2024年7月17日水曜日

いろんな動き(2024年07月15~17日)

14日(日)夜

1時間弱、帳簿付けなどで残業。お客さん来て少し売れる。作業部屋へ行き、齋藤なずな『ぼっち死の館』読む。絵の続きも少し。帰宅。シャワーを浴びて、『ぼっち死の館』読み終える。素晴らしかった。


15日(月・祝)

朝7時に起きる。あまり深く眠れず朝方に何度も起きてしまったけど、二度寝せずそのまま起床。朝ごはんを食べながら、黒澤明『蜘蛛巣城』見る。槍で刺す瞬間は映さず、生首を巻いた布は取られない。三船敏郎も山田五十鈴も表情に狂気がみなぎっている。ラストの動く森と弓矢の迫力。

まどが起きてきて、お弁当を用意して外出。喫茶店に入り、ジョージ・クブラー『時のかたち』続き読む。車だとやっぱり旅行気分はいまいち味わえない、やっぱり電車かバスがいい、などと話す。

開店。品出し、アルバイト用の本の準備など進めていく。夕方に、2月の『休みの集い』にも出店してもらった福岡のタイキさん(R.a.k.u.e.N.)と彌永さんが来店。京都まで倉俣史朗展を見に行ったそうで、その帰りらしい。こないだがふの長谷川さんと会ったことなど、いろいろお話。タイキさんの古物話はいつも元気が出る。福岡に行きたい気持ちがより強まった。今年中に行けるだろうか。彌永さんのオリジナルキャラ『かきもちくん』のLINEスタンプを購入。

閉店後、また絵の続き。まずまず良い具合に進む。少し読書、帰って風呂。


16日(火)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べながらジャン・ユスターシュ『ママと娼婦』見る。3時間40分もあり、定休日でもないとなかなか見れない長い映画。途中掃除や食事を挟みながら見た。退廃的な3人のやり取りが続く。時折挟まれる音楽にも惹き込まれる。ラスト良かった。

映画を見終えて、読書。『時のかたち』読み終える。「あ、ここはなんかわかるぞ」と思ったらそれもひゅっとすぐに逃げていくようで、なかなか読むのに苦労した。本文中、芸術の展開をとらえるために用いられるわかりやすい尺度として「ある芸術家の一生」が何度か挙げられる。著者はこの本の中で、その人間本位(資本主義的、とも言えるか?)の時間軸から一旦離れて、ある造形の中に含まれる影響関係や展開それ自体(本文中ではシークエンスという語が用いられる)を、通常の時間軸に代わって芸術をとらえるための尺度として用いよう、と働きかけているように感じた。うーん、こんな理解で合っているだろうか。

「ひとりの画家の作品において私たちがそれをつかまえたかと思うと、それはいつも画家の先駆者や後継者による遠くの作品群の背景へ溶け込んでしまう。それはひとりの画家が単独で描いた作品においてさえ同様である。だから逆に、その人物のいかなる一枚の絵であれ、その画家の青年期と老年期、ひいてはその人物の師や弟子たちの作品をも見透かすような、潜在力ある化石となる。」(p248)

外出。銀行でお金を降ろし、国保の支払い。こんな高かったっけか。作業部屋に行き、絵の続き。良い具合に進む。

帰宅。まどの料理の手伝い。この日は枝豆の和え物、牛肉とごぼうの炒め、野菜の揚げびたし。どれもおいしい。お腹いっぱい食べて、まどに髪を切ってもらう。シャワー。再び外出。涼しくて、夜の散歩にちょうどいい。

再び絵の続き。The Exoticsの7インチを聴く。なぜか変名になっているが、曲はTake Rodriguezのもの。レーベルもSonic PlateではなくTenguとなっている。『マンボティンバルンバ』を33回転で聴けるのがうれしい。いろいろいじって絵は無事に完成。次やるべきアイディアも浮かんだ。

帰宅。小島信夫『変幻自在の人間』続き少し読んで寝る。


17日(水)

朝7時半頃に起きる。この日は9時過ぎから胃がん検診のため朝食はその後になる。出発の時間まで1時間半ほど読書。検診は待ち時間が多く、その間もずっと本を読んでいた。バリウムを飲むのはかなり久々。周りはお年寄りの人ばかりだった。『変幻自在の人間』読み終える。

帰宅。遅めの朝食をとり、麦茶をたくさん飲む。水木しげる『貸本版 河童の三平』1巻読み始める。水中の描写、この季節に読むと涼しげでいいな。

開店。この日はネット出品していた商品に動きがあり、発送件数が多かった。どんどん発送準備を進める。店頭買取1件。愛媛より郵送買取の紙ものも届く。高校生の女の子2人組がいろんな場所にある本を手にとっては「ほら見てこれ!すごい!」と言っているが、何の本のことを言っているのか見えず、とても気になった。工芸高校の子たちが久しぶりにフリーペーパー『F』を持ってきてくれる。山川冬樹さんのインタビューが載った号もある。後で読もう。

姫路のあまかわ文庫さんが、姫路駅前に9月移転オープンされるとのこと。おざきさんからは古本屋一本でいけたらという話を以前も聞いていたけど、いよいよか。楽しみ。

今日もこれから絵をやる。

2024年7月14日日曜日

三連休(2024年07月12~14日)

11日(木)夜

閉店後、本の発送。お酒と軽いつまみを買って、シャンタル・アケルマン『一晩中』見る。何組かの男女の恋愛の断片が、交差していくでもなく、夜の闇夜に浮かんでは消えていくような映画。濃い闇に浮かび上がる人影が美しい。

見終えて、絵の続きをやる。帰りがけにまた本を発送して家へ。シャワーを浴びて寝る。


12日(金)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べて、コーヒー淹れて読書。ジョージ・クブラー『時のかたち』続き読む。

「歴史的な時間の方は断続的であり変化しやすい。一つひとつの行為も、連続的というよりも断続的に起こることが多い。また、行為と行為の間隔もそれら持続の長さや内容においてどこまでも可変的である。行為の終わりと始まりを確定することもまた難しい。」(p38)

まどはたいてい自分よりも数時間多く寝ているが、朝ごはんを食べると早速仕事に取り掛かっていて、仕事をしている時間は自分よりも長い。

外出。ボールペンのシミがついてしまったズボンをクリーニング屋へ持って行く。そこそこのお金がかかりそう。もうボールペンはポケットに入れないようにしよう。作業部屋に行き、絵の続き。どうも決め手が見つからない。ネット出品作業少しやる。

開店。発送準備、ネット出品作業など進める。ここ数日ネット出品作業も少しずつ進めることができていて、いい感じだ。この調子でやっていきたい。

閉店後、火曜日に買ったレコードを聴きながら絵の続き。Studio Oneのコンピレーションアルバムと、ギリシャのフォークソング集(?)聞く。どちらもとても良い。ギリシャの音楽はメロディも拍子も独特だな。キャンバス完成。家に帰って、風呂に入って寝る。


13日(土)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べながらジャン・グレミヨン『白い足』見る。人物を追ってストーリーを把握するのが苦手な自分にも、キャラクター造形の素晴らしさが伝わってくる。俳優の演技も、それぞれの違いが際立っていて良かった。

外出。作業部屋で絵。新しい板パネルに手を付ける。昨日完成した絵はけっこう時間がかかったけど、スパッと少ない手数でも仕上げてみたい。ネット出品作業も1件。

開店。品出し、均一本の補充など進める。店頭買取1件。小説や文学評論など、たくさんお売りいただく。最近良い本が入荷しているけど、その分お金も出ていく。売れてほしいところ。実家から送られてきたとうもろこしをまどがご近所に配ってくれた。

閉店後、絵の続き。マオリ族のラブソング集聞く。なんとなく想像してしまいがち(失礼)なプリミティブな感じではなく、ギターや電子キーボードも入った、現代的なフォークソングとして聞ける内容。

帰宅。『時のかたち』続き読み進め、小島信夫『変幻自在の人間』読み始める。こちらはエッセイ集で、美術関連のものも多い。読んでいるうちにうとうとしてしまった。


14日(日)

朝7時半に起きるが、二度寝して9時半。たまにはいいか。クリーニング店から電話。朝ごはん、少し読書。

開店。この日は店頭買取2件。DVDやBlu-rayも多めの、ありがたい買取が入る。意外とあまり入らない、スタジオジブリ関連のものもある。雨が降ったり止んだりの変な天気で、頭が痛い。品出し、発送準備、均一本の補充をどんどん進める。夜にjukkoさん来てくれる。この日は女木島でハップさん企画のイベントが行われていて、アパッチさんもDJしていた。jukkoさんも行った模様。

今日はこれから絵の続き。

2024年7月11日木曜日

ふられ旅(2024年07月09~11日)

08日(月)夜 

閉店後、在庫整理をやるつもりが、がまんできずに絵の続き。1時間ちょいやる。その後在庫整理をやるが、やればやるほど次の作業が見つかり、なかなか終わらない。とりあえずここまでかな、というところで切り上げて帰宅。シャワーを浴びて寝る。


09日(火)

朝7時半に起きる。南でモーニング、『マンスフィールド短編集』読み進める。

この日は車で徳島に行った。いくつかのお店に目星をつけて向かったが、なんとそのうち3つにふられるという結果に。今回はふんわり計画を立てていて、かなり行き当たりばったりにうろうろしていたのがまずかった。時間の余裕があるものと思っていたけど、全然そんなことはなく、慌てる結果に。しかし夕方になって到着した徳島市のオーディオ/中古レコード店『AVスポットフジ』さんは素晴らしかった。在庫も想像以上に多く、気軽に試聴できて、とても安い。Studio Oneのコンピやマオリ族のラブソング集、ギリシャのフォークソング?集などを購入。ぜひまた来たい。

晩ごはんは『中華そば 萬里』で肉玉子入りの小。意外と食べれたので、替え玉を注文する。徳島ラーメンには茶系や白系などいくつか種類があるようなので、また足を伸ばした際には違うお店にも寄ってみたい。

帰りの徳島から高松への道のりは、何度も通っているはずなのにとても長く感じた。強い日差しに当てられて疲れてしまったらしい。鳴門にきれいな道の駅ができていて、キャンピングカーがいくつか停まっていた。

まどを途中で乗せて帰宅すると、もう22時を過ぎていた。ぽかぽか温泉に行こうかとか言っていたけど、遅くなるのでやめにする。風呂に入り、『マンスフィールド短編集』読み終えて、早めに寝。


10日(水)

朝7時半に起きる。洗濯と掃除。レンタカーを返して、またモーニング。スケッチブック3枚ほど描く。なんとなく背筋が伸びるような、ラジオ体操をしたような気分。

まどと分かれて、tomoさんでお弁当を買って作業部屋へ行く。キャンバスの続き。それまで手数を重ねてきた絵を、今度はどんどん塗りつぶして削る。最終的にどうなるだろうか。ちょうどいいところで止まればいいけど。

開店。品出しなど少しずつ進めていく。この日は観光の方のご来店が比較的多く、山下清からフランシス・アリスまで芸術系の本がいろいろと売れた。常連Yさん来てくれて、昔の商店街の話を聞く。夜にはまどかさんが来てくれて、『蛇の道』の感想から始まり黒沢清話をいろいろ。これからルヌガンガで行われるスズキナオさんと藤井さんとのトークイベントを聞きに行くとのこと。気になるが、自分は店番で行けず。

田中菫さんの新刊”DIET AND OIL PAINTING"が到着、棚に出す。菫さんはこのところお昼はサラダにすることが多いようだ。自分がサラダを作ったとしたら同じようなものばかりになってしまう気がするけど、菫さんのサラダはクスクスを混ぜたり、たくさんのフルーツが入っていたり、とても工夫されている。おいしそう。おおげさすぎず、卑屈にもならず、自分の気持ちをまず出発点にして、やれることの範囲内で物事を積み重ねているのが文章から伝わってくる。無理していない。

閉店後、東京の友達とLINE通話。最近やりたいと思っていることについて、いろいろと話を聞いてもらう。かなり取っ散らかった感じになってしまったけど、話せてよかった。

帰宅。雷雨がすごい。風呂に入り、香山哲『レタイトナイト』1巻読み終えて寝る。


11日(木)

朝8時過ぎに起きる。軽く朝ごはんを食べる。まどが淹れてくれたコーヒーを飲みつつ、菫さんの”DIET~”読み終える。おととい、チノパンのお尻のポケットにボールペンを入れていたらできてしまったシミを、洗剤でもみ洗いして落とせないかとやってみる。部分洗い洗剤も塗ってしばらく置き、洗濯機にかけてみたけど、うまくいかず。クリーニング屋に出すか。

ジョージ・クブラー『時のかたち』読み始める。言わんとしていることは言葉にしにくいし、まだ読み始めたばかりだけど、とても面白い。

「ある言語の初期段階に発生した「音素a」が後期段階において「音素b」となるとき、その変化は意味とは関係なくその言語の音韻構造を支配している規則にのみ従う。」(p6)

開店。品出し、発送準備、ネット出品作業など進めていく。井川さんに連絡を取り、来週18日に改めて燦庫の下見をさせてもらうことに。IDO CAFE市原さんがライブのフライヤーを持ってきてくれる。市原さんはいつもライブの企画で動いているイメージがある。

今日は1本映画を見たい。

2024年7月8日月曜日

適当に(2024年07月06~08日)

05日(金)夜

閉店後、本の発送。店でいろいろ考え事をする。いつの間にか23時前。帰宅、シャワー浴びてシモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』読み終え、寝る。


06日(土)

朝8時過ぎに起きる。友人の経営するイベントスペースにオンライン出演する予定が、起きたら既に出演時間を過ぎており、スマホを見ると友人からの着信履歴がすごい数入っていて焦る、という夢を見た。

朝ごはんを食べてお弁当を用意し、外出。一旦店に寄って、酒屋までビールやジンジャーエールなどの買い出しに行く。なかなか重い。

店に戻る。キャンバスや画材を、暑すぎる作業部屋から、新しいエアコンの入った日差しの弱い部屋へと移動。絵の続きを1時間ほどやる。どんどん精神が充実してきて、集中力も高まっていく。本当に楽しい。自分の栄養分を自分で生み出せる方法を理解していることだけでも、自分は幸福だなと思える。

開店。品出し、アルバイト用の本の準備などを進める。夜になって少し気持ちがだれてしまうが、少しずつやる。BGMにOmni Gardensをかけていたら、たまたま店内にいた静岡から来たという若いお客さんが反応してくれて、音楽の話をいろいろした。アンビエントのDJもされているそうだ。ジュノ君の個展に行った際にyomsのことを聞いたらしく、これからルクスへ行くとのこと。こないだも京都から来た若いお客さんが吉村弘の本を買っていったし、最近アンビエント話に花が咲くことが多い。

閉店後、映画を見るか迷って、やめて絵の続き。作業自体はスムーズに進むが、落としどころがわからなくなってきた。少し時間を置いてみようか。150円で買ったKEN ISHIIのInnerelementsを聴く。25年ぶりくらいに聴いたような。中学時代に聞いた時も今回も、「これってテクノって言っていいんだろうか」と、同じようなことを思った。変なタイミングで打ち込まれたキックにデトロイトっぽいシンセとか、94年だ。30年も前か。


07日(日)

朝8時に起きる。お弁当を用意し、まどが漬け込んだ梅シロップを割って梅ジュースを作り飲む。甜菜糖を使っていてシロップは濃い色をしているが、水で割ると透き通ってきれい。味はいつもの梅ジュース。

外出、2人で南へ行く。今日も混んでいて、外国人観光客も多い。島や高松駅近辺と比べれば、まだ全然少ないか。植本一子、金川晋吾、滝口悠生『三人の日記 集合、解散!』読み始める。2023年の元旦から、週に一度、同じ日につけられた三人の日記を掲載した自主制作の冊子。お互いの生活や創作がたまに交差することもあり面白い。滝口氏の日記の文章が、ほぼ小説を読んでいる時に近い感触を与えてくれることに驚く。

南を出て、ルヌガンガへ行く。香山哲さんの新刊『レタイトナイト』1巻を購入。自分の店でも入れようか迷ったけど、こちらは大きな出版社から出ている本だし、うちよりも至近距離にあるルヌガンガでたくさん売れるほうがいいんじゃないかと思って、やめにした。うちでは香山さんが自費出版している『心のクウェート』『すこし低い孤高』を引き続き取り扱い中。

開店。店頭買取3件。都知事選のことを気にしていたら、なんだか気持ちがだれてきてしまった。しかし少しずつ作業。品出し、均一本補充、発送準備、ネット出品。均一本半額セールももうずいぶん長いことやっている。買取がありがたいことに途切れないので、まだもう少し続けていくつもり。

閉店。すぐに帰宅。途中、ビールとおつまみを買って帰る。1週間ぶりのお酒。飲みながらヴェルナー・ヘルツォーク『ノスフェラトゥ』見る。1922年にムルナウが撮った作品のリメイク。ポポル・ヴ―の音楽も照明もロケーション(ラストシーンの美しさ!)も素晴らしい。ひきつけのような笑い声の怪人物は『ファンタスティック・プラネット』のローラン・トポールだった。大量の鼠にぞっとする。


08日(月)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べてゆっくり準備。この日は久しぶりの喫茶店へ行く。常連のお爺さん方が昨日の都知事選の結果について話している。「蓮舫なんかクソ嫌いや、中国人がでかい顔して」「石丸さんは立派やな」などなど。以前見たCRASSのドキュメンタリーで、メンバーがダイヤルハウスのあり方について語っていた部分を思い出す。店にはどんな政治的信条を持っている人も、特に持っていない人も、適当に来てほしい(そう簡単に風通しの良い場ができるものとは思っていませんが)。店を「文化的なシェルター」のように考えるよりも、店の中で起こっている商品や人間の流動性を大事にしたい。『集合、解散!』読み終える。店へ行き、ネット出品作業続き。1時間弱やり、思ったよりも進んだ。

開店。少しずつネット出品や品出しの作業を進める。アルバイトMさん来てくれて、品物の受け渡しと支払い。こう暑いとやはりだれるが、きちんと作業を進められるかどうかが大事だ。

今、ここ3日の日記を見直してみたら、毎日「だれる」という言葉を使っていることに気が付いた。日記はそれぞれ別の日に書き進めている。無意識に同じ言い回しを使っていたらしい。

今日はこれから在庫整理をして、時間に余裕があるようなら絵の続きをやる。

2024年7月5日金曜日

あぶない暑さ(2024年07月04~05日)

03日(水)夜

閉店後、友達がinstagramのストーリーに「最近豆菓子にはまっている」と投稿しているのを見て、自分もコンビニで柿の種のネギ塩だれ味を購入。季節限定のものらしい。酸味が効いている。作業部屋で絵の続き。30分だけでもいいから、少しずつ進めていきたい。絵のことを考えている間に流れている時間は独特のもので、長ければ長いほどいい。

まどは家で漫画家やイラストレーターの友人の方々と作業通話しながら描いていて、いつも楽しそうだ。自分もやってみたいけど、絵を描いている時は単純作業よりも次の一手をどうしようかと考えあぐねている時間が多いし、結局話に集中できなくなりそうな気もする。

帰宅、シャワー。シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』続き読む。

「『イリアス』の真の主題、それは戦争による戦士の掌握であり、戦士という媒介を用いた戦争による万人の掌握である。なにゆえ、死を招くだけの無目的な戦争のために、だれもが自己を犠牲にするのか、さらには親族をことごとく犠牲にするのか、その理由を知る者はいない。だからこそ全編をつうじて、平和交渉を頓挫させ、敵対行為の火種をたえずかきたて、理性の一瞬の閃きのなかで闘いをやめようとする戦士をふたたび戦場へと追いやる不可解な影響力は、神々に帰せられるのである。」(p57)


04日(木)

朝7時半に起き、ドン・シーゲル『抜き射ち二挺拳銃』見る。80分弱という短い尺の中で、非常にテンポよく物語が展開していく。馬の死体のグロテスクさ。悪女が本性を現す瞬間。ラストのアクションシーンのリズム。パンを焼いて、まどと朝ごはん。洗濯物をたたむ。『マンスフィールド短編集』(新潮文庫)続き読む。

外出、作業部屋へ。30分ほど絵の続きをやる。良いペースで進んでいる。

開店。品出し、均一本、発送準備進める。ネット出品作業も。店頭買取3件。11月に予定しているイベントに関するやりとりをする。暑さでだれていた気持ちがしゃきっとした。閉店間際にPaper Talkの告知。次回は参加していない人も印刷物を持ち帰れるようにして、遠方からの郵送参加も受け付けようと思う。

閉店後、本の発送。作業部屋に行くと、部屋の温度がえらいことになっていた。昼間の日光で熱気がこもっていて、エアコンをつけてもなかなか下がらない。少しだけ進めてこの日はやめにする。ルクスへ行き、まいちゃんにいろいろ相談する。

帰宅、風呂。早めに寝た。


05日(金)

朝7時に起きる。軽く朝ごはんを食べてお弁当の用意。8時に外出して少し用事を済ませ、郵便局で本の発送。喫茶店に入り、イベント関係の連絡。その後作業部屋へ。やはり暑く、作業にならないどころか、熱中症の危険も感じた。そういえば真夏はあまり陽の当たらない別の階で作業していたよな、と思い出す。しばらく逃げるか。

開店。連絡を進めつつ、発送準備や少し品出し。店頭買取1件。暑さでお客さんは少なめだけど、だれずに作業を進めることができた。香山哲さんより、『心のクウェート』『すこし低い孤高』の追加納品分が届く。納品書を確認して振り込み。『ベルリンうわの空』シリーズや『プロジェクト発酵記』が胸に響いた人の元へももっと届いてほしい。夜になってお客さんはじわじわと増え、栗金商店の2人も来てくれた。

今日はこれから少し本を読んで、絵の続きをやる。

2024年7月3日水曜日

BGMの正解(2024年07月02~03日)

01日(月)夜

閉店後、ジャン・ユスターシュ『サンタクロースの眼は青い』見る。『わるい仲間』の延長線上にあるような作風だけど、緊張感や寂寥感はこちらのほうが断然増している。疲れてしまい、絵は描かずに帰宅。いつもの帰り道にどうやら子猫が潜んでいる模様。やたらと鳴いている。親猫とはぐれていなければいいけど。シャワーを浴びて寝た。


02日(火)

朝8時ごろに起きる。ご飯がなかったので、近所のスーパーにあるパン屋のイートインへ行くが、閉まっていた。以前は朝7時半からだった開店時間を変更してしまったらしい。仕方なくコンビニで菓子パンをひとつ買って食べる。久々にコンビニのパンを食べたけど、味がずいぶん落ちていて驚いた。

病院で健康診断。高松市からの補助で無料で受けられる。身長体重、心電図、採血など簡単に一通りやり、特に問題なしとのこと。採血の結果は来週通知される予定。

思ったよりもかなり早く終わり、帰宅しようとするとエレベーターでまどと出くわす。引き返してスーパーで買い物。家に帰ってコーヒーを淹れて読書。尹雄大『聞くこと、話すこと。』読み終える。野菜スープとミートソーススパゲティを作って昼ご飯。お腹いっぱいになった。

外出。中央公園の芝生の養生期間が終わり、青々としている。ナルホドへ行き、アクリルガッシュを3本ほど買い足す。しかし暑い。たまらず南へ行き、アイスオレ飲みつつ読書。『マンスフィールド短編集』(新潮文庫)、シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』読み始める。

作業部屋へ行き、絵の続き。Skamから出ているSensationalとKoyxenのコラボ作、EricM、以前買ったEvan Parkerのエレクトロアコースティックもの(ECMから出ている)などを聞きながらやる。数時間集中してやっているとだいぶ調子も乗ってくる。絵が急に良くなってきた時の興奮は、いつになってもたまらない。

まどと再び合流し、ソレイユへ黒沢清『蛇の道』を見に行く。1998年の作品のセルフリメイク。黒沢清作品は、自分は『CURE』と『蛇の道』が甲乙つけがたく、その次が『ニンゲン合格』。今回の『蛇の道』は、やはり日本が舞台のほうが、日本人の自分にとっては日常の延長線上という感じがしてじめじめした怖さを感じただろうけど、柴咲コウ良かったし、ラストもきれいに終わっていた。西島秀俊や、ラストのガンアクションのシーンは…。

raiでまどと軽く晩ごはんを食べ、再び作業部屋で絵の続き。なんとか1枚完成。疲れた。集中しすぎて若干気持ちが悪い。帰宅、風呂に入って寝た。


03日(水)

朝8時に起きる。軽くご飯を食べて料理。親子丼、カボチャとにんじんといんげんの煮物を作る。こってりした感じになってしまったので、お弁当にはレタスもたくさん入れた。まどと外出、南へ行き読書。昨日読み始めた2冊の続きを読み進める。まどは歯科検診へ行き、自分は作業部屋へ。戦前録音のキューバ音楽のCDを聴きながら、以前途中まで描いて放っていたキャンバスの続きをやる。

開店。この日の最高気温は34℃。暑い。品出し、発送準備進める。以前お預かりした分の支払いが1件。まだまだ古本やDVD、レコードなどがあるようで、またお伺いすることになりそうだ。

この日BGMにモダンジャズをかけていたら、年配のお客さんから「今日は普通の音楽かけてるけど、いつもすごい変わった音楽かけてるよね」との声が。そんなことないと思うけど、どうなんだろう。店内BGMで電子音楽やアンビエントなどをかけている古本屋は考えてみれば少ないし、珍しいのかもしれない。多いのはSSWやローファイヒップホップだろうか。考えれば考えるほど正解がわからない。お客さんはいろんな地方の民謡などを聴かれるようで、ジャズにもお詳しい様子だった。また改めて音楽の話がしたい。

開店中に少し嫌なことがあったけど、こらえて絵の続きをやる。お酒は飲まない。

2024年7月1日月曜日

聞いて感じる(2024年06月30日~07月01日)

29日(土)夜

閉店後、映画を見ようとしてやめる。まだ体力に余裕もあるし査定の続きをやることに。23時半頃に完了する。本を出荷して帰宅。蒸し暑い一日だった。ゆっくり風呂に入り、西村賢太『随筆集 一日』続き読んで寝る。


30日(日)

朝8時過ぎに起きる。軽く朝ごはんを食べ、『一日』読み終え、尹雄大『聞くこと、話すこと。』続き。上間陽子さんとの対話に、なんとも言い難い感情が湧く。お2人に対する尊敬の気持ちと同時に、自分は果たしてどれだけ相手の内なる声に耳を傾けることができるのだろうか?と考え始めると、甚だ心もとなくもある。これは劣等感なのか。

DORSIAへ。昨日山崎さんとCenterで話していたら、ヒマさんとは共通の知人は多いけど話したことはあまりなかったそうで、それならと2人をお茶に誘った。誘った自分は財布を忘れてしまい、一番最後に到着。瓦町駅そばにあるバー『ヌーベルバーグ』のマスターもおられて、3人で話している。ヒマさんはヌーベルバーグに何回か行ったことがあるらしい。マスターを囲んで、お酒のエピソードなどを3人で聞く形になる。ヒマさんも山崎さんも聞き上手だ。マスターは小説もよく読むそうで、永井荷風、檀一雄、色川武大などがお好きらしい。

そうこうしている間に開店の時間が迫り、店へと急ぐ。この日もいろんなお客さんが来てくださり、良い感じに忙しい一日になった。この日は店頭買取2件。

岡山から古本たかつかさんが来てくれて、いろいろお話。たかつかさんが運営メンバーの、津山・喫茶曲がりで行われているがふさんのポップアップはこの日が最終日。がふの長谷川さんとの会話で出たという話題、今の自分にもとても考えさせられるものがあった。

何度か本を売ってくださったことのあるお客さんと、初めて話す。蟲文庫の田中さんとも長くお知り合いの方だった。四国のいろんなところに住まわれていて、現在は高松とのこと。高知の『かたりあふ書店』さんの店主さんが1年半ほど前に亡くなっていたことを知る。かたりあふ書店には5年前の夏に1度行った。とさでんの終点の『桟橋通五丁目』駅から、こんなところに古本屋があるのだろうか…と思わざるを得ないような郊外の道を20分ほど歩くと、中に本がぎゅうぎゅうに詰まった店があった。シャッターは半分閉まっていたような覚えがある。中にいる店主さんに声をかけると開けてくれて、木山捷平や高井有一の文庫などを買った。買い終わると、「これから歩いて駅まで行くの?車で送るよ」と言ってくださり、なんと店を閉めて(!)はりまや橋のあたりまで送ってくださった。「時間があれば、このままうずまき舎さんまで行けたらいいんだけどねえ」とも言っていた。その日の暑さも相まって、強く記憶に残っている。ご冥福をお祈りします。SNSで検索すると、かたりあふ書店は土佐市で再開の準備を進めているとの投稿を見つけた。また行ってみたい。

四国学院大学にいらっしゃるケニア人の先生に教わっていたという方と話す。この先生は日本のスワヒリ語コミュニティの間では知られた存在のようで、初めてケニアの国費で日本へ留学した方だそうだ(80年代の話)。KALDIの商品をアレンジして作るごはんの代わりの料理は、米とパンの中間のような食感で、骨付鳥とも合うらしい。

夕方、この日ルクスでDJのTKDさんがご来店。TKDさんはコミックビームでコラムを連載されている。まどのことは大三君から聞いていたようで、うれしい。

ヌーベルバーグのマスター来てくださり、映画や小説の話などする。「お店今度行きます」と言うと「来んでええ」と言うので、余計行きたくなった。

閉店後、本の出荷。ルクスへ行くとしゅう君がDJ中。00年代初頭を思わせるハードテクノをかけていて、2002年生まれのしゅう君が自分が生まれた頃のテクノをかけているわけだなと思うと、自分との年齢差を改めて感じた。ラムコーク2杯飲む。3週間ぶりにお酒を飲んだ。まいちゃんと大三君と、今度一緒にヌーベルバーグに行ってみようということになる。

雨に降られて帰宅。シャワーを浴びて早めに寝る。たくさん人と話した日だった。


01日(月)

朝7時半に起きる。蒸し暑くてあまりよく眠れなかった。朝ごはんを食べて、健康診断の予約。早速、明日の午前中近所の内科へ行くことになる。洗濯。『聞くこと』続き読む。

うちでも既刊を扱っていたナマエミョウジさんが、7年ぶりに新刊を出すとのこと。京都の誠光社で展示も行うそうだ。楽しみ。

外出。銀行や郵便局をまわり、作業部屋で絵の続きをやる。一筆加えて「あ、失敗した」と思ったけど、やっているうちになんとかなった。

開店。アルバイトMさんが来て、支払いや本の受け渡し。店頭買取1件。品出し、発送準備など進める。この日はお客さん少なめ。ソレイユで黒沢清『蛇の道』を見終えた後にいらした男性の方もいた(この日ソレイユはメンズデー)。自分は明日見に行く予定。

ブログを書いていたら、ヌーベルバーグのマスター、かたりあふ書店の店主さんのこと、ケニア人の先生、ナマエさんの7年ぶりの新刊など、なんだかいろいろあり、人生について途方もない気持ちになってきた。古本屋という職業柄なのか、もしかすると年をとったせいかもしれないけど、20代の頃と比べて『自分が何を成し、世に問うか』よりも、『自分がいかに周りの人達の話を聞き、人生を感じるか』に比重が移ってきているような気がする。どれだけ実践できているのかはわからないが。そもそも『何かを成す』ってなんなのか、いまだによくわからない。自分が何かを成すことよりも、周りの人が少しずつ変化している様子のほうが興味深く思えることも、よくある。

昨日久しぶりにお酒を飲んだせいで、やはりまた少し飲みたい気分になっている。でも飲まない。今日は映画を見て、その後絵の続き。