閉店後、洗い物してキャベツの浅漬けを作る。久しぶりに映画。「女経」見る。増村保造監督の「耳を噛みたがる女」、市川崑監督の「物を高く売りつける女」、吉村公三郎監督の「恋を忘れていた女」の3本が収められたオムニバス。「物を高く売りつける女」の、建物の光の湿っぽさ、山本富士子と船越英二のエロさが良かった。
22日
朝8時に起きる。最近寝るのも起きるのも遅くなってきた。まどのほうが起きるのが早い。朝ごはんを食べて公園へ。久しぶりにファミマのコーヒーを飲んだ。日陰はまだ少し寒い。田中小実昌「ポロポロ」読み終える。戦時中の過酷な日常が普通のものとなってしまった目線から戦争を描いている。ユーモラスだけど醒めている。去年読んだ古山高麗雄「プレオー8の夜明け」にも似た感触があった。もっとこういう小説を読みたい。時折文章に物語ってしまうことへの躊躇がにじみ出ている。帰って、キャンバスにマーカーで少しだけ描く。
開店。今日もけっこうお客さんが多い。発送準備進める。YOMSのブログにペーパートークの概要をまとめ、次回は3月27日土曜日の開催ですとSNSに告知。
https://caccokari.blogspot.com/2021/02/paper-talk.html
「結末が暗い小説はどうも苦手」というお客さんに、いろいろお話を聞いて何冊かおすすめすると、買ってくれた。「小説はどれを読んでいいのかわからない」「長くて途中で飽きてしまう」というお客さんも多い。エッセイや紀行文なら読みやすいだろうし、それなりに厚い本でもいくつかの短い章に分かれていて小休止がしやすかったりするものもある。
父親からメール。実家に眠っていた、江戸時代に実家の近所からお伊勢参りをしにいった人の日記を一通り読み終えたとの知らせ。総行程約2400kmとのこと。父親も自分も最近興味のあることをだらだらと喋り出すのが癖で、お互いそんなに真剣には聞いていなかったりするけど、理解とはまた違う形の心地良い関係の在り方なのではないか、と思う時もある。
さっこ来る。最近瀬戸内の家船のことをいろんな人に聞いてまわっているそうだ。武田明という民俗学者のことを教えてもらう。多度津の出身で、柳田国男に師事し、瀬川清子らと同行して民俗調査を行っていたらしい。
自分は何かを作ったり調べるのに没頭している人の話を「そうなんですね」と聞いているのが好きなようだ。古本屋はそういう時間に触れあうことが多く、そこから得る知識が商売の糧にもなる仕事なので、合っているのではないかと思う。理解し合うと認め合うはだいぶ違うことなのではないかとも思う。
休憩中、永島慎二「四畳半の物語」読み始める。今日はこれからカレーを作って絵を描く。
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