2021年9月24日金曜日

もやもや日記(2021年09月23~24日)

22日夜

閉店後、本の出荷。スーパーで買い物。まどが弁当のおかずを作ってくれるというので、お言葉に甘えてビールを飲みながら映画を見ることにする。ロベルト・ヴィーネ「カリガリ博士」見る。百年以上前の映画。美術がもろにドイツ表現主義で、キルヒナーやマッケの絵の中の世界のようだった。シャワー浴びて、コーネル・ウールリッチ「今夜の私は危険よ」読み終えて寝る。


23日

朝8時前に起きる。朝ごはん。まどと一緒に外出。喫茶店に行こうか迷って、結局コンビニでコーヒーを買って公園へ。郡司ペギオ幸夫「やってくる」読み進める。

「外部で満たされた個人と個人の間に対し、各個人は外部を召喚する仕掛けを作り、外部を受け入れる準備をしている。外部を受け入れる能力によってのみ、私たちは会話ができるのです。共通の土台やらコミュニティの共通感覚などむしろ邪魔なのです。」(P230)

公園はこの日風が強く、ページがひらひらとめくれる。いつも座るテーブル付きのベンチには木漏れ日がまだら模様に落ちていて、暑いところと涼しいところがある。小さい虫がページを這い出すので、手で払う。親子連れの多さにそういえば今日は祝日だったと気づく。いろんなものに少しずつ自分がさらされている状態が気持ちいい。風は本を吹き飛ばそうと思っているわけではないし、木漏れ日は陽の傾きと木の枝の位置関係によって仕方なくそこに落ちているし、虫や子供の笑い声は読書を邪魔しようとしているわけではない。お互いの意図が交わらないまま関係する。帰って少し絵を進める。

開店。品出しを進める。この日もどうも気分乗らず。柿の種買って食べる。

閉店。まどが明日のおかずを作ってくれている。最近まどにかなり料理をやってもらっている。甘えることにして読書。「やってくる」読み終え、小島信夫・保坂和志「小説修行」読み始める。面白い。少しずつ絵も進めるが、頭ばかりが活性化してなかなか進まない。きゅうりともやしのナムルを作って寝る。


24日

朝8時に起きる。いつも朝のゴミ捨ては自分がやっているけど、今朝はまどがやってくれた。どうもだめだ。シャワー浴びてごはんを食べ、雑誌のネット出品作業をやることにする。100冊ほどやる。喫茶店に行き読書。本屋をのぞいてスーパーに行き、帰る。

こないだ兒島さんが店に来てくれた時、カレーの話をした(兒島さんはいろんなお店でカレーの出張販売をやっている)。「僕もスパイスカレーを作ってみたんですよ。前日から肉をマリネして…」と言うと、兒島さんは「おぉ」という表情になり、自分はその表情から「めっちゃ気合入っとるやん」を読み取った。文字にしてしまえばそれは兒島さんの声で再生されるけど、表情を見てから「めっちゃ~」という文章ができるまでは少し時間差がある。その時間差の中にいる間は、兒島さんが発話している情景と、それになぞらえて文章を組み立てている自分が(いびつな讃岐弁で)発話している感覚とが並走している。

誰かに何かのはずみでいらんことを言ってしまって、後で「あー、こういうこと今頃言われてんだろうな」と思って、その「言われて」は本当は言われてないのに、まるで本当に言われたような気分になっている。

開店。品出し進める。半空の岡田さんが、半空文学賞の受賞作品をまとめた冊子をもってご来店。お預かりする。工芸高校の学生さんもフリーペーパー「F」の最新号を持ってきてくれた。今回は曽根裕さんのインタビュー。現在高松にお住まいらしい。とても充実した内容。

今日はこれから映画を見る。

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