少し本を読んで、キャンバスに絵を描く。4枚のキャンバスをそれぞれ少しずつ進める。手が詰まったので、筋トレして風呂に入る。風呂から上がってスケッチブックにドローイング。最初はだめかなと思っても手を動かしているうちに少しずつ良くなっていくし、頭の中に描きたい形がたまっていく感じがある。
25日
朝7時半に起きる。筋トレ。
おととい読み終えた岡潔「春宵十話」は、漱石について書かれた箇所が多い。
「漱石のおもしろさはタイミングが実によいことにある。いいかえれば人生というものの四次元的な特徴がよく出ているということである。たとえば『行人』で兄と弟が風呂に行くつもりで旅館の階段を降りかかる。無言でびょうぶを見つめていたと思うと、突然兄は『おい二郎』と声をかけ『さっきの話だがね…』と汽車の中で自分から打ち切ったばかりの話を始めて階段の途中でぴたりと立ち止る。こういうタイミングである。これで自分がその主人公とともに生きているような気がする。」
この面白さは小島信夫の小説にも通じる部分だと思う。不可思議に感情や記憶が立ち上がる瞬間を、そのまま形にしてしまう。脈絡や必然性や説明責任、及びそれらを規定する社会制度から解放される(「自分がその主人公とともに生きているような気がする」の部分はもう少し考えていきたい)。絵でこういうことをやるのはとても難しいけど、そういう絵が描ければと思う。
自分は小説を読み始めたのが遅いので、漱石も教科書で読んですっかり忘れた程度。岡崎乾二郎の「抽象の力」でも漱石についてたくさん触れられていたし、読んでいきたい。
まどが前半店番をやってくれることになったので、ドライブに行く。
鬼無の小麦堂さんへ。山間にある小さなパン屋さん。猫もたくさんいる。子猫がなついてくれてうれしい。すぐ隣にある小屋に入ってパンを食べる。おいしくてたくさん食べてしまったので、おみやげ用に少し買い足す。
香南町のかまんよ書店さんに行く。青木さんに会うのも久しぶり。いろいろ話す。今回は青木さんに「小島信夫の本ありませんか」と聞いたら「ありますよ」との返事だったので、お伺いした。「階段のあがりはな」と、黒島伝治「橇・豚群」も購入。
以前、藤塚町の不二書店さんでは小島信夫の「暮坂」と「一寸さきは闇」を買った。住んでいる街で好きな作家のあまり見ない本が買えるとうれしくなる。
前々から気になっていた、公渕森林公園に行く。電車と徒歩では行きにくい場所。想像していたよりもかなり広く、この日はかなり蒸し暑いのもあり、全部はまわれず。いろんな植物と、それを説明するいろんな立て看板がある。園内のマップに記載されていない、細くて輪郭のはっきりしない道がかなりあって楽しい。まるで迷路みたいなので、昆虫採集をしている親子連れもジョギングしているおじさんグループも、実はみんな道に迷っているんじゃないか?という気分になった。道に迷いながらジョギングするってけっこうすごいことだ。いや、迷ってないんだけど。
レンタカーを返却。片原町のミヤモト惣菜店さんで、夕ご飯用に羊肉のカレーをテイクアウトする。
店に戻ってまどと交代。発送準備と品出しを進める。
なんだか自分はいろいろと考えすぎてしまう。行動や発言も、無意識のうちに批判やツッコミをされると思い込んで、それに対する言い訳を考え始めてしまう。SNSの影響もあるかもしれない。思いつめすぎると周りにもキリキリしがち。
今日も絵を描きたい。
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