2024年11月15日金曜日

着々と準備(2024年11月12~15日)

11日(月)夜

ルクスに行こうか迷い、そういえば月曜定休だったなと思い出して、スーパーに寄って帰る。わさび柿ピーを食べつつビールを飲んで、ひたすら読書。『つげ義春 旅と隠遁』、石坂洋次郎『愛情・少女』読み進める。


12日(火)

朝7時過ぎに起きて、朝ごはんを食べながらエリック・ロメール『友だちの恋人』見る。休みの日の朝にゆっくり見るロメールは最高だな。明快ですっきりしていて、細かい動きにおかしみがある。

まどは11時から皮膚科に行くらしく、それまで若干時間があるので2人でDORSIAへ。読書を進める。その後別れ、自分は店に行って『休みの集い』に向けての準備を少し。早めに終わったのでキャンバスの続きをやる。小腹が減り、うどん屋へ入ってかけ小。

まどと再度合流し、瓦町のとあるビルの一室でやっているカフェ『るりろ』さんへ行く。以前は花園駅近くの『とりかご』さんで間借り営業されていたけど、場所が最近変わったようだ。小説を中心に本もいろいろとあり楽しい。ここでもまた読書。まいこさん偶然やってくる。『旅と隠遁』読み終える。『休みの集い』チラシ、ショップカードお渡しする。

まどは図書館へ行き、自分は中央公園へ。『愛情・少女』読み終え、前田利鎌『臨済・荘子』読み始める。スケッチブックも1枚描く。

作業部屋へ戻る。松山で買ったシングル盤を聞く。生活にはシングル盤をとっかえひっかえ聞くくらいの時間の余裕が必要だなと思った。キャンバスの続きをやる。いい感じになってきた。

スーパーに寄って帰宅。夕ご飯を作り始める。レタス、水菜、大根のサラダと、ミートソース大盛り。うまい。まどとコミティア出展についてなど話す。食べている途中、長野に住んでいる林香苗武と平間貴大からワインやジュースが届く。早速ミートソースに合いそうな赤ワインを飲んでみる。すっきりしていてとてもおいしい。LINEで長野とつなぎ、久しぶりにいろいろ話す。年末に映像を中継しつつ鍋をやろうということになった。

片付けて、シャワーを浴びる。もう1本映画。清水宏『簪(かんざし)』見る。原作井伏鱒二。1941年公開で、笠智衆も田中絹代も若い。歩く練習をするくだりは少し長いようにも感じたけど、思わず笑ってしまうほのぼのとしたユーモアは休日に見るのにぴったりだ。ロメールと清水宏を見れて良い定休日になった。

大橋裕之『音楽と漫画』読んで寝る。再読。


13日(水)

朝7時過ぎに起きる。ごはんを炊き、洗濯をし、お弁当のおかず用の麻婆豆腐を作る。白米に納豆、しらす、ネギを乗せて、すだちをかけて食べる。コーヒー淹れて少し読書。

外出。一旦店に寄り、酒屋でビールなどの買い出し。その後発送準備を進める。

少し早めの開店。発送件数がとても多く、一瞬店を閉めて近くのポストまで発送しに行ったり。あまり品出しはできず。この日は店頭買取が3件と多かった。出張買取の日程も1件決まる。東京滞在中に行く予定の居酒屋を予約。夜、『休みの集い』当日に会場壁に貼る掲示物(お客さんの誘導やDJのタイムテーブルなど)を作り、印刷する。

閉店後、2度目の本の発送。ルクスへ行き、まいちゃんとチャイを飲みつつ少し打ち合わせ。ねぐさんと初めてちゃんと話した。店に戻って、『休みの集い』で展示する作品のリスト作りを少し進める。家に帰って、東京での予定を確認。12時前に寝る。


14日(木)

朝7時前に起きる。なんだか早めに目が覚めた。シャワーを浴びて朝ごはん、洗い物、洗濯。お弁当の準備。

外出。コインランドリーで乾燥機をかけつつ、展示で必要な照明などを買い足し。南でまどと合流し、『臨済・荘子』読み進める。禅の思想の解説よりも、禅問答そのものを読んでいるほうがなんとなく元気が出る。

店に行き、発送準備を早めに進める。そのまま開店。店頭買取1件。アルバイトMさん来て支払いと本の受け渡し。査定などの合間に昨日からの作品リスト作業を進める。日が暮れる頃になって無事完成。これで東京に行くまでにやっておきたい準備は一通りできたかな。この日買い取りで入ってきた、レッドツェッペリン(71年)とディープパープル(72年)の初来日ツアーのパンフレットを早速品出しする。ツェッペリンのほうは巻末に一柳慧、篠山紀信、菊池武夫、山本寛斎というすごいメンバーの座談会も掲載されている。音楽家が一柳しかいない。

昨日忙しかった疲れが出たのか、猛烈に疲れた。家に帰って風呂。旅行準備。ワインを飲みながら読書。『臨済・荘子』読み終えて寝る。


15日(金)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べ、着替えて旅行の準備。『世界の映画作家』第5巻(ミケランジェロ・アントニオーニとアラン・レネ)読み始める。外出。うどん屋さんでお土産を買い、南へ行きまた読書。

開店。この日は買ったお弁当でごはんを済ます。『休みの集い』当日まで10日を切ったので、燦庫の場所などを改めて告知する。今まで燦庫に行ったことのない人も足を運んでほしい。品出しや発送などをゆっくりめに進める。なんだかレジに座ってばかりいると具合が悪くなってくる。おかしいなと思って外に出るとすぐに回復する。自律神経的な何かだろうか。

明日から東京。いろいろ楽しみ。

2024年11月11日月曜日

ほっつき歩く(2024年11月08~11日)

07日(木)夜

店で作業しようと思っていたけど、あまりにも寒いので早めに帰る。風呂に入り、スーパーで買ったしるこサンドやヨーグルトを食べる。Tさんインタビューのフリーペーパーをホチキス留め。思ったよりも早く完了。『つげ義春 旅と隠遁』少し読み進めて寝る。


08日(金)

朝7時に起き、朝ごはんを食べながら、レオ・マッケリー『吾輩はカモである』見る。マルクス兄弟主演のコメディ映画。矢継ぎ早に繰り出されるギャグ。帽子のくだりや鏡のくだりなど、一体いつまでやるの、というくらい延々やっているところが面白い。ラスト近くの動物たちが突進するところも笑った。

お弁当を準備し、洗濯物を畳んで干して、外出。南に入って、畠山直哉『話す写真』続き読む。店に戻って、買い取った本の整理。先日の出張買取分のお金を振り込み。

開店。ブログの更新やフリーペーパー作りがひと段落したので、品出しに専念。隙間の空いていた海外文学や、最近の日本文学を補充していく。写真や建築、デザインは手持ちの在庫が少なめ。困ったな。夕方になって、愛媛のトマト書房さんより松山ブックマルシェの売り上げについての電話。1日目が土砂降りだったけど、うちは意外と好調な売れ行きだったようだ。選書ほめていただけてうれしい。仕事の苦労話などもする。松山ブックマルシェは買う側としても楽しいし、来年も参加したいなと思う。しかしこの日も寒い。エアコンをつけて、電気毛布をひざにかける。

閉店後、本を発送して早めに帰る。シャワーを浴びて、『話す写真』読み終える。途中、著者なりのアーティストとしての心構えが語られ、確かになあと思うものの絵を描いている自分は少し肩が凝る。『旅と隠遁』をチェイサーとして少しずつ読みながら読了した。


09日(土)

朝7時に起きる。朝ごはんを食べて、コーヒー淹れて読書。『旅と隠遁』続き。最近は出店や出張買取で車を運転することが多いけど、やはり仕事が絡むと旅感は若干薄れてしまう(それでもこないだの松山はかなり良かったけど)。よく知らない街をほっつき歩くような旅がしたい。できれば電車がいい、本が読めるしお酒も飲める。石坂洋次郎『愛情・少女』(新潮文庫)読み始める。20~30ページほどの短めの短編が詰まった1冊。つげ義春と並行して読むのはちょうどいいかもしれない。

洗濯物を畳み、お弁当の用意をして外出。作業部屋へ行き、松山で買ったレコードを聴きながら『休みの集いVol.2』に出す絵をピックアップ。

開店。発送準備のほか、自分とまどの作品も掲載されているYON MAGAZINEが到着したり、11月後半の営業日の案内をしたりなど。品出しは雑誌や最近の日本の文芸書などを中心に補充する。まどかさんが来てくれて映画の話。うれしいことが決まったようだ。アルバイトMさんが11日月曜に来てくれることになり、次渡す本の準備をする。

閉店後、ルクスに行く。ゲストはgoatのメンバーでもある立石雷さん。到着するとHAPPFATさんがDJ中で、いつもと少し違うBPM遅めのハウス寄りの選曲でとてもいい感じ。立石さんのライブは笙や笛などの和楽器を使っての演奏。立石さんのライブを見終えたタイミングで、Studio 33/45にて行われているivoryさんのイベントSweetieへ移動。今回はドラムンベース回。さまーこさんのDJ間に合った。ゲストのKUL4KENさんのDJも良かった。ハイボール2杯を飲んで、出て、また少しルクスに行く。なんだか少し気持ち悪い。店に戻ってカフェ席の椅子に座り突っ伏す(店は真っ暗にしていたけど、通りを歩く人が自分に気づいたらさぞびっくりしただろう)。少しして、なんとか帰宅。


10日(日)

朝9時に起きる。眠い。朝ごはんを食べ、お弁当を用意して外出。ビールなどを買いに酒屋へ行ったら、日曜定休だったことを忘れていた。レターパックを買い足し、本の発送。店に行き、セットもののネット出品をやる。大判の本は重くて疲れる。

開店。この日は夜遅くに雨が降るとの予報で、昨日の疲れもあってかとても眠い。少しずつ品出しをやり、アルバイト用の本を準備したり、ネット出品を進めたりなど。夜になってから休憩に『旅と隠遁』少し読み進める。結局雨はそれほど降らず、小雨で済んだ。

閉店後、家に帰ってヨーグルト食べる。風呂。市川崑『果てしなき情熱』見る。服部良一作曲の曲を山口淑子(李香蘭)、笠置シヅ子、淡谷のり子と豪華な顔ぶれが歌い上げる。このうち登場人物としてストーリーに絡んでくるのは笠置シヅ子で、「よってに」など関西弁を使って演技している(笠置自身は香川県生まれ)。冒頭「服部良一の半生記ではない」というテロップが入るが、服部がこんなに自己愛の強い破滅型の男だったらショックだ。妻役の月丘千秋もよくついていくな。笠置の明るさが全体の雰囲気を救っていた。雨の流れる窓や陰影の演出は趣深い。


11日(月)

朝7時半に起きる。朝ごはんを食べて洗濯。少し読書。

まどと一緒に外出。南でモーニング。『休みの集いVol.2』で展示予定の絵の量が足りているのかをシミュレーションする。久しぶりにスケッチブックを数枚描く。楽しい。出て、作業部屋でシミュレーション続き。どうやら量は足りそうだ。新しいキャンバスを描き始める。楽しい。やっぱり絵でないと解決できないことがあるらしい。

開店。昨日一雨降ってからだいぶ暖かくなった。Mさん来て支払いと本の受け渡し。品出し、発送準備など進めていく。なんだか時間が進むのが早い。映画パンフレットを出していると映画が見たくなってしまうのが困る。

今日はこれから本を読むか、映画を見るかする。

2024年11月7日木曜日

おっさん元年(2024年10月31日~11月07日)

(前回「こつこつ」というタイトルの日記を投稿した後で、その少し前にも「こつこつやる」という日記を投稿していたことに気が付いた。「こつこつ」が自分の中で大切なことらしい。)


30日(水)夜

閉店後、本を発送してファイリング作業の続きをやり、ひと段落。家に帰る。ゆっくり風呂に入り、伊藤亜紗『どもる体』読み始める。こないだ読み終えた『エコラリアス』と内容が少しかぶる部分もあり面白い。


31日(木)

朝7時半に起き、ごはん。まどは今日は岡山まで出かけるそう。8時半頃外出、南でモーニング。モーリス・ブランショ『至高者』続き読む。なんともいえない閉塞感がひたすら続く文章だけど、最近の微妙な天気には合うかもしれない。

まどは岡山へ向かい、自分は作業部屋へ。『休みの集いVol.2』の展示で使う木材をベランダでカット。ついでにベランダの掃除。100均で結束用のラップを買って、切った木材をまとめる。午前中に終えてしまいたかった作業が無事完了してすっきり。

開店。ネットで注文していた電動ドライバー用のバッテリーやクリアファイルなどが届く。品出しや発送準備を少し進め、その後イラレデータ作業。思ったよりも早く完成し、プリント。途中少し店を閉めて、マルナカまでコピー用紙を買いに行く。なんとかプリント完了し、ファイリング作業。

閉店後、ルクスで急遽開催されているイベントに行き、ビールを飲みながら藤谷さんと話す。しゅう君のDJいい感じだ。ゲストの方のライブがなかなか始まらず、店に戻って作業。本を発送して帰る。


01日(金)

朝8時に起きる。朝ごはんを食べて、お弁当の用意。まどと外出。また喫茶店に入り、『至高者』続き読む。その後店に戻り、ファイリング作業続き。無事に完了し、郵便局で発送。長いことやっていた作業がひと段落ついた。

開店。明日からの出店に向けて選書。2,3日の松山ブックマルシェには硬派な古本好きのお客さんが多く集まるので、若干固めの選書をする。徳島での出店と合わせて3日間連続のため量も多めに。選書は良いペースで進んだ。夜にレンタカーを借りに出る。外は雨。いまいちな天気のせいかこの日は来店少なめだったけど、ネットに出していた商品がそこそこ動いた。

閉店後、本を出荷して車に本や荷物を積み込む。帰宅。シャワーを浴びて、着替えなどを用意して早めに寝る。


02日(土)

朝4時過ぎに起きる。さっさと松山へ出発。外は雨が降っている。コーヒーとガムで眠気を飛ばしながら運転。石鎚山SAまで走り、パンとサンドイッチを買って朝ごはん。タカキベーカリーの『瀬戸内レモンメロンパン』が懐かしいレモンケーキの味がしておいしい。

搬入開始時間の7時ちょうどに、会場の和光会館に着く。昔幼稚園だったところで、現在はイベント会場などとして活用されている模様。コンクリートではなく板の間なのがいい。スタッフの方に協力してもらって荷物をおろし、車をすぐ横の駐車場へ停める。イベントは10時開始でだいぶ時間の余裕があり、当日搬入でも問題なかった。他の出店者さんの荷下ろしなどを手伝う。

松山ブックマルシェ1日目開始。後で聞いたところによると開始前から入ってきてしまう人もいたようで、お客さんの熱を感じる(が、開場時間まではがまんしてくださいよ)。開始と同時に真剣な眼差しのお客さんが流れ込んできて、こちらの身も引き締まる。しかし、開始と同時に雨も強まり、ついには警報が出るほどに。何かあったら大変だということでイベントは一時中断となり、お客さんに呼び掛けて退出してもらう。こればかりは仕方ない。猛牛堂さんや愛媛堂さんなど愛媛の諸先輩方とお話したり、読書したりする。『至高者』読み終え、伊藤亜紗『どもる体』続き。自分も相手やシチュエーションによっては難発が出る(ウッ、と1,2テンポ遅れて言葉が出てくる感じ)ことがあるので、共感できる部分が多い。。読んでいるうちに天気は回復し、2時間弱の中断の後に再開。あれだけの土砂降りの後でもお客さんが絶えない。すごいことだ。自分も古本を予想以上に購入。会場にいる時間は長いからじっくり吟味しようと思っていたけど、吟味しても大変なほどたくさん良い本があった。口笛文庫さんからタンゴのCD、猛牛堂さんから歌謡曲のシングルレコードも購入。

1日目終了。フード出店者さんの撤収を手伝い、和光会館を出る。松山駅近くへと移動し、モアミュージックへ。30分ほど見て、NU GROOVEのコンピレーションアルバム(CD)と、sonigのコンピレーションアルバム(LP)を購入。どちらもとても安く、2枚で1000円ほどだった。

道後温泉近くのゲストハウスにチェックインし、車は駐車場に置いて、路面電車で大街道へ。豚足の店『清香園』に向かうが、なんと店主の方がケガで臨時休業中とのこと。近くの店に入ってお好み焼きとビール。『どもる体』は本のサイズが大きいので、畠山直哉『話す写真』文庫版を読み始める。いろんな場所での講演をまとめた一冊。以下の箇所に深く共感する。

「この写真に僕は何を見たのか。僕は少なくとも、「誰かの心」は見なかった。僕はむしろ、この世には心と関係のないものが、確かに存在している、と深く思いました。この実感は、普段から心に辟易している自分を自由にしてくれるものでした。」(p40)

道後温泉に戻る。本館に行くと長蛇の列。連休中はこんなに混んでいるのか。仕方なく別館へ。設備は普通の銭湯という感じだけれど、温まった。

少し散歩して、今回の松山の一番の目的でもある『ニュー道後ミュージック』へ。ここは中四国で唯一のストリップ劇場。入場料を払って中に入る(入口の看板の写真撮影にも快く応じていただいた)と、小さなライブハウスくらいのサイズの空間に回転するお立ち台とステージ、ダンス用のポール。お立ち台を取り囲むように客席が並んでいる。今回は22時半からの最終回を見た。お客さんは最終的に20人以上になり、ストリップ好きらしき方々や浴衣姿のカップル、お酒で上機嫌なおっちゃんグループ、その中でただ固まっている自分、など。踊り子さんは3名が順番に出てきて、最初は音楽に合わせて着衣で踊り、少しずつ衣装を取ってお立ち台でポーズを決め(ここが一番の見せ場で、ポーズが決まったタイミングで拍手をする。なんとなく歌舞伎みたいだ)、最後はポラロイド撮影のコーナー(おひねりを渡すと撮って持ち帰ることができる)、というのが1セットらしい。踊り子さんはそれぞれ見せ方を工夫している。男性スタッフの場内アナウンスやBGM含め、昭和感もとても良い感じだった。

ゲストハウスに戻って歯を磨き、12時頃ベッドに滑り込む。


03日(日)

朝7時半頃に起きる。よく眠れた。思ったより体力も回復している。道後温泉駅のスタバ(あまりスタバには入りたくないけど、朝早くやっている喫茶店が無かった)に入り、コーヒー飲みながら『どもる体』続き読む。

9時頃に和光会館へ。10時の開場まで、他出店者さんの設営の手伝いをする。

松山ブックマルシェ2日目。天気は台風一過の快晴で、続々お客さんが来られる。昼過ぎくらいにはレジに行列ができていた。昨日に引き続き、この日も古本を買う。楽しい。愛媛堂さんの動きを見習い、自分もお客さんに買い物かごをすすめる。それだけ何冊も買っていくお客さんが多い。立ちっぱなしは少々辛いが、目の前でどんどん本が売れていく様子を見るのは気持ちが上がる。なんとなく、うちのブースでは海外文学と写真集が売れ筋だった気がする。

2日目終了。撤収作業の手伝いを途中で切り上げさせてもらい、一足早く会場を後にする。古本、CD、レコード、たくさん買えて良かった。ガソリンを入れて、松山IC手前のすけろくで晩ごはん。『どもる体』読み終える。帰りの車中、早速口笛文庫さんのところで買った民謡をタンゴアレンジしたCDを聞く。なんだか優雅な気分になる。猥雑さと洗練が同居している。ドライブとタンゴは意外に合うかもしれない。

店に到着。翌日の徳島での出店に向けて本を補充。少し柔らかめの選書にしようかと思っていたけど体力が続かず、補充するに留まった。


04日(月・祝)

朝7時に起き、朝ごはん。この日は『うだつのあがる古本市』、車で美馬へと向かう。193号線をずっと行くと県境あたりにある『山の家』(名前が合っているかいまいち自信なし)という喫茶店が気になっていて、今日は行けるかなと思っていたら「定休日」という看板が立っていた。時間が早すぎたのかもしれない。この喫茶店は割と目立つのに、ネットに全然情報がないのが不思議だ。少し早めに着いたので、コンビニでお菓子を買って休憩する。

会場のオデオン座に着き、荷物をおろして設営。荷物をおろす途中、背中の筋を痛めてしまった。設営時間は1時間半ほどで、途中全体挨拶なども入り、なんとか10時の開始ギリギリに間に合った。1003の奥村さんやYON MAGAZINEの日野さんにも挨拶。日野さんからは完成したばかりのYON MAGAZINE Vol.2をいただく。今号には自分の絵とまどの漫画も掲載されている。自分のページのデザインは『休みの集い』にも出店いただくmezaの片岡さんによるもの。

古本市開始。お客さんの入りには波があるものの、波が来ている時はまずまずの勢いを感じる。マイクを使っての自己紹介タイムもあったので『休みの集い』の宣伝もする。阿南からはわざわざHKさん(yomsで扱っている映画zine、ORGASMにも寄稿されているナイスガイで映画マニア)が来てくれた。暇な時は『話す写真』の続きを読む。渋めの本も少し売れたけれど、いかにも古本好きというお客さんは少なめ。

今回トークや関連イベントのテーマがほぼ「メディア」や「場所」で(それぞれの内容自体は非常に興味深かった)、古本の話題が出なかったのにも表れていたと思うけど、主催側が「古本を売る」ことに関心があるのか、「古本市」という器に関心があるのかでイベントの性質はまるっきり変わってくるな、と思った。考えてみれば当たり前のことだけど。売る側も、品揃えがお客さんに向かっているのか、自分好みの理想のお店の実現に向かっているのかでは、日常的に取り組む対策(仕入れと売り方)が変わり、その積み重ねの結果、目に見えて棚に違いが現れる。正解は無いのかもしれないが、その辺をどうまとめ上げるかでイベントの特色ははっきりと出るし、そのまとめ方にお客さんは「このイベントに行けば何かあるはず」と何かを感じて足を運ぶはずだ。出店者の頭数を増やしさえすればジャンルや本の年代のバラエティ、ある程度の数のキキメの本が確保できるかと言えば、全くそんなことはない。

イベント終了。搬出を終えて、高松へと戻る。店に荷物をおろし、この日五色台へ自然観察会に行っていたまどを迎えに行く。2人で仏生山温泉へ。仏生山温泉は今はyomsと同じ火曜定休になっているので、かなり久しぶり。晩ごはんも温泉内の食堂で食べる。ぬるめのお湯は気持ちいい。

帰宅。スーパーでビールを買って、まどと話しながら飲む。自然観察会はyomsにも『自然観察新聞』というフリーペーパーを置きに来てくれるまみさん(五色台にあるビジターセンターの職員でもある)がやっているもので、とても楽しそう。自分も行ってみたい。


05日(火)

朝8時に起きる。昨日で3日連続の出店が終了したけれど、この日は午前中から出張買取。

ご飯を食べて出発する。近場でそれほど大量というわけでもなく、すぐにピックアップは完了。店に本を置いて、レンタカーを返却。まどに連絡するとDORSIAにいるというので、自分も合流して早めの昼ご飯。

店に行き、昨日の出店の帳簿付けや、たまっている発送準備を進める。こつこつやっていると、さぬき映画祭の十河さんが寄ってくれる。先月インタビューしたTさんと十河さんは50年ほどのとても長い付き合いで、完成したフリーペーパーも読んでくださったようだ。映画の話をいろいろ。加藤泰『沓掛時次郎 遊侠一匹』と山田耕作『関の弥太っぺ』をおすすめされる。今年はTさんと十河さんからの影響で、時代劇映画も楽しく見れるようになった。かわなかのぶひろとの交流についての話も大変興味深かった。十河さん帰り、その後たまたま時間のあったアルバイトMさんがやってきて、本の受け渡しと支払い。Mさんは浅草ロック座で1度ストリップを見たことがあるらしい。話を聞くと、道後とだいぶショーの内容は異なるようだ。

しかし出張先で一人で居酒屋と温泉とストリップに行き、時代劇映画も楽しめるようになってきたとか、どうも2024年は自分にとって「おっさん元年」のようだ。

途中で南へ行き、休憩。『つげ義春 旅と隠遁』読み始める。『つげ義春日記』の閉塞感は少し苦手だったけど、この対談集はさっぱりとしていていい。本人としてはサービスで明るく振る舞っていて、しんどいのかもしれないが。

発送をなんとかできるところまで終わらせて、帰宅。まどと晩ごはんを食べる。ビールも飲む。HKさんからいただいた、Ivan Passerという監督の『男の傷』という映画を見る。原題は"Cutter's Way"で、Cutterというのは登場する男の名前なのだけど、とんでもなくめちゃくちゃなキャラクター。しかし破天荒さよりも、映像のぬるっとした展開も相まって、終始どこかノワールな哀愁が漂っている。ラスト、馬で突撃してからの発砲シーンには泣けた。


06日(水)

朝7時半に起きる。シャワーを浴びて朝ごはん、お弁当の用意。

外出。松山の出店くらいからお尻に違和感があり、さわってみるとどうやらイボができているようで、yomsの近くにある肛門科へ行く。運転と外食が増えた影響か。肛門科を受診するのは初めて。年配の先生にいきなり指を突っ込まれうろたえるが(しかもいつの間にか写真まで撮られていた。本人確認用なので必要なものだけど)、診察はすぐに終了。たいしたことはないようで安心した。薬を1週間分もらう。尻を冷やさないようにして、アルコールは控えたほうが良いようだ。

ルヌガンガへ行き、中村さんと少し話す。『カフカ断片集』購入。

店に行き、出店で持って行った本を棚へと戻していく作業。それほど時間はかからず。棚に本が戻ると、改めて「この辺の本が売れたんだな」ということがわかる。

開店。この日もなんだか発送件数が多く、忙しい。売れるのは良いことだ。先日買取でお世話になった、現在お遍路中の森哲平さんが来店。買取の書類を書いてもらう。お遍路全体の行程としては香川はかなり後半のようだ。自分は香川に住んでいるのにお遍路のことを何も知らないなと思った。空海にしてもそうだ。もっと関係する本を読んでみよう。夜になり、よく来てくださるお客さんが増えてきて、なんだか落ち着いた気分になる。先日出した、黒瀬珂瀾歌集『黒耀宮』サイン入りについてお問い合わせいただいたお客さんが来店。ご購入いただく。ご自身でも短歌をされているそう。香川の方に買っていただけて良かった。こういう細い糸をつないでいくような出来事があると、店をやっていて良かったなと思える。

たまっていたブログを書いていると、いつの間にか22時半。書ききってはいないけれどなんだか体力の限界が来てしまい、帰宅。ヨーグルトを食べる。『旅と隠遁』少し読み進めて寝る。


07日(木)

朝8時半に起きる。ご飯を食べて、お弁当の用意。まどと外出。昨日梱包しておいたレターパックプラスとゆうパックの小包を発送して南へ。『休みの集い』に向けてやるべきことをまとめ、その後読書。東京での過ごし方なども話し合う。

まどは港のほうで漫画素材の写真を撮りに行くとのことで、自分は店へ。先日通販した電動ドライバー用のバッテリーを充電して使ってみる。すぐ満タンに充電できて驚いた。問題なし。

開店。Tさんインタビューのフリーペーパーを印刷しつつ、ブログの続き。やっと書き終えて発送準備や品出しを進める。夜来てくれたお客さん、お子さんが新潟県の大学に進学されたようで、新潟話で盛り上がる。自分は地元に対する愛憎入り混じる気持ちから、新潟は地味で寂しい街というイメージだけど、お客さんは良い街ですねぇとおっしゃっていた。

今日はこれからフリーペーパーのホチキス留め作業。