2023年12月15日金曜日

コツや秘訣(2023年12月14~15日)

13日(水)夜

閉店後、本を出荷してトキワ新町や丸亀町近辺を歩く。昨日店の鍵を落としてしまった(前回の日記に書いた「諸事情」とはこのこと)ため。やっぱり、ない。交番へ行くがパトロールに出ているようで、呼び出したところで待たされそうだったため明日にして店に戻る。少しネット出品作業。作業部屋へ移り、絵をやる。また新しいキャンバスに手をつけた。

トイレに行くと、なんと無くしたと思っていた鍵が出てきた。ズボンの、ベルトを通す穴にカラビナやリードで鍵をつなげていたのが、丸々ズボンの内側に入ってしまっていた。バカすぎる。おかげでたくさん散歩できた。


14日(木)

朝8時頃起きる。まどが「お腹が痛い」という。自分はなんともないが、悪いものでも食べたのか。洗い物、洗濯物の片づけ、お弁当の用意などやって外出。南でモーニング。カフカ全集「日記」続き読む。やっと120ページくらいまできて、まだあと300ページ近くある。小説よりもストレートに自閉的な部分が出ていて、自分もかなりそういう部分があるとはいえ、ずっと読み続けるのはしんどいものがある。なんとかユーモアにくるんで小説へと昇華しようとしているのが泣けるけども。今年中に読み終わるのか。交互に読んでいる「ベルクソンの哲学」もじっくり取り組みたい内容で、なかなか進まない。カバンの中には気楽に読める殿山泰司「JAMJAM日記」もある。チェイサー的なもんだろうか。

まどと買い物。無印でお香や無地のノートを買う。八百屋でみかんも購入。

開店。マロンさん来て、まどと昼ご飯を食べに出かけていった。発送準備、品出し進める。受託商品に関しての連絡も。この日は常連さんも何人かいらっしゃり、東京からというお客さんが「行くのを楽しみにしていました」と言ってくださったり、いい気分。閉店間際にサチコさんが来て、久しぶりに話す。昔作った詩集を買ってくれた。

「店を続けるコツ」「愛される秘訣」のような記事なんかを見ると、自分がもし聞かれたらどうしようと考える。わかったようなことを言って、舌の根も乾かないうちに店がつぶれでもしたら恐ろしい(長く続くほど良いというわけでもないが)。しかし思い出してみると、開店当初のほうが傾向と対策的なことを考えがちで、浮ついていたような気がする。不安で何かにすがりつきたかったんだろうか。買い取りを重ねていろんな人の本を日々受け入れ続けていると、自分のエゴはどうでもよくなってくる。共感ではないし、傾聴とも少し違う気がする。それもどうでもいいか。

閉店後、キャンバスの続き。思ったよりも速く進み、完成。こないだ描き上がったキャンバスに続き、これも2日で完成した。ここ1年ほどの間に描いていた抽象画は図と地を入れ子にするような絵が多く時間がかかっていたけれど、キャラクター(図)を決めておくと全体の構図も早めに決まり、完成のポイントが見えやすい。これには良い部分も悪い部分もあるだろうけど。

本を出荷してルクスへ行き、まいちゃんとダラダラ話す。27日にルクスで食品まつりさんのライブがあるらしい。自分はその翌日に加西Voidでも食まつさんのライブを見る予定だけど、この日も行こうかなと思う。


15日(金)

朝8時過ぎに起きる。朝ごはんを食べて、ubuwebにあるサミュエル・ベケット「フィルム」を見る。ベケット唯一の映画作品(1965年)で、最晩年のバスター・キートンが出ている。小説や戯曲よりもずっとわかりやすく、笑いもあるし、かわいい子犬や子猫も出てくる。ゆらゆらと左右にパンを繰り返して、主人公を追いかけまわしているようなカメラワークも面白い。脚本はどのようになっているのだろうか。まどが起きてきて、豆もちを焼いてくれる。大豆の香ばしさが意外とコーヒーにも合う。檜垣立哉「ベルクソンの哲学」続き。

「純粋知覚は、本質的に瞬間的な知覚である。だからそこから認識の構図を組み立てなおすならば、知覚に記憶が入り込み、瞬間に過去が侵食してくる契機を見とらねばならない。純粋知覚は、あくまでも知覚の「非人称的な基底」なのである。」(p122)

開店。この日もマロンさんが来てくれて、まどといろいろ漫画の話をしている。横で聞いているだけでも面白い。春木君来てくれて、うちで買ってくれた本を使って書いた卒論が無事に通ったとのこと。うれしいしめでたい。品出し、スリップ作り、発送準備など進める。あさってに迫ったレコ寄席の再告知も。予約は増えてきているが、もっともっとたくさんの人に見てほしい。愛媛からの郵送買取が到着。最近郷土関連の絵葉書を出していたら、「香川の紙モノがありますけど、送りましょうか」とメッセージをくださった。昔の商店街や高松けいりんのチラシなどがあり、とても楽しい。

今日はもう疲れたので、少しだけ絵を進めて帰ることにする。

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