閉店後、映画を見ようとしてやめる。まだ体力に余裕もあるし査定の続きをやることに。23時半頃に完了する。本を出荷して帰宅。蒸し暑い一日だった。ゆっくり風呂に入り、西村賢太『随筆集 一日』続き読んで寝る。
30日(日)
朝8時過ぎに起きる。軽く朝ごはんを食べ、『一日』読み終え、尹雄大『聞くこと、話すこと。』続き。上間陽子さんとの対話に、なんとも言い難い感情が湧く。お2人に対する尊敬の気持ちと同時に、自分は果たしてどれだけ相手の内なる声に耳を傾けることができるのだろうか?と考え始めると、甚だ心もとなくもある。これは劣等感なのか。
DORSIAへ。昨日山崎さんとCenterで話していたら、ヒマさんとは共通の知人は多いけど話したことはあまりなかったそうで、それならと2人をお茶に誘った。誘った自分は財布を忘れてしまい、一番最後に到着。瓦町駅そばにあるバー『ヌーベルバーグ』のマスターもおられて、3人で話している。ヒマさんはヌーベルバーグに何回か行ったことがあるらしい。マスターを囲んで、お酒のエピソードなどを3人で聞く形になる。ヒマさんも山崎さんも聞き上手だ。マスターは小説もよく読むそうで、永井荷風、檀一雄、色川武大などがお好きらしい。
そうこうしている間に開店の時間が迫り、店へと急ぐ。この日もいろんなお客さんが来てくださり、良い感じに忙しい一日になった。この日は店頭買取2件。
岡山から古本たかつかさんが来てくれて、いろいろお話。たかつかさんが運営メンバーの、津山・喫茶曲がりで行われているがふさんのポップアップはこの日が最終日。がふの長谷川さんとの会話で出たという話題、今の自分にもとても考えさせられるものがあった。
何度か本を売ってくださったことのあるお客さんと、初めて話す。蟲文庫の田中さんとも長くお知り合いの方だった。四国のいろんなところに住まわれていて、現在は高松とのこと。高知の『かたりあふ書店』さんの店主さんが1年半ほど前に亡くなっていたことを知る。かたりあふ書店には5年前の夏に1度行った。とさでんの終点の『桟橋通五丁目』駅から、こんなところに古本屋があるのだろうか…と思わざるを得ないような郊外の道を20分ほど歩くと、中に本がぎゅうぎゅうに詰まった店があった。シャッターは半分閉まっていたような覚えがある。中にいる店主さんに声をかけると開けてくれて、木山捷平や高井有一の文庫などを買った。買い終わると、「これから歩いて駅まで行くの?車で送るよ」と言ってくださり、なんと店を閉めて(!)はりまや橋のあたりまで送ってくださった。「時間があれば、このままうずまき舎さんまで行けたらいいんだけどねえ」とも言っていた。その日の暑さも相まって、強く記憶に残っている。ご冥福をお祈りします。SNSで検索すると、かたりあふ書店は土佐市で再開の準備を進めているとの投稿を見つけた。また行ってみたい。
四国学院大学にいらっしゃるケニア人の先生に教わっていたという方と話す。この先生は日本のスワヒリ語コミュニティの間では知られた存在のようで、初めてケニアの国費で日本へ留学した方だそうだ(80年代の話)。KALDIの商品をアレンジして作るごはんの代わりの料理は、米とパンの中間のような食感で、骨付鳥とも合うらしい。
夕方、この日ルクスでDJのTKDさんがご来店。TKDさんはコミックビームでコラムを連載されている。まどのことは大三君から聞いていたようで、うれしい。
ヌーベルバーグのマスター来てくださり、映画や小説の話などする。「お店今度行きます」と言うと「来んでええ」と言うので、余計行きたくなった。
閉店後、本の出荷。ルクスへ行くとしゅう君がDJ中。00年代初頭を思わせるハードテクノをかけていて、2002年生まれのしゅう君が自分が生まれた頃のテクノをかけているわけだなと思うと、自分との年齢差を改めて感じた。ラムコーク2杯飲む。3週間ぶりにお酒を飲んだ。まいちゃんと大三君と、今度一緒にヌーベルバーグに行ってみようということになる。
雨に降られて帰宅。シャワーを浴びて早めに寝る。たくさん人と話した日だった。
01日(月)
朝7時半に起きる。蒸し暑くてあまりよく眠れなかった。朝ごはんを食べて、健康診断の予約。早速、明日の午前中近所の内科へ行くことになる。洗濯。『聞くこと』続き読む。
うちでも既刊を扱っていたナマエミョウジさんが、7年ぶりに新刊を出すとのこと。京都の誠光社で展示も行うそうだ。楽しみ。
外出。銀行や郵便局をまわり、作業部屋で絵の続きをやる。一筆加えて「あ、失敗した」と思ったけど、やっているうちになんとかなった。
開店。アルバイトMさんが来て、支払いや本の受け渡し。店頭買取1件。品出し、発送準備など進める。この日はお客さん少なめ。ソレイユで黒沢清『蛇の道』を見終えた後にいらした男性の方もいた(この日ソレイユはメンズデー)。自分は明日見に行く予定。
ブログを書いていたら、ヌーベルバーグのマスター、かたりあふ書店の店主さんのこと、ケニア人の先生、ナマエさんの7年ぶりの新刊など、なんだかいろいろあり、人生について途方もない気持ちになってきた。古本屋という職業柄なのか、もしかすると年をとったせいかもしれないけど、20代の頃と比べて『自分が何を成し、世に問うか』よりも、『自分がいかに周りの人達の話を聞き、人生を感じるか』に比重が移ってきているような気がする。どれだけ実践できているのかはわからないが。そもそも『何かを成す』ってなんなのか、いまだによくわからない。自分が何かを成すことよりも、周りの人が少しずつ変化している様子のほうが興味深く思えることも、よくある。
昨日久しぶりにお酒を飲んだせいで、やはりまた少し飲みたい気分になっている。でも飲まない。今日は映画を見て、その後絵の続き。
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