朝8時起き。
滝口悠生「やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)」読み終える。あとがきでの、日記と小説の違いについて触れた箇所が興味深かった。「時間が経って、多くの出来事が消え失せたあとで、その日をどうにか取り戻そうと願うように記される言葉は、日記とは別のかたちで出来事を記録する」。
絵をやる。プリンター用光沢紙に最近作った消しゴムはんこを数種類重ねて捺し、交差した線をマーカーでなぞって、半分偶然のようにできた形を組み立てていく作業。一枚できた。
持っている既製品のスタンプをあさっていると、7年ほど前に作った消しゴムはんこが出てきた。完全に存在を忘れていた。最近作ったものと比べると、つくりがだいぶ荒い。手っ取り早く作ろうとしたのか、単に下手くそなのか。たぶん両方だ。とりあえず今のほうがうまく作れていたので、ちょっとうれしい。
昼ごはんを食べて外出。歩いて香東川の河川敷に向かう。
歩くのは良い。BGMもいらない。歩いてる最中は本も読めないし、絵も描けないし、自転車の倍以上の時間がかかる。その分普段「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」とあくせくしている自分を断ち切ることができる。バスの本数も少ないし、とにかく目的地まで進むしかない。
郷東橋から香東川の上流のほうを見ると、香川県らしい小さな山の影が重なり合う景色が広がっている。この景色は以前から好きだったけど、足を止めて河川敷を歩いてみたことはなかった。犬の散歩をしている人がちらほら通るくらいで、騒がしくなく良い感じ。大きな桜の木が何本も立っていて、ちょっとした林のようになっているところもある。焚き火をした跡もあった(が、直火は良くないだろう)。ウッドストーブが届いたら、ここで一度試してみようか。
家に戻るとまどは既に帰っていて、ホームページの作業をしていた。
夕ごはんを作る。焼き鮭、春菊と卵の炒め物、大根とにんじんの煮物。霜降り明星ANN0は新年度も継続、うれしい。
ごはんが炊けるのを待っていると、まどが突然「幸せ!」と叫んだ。2人とも自分の中でやるべき作業を進めて、心の中で温めていたやりたかったことにも手をつけられていて、お互いがほどよく干渉し合えている感じ。こういう時間を少しずつでも過ごしていければ良いなと思う。鮭もうまい具合に焼けた。
小島信夫「小銃」(集英社文庫)読み始める。自分は「美濃」にものすごい衝撃を受けたのだけど、メタフィクションの要素が強くなる前の時期の作品も、やっぱり面白い。「死ぬと云うことは偉大なことなので」とか、なんだろうこれは。「小銃」の書き出し、「私は小銃をになった自分の影をたのしんだ」はすごい。
28日のイベントは諸般の事情で中止になってしまった。微妙な時期だ。
今日はバイトも休みなので、これから映画を一本見ようと思う。
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