10日夜
閉店後料理。ぶり大根、ほうれん草のおひたし、卵焼きを作る。ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」読み進める。シャワー浴びて、いろいろ音楽を聴いて寝る。
11日
朝8時に起きる。紙ごみの日なので、たまりにたまった段ボールをまとめて捨てる。朝ごはん。午前中はずっと絵を進める。画面全体にまんべんなく塗り重ねた色を、地と同じ色で削っていく作業。昨日夜更かししていたので眠い。ルヌガンガに行って、買い逃していたジョン・コルベット「フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き」購入。
開店。この日は祝日とあってお客さんが多い。店頭買取1件。品出し進める。棚卸しの続きもやる。おとといネットで買った、小島信夫と保坂和志の対談が収録された「考える人」が届いたので、休憩中パラパラ見る。以下はロレンス・スターン「トリストラム・シャンディ」についての小島信夫の発言。
「ふつう小説というものはある目標に向かって直線的に進んでいくけれども、私のものは違うとスターンは言っている。うねってうねっていくのが私の小説で、これが面白いんですよと。(中略)なぜこれが成立するかというと、ユーモアなんです。ユーモアがわかる人には、ユーモアに満ちた小説を書けば、筋がどんなふうであろうとかまわない。もともと世の中や世界というものは筋書きのないそういう性質を持っているんだから」
こういう発言に触れると、画家が作品を通して何をどのように認識し記述しようとしているのかに関しては、まだ言葉にできていない部分が膨大にあるんじゃないかと感じる。画家が言葉をたぐろうとする時、他人が共感できるように言葉を磨いていく過程で、本来あったいびつでごつごつとした部分は失われてしまう。
閉店。少し絵を描いて早めに寝た。
12日
朝8時過ぎに起きる。ゴミ捨てはこの日まどがやってくれていた。料理と洗濯も昨日のうちにしてくれていて、なんだか申し訳ない。朝ごはんを食べて絵を進める。なかなか完成への決め手が見つからない。喫茶店に行き読書。グレイソン・ペリー「男らしさの終焉」読み終える。スーパーに寄って、半額のイカや肉などをたくさん買い込む。帰って冷凍庫へ保存。
「夢を持って生きよう」と言う時の「夢」は、何かしらの職業や立場と紐づけされてイメージされることが多い。公共性があらかじめ前提とされている。「岩を二つ並べてその間に強い風が吹くようにしたい」ではだめだったりする。
開店。店頭買取1件。品出しなど進める。徳島から川人さん来てくれて、久しぶりにいろいろ話す。この日は徳島にお住まいで人形浄瑠璃の研究をしているアメリカ人のお客さんも来られた。日本近代文学の翻訳もされているそうで、川端康成や井上靖を訳したとのこと。尾崎一雄や壺井栄の話もして楽しかった。本当にいろんな人がいるなあ。
今日はこれから料理。明日は豊島からスコーンとクッキーが届く。楽しみだ。
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