2020年10月5日月曜日

2020年10月05日

04日夜

閉店後、疲れて一休み。「オーウェル評論集」(岩波文庫)読み始める。少し机に突っ伏して視界を真っ暗にし、何も考えないようにしてみる。5分くらいこれをやるだけでだいぶ気分がリセットされる(人に見られると心配をかけるので注意が必要)。明日の弁当用にカレーを作る。少し絵の続き。展覧会には間に合わないかなと思っていた絵がいきなり進む。楽しい。


05日

朝8時前に起きる。外の天気はどんよりと曇っていて、ベランダは濡れている。これから晴れるらしい。ごはんを食べて、喫茶店に行き読書。「オーウェル評論集」読み進める。

「こういう調子が出るたびに、小説全体の調和ががたつくのだ。だが、ディケンズはあきらかに全体よりも部分のほうがすぐれている作家なのであって、こんなことはたいした問題ではない(中略)あとになって首尾一貫しない行動に出るような人物を作るところで、だんぜん才能を発揮するのである。」(「チャールズ・ディケンズ」)

八百屋に行って帰り、絵をやる。完成。午前中のうちに喫茶店で本を読んで、一枚絵が完成すれば、今日はもうかなり良い日なんじゃないかという気がしてきて、古本屋の仕事にもはずみがつく。昨日のうちにカレーを作っておいて良かった。

昨日いらした常連のお客さんが、おつれの方に「齋藤さんはアーティストが本業なんですよ」と言うと、その方はへぇーっという顔になった。自分は「本業…どうなんですかね」と言って、なぜ自分ではぐらかすのかわからなくなり、こういう逡巡が高松に来て本当に欲しかったものだったんだ、と気が付く。絵を描いていることで、絵にも描けないような経験をする。絵描きは絵という自分の言語を既に持っていて、あえてその経験を言葉にすることは少ない。絵は言葉の一割も表現できないし、言葉は絵の一割も表現できない。しかし作れば作るほど語彙と視界はぐんぐん広がり、経験は増えていく。

開店。お客さんはちょっと少ない。からっとした薄曇りで、過ごしやすい天気。雑誌の引き取り1件。来年に店で予定している企画のメール連絡をする。いつも毎回緊張するけど、わくわくする。どうなるかな。

若い男の子がトートバッグを買ってくれて、しばらくするとまたやってきた。友達にあげてしまったのでもう一つくださいとのこと。うれしい。

明日は定休日。今日はこれから映画を見る。

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