2024年8月30日金曜日

雨に打たれて(2024年08月29~30日)

28日(水)夜

閉店後、店で作業をやろうと思っていたけど、なんと傘がなかったことに気が付く。本を出荷して、雨が止んでいるうちに急いで帰宅。ちょうど家に着いたタイミングで雨足が強くなった。

まどと少し話して、ビールを飲みながらアラン・レネ『ジュ・テーム、ジュ・テーム』見る。自殺に失敗した男が謎の実験施設へと連れ去られ、タイムリープ実験の被験者にされる…という、文章にしてしまえば割とありそうな設定のSF。実験中は様々な場所や時間へとランダムに切り替わり、その様子が映画のかなりの部分を占める。鋭いキレでカットアップされる映像とともに男の中にある記憶の断片がよみがえり、つながりそうでいて、謎のまま散らばったりもする。正直、関連は掴みづらい。タイムリープ時のカットアップのキレがよく考えれば実験の始まる前から(!)展開されていて空恐ろしくなったり、一緒に検体としてタイムリープしているネズミが記憶の断片の中に登場したり、実験前のシーンの別アングルからの映像が実験中に再登場したり…と、「おやっ」と思わせる場面が多かった。ペンデレツキの音楽も良い。個人的には問題作として名高い『去年マリエンバートで』よりも楽しめたけれど、こちらは日本では未ソフト化のようだ。


29日(木)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、まどと外出。雨が降っている。南に入り、森敦『浄土』読み終える。ルヌガンガへ。何度か出張買取でお世話になったIさんが偶然いらっしゃり、久しぶりにお会いした。Iさんは自分の絵を割とほめてくれる。店内の棚を眺めると、欲しい本がたくさん目に入る。ルヌガンガには既に1冊注文をしていて、それも買う予定になっているけど、いつの間にか濱口竜介『他なる映画とⅠ』を買っていた。恐ろしい。

開店。雨は止みそうにないけど、郵送買取分の査定など、できることを進めていく。天気予報を見ると、朝には明日あさって暴風雨となっていたのが、雨ときどき曇りに変わっている。どうも読めないな。客足はからっきしと思いきやそうでもなく、常連さんなど来てくださる。ありがたい。査定完了し、金額をご連絡する。夜には韓国からの観光客の方がご来店、楽しそうに棚を見て画集を1冊買ってくれた。明日あさってはどう過ごすのだろうか?

夕方に土砂降りの雨が降り、ふと「こんな時にぽかぽか温泉に行って、外の長椅子で雨にビシャビシャ打たれたら楽しいんじゃないか」と思った。思えば子どもの頃から自然に同化したいという欲求があった。落ち葉に埋もれてみたり、かまくらの中で一晩過ごそうとしてみたり。今はその頃より欲求は薄くなってきているけど、昔と比べれば自閉的な気質が多少まろやかになったのとそう無関係ではない気がする。横道誠『みんな水の中』に書かれている、植物化願望の話に共感したことも思い出した。

誕生日なので、まどに買ってもらったチョコレートケーキを食べた。まだまだやりたいことはたくさんある。じっくり進めていきたい。

閉店後、本の出荷。店でイラレ作業。その後少し絵を進める。台風が心配なので、外にあるチラシ類やポストなどを店の中にしまっておいた。帰宅。シャワーを浴びて、植草甚一『サスペンス映画の研究』続きを読んで寝る。


30日(木)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べながらフランク・ボーゼージ『荒野の馬鹿息子』見る。25分の短い映画。先日見た『巡礼者』と同様、こちらもアメリカ西部のなんでもないような出来事が描かれている。『巡礼者』よりもラストが幾分ドラマチックか。

まどと外出。南で読書。『サスペンス映画の研究』を読んでいるとさらに見たい映画が増える。ミステリ小説と映画との関連についていろいろと書かれていて、ミステリに明るくない自分にはとてもためになる。映画から原作をたどってミステリをもっと読んでいくと、読書の幅が広がるかもしれない。

出て、銀行や郵便局をまわる。ドラッグストアでゴミ袋を購入。店に行き、昨日中に入れておいたチラシ類やポストなどを戻す前に汚れているところを雑巾がけ。たまにやっておかないとすぐ汚くなってしまう。少し在庫整理作業。

開店。台風は暴風域が消えたようだけど、まだ注意が必要だそう。とりあえず臨時休業はせずに済みそうだ。発送準備、品出しなど進めていく。夜に苦手なシールはがし作業。「¥105」のシールはノリが固くなっていて危ない。案の定、何冊か失敗する。しわしわとなしさんのユニット『消極的レジャー』のアルバムをBandcampで聴く。とても良い。

今日はこれから少し本を読んでイラレ作業。その後に絵の続きまでいきたいけど、どうなるか。

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