閉店後、突発的に詩のフリーペーパーの原稿データを作る。ノートに書いた詩を見返してみてもそれほど完成と思えるほどのものがなく、結局途中までで終わった。手をつけられただけでもよし。
帰宅。シャワーを浴びて、着替えなどを準備して寝る。
10日(火)
この日は高知へ。軽く朝ごはんを食べて外出。8時に電車に乗り、特急しまんとで高知までは2時間と少し。大歩危あたりの景色の変化が楽しい。少しノートに絵を描いて、途中まで読んで放ったままになっていたグレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ』中巻読み進める。
「母の本当の気持ちはこうであり、優しさを表すメッセージの方は、母の心をそのまま示すのではなく、それとは別レベルの論理階型に属するということを受け入れてしまったら、母子の関係がもたない。結果的に、子供はメタなレベルのシグナルについての自分の理解を体系的に歪める必要に迫られる。」(p110)
高知駅着。去年の2月に土佐市へは行ったけど、高知市中心部はかなり久しぶり。小腹がすいて、駅構内のリトルマーメイドでパンとコーヒー。とさでん一日乗車券を買い、高知県立美術館へ。商店街のあたりからは少し離れている。
『高知の前衛 高﨑元尚と浜口富治』見る。北園克衛や具体と交わりながらコンセプチュアルな作品を練り上げていった高﨑と、50~60年代日本美術との同時代性を感じさせながら最終的には高知の土俗性へと回帰していく浜口とでは作風も作家性も対照的に見えるが、時系列に沿って資料と2人を中心とした作品を見せていて、とてもまとまった構成になっていた。高知の前衛詩運動(『POP』や『MES』といった当時の詩誌も展示。美術家による作品や文章も掲載されている)との協同や、詩人や芸術家たちが集まっていた高知市中心部の喫茶店の歴史にも触れられていて、興味深かった。
再びとさでんに乗り、枡形へ。パン屋さんで抹茶スコーンを買って歩きながら食べる。外骨トークでもチラシを送らせていただいた書店/カフェ/ギャラリー『十月』さんへ。本は新刊がメインのようだ。今回は古本で岡潔『情緒と日本人』を購入。後で気づいたけど、PHP文庫を初めて買ったかもしれない。お店の方にも改めてご挨拶できた。
はりまや橋まで戻り、マッシュルームレコードに行く。広い。CDもある。戦前録音のカリプソを集めたコンピレーションLPを購入。旅行序盤にLPを買う私。
ぶらぶら歩き、ジャズ喫茶『木馬』に入ってカフェオレ。絵を描く。こじんまりとした店内にコックピットのような席、良い音でジャズが流れる。席を区切るパーテーションが本棚になっていて、その中に『入谷コピー文庫』というコンビニコピーホチキス留めの冊子がたくさん入っていることに気が付く。ガサガサとあさってみると古今亭志ん朝、浅丘ルリ子、早川義夫など様々な特集があり、いろんな方が文章を寄せている。限定15部での発行だとか。お店の方に聞いてみると、東京在住で高知に所縁のある編集者の方?が発行されているそうだ。古い喫茶店や映画館、古本屋が大好きだそうで、気になったお店に置いてもらったり送ったりしているとのこと。2部送られてきたという今年の1月半ばに発行された309号(もうそんなに続いているのか)をいただき、めくってみる。漫画家の山川直人さんやYOMSもお世話になっている高知の机屋さんが文章を書いていた。高知市旭町の喫茶店『マホロバ』の方が急逝された大木裕之さんについて書いた文章も載っている。
商店街にあるサウナに行き(ゆっくり浸かれる浴槽がなくちょっと残念)、ひろめ市場へ。外国からの観光客が多い。ひろめ市場では相席になった方との交流も醍醐味とされているけどどうしようかな…と歩いていると、『やいろ亭』のすぐ近くにビールサーバーのあるU字型バーカウンターを発見。一人で飲んでいる人もいて、空いている。カツオのタタキとあおさ天を注文して持ち込み、黒ビールを注文。入谷コピー文庫を読みながら飲む。タタキと黒ビールがとても合う。市場の外でラーメンも食べた。
バスにギリギリに乗り込む。高知発の夜行バスは鳴門で一度降りて名古屋行き、東京行き、北陸行きへと乗り継ぐ形式。『精神の生態学へ』中巻読み終える。
11日(水)
朝7時前に新宿着。ベルクへ行き、モーニングを食べながら瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』読み始める。香川からやってきたまども合流。
都営新宿線で菊川へ。駅近くの喫茶店『チロル』に入り、読書と絵。『そのなかに』読み終える。きれいでかわいいお店。
複数の展覧会が同時開催中の東京都現代美術館へ。呉夏枝+梅田哲也展、ソル・ルウィット展、コレクション展と見る。天井の高い空間をたっぷりと使った展示はやはり気持ちがいい。なんだか馬鹿みたいな感想だけど、ソル・ルウィット展は実際のウォール・ドローイングと元となる指示とのインパクトの差が大きい方が効果的だろうから、やはり意味はあるだろう。呉+梅田展も空間の使い方や視線の誘導が面白かった。コレクション展はユアサエボシが自作品と作家のコレクションした作品、美術館の所蔵作品とを取り混ぜて展示していて、個展並みの見ごたえがあった。
木場駅の近くにある『しんま』で、刺身3種盛りランチ900円を食べる。慣れないセルフ形式に戸惑うが、小鉢も2つついていて、安くてボリュームがありおいしい。
地下鉄で銀座へ。気になっていたLOEWEの新しいビルなどを眺め、資生堂ギャラリーで行われている仲條正義展へ。80年代の資生堂でのパッケージやポスターデザインを中心とした展覧会。ポップな色彩がはじけている。花椿のバックナンバーも多数展示。まども楽しんでいた。
まどはKADOKAWAのパーティーへ向かい、自分は外苑前へ。ワタリウム美術館でドナルド・ジャッド展を見る。点数は多くはないものの、初期の絵画から立体、家具、ドローイング、建築図面などバリエーションに富んでいて、解説も充実していた。日本でジャッドの初個展を開催したのがワタリウムだったそうだ。偶然スタッフの方による解説も聞けた。
地下鉄で神保町へ行き、『梅の湯』で風呂に入る。小さな銭湯だけど宿無し旅を送っている身にはうれしい。
歩いてアテネフランセへ。初めて来た。上映時間40分前にも関わらず既にチケット販売を待つ列ができている。自分も並び、柳宗悦『茶と美』読み始める。今回見たのはイヴォンヌ・レイナー『パフォーマーたちの人生』という映画。レイナーはダンサーから出発してその後実験映画を撮るようになった人らしく、全然知らなかったけど、告知を見かけてカンで面白そうと思い行ってみた。登場人物(たくさんのダンサーたち)のセリフのほかにナレーションやテロップも多用され、またナレーションに対するガヤなども入り、オフショットが挿入され、パフォーマンスの記録映像なのかと思ったら不意にカメラが変な動きをしたりと、映像を支えるいろんな要素がメタ的に揺さぶられる。その揺さぶりにつられるようにほのかに流れるメロドラマ的な要素もカットアップされ、しかしそれがむしろドラマ性を補完しているようにも思えて、不思議な感動があった。しかし、3日間のみの特集上映にも関わらず通し券を購入している人が多かったな。
アテネからも近いムンド不二に行く。中に入ると偶然しわしわとmadoさんがいて驚く。これから浅沼さんも来るとのこと。tegadeteru、あったか~いさん、生物さん(いずれも人名です)が来て、話しながらいろいろ食べる。音楽イベントは昼間にやるのが最高、など。料理はどれもおいしかった。あったか~いさんが最近公園コンサートについて調べていたらしく、いろんなことを思い出した。
20時15分くらいに出る。しわしわにポルトガル料理屋で買ったというおみやげをもらった。東京駅からバス。展覧会をたくさん見た2日間だった。
12日(木)
朝6時過ぎに岡山に着き、マリンライナーに乗り換えて高松着。一旦帰ろうかなとも思ったけど南へ入り、絵を描いて読書。店へ行き、酒屋へ飲み物の買い出し。綿谷でカレーうどん。最近国内外の観光客が明らかに増えていて(中国語をしゃべっている人が多いが中国か、香港か、台湾か)、10時半くらいでも外まで行列が伸びている。店で在庫整理。
開店。2日休むと発送がたまっている。岩手の村上巨樹さんからミャンマーレコード研究冊子の増刷版が届く。表紙の色が変わっていた。神奈川県のお客さんから郵送買取が1箱届き、状態を確認して振り込み。店頭買取2件。牟礼の山内さんから、また出張買取を頼むとのお電話。借りているDVDを返さなきゃ。いろいろお互い話したいこともある。半空の岡田さんや真鍋さん来てくれる。最近半空の人達がよく来てくれてうれしい。外骨トークの宣伝でも大変お世話になった。夜は疲れてだれていたけど、少しブログの更新などをする。
逃げるように帰宅。風呂に入ってすぐに寝る。家の風呂とベッドは最高。
13日(金)
朝8時頃、まどが東京から帰ってきて自分も起きる。コミックビーム30周年記念パーティーでいろんな作家さんと会えたようだ。軽く朝ごはんを食べて、洗濯機を2回まわす。
外出、2人でこの日も南へ。ノートに絵を描き、『茶と美』読み進める。蒐集の章では柳の哲学がうかがえて面白いが、あまりに独断的でどうかと思うところも。郵便局に行き、岡山県立美術館に注文していた坂田一男展の図録を受け取る。美術館で見た時にはコルビュジェやモランディの絵画も展示されていたような記憶があるが、図録では坂田の作品のみまとめられているようだ。
開店。meza片岡さんから商品の請求書が届き、振り込み。昨日届いた村上さんの冊子分も振り込む。売っていかなければ。ブログを更新しつつ、少し品出しをしたりゆっくりめにやる。村上さんの冊子を店頭に出した。辻さんやあづささんが来て、いろいろ話す。音楽イベントを企画されているBOYS WONDERしおたさんとも少しお話した。あづささんは先日東京のGallery TOWEDで行われたグループ展に参加していて、その話なども。ちょっといろいろしゃべりすぎたかも。すみません。
今日も早めに帰ります。
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