2021年3月29日月曜日

2021年03月28~29日

27日夜

ジョン・コルベット「フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き」読み終え、風呂。ムージル「愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑」読み始める。2.3年前に一度読んで、今回また再読。字面を追っているだけで充実感がある。

「男がそんなふうにしゃべりながらそばを歩いていると、男の言葉があっけらかんとした空間の中に流れこんで、その空間をひとりで満たしていくのが彼女には感じとれた。その中で家々が徐々に、自分たちがそばを通り過ぎるにつれてわずかずつ異なった、実物からずれた、まるで窓ガラスにうつる姿のように現われ出た。そして自分たちの歩む小路も。しばらくすると彼女自身もいくらか変型してゆがんできたが、それでもわれとわが身がわからなくなるほどではなかった。凡庸な人間から流れ出る力を彼女は感じた。」


28日

朝9時前に起きる。まどとモーニング。本を読みながらいろいろ話す。まどはこの日休みでゆっくりと時間を過ごしているが、自分はこの後スーパーに行って昼はパスタにして店を開けたらこの作業をして…と頭の中を予定が駆け巡って落ち着かず。休みの曜日が合わないと、お互いの気持ちのチューニングを合わせるのも難しい時があってもどかしい。

スーパーで買い物をして、開店準備。店のパソコンでまどが作業をするとのことで、自分はその間に冬菜とツナのパスタを作る。デザートにデコポン食べる。店番を交代。発送準備、確定申告作業。決算書と所得税申告書が完成し、明日送信して完了の予定。ペーパートーク遠隔参加の方々へ返送する印刷物の準備。この日は雨というのもあってかお客さんが少なかったが、その分作業に集中できた。晩ごはんはまどの作ってくれた天ぷらと煮物。鯖の天ぷらはフェンネルが巻いてあっておいしい。

店番の間、ペーパートークをこれからどう変化させていくべきか考える。これといった答えは出ないけど、考えている時のこのわくわくする感じがいい。

閉店後、まどとロベール・ブレッソン監督「ラルジャン」見る。起こっているのは尋常でない出来事ばかりなのに、映像はぎりぎりのところまで情動が抑えられている。レストランでの乱闘シーンが手のアップだけ。すごい。「愛の完成~」読み終え、シャワー浴びて寝る。


29日

朝8時に起きる。朝ごはん。まどと一緒のタイミングで外出、諸事情あり市役所へ。受付番号をもらい、順番待ち中に高橋源一郎「ゴーストバスターズ」読み始める。横で椅子に座っている母親が自分の息子(小学校低学年くらいか)と話しているが、母親が精神疾患のある人への差別発言や容姿の悪口を平然と口にしていて驚く。子供がかわいそう。ぐったりしてしまう。こういう時自分はどうすべきか、とあれこれ考えていたら順番がやってきた。30分待って手続きは3分。市役所を出て、公園で読書。スケッチブックに一枚絵を描く。家に帰り、豚生姜焼きを作り足す。

市役所の中で、ジュースを飲んでいる子供にお父さんが「こぼすなよー」と言っていて、子供は「こぼしたらどうなるん?」と聞いていた。お父さんがどんな答えをしていたかは聞きそびれてしまった。こぼしたらジュースが床に伸びて広がって、周りの人の視線が集まって、乾いたらべとべとになるから、まずは倒れたボトルを立て直して、それからタオルか何か用意して拭かないといけないんだよな、と順を追って思い出すことができた。「どうなるん?」と聞かれでもしないと、どうなるかを思い出すこともなかなかない。

開店。お客さんはそこそこ。確定申告やっと完了、ラモーンズ聞きながらドライブに行きたい気分になる。品出し進める。DJのHAPPFATさんが来られて、音楽の話を少しする。my ceramicsの大きな花瓶売れる。うれしい。夕方以降パタリと客足が途絶え、閉店直前にまたちらほらとお客さんが来店。

こう書き出してみると、うれしいことも嫌なことも不思議なこともたくさんある。

明日は定休日。高松と徳島で出張買取の予定。

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