2023年9月30日土曜日

お墓参り(2023年9月28~30日)

27日(水)夜

18時半に店を閉めて、店の近所にあるサウナ「ゴールデンタイム」に初めて行く。小ネタがいろんなところに仕込まれていて、独特な雰囲気。脱衣カゴに北野武、佐山聡、山田勝己など著名人の格言が添えられていた。サウナは熱くていい感じ。ここから頼酒店にはしごしたらとても良さそうだな。

マリンライナーに乗って岡山へ。後藤明生「小説 いかに読み、いかに書くか」読み始める。これは面白い。表紙の導入文を読むと小説の書き方入門という感じだけれど、実用書的な内容ではなく、明治から戦後すぐくらいまでの作品を題材にして、作家の歴史的立ち位置や文章の特色を鮮やかに解説している。志賀直哉についての章は読んでいて思わず電車の中でうなってしまった。

岡山でまどと合流。少し食べておくかとたこ焼き屋さんに入るが、なかなかたこ焼きが出てこない。新しく作ってくれていたようで、テイクアウトに変更してもらう。申し訳ない。

バスで東京へ。


29日(木)

新宿に8時前に到着。ベルクで朝ごはんを食べ、どこへ行こうか考える。いつもの旅行ではギチギチに予定を固めるところが、今回はだいぶふわっとしていた。

荻窪へ。文禄堂という本屋さんで、yomsのトートバッグに絵を描いてくれた花原史樹君のポップアップを見る。たくさんのグッズが売られていて、自分もクリアファイルを購入。リストを見るとだいぶ売れているようで、品切れの商品がたくさんあった。

菊川へ移動しStrangerでカサヴェテスを見て現美でホックニーを見ようかとも思ったけど、なんとなくやめにする。まどは高円寺へ行き、自分は吉祥寺へ移動。これから義理の家族に会うのに髪がだいぶ伸びていたので、QBハウスで切ってもらう。レア〜ユニオンとまわる。気になるレコードはあるけどちょっと高い。ユニオンで以前から買い直そうと思っていたCDが立て続けに安く見つかった。なんとなく、今回はCD運が良いのではという気がしてくる。

西荻窪へ移動して、盛林堂さんへ。委託棚にはまども古本を置いていたことがあった。牧野信一「バラルダ物語」購入。富士そば食べる。西荻に住んでた頃しょっちゅう行っていたソーセージとハムのお店「もぐもぐ」へ行き、自分たちへのおみやげを買う。ここのは安くておいしい。

中野へ行きユニオン見るが、特に買わず。CD運は別に高まってはいなかったようだ。

高尾へ向かう電車の中で「小説」読み終える。とても面白かった。中公文庫あたりで復刊しないだろうか。まどと合流して、バスで霊園へ。宗派を問わない、やたら整然とお墓の並んでいる様子は来るたびに東京を感じる。まどの家族はいろいろあり実家と呼べる家がなく、お墓参りの機会をとても大切にしている。急いで来たが自分たち2人が一番乗りだった。まどのおじさん夫婦とお姉さん夫婦が集合し、手を合わせる。タクシーでいつものお店へ移動、みんなで会食。yomsのショップバッグにおみやげのうどんと和三盆糖を入れて渡す。

まどは疲れて宿へ行き、自分は京王線に乗る。アンドレイ・タルコフスキー「映像のポエジア」読み始める。幡ヶ谷のforestlimitに到着。この日はidealaというリスニングイベントが行われていて、入るとGOFISHのライブの途中だった。ベルリンから一時帰国中の大城さんはいろんなフィールドレコーディング音源でDJをやっていて、ヒューンと何かが落ちたと思ったら大音量のカエルの合唱になったり、かなり良かった。来週ベルリンに戻るそうだ。考えてみたら大城さんと会ったのは8年以上ぶり、良いタイミングだった。すずえりさんとも10年近くぶりに会えてうれしい。白いシャツにレッドアイこぼした。

阿佐ヶ谷のホテルに帰って寝る。


29日(金)

朝7時前に起きる。この日もまどと別行動を取り、早めの出発。新宿で途中下車、またベルクで朝ごはんを食べて佐倉へと向かう。佐倉までは1時間20分ほど。「映像のポエジア」読み進める。

「なんの努力もなく観客に与えられる結論など、不要である。思考が誕生するときの苦しみと喜びを、作家と分かちもつことのない観客に、作家はなにかを語ることができるだろうか。」(p34)

「映画では時間のなかにばらまかれている事実はすべて使うことができる。生活のなかから好きなものを選んでくることができる。(略)この〈何でもどうぞ!〉は、小説という織物や、戯曲という織物にとっては、本質的なものでないが、映画にとってはもっとも本質的なものである。」(p106)

佐倉駅から無料送迎バスに乗り、川村記念美術館でジョセフアルバース展を見る。なぜか以前美術館からチラシを置いてくれませんかと電話があり、もちろんですと答えたらチラシと一緒に招待券も入っていた。ありがたい。アルバース展は思ったよりコンパクトにまとまっていたけど、資料も充実しており良かった。関連として常設展でソル・ルウィットやブリジット・ライリーも取り上げられている。ロスコもたっぷり見れたし、常設の素晴らしい美術館はいいなと改めて思った。Tシャツが思ったより安く、購入。

錦糸町まで戻ってまどと合流。まどはチェックアウトぎりぎりまで寝て、その後科博へ行ったそう。kndさんが以前行ってて気になっていた「コーピー」というお店に行く。エジプトの「コシャリ」という料理をメインに出している。米と細切れのパスタ、豆、フライドオニオン、トマトソースが基本で、よく混ぜてソースで辛味酸味を調整しつつ食べる。具材はいろいろ。おいしかった。カルダモンコーヒーがとても合う。

まどと再度別れて三ノ輪へ行き、wellの高原さんが働いている「リサイクルショップあうん」に行く。柔らかい照明のかわいいお店。高原さんはawnという名義で古着に少し手を加え、店内で販売している。Tシャツ1枚購入。ポップアップが来月中野で行われるそうだ。

あうんから三河島駅まで歩く。小さな商店や工務店がたくさんある。古いお菓子屋さんで普通に人形焼など売られていた。途中、「帝国湯」という銭湯を発見し寄ってみる。名前に迫力があるが、いつごろの創業なのだろう。建物内部の意匠も良かった。木製の大入札が掲げられていた。

下北沢へ移動。駅を出ると大きな月のバルーンが出ていて、お祭りのよう。ユニオンへ行くとVaporwaveカセットコーナーがあり、買いやすい値段のものもあったが、あまりこのジャンルには明るくなくあと少しのところで手が伸びなかった。古書ビビビに寄り、ここでも特に買わず。

まどと合流して、BONUS TRUCKへ。友人の川口さんがBotanyという名前で火・金に出店している。いろんな果実やハーブを漬け込んだサワー屋さん。少しだけノンアルのメニューもある。この日は十五夜に関連したイベントが行われていて、川口さんはかなり忙しそうだった。Botany向かいにあるpianola recordで店長の國友さんといろいろお話し、CDを買う。pianolaでは高松で活動しているマサミさんのCDも売られている。ミヤジが一生懸命モチつきのスタッフをやっていた。桜木さんとも挨拶。初めてちゃんとお話した中村としまるさんから、徳島の角打ちをいろいろ教わった。まどBotanyTシャツを購入。帰り際にすずえりさんとも会うことができた。

新宿へ行き、バスで帰る。


30日(土)

8時前に岡山駅に着く。どうせなら岡山でモーニングを食べようとなり、ネットで検索して見つけた看板猫のいるらしいお店へと歩く。思ったよりもだいぶ遠かった。猫は残念ながら2階で寝ているとのこと。

マリンライナーで高松に戻る。まどに少し店番を頼み、久々に綿谷へ行くと、疲れのせいかうっかり大を頼んでしまう(綿谷の大はかなりのボリュームがある)。マルナカで夕ご飯や消耗品の買い出し。

店番交代。非常に眠く、お客さんがいなくなった隙にウトウトしていた。受託商品関連の作業をやる。田中菫さんの新しい本「MILKDISH」を品出し。導入部分には2022年夏から2023年夏に作った料理をまとめたとある。しかし、料理の写真が淡々と続く中に身辺のことも綴られた日記や制作中の絵画の写真が差し込まれており、それらを時系列で見ていくことで、田中さんの中にある「作ること」に対する思索の揺らぎを読み手も追体験するような内容になっている。田中さんのinstagramの投稿はずっと追っていたけれど、本にすると見え方がまた全然違う。改めて通して読みたい。

今日は小野君がルクスでイベントをやっているそうなので、一杯飲んで帰る。

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