2023年4月9日日曜日

美(2023年04月08~09日)

07日(金)夜

閉店後、本を出荷して作業部屋でキャンバスの続き。ルーツレコードで買った"An Evening with Ornette Coleman 1"聞く。一息ごとに読書。柳宗悦「南無阿弥陀仏」読み進める。12時前に作業を終え、ルクスでビール飲みながらまいちゃんと少し話して帰る。


08日(土)

朝8時に起きる。少し家事をやって、弁当を準備する。まどと近所にあるチェーンの喫茶店でモーニング。地元の老舗と比べると値段が高く感じる。「南無阿弥陀仏」読み終える。

八百屋でバナナを買い、ルヌガンガで大阿久佳乃「じたばたするもの」、青木淳悟「匿名芸術家」買う。作業部屋へ。以前は仕事中にチョコレートや缶コーヒーをよく飲み食いしていたが、砂糖やカフェインを控えるため最近は果物や飲むヨーグルトにしている。なんとなく感情の起伏がゆるやかになったような。キャンバス進める。緑系の色を塗って、他の色でつぶしていこうと考えていたが、するすると緑を活かしたまま絵が進んでいく。このまま完成となるだろうか。

開店。開店直後はお客さんが少なかったが徐々に増える。ネット出品していた本もそこそこ売れた。店頭買取2件。途中、6月個展に向け考えていたプランにどうも自信が持てなくなり、ナーバスになる。もっとしっかり練らなければ。

閉店後、本の出荷。スーパーに行ってみると処分価格で300円のカツオのタタキが75円になっており、2つ買う。その流れでビールも買う。作業部屋で、飲みながら宮地尚子「傷を愛せるか」読み始める。思っていたよりもエッセイ色が強い内容。

「傷を愛せるか」を読んでいたら、なんとなく今までお付き合いした年配のお客さん達のことを思い出した。子ども文庫など本に関する活動をされた経験があったり、自分の親よりも年上だけれど自分ととても小説や映画の趣味が近いお客さんもいる。皆さん70~80代。長生きしてほしい。店でお客さんに「絵も描いてまして、たまに展覧会もやってるんです」と言うと、後日、気を使って「齋藤さんは本当はアーティストなんですよ」とおっしゃってくれたりもするが、古本屋は単にご飯のためというわけでもなく、やりがいのある仕事だ。地味な仕事だけれどいろんな人の「真剣な気持ち」に触れることができる。美術ではないけど、美に関わる仕事ではある(そもそも美に関わらない仕事なんてない気もするが…詐欺とかは仕事とは言わないし)。なら別に、どう転んだって美術に回収されがちな絵画には構わず、古本屋に集中してたらいいんじゃないか?という疑問も湧いてくるけど、それでも毎日少しずつ絵は描いているので、自分に絵を描かせようとする「何か」はまた別に存在しているようだ。


09日(日)

朝9時に起きる。シャワー浴びて朝ごはん。まどがコーヒーをいれてくれる。なんだか最近何から何までやってもらっているような。スーパーや100均で買い物。ついでにルーツでレコード見る。見るともう買いたくなってしまうな。

この日はまどが前半に店番。以前お客さんからいただいたキャンバスを作業部屋のベランダへ運び、プラスチックの定規を使ってゴリゴリと油絵具をこそぎ落とす。下塗りしてあった絵具の色が現れてきて、なんだかいい感じになった。

公園で「傷を愛せるか」続き読む。「弱さを抱えたままの強さ」という章で、「ヴァルネラビリティ」という言葉が出てくる。これは「弱さ」「攻撃誘発性」と訳せるらしい。マチズモ優勢の社会では自分の中のヴァルネラビリティをひた隠しにして生きていかないといけない。美術の世界ですらそういうフシがあるのはなんだか息苦しいし、そうなったらそこは既に美しくもない。強さや弱さをつい見定めようとしてしまう、人間の中に潜んだ獣の視線をずらすようなことをしていかないといけない。

まどと店番交代。店頭買取1件。品出し、在庫整理進める。

最近体調不良もあって店のことにあまり力が入らなかったので、今日はこれから腰を入れてアルバイト業務の流れの見直し。

0 件のコメント:

コメントを投稿