30日(金)夜
夜7時半に店を閉め、まどと合流しことでんで高松駅へと向かう。夜に来るとオルネの存在感が際立って、だいぶ賑やかな雰囲気に変わったなと実感。
バスに乗り込んで東京へ。磯崎新『空間へ』続き読む。
31日(土)
朝7時半にバスタ着。雨が降っている。とりあえずベルクでモーニング。まずまず空いている。
田町(YOMSは高松市田町にある)から田町(JR田町駅)へ。少し歩き、岡啓輔さんによるセルフビルド建築『蟻鱒鳶ル』を見る。周囲が工事中で、蟻鱒鳶ルも工事現場によくある仮囲いで一階が塞がれた状態。夏に再開発の関係で少し移動(!)するらしい。斜め向かいには丹下健三設計のクウェート大使館があり、こちらも見る。好対照な二つの建築だけれど、どちらもかっこいい。
高円寺へ移動。商店街を歩き、某所へと向かう。成瀬遠足さんと朝日さんと合流。今回はキャンバスや板パネルに描いた絵を3枚ほど持ってきていて、それらを置いたり紐で操ったりしている中で成瀬さんに踊ってもらい、動画に撮りたいと前もってお願いしていた。以前から成瀬さんの踊りを見てみたかったのだけど、そんなに公演をしょっちゅうやるわけではないだろうし、それならいっそ一緒に何かやれば良いのではないか、と思ったのだった。いざやってみると自分の絵の操作で忙しく、成瀬さんの動きをじっくりと見る余裕なんてなかったけど、彼女は喜んでくれたようだし、やって良かった。後で映像を確認することにしよう。
パスタ屋さんで昼ごはんを食べながらいろいろ話す。朝日さんは刺青の彫り師で、両腕はほぼ真っ黒に刺青が入っている。均一に黒く彫るのはすごく難しいようだ。他にも段階的に彫っていくことの時間感覚の話など、興味深かった。友人に刺青やタトゥーを入れている人はそれなりにいるけど、そういえば彫り師の人と知り合ったのは初めてだ。成瀬さんから、多賀盛剛『映画と感想』をいただく。これは山賊文庫というところから出ていたもので、文学フリマで販売されていたが香川では買えず、欲しかった本。うれしい。ナナロク社から出ている多賀さんの歌集『幸せな日々』は傑作だ。今年3月に行われた成瀬さんの公演『声を渡す』のフライヤーには、多賀さんがドローイングを提供している。
4人で、HoiPoiというイベントスペースにて行われているエフェメラマーケットへ行く。ここではハップさんがコーヒーを出していたけど、それはなんと昨日一区切りついたところだったようで、すれ違いになってしまった。古写真を何枚か購入。
別れ、自分は一人でロスアプソンに行く。牧野かよさんのミックスCD、たぬきをテーマにしたDJイベント『ぽんぽこ山』のCD-R、FONDATIONというMusica Elettronica Vivaのメンバーが参加していたユニットの音源集(録音は1980〜83年)を購入。フリーペーパーを10部ほど置いていただく。店長の山辺さんが電話の対応中だったこともあり、「実は私、20年前にもフリーペーパーを置いていただいてたことがありまして…」とは言い出せず。置いてもらったことをInstagramのストーリーで報告すると、早速何名かの友人知人が足を運んでくれたようだった。うれしい。
中野へ。ちょっとぶらついてから、ユニオンでCD見る。『音の始源を求めて』シリーズの佐藤茂、ZNRなど購入。
目黒へ。急な坂道を行き、LEESAYAというギャラリーへ向かう。土井樹、小松千倫、涌井智仁による3人展”Harsh Listening”。自分が今まで鑑賞してきた「サウンドアート」とはかなり異なり、何かのイメージを喚起させるためのトリガーとして音を扱っている作品が多いように感じた。
阿佐ヶ谷へ行き、まどとGionへ行き休憩。読書。まどはコミティアに向けての準備。その後駅の改札前で奥田亜紀子さんと大橋裕之さんと合流し、rojiへ行く。奥田さんにはYOMS8周年記念手ぬぐいにイラストを提供していただいたけど、お会いするのはこの日が初めて。おみやげを渡していろいろお話する。奥田さん、SNS映えする写真を撮るのがうまい。まどとプリンをおいしそうに撮る勝負をして、まど惨敗。途中、ハップさんや、偶然東京へ遊びに来ていたらしいカサイさんが現れて驚く。すごい偶然。しかもカサイさんは同じホテルだった。rojiを出て、奥田さん大橋さんに絵を見てもらう。お二人とも興味を持っていろいろ聞いてくれてうれしい。奥田さん絵の写真をたくさん撮ってくれた。
ホテルに行き、荷物を置く。けっこう疲れたけど、知人のDJ、tegadeteruさんが初台の『ニューマタンゴ』というバーでDJするというので、行くことにする。終電で向かうと、カウンターや壁際のソファにお客さんが座って、しゃべったりお酒を飲んだりしながら音楽に聴き入っている。DJは繋ぐというよりも一曲一曲最後までかけていくような感じで、ジャンルはいろいろ。お客さんたちは曲が変わった瞬間にみんな反応していて、音楽に集中していることが伝わってくる。お店のスタッフの方も、お客さんとの会話をあえて控えめにしているような気がした。良い雰囲気。tegadeteruさんがいろんな人を紹介してくれて、DJの置石さんと初めてお話する。
タクシーでホテルに戻り、シャワーを浴びて寝る。お金はかかったけど行って良かった。
01日(日)
朝7時に起きる。まどがコミティアへ出発する前に駅前のカフェで朝ごはん。見送って、自分はもう一度ホテルに戻り、1時間ほど二度寝。
日暮里へ向かう。荷物をコインロッカーに入れ、谷中骨董市へ。暑い。全体的に少し高めな気がしたけど、いくつか買う。オリジナル作品もけっこう多く、クラフトマルシェ的な雰囲気もあった。
御徒町へ。純喫茶『丘』に入ろうとするが行列。外国人観光客も多く、飲食店はどこも並んでいる。仕方なく東へと歩き、『コーヒー長谷川』でカレートーストとアイスコーヒー。少し読書。
久しぶりにモグラグへ行き、伊東篤宏さんの個展を見る。伊東さんとは知り合って20年以上経つけど、展覧会を見るのは初めてかもしれない。新作のボールペンやアクリル絵の具で描かれた絵画作品や、コロナ禍中に制作されたコラージュ作品。太田さんと話していると伊東さんもやってきて、最近は昼夜逆転気味らしい沖冲.さんも起きてきて、いろいろお話する。伊東さんは音楽活動も相変わらず活発だけど、展覧会もコンスタントに開催されている印象。
浅草へ。竹下勇馬さん主催の『奥浅草EXPERIMENTAL』というイベントに行く。浅草駅から15分ほど歩いたところにある空きビルを使ったイベントで、会場に着くとちょうど中村としまるさんとすずえりさんが演奏していた。すずえりさんに連れられるまま、一緒に屋上へ行ってみる。川沿いで見晴らしが良い。隅田川花火大会の時は壮観だろう。スカイツリーも見える。Botanyのサワーを飲みながら坂口光央さん、ju sei、三輪二郎さんのライブを見る。ju seiのライブはほぼ10年ぶり。今まで見た中でもかなり渋めの、間合いの多い展開の演奏。最近はライブの回数が減っているのかなと思っていたけど、淳一郎さんに聞いてみるとこの日のセットは構成に半年かかったようで、せいさんも疲れた様子。すごく集中力を使うのだろう。古道具などの出店をされていた『居間』の河村さんと初めてお話する。河村さんが以前制作された文芸誌『園』をYOMSで委託販売できないかと問い合わせをいただいた時、真摯に答えるべきだという気持ちが悪いふうに転んで、必要以上に厳しい返答をしてしまったという反省があった。今回は改めて、落ち着いた気持ちで映画や店の話をすることができた。
イベントが終わり、打ち上げも行われる気配だったが、撤収に時間もかかるようなのでなんとなく出る。新宿へ。ベルクに入り、キッパーラップとカシューナッツでビールを飲む。区役所前のカプセルホテルを予約。東口を出るといわゆる地雷系の若い男女がしゃべっている。なんだか殺伐とした雰囲気、ここ数年で変わったのか。
映画監督の草野なつかさんがゴールデン街のバー『BILLY』でバーテンをやっているというので、行ってみる。ゴールデン街に来るのなんていつぶりだろうか。欧米系の観光客が多い。中に入ってラムコークを頼む。偶然、原マスミさんとマネージャーの方がいて緊張。東京を感じる。奥にはポポタムで働かれている方がいて、YOMSのことも知っていた。草野さんがその場にいる人のことを丁寧に紹介してくれたので話しやすかった。原さんから、最近ライブで行かれたという秋田県羽後町の『鎌鼬美術館』について話を聞く。舞踏家・土方巽についての資料が展示されている美術館で、とても立派な日本式家屋。途中から書肆子午線の方が来られ、1950年代頃の地方都市における詩の運動についての話を聞く。新潟では数年前『新潟日報』にて県内の詩の運動に関する連載があったそうだけど、これは書籍化されていないそうだ。『Tさんインタビュー』お渡しする。
カプセルホテルに飛び込んですぐ寝た。
02日(月)
朝5時くらいに目が覚めてしまう。とりあえず風呂に入り、着替えてリビングルーム的なところで読書。奥田さんからいただいたお菓子を早速食べる。おいしい。カプセルホテルを出て、24時間営業の喫茶店エジンバラへ。途中の道で生ごみがカラスについばまれて散乱しており、そこにまたカラスの群れがやってきて、通れない。チャミスルの瓶が割れている。エジンバラでモーニング、読書。隣に座っている女性、店員に何度注意されても断固として眠り続けていた。
下北沢へ向かう。『空間へ』読み終える。ファンファンファンレコードへ。ちょうど開店のタイミングだった。ニューマタンゴでお話した置石さんの委託コーナーも2箱ほどあり、ルーツミュージックのイメージが強いファンファンファンとは毛色の違うオールドスクールヒップホップやエレクトロニカのレコードも入っている。全てに置石さんのコメントがついていてとても楽しい。ロカビリーやビッグバンドジャズなど3枚ほど試聴させていただき、今回はジャズのセッションドラマーとして活躍していたというPhil Krausの”CONFLICT"というLPを購入。戦争のようなジャケットが不穏。ラテンパーカッションが映えるグルーヴィーな演奏になったかと思ったらコンテンポラリーぽい雰囲気に変わったりと、面白い。
目黒シネマで、シャンタル・アケルマン『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』見る。200分あり、とても長い。やっと見れる!と意気込んで映画館へ行ったのに、疲れもたまっていたせいでうとうとしてしまった。ラストの場面は目に焼き付いたけれど。
まだ少し時間があるので、新宿のユニオン中古センターに行く。1時間弱見て、ロスト・グリンゴスのCDを買った。ATATAKから出ていた2枚のレコードをカップリングしたもの。
湘南新宿ラインと京急線を乗り継いで横須賀へ。ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』読み始める。仕事帰りの時間帯で京急線は混んでいた。横須賀は以前横須賀美術館に中園孔二展を見に来た以来だ。居酒屋『中央酒場』で朝田恵里佳さんと待ち合わせる。朝田さんは今回が初対面だけど、以前からYOMSや自分の絵に興味を持っていただいていた。お話すると、友人のただひと大学時代にバンドをやっていたり、共通の知人が何人かいるようだ。ずっとしゃべっていてそんなに食べ物をつまむ暇もなかったけど、しゅうまいもお刺身もおいしかった。
飯島商店へ。以前から気になっていたけど、東京から少し距離があり、また常時開いているわけではないのでなかなか来れなかった場所。やっと行くことができた。この日はAokid、たくみちゃんの2名によるパフォーマンス。会場の2階に上がると、以前自分の展覧会にもよく来てくれていた羽鳥直人さんがいた(正直、久しぶりすぎてなかなか名前が出てこなかった。すみません)。最近踊っている、という。instagramを見てみるとダンス動画をたくさん上げていて、フォロワーが3.4万人もいる。TikTokでも視聴回数が伸びているそうだ。前にお会いした時は踊りとか全然やっていなかったはずなのに、人生どうなるかわからない。肝心のパフォーマンスのほうは、序盤の2人の動きが干渉しあっているパート、中盤の柱を使ったパートが面白かった。やりたいことが明快なように感じたし、関節の可動域とかに興味深く目がいった。これはどの程度事前にやることを決めているのだろうか。
朝田さん宅へと歩く。途中、恵里佳さんのパートナーの翔一郎さんとすれ違う。翔一郎さんは絵を描いていて、恵里佳さんはmorning serviceという名義で翔一郎さんの絵のグッズを作ったりしている。お2人は横須賀中央駅から少し歩いたところにある借家に住んでいる。横須賀、坂が多く、崖の中腹にへばりつくようにしてたくさんの家が建っている。高松とはかなり違う景色だ。朝田家にお邪魔し、お風呂をいただく。着替えが足りなくなってきたので、morning serviceの長袖Tシャツを買って着る。3人で絵や生活のことなど話す。自分は翔一郎さんのことをロスアプソンでの個展などを通じて知り、恵里佳さんは高松になんだか気になる古書店がある、という感じでYOMSを知ってくれたようだ。翔一郎さんは自分と歳が近いようだったが、最近までほとんど展覧会をやったことがなく、絵を売ったこともほぼないとのこと。絵について翔一郎さんが話したことは、語弊を生む文章になってしまうといけないので書かない。話していて、自分の中でいかに絵を「完成」させて「作品」として「展示」することが自明のものになっているかを改めて考えさせられた。また機会があれば会いましょうということになる。
2時過ぎに就寝。
03日(火)
朝8時に起きる。外は雨。気になっている喫茶店があったけど、雨の中歩くには少し遠い。そのため結局朝ごはんはサブウェイのサンドイッチ。高松の商店街にあったサブウェイが無くなってからだいぶ経つので、なんだか懐かしい。
電車で新宿駅まで行き、コインロッカーに荷物を預ける。都営新宿線で菊川。都現美へと向かう。途中、適当に蕎麦屋に入ってきつねそば。岡﨑乾二郎展見る。90年代のスチール製の立体作品などが見れて良かった。後半の立体作品群は一部3Dプリンターで出力されたもののようだ。四谷アートステュディウムでの頒布物も展示されていて、高橋悠治のインタビューなどが読めた。
木場から竹橋へ。近代美術館でヒルマ・アフ・クリント展見る。雨の平日だったのが逆に功を奏して、並ばずにすぐチケットが買えた。土日は混雑するだろう。デッサン、肖像画、印象派風の絵画などもあり、抽象画に至るまでの変遷が捉えられる構成になっていた(が、それにしても急な作風の変化だ)。作品年表や、当時の社会背景の解説などもうれしい。常設展で特集展示『フェミニズムと映像表現』見る。遠藤麻衣+百瀬文の作品、コンセプトが明快で、おしゃべりのような日常的な会話も良かった。
お茶の水に出る。うどん店『おにやんま』が目に入り、かけ小+鳥天を注文。価格は500円台で、香川と比べてもそこそこ安い。麺は柔らかめのつるっとした不思議な食感。ユニオンへ。Margo Guryan、クランプス、大岩祥浩製作のアルゼンチンタンゴSP盤のコンピレーションアルバムなどを買う。
梅ヶ丘へ。雨の中Botanyへ行く。この日は佐藤さんが誕生日で、ケーキでお祝い。仕事終わりのtegadeteruさんもやってきて、サルキチファミリー(ぬいぐるみ)もお祝いに参加。川口さんと4人でおしゃべり。あっという間に1時間半ほどが過ぎる。
新宿へ戻り、高松へと戻る。今回は非公開だけどパフォーマンスもやったし、レコード店、展覧会、映画、ライブ、ダンス、建築、骨董市などいろいろ行き、いろんな話をした。自分の体の中をいろんな街の空気が漂っていると思うと気持ちがいい。移動は大切だ。
04日(水)
朝に高松着。店に荷物を置いて南へ。まども合流し、旅行中のことなど話す。まどは2日目はメグマイルランドさんの家に泊まり、3日目にもう香川へ帰ったので、今回はほとんど一緒に行動していないのだった。
店のポストに、東京・白金のprint gallery(以下pg)で行われたパウロ・デ・カントス展に合わせ発行された豆本(図録なのか?)が届いていた。デザインはpgの阿部さんと、先日YOMSにも来てくれた梶原さんによるもの。梶原さんは富澤大輔さんの南方書局やpgなど、いろんなところに関わっている模様。阿部さんは一時期まで多摩美で講師をされていた。加瀬透君やTATA(大田拓未)君がpgを間借りして展覧会をやっていた関係で自分もよく行っていて、pg企画もフリージャズのレコードレーベルFMPでPeter Brotzmannが手掛けたジャケットの展覧会など、とても面白いものが多かった。
開店。東京で買ったCDをかけながらの営業。この日はたまっていた発送の準備をして終わった。愛知、神奈川より郵送買取の本が3箱届く。いずれも以前より何度も依頼してくださるお客さんからのもの。
17時に閉店し、帳簿付けなどをやってからルクスへ行く。この日は村上巨樹さんによるミャンマー音楽についてのトークイベント『ミャンマー音楽の謎めいた世界へ』。準備はスムーズに進み、村上さん井川さんにも挨拶しておきたいとのことで、tooniceまで一緒に行ったりする。トークは昨年末の渡航時の映像なども交えられ、新しい情報が多く、全ての回を見ている自分も楽しめた。軍部は劣勢になってきているようだけど、不条理なほど横暴な行為がまかり通っているようだ。村上さん気を付けてほしい。片付けを終え、昨年から村上さんが岩手県花巻市で始めた古書店(といっても、中古CD/レコードや東南アジア食材の販売、ギター教室、イベントなどいろんなことをやっている)『港』についての話を聞く。即興演奏のワークショップなどもやっているそうだ。物販で売られていた、サンダヤー(ミャンマー式ピアノ)と女性ボーカルのデュオのCDRを購入。
0時半頃帰宅。さすがに疲れて、すぐに寝てしまった。
05日(木)
朝7時半頃に起きる。シャワーを浴びて、軽く朝ごはんを食べる。洗濯。YOMSで村上さんと合流。県庁を見学し、さか枝でうどんを食べる。香川に来た実感を手軽に味わえる場所が店の周りにあって良かったなと思う。
村上さんとYOMSへ戻り、そのまま開店。店頭買取2件。この日も発送件数が多い。店内に積みっぱなしになっていた本の整理。辻さん来てくれる。高松のお店などに取材したzineを作りたいそうで、今度取材してもらうことになった。こないだのまいこさんの高松マップといい、こうしたお願いが増えているのは、街が盛り上がっているということなのかもしれない(自分はYOMSのことで精一杯なので、あまり俯瞰して見れないけど)。自分の趣味に合う合わないは置いといて、お客さんにとってはいろんなお店の選択肢があったほうが楽しいのは間違いないはずだ。古書店という、生活必需品でもないものを売る店をやっている身としては、自分が普段行かないお店にこそ日々助けられていると思いたい。
閉店後、何をしたかあまり覚えていない。ブログの更新をしたような気もするし、発送準備や帳簿付けで終わったような気もする。
06日(金)
朝起きて、ご飯を食べ、コーヒー飲みながら読書。『青白い炎』読み終える。洗濯物畳む。外出し、用事をひとつ終える。多賀盛剛『映画の感想』読み終える。「めちゃめちゃすごかった」と何度も言ってしまうのがすごい。
1時間遅れて開店。まどがネットで注文してくれていた外付けCDドライブが届く。郵送買取分の査定連絡、了承取れて支払い。この日はセット出品していた本が売れ、件数は少ないものの梱包に手間取った。店頭買取2件。カウンター内にどんどん本が積まれていくが、抗いたい。連続で臨時休業を取った後の品出し作業は充実感がある。
閉店後、本を発送し、ブログの更新。0時近くまでやる。いろんなことがあったのでまとめるのが大変。ヘトヘトになって帰宅。実家から笹団子など届いている。シャワーを浴びて洗い物。ツタヤディスカスでCDのレンタルをして寝る。疲れていてもこういうことをしていると不思議と夜更かしできてしまう。はよ寝ろ。
07日(土)
朝8時に起きる。朝ごはんは実家から送られてきたちまき。こちらでは筒状に包むようだけれど、新潟は三角形に包む。電話でお礼を言う。
南へ。灰田高鴻『夢てふものは頼みそめてき』1巻読み終える。ノートにドローイング。100均に寄って店へ。ルヌガンガへ笹団子をおすそ分けする。
開店。店頭買取1件。品出し、ブログの更新などを進める。ブログにかまけてこの日は発送をほとんどやらずに終わった。セガ君来てくれる。沖縄へ行ってきたそうで、お土産のお菓子をもらった。おいしい。笹団子もおいしい。まどが丸亀町グリーンで行われているビールのイベントで買ったというおつまみを持ってきてくれる。食べ物がすごい。今月に入ってからのお客さんは海外からの方が少し減ってきたように感じる。梅雨入り後はどうなるだろうか。
渋谷で『クララ・オーディオ・アーツ』というお店をやっていた野界典靖さんが亡くなったことを知る。53歳、病気だったそう。クララによく行っていた頃自分は大学生で、EamesとFluxus、Busby BerkeleyとKenneth Anger、Fats WallerとOrganumが並置されている店内の空気が、自分の中の大切な部分を鍛えてくれたと思う。フリーペーパーも置いてもらっていた。クララでDieter Rothのアートブックに触れ、大学卒業後にドイツ旅行にも行った。YouTubeも無かった状況で、Harry Smith "Early Abstractions"、 Walter Ruttmann "Weekend"、 Alan Sondheim "T'Other Little Tune"などの魅力に20代前半で触れられたのは、野界さんのおかげだ。最後に会ったのは代々木OFF SITEを運営していた藤本ゆかりさんが代々木八幡でやっていた20202というギャラリーで、野界さんは興奮のあまりほとんど痙攣しながらレコードをかけていた。天国でたくさん好きな音楽を聴いていてほしい。
今日はもう帰ってゆっくりします。