後の瀬戸内海に泳ぎ出し、7日後岡山で遺体で見つかった。2015年7月、25歳の若さだったそうだ。中園さんの遺した作品に広がる世界はあまりにも豊穣でため息が出る。一度お会いしたかった。

自分にとって、絵を描いて人と関係することは、自分を肯定するための最良の手段だということを最近改めて強く思う。5年前にアトリエが火事になってしまってから昨年あたりまで、なんであんなに絵に対して後ろ向きになってしまっていたのだろうか。とにかく油断せず、続けていくことが大事だ。良い絵ができるのかはわからないけど、良くなっていくのを自分自身で目撃しなければならない。楽しさを増幅させていきたい。

今日はこれからバイト。

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