朝に高松を出発、飛行機で東京へと向かう。道中、油井正一『ジャズの歴史物語』読み終える。
アルバート・アイラーの《ゴースト》をきいた人は皆「カリプソ」のようだという。アイラーの音楽は「先祖がえり」の典型的な一例だ。彼はアメリカに生まれ育った黒人だが、血に忠実な彼の音楽は、西印度諸島を経てアフリカにつながる驚異の逆ルートを展開してみせるのである。(p432-433)
12時半頃に東京駅に到着し、コインロッカーに荷物を預けてそばを食べる。まどは自分と別行動で新幹線で東京へと向かい、こちらに到着してからも取材があるためほとんど単独行動。お茶の水へ行き、加瀬透君も以前個展をやっていたThe Whiteというギャラリーへ。現在はグラフィックデザイナー高田唯さんの個展が開催中。壁にカッティングシートで大きな人物が描かれている。
地下鉄と小田急を乗り継いで経堂へ向かう。電車内で郡司ぺギオ幸夫『時間の正体』読み始める。駅からほど近い場所にあるゆうらん古書店さんへ。海外文学、映画、音楽、芸術などなどとても充実した品ぞろえ。CD(ジョンのサンのCDも置いている)やレコードもあり、時間をかけて隅々まで見てしまう。背表紙を追っているだけでこちらも同業者として気合が入る。前々から欲しかった岡田則夫『SPレコード蒐集奇談』が定価よりも安く手に入ったし、クラリッセ・リスペクトル『ソフィアの災難』も買えた。他にも欲しい本がいろいろあったけど我慢。
新宿、ユニオンに行く。6階のオルタナティブ館から見て降りていき、Phantasiaというアメリカのサイケバンドや、ペリー・ヒベイロ、ジャクリーヌ・タイエブなど買う。その後中古センターに行き、サブー・マルティネスや50年代イギリスのカリプソコンピなど。
学芸大学へ。サテライトレコードへ行き、4枚千円のCDコーナーから選んで購入。ギャラリー『準備中 五木』にて行われている友人神田さんの個展へ。神田さんはプログラミングを仕込んだ数台のノートパソコンやタブレットなどを使った即席のインスタレーションのようなライブをやっている人で、今回はモーターや牛乳瓶、自作キーボードなども絡めた展覧会。数日にわたって行うのはやはり調整が難しいようだけど、普段ライブハウスなどでやることの多い神田さんがこういうことを行う機会は貴重だろうし、見れて良かった。びきさんやなでさんとも久しぶりに会っていろいろ話せた。まどもここで合流。
まどと新宿へ行き、西口のぼるがという焼きとん屋へ。良い雰囲気。串、野菜サラダ、ポテトなど食べる。思ったよりすぐお腹いっぱいになった。
ホテルに着。シャワーを浴びて荷物の整理。少し早めに寝るが、何回か目が覚めてしまった。
11日(木)
朝7時頃に起きる。ホテルのビュッフェでモーニング。周りの方々はけっこうもりもり食べているが、自分たちはパン、グラノーラ、フルーツ程度でお腹いっぱい。
近くのドトールに入り、まどは手塚賞贈呈式スピーチのための原稿作り、自分はドローイングや読書。
セルバンテスが存在者であるから、ドン・キホーテの冒険譚は過去に書かれた、というわけではない。セルバンテスが書いたという出来事に対して、この私という存在者が、現在を開設している。だから、セルバンテスが書いたことは過去となる。出来事に対して、「私」が接続される。(『時間の正体』p127)
ホテルに戻って、着替えて一人で出る。有楽町駅のロッカーに荷物を預けて亀有へ。『ラッキー二号店』という喫茶店に入ってまた読書の続き。その後、15分ほど歩いてSKWATという高架下にあるアートスポットへ。twelvebooksが卸しているアート/デザイン関連の洋書や、中古レコードなどが販売されている。現在はArt into Lifeよりリリースされた塩見允枝子のLP/CDに関連して、フルクサス関連の資料が展示されている。予想以上に規模の大きな施設でつい長居。
The Authentic Apartmentというカレー屋さんに行くが、出店で臨時休業中だった。残念。Golden Crownという南インド料理店でマサラドーサランチを食べる。ドーサは初めて食べたけど、クレープ状の生地にスパイスで味付けされたマッシュポテトが巻かれていて、それをナイフで切ってカレーにつけて食べる。おいしい。量もちょうどよかった。
地下鉄で日比谷駅まで行き、有楽町朝日ホールで手塚賞贈呈式。まどのお姉さんと会うのも久しぶりだった。まどは数日前からスピーチの件でかなり緊張していたけれど、話ぶりも堂々としていたし、今までの漫画作品を貫いている核の部分をうまく言葉にできていたなと思う。児島青さんとかわじろうさんのスピーチも素敵だった。自分は贈呈式が終わったらさっと帰ろうかと思っていたけど、しやさんやメグさんなどみんな懇親会にも行くというので自分も行くことにする。現在マガジンハウスにいるダブ丸とも10年以上ぶりにしゃべった。まさかこんなところで会うことになるとは。これもまどのおかげ。岩明均先生とまどが話す瞬間にも立ち会えて感無量だった。
まどはいろんな人との挨拶で忙しそうだったので、ささっと出る。ロッカーから荷物を出して着替え、南阿佐ヶ谷へと向かう。移転後のポポタムに初めて行った。この日は福島から東京へ出てきたばかりのグラフィックデザイナー佐藤豊さんが店番をしていて、いろいろお話をしつつ商品を見る。中古コーナーよりジョナサンリッチマンのCDと金井美恵子の文庫本を購入。その後電車で新宿まで移動して、ベルクで飲み食べ。佐藤さんは古書店での勤務経験もあり、いろんな話ができて楽しい。なぜか共通の友人知人も多い。
バスに乗り高松へ。
12日(金)
朝8時半ごろ高松駅に到着。ちょうど高徳線の電車が行ってしまったところで、このまま店に行くことにする。まどはまだ東京で、漫画家友達とカラオケへ行くことになっているそう。
皇帝に入ってモーニング。『時間の正体』読み終える。途中の集合論や量子論(ということでいいのかな)の話題が自分には難しすぎて飛ばしてしまったけど、面白い部分も多かった。レターパックを買い足して店へ。少し作業。
開店。発送準備、ブログ更新などを進める。この日ルヌガンガでトークのヤマザキOKコンピュータさんが来てくれる。今は神戸にお住まいのようだ。香山哲さんともよく会っているそうで、いろいろお話を聞く。もう高松滞在は3日目とのことで、自分のまだ行ったことのない喫茶店を教えてもらったりもした。店頭買取1件。持ち込みさらに1件。夜はたまった疲れが出た。
今日は早めに帰ります。
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