2024年3月20日水曜日

本人以上(2024年03月18~20日)

17日(日)夜

たまっていたブログも書き終えて更新し、本を出荷してスーパーに寄って帰宅。

ビールを飲みながらサミュエル・フラー『ショック集団』見る。映画を見るのもなんだか久しぶりだ。冒頭のコンスタンス・タワーズのダンスシーンが美しい。詐病で精神病院に潜入取材した新聞記者が、徐々に精神を崩壊させていくというストーリー。思っていたよりもフラー独特の暴力描写は控えめに感じた。

なんとなくもう1本何かしら見たくなり、Werner Nekes"T-WO-MEN"見る。1972年の作品。ネケス作品は日本でもソフト化されている”Film Before Film"(Slapp HappyのAnthony Mooreによる音楽が圧巻)は見たことがあったけど、自身の手掛けた実験映画は初めて見た。セピア色の色彩の中でたわむれる若い女性2名。顔はあまり映らないが食事のシーンやストッキング越しの足、臀部などが続く。レズビアン的な雰囲気。20分もないけれど、とても美しい映画だった。


18日(月)

朝9時頃に起きる。よく寝た。まどはこの日病院で診察があり、早めに外出。朝ごはんを食べながらまたWerner Nekes作品を見る。1973年の”Hynningen"という作品。郊外の一軒家を離れた場所から撮ったり、窓の向こうに見える空と窓の前を往復する女性を撮ったり。ずっと鳴っている持続音も心地良い。こちらも20分弱。

お弁当を用意して外出。八百屋で買い物して店へ。そうじして開店。この日は県外からの観光らしきお客さんが多かった。zineがけっこう売れた。アルバイトMさんが来て、今回は本を渡して家で作業してもらうことになる。買い取った本がたまっているので作業進める。昨日お預かりした本の査定もどんどんやる。友人知人はMさん以外来ず、少し寂しい日。人と会わずにネット専業でやるのは向いてないなと改めて思う。

店にスマホを忘れていったご年配の女性の方がいて、自宅からスマホに電話をかけて自分も気が付き「あ、古本屋の者です。お預かりしておきます」と返事をすると、偶然うどん屋さんを経営されている方で、おいなりさんをもらった。名前も知らないんだけど、「あの時間はよかったな」という感触が残るだけでもだいぶいいなと思った。こういう時、私の中でおばあちゃんはおばあちゃん本人以上の何かになっているかもしれない。名前も知らないけれど。

閉店後、Amazon Primeに見たい映画はないかといろいろ探していたら、いつの間にか時間が経っていた。作業部屋へ行き、少し本でも読もうかと何冊か開くが、集中できず。絵を少しだけ進める。

帰宅。シャワーを浴びる。Youtubeにアップロードされている実験映画をプレイリストに登録していたら、”T-WO-MEN”の90分ほどのバージョンを見つけた。昨晩見たものは抜粋で、こちらのほうが本来の長さのようだ。改めて見るか。さらに、買いもしないのにヤフオクでCDやレコードを見て夜更かし。


19日(火)

朝7時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて外出。この日はレグザムホールで食品衛生講習会。会場に着いてみると、なんと財布をどこかに置き忘れてきてしまったことに気が付く。顔写真入りの身分証がないと修了証を発行してもらえない。係員の方に事情を伝えると、講習の終る16時までに身分証を持ってきてもらえれば大丈夫とのこと。まどに電話して持ってきてもらうことに。申し訳ない。前日からどうも気持ちがゆるんでいるようだ。

講習は昨日夜更かししてしまったこともあり眠かったけど、無事に修了。お昼の休憩中にまどから身分証を受け取り、田中小実昌『自動巻時計の一日』読み始める。受講中、5月末に遠方へ出店する際のスケジュールを考えていた。1週間ほどの長い旅になりそうだ。

終了後、まどと待ち合わせてkokuaへ行く。今月末で閉店予定というのもあってか、平日にも関わらずお客さんが多い。カフェオレを頼んで読書。

「金があるからハッピイ(しあわせ)とか、家族みんなが、なかがいいからハッピイというのではなく、ただしあわせになることを、ぼんやりおもってきた。ただしあわせというようなことはありえないんだろうか?」(p33-34)

店内で販売されていたエセル中田(日本人のハワイアン歌手)のペラジャケ10インチを買う。ハップさんは今後しばらくは出店やポップアップの形態で活動していくそうだ。

時宅へ。自分たちが入った時はまだ開店直後で空いていたけれど、すぐに席が埋まる。近藤君や矢野君がその後来たけど入れず。4種プレートと瓶ビールを頼む。小さいサイズのカレーを食べて、その後ウインナーやオムレツ、いぶりがっこチーズをつまみに飲む。とてもちょうどいい。

出て、まどと別れて店へ。峰山往来文庫へ追加納品するための選書作業をやる。作業部屋へ行き、早速エセル中田のレコードを聴く。とても良い。絵を少しだけ進める。スーパーに寄って帰り、料理。菜の花のおひたし、麻婆豆腐、長ネギとジャガイモの味噌汁を作る。その後読書、『自動巻時計の一日』読み終える。作者自身の日常が綴られているのかと思いきや、いつの間にか翻訳している小説の話がそのまま本編となり、日常に戻ったらGIの話ばかりになって小説と日常との境目がよくわからなくなる。


20日(水・祝)

朝8時に起きる。外は台風並みの強風が吹き荒れていて、寒い。瀬戸大橋線が止まっているらしい。

ごはんを食べながら、アキ・カウリスマキ『コントラクト・キラー』見る。ジャン=ピエール・レオがあまり大仰な身振りをせずに英語をしゃべっていて新鮮。イギリスが舞台だし、他のカウリスマキ作品と少し違う雰囲気で良かった。

お弁当を用意して外出。店で選書作業続き。箱詰めとリスト作りまで完了、後は渡すだけだ。そのまま開店。品出し、発送準備などゆっくりめに進めていく。この日は店頭買取が2件。少なくなってきていた音楽や映画、人類学関連なども入りうれしい。

今日はこれから3月末で香川から東京へと引っ越すという馬場君と少し飲む。

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