11日(日)夜
22時頃まで延長した後、閉店。店で読書、フェルナンド・ペソア『ポルトガルの海』読み終える。その後絵を少し進め、帰宅。疲れすぎて、そのまま寝てしまう。
12日(月)
朝7時半に起き、ごはんを食べながらロベルト・ロッセリーニ『ドイツ零年』見る。年齢をごまかし、死人を埋めるための墓穴掘りの仕事をする子供の映像から始まる。タイトな展開で、映るものは無駄なく意味づけされている。70分ほどとは思えない濃縮度。ラストのレンガづくりの廃墟の、荒涼とした美しさ。
シャワー。コーヒー飲みながらゴードン・マッタ₌クラーク展の図録の続きを読む。次に読む本を本棚から選ぶ。まどと外出し、作業部屋で少しネット出品。売れてほしい。
開店。品出し、発送準備を進める。松山にある『髙本ビル』さんが久しぶりにご来店され、少しお話する。最近愛媛の方がたくさん店に来られてなんだか楽しい。その後、徳島県阿南市にお住まいの映画ファンHKさん来られる。HKさんは以前からたまに足を運んでくださっていて、映画zine”ORGASM”のyomsでの取り扱いをとても喜んでくださった。ORGASMを制作している遠藤さんとは以前からやり取りをしていたそうだけど、会ったことはないとのこと。マニアの人たちがソフト化されていない映画をどのように見ているかについてなど、興味深い話をたくさん聞く。そして、HKさんとの話から、ORGASMの遠藤さんが自分が高校時代からファンだったバンドのメンバーだったことがわかり、腰を抜かしそうなほど驚いた。ORGASMの雰囲気とそのバンドのイメージはかなり離れているように思えたけど、どちらも軽やかさと美意識とが絶妙なバランスで絡み合っているところは、共通しているとも言えるか。しかし驚いた。
この日は3件ほど出張買取のご依頼が立て続けに入った。いずれも西讃から。とりあえず来週火曜は宇多津へ行くことに。現在空き家になっている物件のようだけど、エアコンが効くことを願うばかり。
閉店後、本を発送してコンビニでビールを買う。商店街に若い子が多いなと思ったら、この日から3日間高松まつりだった。全然チェックしてなかったな。
ORGASMの話をした流れで「ロマンポルノを見なければ」という気分になり、ビールを飲みながら小沼勝『色情旅行 香港慕情』見る。1973年公開で、今から50年以上前の猥雑な香港の町並みがたくさん出てきて楽しい。ヌードシーンはあるけど、ポルノというよりはノワール映画な印象。女衒?の男のアジトが妖しげなタトゥースタジオだったりして、なんとも良い。「ん?」と思わせる妙なカット割りやドラッグ摂取後の幻覚シーン(これも妙に長い)など、ぬるっとしたサイケデリック感にやられる。
帰宅。暑い中ビールを飲んだら少し気持ちが悪くなってしまった。
13日(火)
朝7時半に起きる。シャワーを浴びて、冷凍庫にあったご飯を解凍して食べる。POPEYEのセカンドハンド特集読む、とても面白い。いろんなお店を見てまわりたくなる。
まどと外出し、喫茶店に入って読書。その後本屋へ行き、お昼ごはんは『いなりや』さんでラタトゥイユそば。冷たくて、野菜もたくさん入っていて、とてもおいしかった。
まど日赤へ検診に向かう。店でゆっくり作業しようと戻ると、買取依頼のお客さんがちょうどいらっしゃったので、定休日だけど店を開け査定する。査定、支払い、ネット出品、受託商品に関しての作業などであっという間に時間が過ぎる。開けているとお客さんはなんだかんだ来られ、思ったよりも売れた。岩手の村上巨樹さんから新刊『ミャンマーCDディスクガイド』が届いていたので、振り込みをして、棚出し前の準備。村上さんは花巻市でこの秋古書も扱うお店を始められるそうだ。行ってみたい街がたくさんある。
おみやげにたこ焼きを買って帰る。たこやきを食べて、晩ごはんはそうめんや鶏肉の西京焼き、きゅうりなど。食べ終えたらまた作業部屋へ行こうかと思っていたけど、POPEYEの続きを読み始めたら、そのままずっと読み込んでしまった。途中風呂。
読み終えて、フランク・ボーゼージ『巡礼者』見る。1916年、30分ほどの無声映画。ストーリーの起伏があまりなく、不思議な感触が残った。字幕の翻訳をされた方のSNSでの投稿を見ると、「主人公は幾分態度が悪く、彼を雇う農場にも特に大きな問題はないし、他の勢力との目立った諍いも無い。主人公とヒロインはキスをせず、大逆転も奇跡も無い。誰も発砲しない。しかしこれは西部劇なのだ。」とある。なんとなく野呂邦暢『諫早菖蒲日記』を思い出した。
スケッチブックにマーカーでなんとか1枚絵を描き、寝る。
14日(水)
朝8時前に起きる。まどが「図書館に行きたい」と言うので、自分もついていくことにする。お弁当を用意して外出。この日は湿度も高く、暑い。
久しぶりにケヤキカフェに入る。ピザトーストとアイスコーヒーのセットを食べる。おいしい。マッタ₌クラーク展の図録の続き読む。
図書館に到着。DVDを4本ほど借り、デザインや民藝のコーナーから坂田和實、ジャン・プルーヴェ、カイ・フランクなどを借りる。POPEYEからすぐに影響を受ける私。
開店。発送準備、品出し進める。『ミャンマーCDディスクガイド』も棚に出す。アルバイトMさん来てくれて、支払いと本の受け渡し。今回は次にやってもらう分をあまり渡せなかったが、次回はなんとか。Mさんは時代劇映画が好きで、こないだ見た伊藤大輔『斬人斬馬剣』や、永田哲朗『殺陣 チャンバラ映画史』の話などをする。この日は高松まつりの最終日。正直祭り客と古本屋は相性が悪いが、県外かららしきお客さんなどそこそこ来られて、平日の割に売り上げは悪くなかった。店頭買取も多く、4件。
今日こそは絵に取り組みたい。
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