2024年4月3日水曜日

持ち込み、小旅行(2024年03月31日~04月03日)

30日(土)夜

kokuaのラストイベントに行く予定が、いまいち体調優れず、結局映画。ピエル・パオロ・パゾリーニ『テオレマ』見る。映像の美しさと、充満するエロティシズムとデカダンスに惹きつけられる。起こっていることはアンモラルで超現実的だけど、何が起ころうと身を任せたくなるような映画。帰宅、仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』読み終えて寝る。

最近は良い映画がたくさん見れてうれしい。5日に出張買取で伺うのも映画関係の方で、どんなお話が聞けるか楽しみだ。


31日(日)

朝8時前に起きる。ハニーナッツを入れたヨーグルトや、おみやげで送ってくれたおまんじゅうなどを食べる。家族にお礼のLINEやメール。お弁当の用意。井戸川射子『共に明るい』読み始める。

まども起きてきて外出。南でモーニング。『共に明るい』読み終える。今までの井戸川さんの単行本の中では一番好きかもしれない。作業部屋へ行き、棚の組み立てを少し進める。こないだ完成したのはレコードやCDなどを入れておくための棚で、こちらは書き上げたキャンバスを収納するためのもの。

開店。品出し、発送準備をゆっくり進める。ネット出品していたものもそこそこ売れ、熱心に棚を見てくださるお客さんもいらっしゃり、ありがたい。夜に”Perfect Days"を見た帰りのKさん来られてお話。清水宏のカメラワークや、ジャズについてなど。

zineの持ち込みについて考える。自分は作る側の人間でもあるので、そっけなく取り扱いを断られたり、店に置いてもらって1年間全く売れず、心苦しい思いをした経験もある。一生懸命作ったものが響かなかった時は辛い。今では店側の辛さもわかる。取り扱いを断るのは毎度苦しい気持ちになるし、言うべきことを探っている間は何かを試されているような気分にもなる。創作物を介した関係は、店と客という関係から一歩踏み越えたデリケートなものだ。今では基本自分が気になった作家に直接連絡を取って仕入れさせてもらっているけど、絶対に持ち込みはやめてくださいと敷居をこちらから上げるのも、何か違う気がする。難しい。

閉店後、棚作りの続き。途中バッテリーが切れ、充電している間に野見山暁治『四百字のデッサン』読み始める。棚は無事に完成。帰宅、シャワーを浴びて寝る。


01日(月)

朝早く目が覚める。時計を見ると6時過ぎで、二度寝しようかとも思ったけど、明日も遠出するため早起きしないといけないし、そのまま起きることにする。

朝ごはんを食べながら三隈研次『斬る』見る。70分ほどの短い映画だけど、市川雷蔵と天地茂の細かい表情の揺れ、交互にクローズアップされる剣先と喉元、延々開け続けられる襖など、たくさんの見どころが詰まった作品だった。再度見てもさらに発見がありそう。脚本は新藤兼人。

お弁当を用意して外出。本を発送して、銀行や郵便局をまわり、チケットショップで18きっぷのレンタル。公園のベンチに座り、ノートにマーカーで1枚絵を描く。作業部屋で片づけ。棚が完成して、以前から部屋にあった家具や道具のどれが必要かが見えてきた。余っている木材を使って作業用のテーブルを作る。高さと奥行きが40cm、幅が1mほど。座ってみると高さもちょうどいい。作業部屋は畳だし、今後小さい絵はこのテーブルで描くことにしよう。

自分は片づけが苦手だけど、何かしら「作る」作業を組み合わせるとモチベーションが上がるようだ。それなら片づけも「空間を作る」ことと捉えたらいいのでは…という気もするけど、なかなかうまくいかない。

開店。店頭買取1件。ネット出品、発送準備など進める。アルバイトMさん来てくれて、給与の支払い。また何冊か本を持って行ってもらう。海外からの観光客の方が高い写真集を買ってくれた。最近は欧米からのお客さんもまた少し増えている。

閉店後、作業部屋の片づけをして帰る。シャワーを浴びて早めに寝た。


02日(火)

朝6時に起きて、朝ごはんを食べて外出。18きっぷで姫路へ向かう。県境を越える電車というのは平日だとたいてい閑散としているものだけど、岡山~兵庫は割と利用者が多く、電車の本数もそこそこある。桜が山に点々と咲いていた。松本零士『蛍の泣く島』読み終える。

姫路着。レンタサイクルを借りて出発。小春日和に自転車は気持ちがいい。時間に余裕があったら城も見てみようかと思っていたけれど、城内の敷地は広く、だいぶ歩くことになりそうで、早々にあきらめる。姫路文学館に到着し、木山捷平展見る。近年に発見された初公開の資料も含んだ、とても見ごたえのある展示。ほとんど罵倒のような内容の父親からの手紙に背筋が伸びる。木山捷平の字は文章の印象に近い、どこか朴訥とした丸みがあって好きだ。

事前に調べておいたカレー屋の前に行ってみると、思ったより新しい感じの小ぎれいな店で、なんとなく違うなと思い、途中で見かけた純喫茶に入る。ブレンドとベーコンエッグトースト。トーストは丁寧に作られていて、ボリュームがある。辛子が効いていておいしい。おばさんグループがしゃべっている。知り合いが飼っている豚が逃げてしまい、1ヶ月ほど経って帰ってきたが、なんとイノシシとの子どもを妊娠していたとのこと。

岡山へ。『四百字のデッサン』読み終え、小野寺拓也、田野大輔『ナチスは「良いこと」もしたのか?』読み始める。わかりやすく面白い。

またレンタサイクルを借り、県立美術館で走泥社展見る。作品数も多く、同時代の美術家(ピカソ、イサム・ノグチ、フォンタナなど)の陶芸作品や美術雑誌の記事も展示されたとても充実した内容。後期(といっても、今回の展覧会は走泥社の活動の一部分に焦点を当てたもの)になるほど、陶芸というよりは現代美術への意識が強い作品が増えているように感じた。解説を読むと、前衛いけばなとの関連に触れた箇所もあり、重森三玲の名前も出ている。この辺もう少し詳しく知りたい。

美術館を出て、レコード店めぐり。しかし最初に入ったレコード屋で「すいません、あと10分で閉店します」と言われてしまう。せっかく来たし少しだけでも…とレコードを見て、結局何も買えず、「また来ます」と挨拶したら、無言。聞こえなかったのだろうかともう一度挨拶すると、ものすごい顔でにらまれた。「あと10分」というのは「もう今日はやめにしてくれ」という意味だったのかもしれない。行くのを楽しみにしていたお店だったのに、とても残念。鬱々とした気分で、他の店でレコードやCDを見て気を紛らわす。この日は結局3枚ほど購入。「手水」(岡山で活動していたアシッドフォークデュオ)のCDが買えてよかった。

成田家へ行く。一人で来たのは初めて。ビール、鳥酢(ここの名物)、ナスの味噌煮(一度揚げているようで、皮がパリっとしている)、揚げ出したこ焼き(明石焼き)。どれもおいしい。飲みながら安西水丸『青の時代』読み終える。この時の気分にすごくはまった。会計の時、お店のお母さんが少し話してくれる。お花見の季節、河川敷のあたりで焼肉屋さんが肉やコンロを用意して後片付けまでしてくれる、というサービスをやっているらしい。

マリンライナーで高松へ。帰宅、キム・ギヨン『下女』見る。ポン・ジュノやスコセッシも影響を受けた作品らしい。韓国昼ドラ的なドロドロした人間関係と、ホラー映画のような過剰な演出と音楽。メイド役のイ・ウンシムの強烈な存在感。ヒッチコックみもあるような。そして呆気に取られるオチ。すごかったけど、こんなに疲れるとは思わなかった。あと見てる途中でイスの足が音を立てて壊れた。

充実していて、悲しくもあり、圧倒されたり、感情が忙しい1日だった。


03日(水)

朝8時に起きる。シャワー。お弁当のおかずを作ろうとしたら肉や魚がなく、スーパーへ買いに行く。豚の生姜焼き、春菊の胡麻和え、卵焼きを作る。お弁当を準備して、軽く朝ごはん。栗林駅から電車に乗り、高松駅近くのチケットショップで18きっぷを返却。歩いて店へ向かう。

開店。この日はずっと雨で、お客さんは少なかった。自分もあまり調子出ず、本当に少しずつ作業を進める感じ。店頭買取1件、絵本や児童書が段ボール2箱。わざわざ小豆島から持ってきてくださったとのことで、ありがたい。ivoryさん来てくれていろいろお話。自分が最近気になっていることについても親身に話を聞いてくれてうれしかった。

今日はこれから少し絵を描きたい。気分が上がるような気がする。

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