20日(木)夜
閉店後、本の出荷。店2階で深作欣二「白昼の無頼漢」見る。1961年、深作の長編映画第一作、主演丹波哲郎。終盤、ほとんどスラムになった元米軍キャンプ地での銃撃戦がかっこいい。日本人、韓国人、アメリカ人(白人、黒人)、日本で生まれたアメリカンジャパニーズの女の子(見た目は黒人で、英語が話せない)など、多様な国籍やルーツを持つ登場人物が出てくる。戦後のいつ頃から、アメリカの白人男性を出し抜くようなシーンが映画で描けるようになったのだろうか?と考えさせられた。キャンバスを進め、帰って1時半ごろに寝る。
21日(金)
朝7時半に起きる。ごみ捨て、シャワー、朝ごはん。まどの作ってくれたカフェオレを飲みながら、正宗白鳥「生まざりしならば」読み終える。表題作は既に愛情の冷めた夫婦が障害を持って生まれた息子の今後(というより、実のところは息子を心配する体で自分たちの今後のことばかり考えている。離れた場所で療養させているし)をめぐり焦燥感を募らせていく話で、ラストも少々戯画的ではあるけど救いようがなく、読んでいて辛い。実際にこういう家族はいるだろうし、昼ドラ的な現実離れした事件は起きないところが余計に陰惨で、逆に言えば作者の文章の巧みさでもある。弁当を準備し、洗濯物を干す。
外出。銀行でお金をおろし、税金を払う。スーパーでかりんとうを買って作業部屋へ。キャンバスの続き。最近あまりうまいこと進んでいる感じがない。途中の状態になっているキャンバスが4枚あるが、個展までにすべて仕上げたいところ。
開店。受託商品関連のメール返信と均一本の補充をやり、この日はアルバイト作業部屋の整理と、アルバイト用の本の準備に集中。夕方以降にお客さんが増えた。夜、この春就職して東京での研修を終えてきた小野君が来てくれて、少し話す。
閉店後、植松さんの個展に行こうとしたが急にやることが立て込み結局行けず。キャンバスを進める。1時間ほど居眠りしてしまい、目が覚めたら1時近くになっていた。自転車に乗って帰宅。
22日(土)
朝8時半に起きる。朝ごはんを食べてコーヒー。ホセ・ドノソ「夜のみだらな鳥」続き少しだけ読む。お弁当の用意。
外出。ハードオフにCDラジカセを見に行く。その前に近くのブックオフに寄るが、特に何も買わず。DVDコーナーにカール・Th・ドライヤーやメルヴィルがあったけれどどれもいい値段。ハードオフに移動するが、CDラジカセはたいていジャンク品。せっかくなのでレコードを見る。寺内タケシや、瀬川養之助が安かったので買う。
香東川の河川敷に行く。ここはとても好きな場所だ。対岸の山にいる鳥の鳴き声や、今日みたいに晴れている日には川面の魚が跳ねる音なんかも聞こえてくる。黄色や薄紫の小さな花がたくさん咲いている。子どものころは河川敷の草むらに潜り込んで一人でぼーっとしていたいとよく思っていて、今でもあまりその気持ちは変わらない。ワーズワースは野原に小屋を建てて、そこで書きものをしていたんじゃなかったっけ。
帰宅。お弁当で昼ご飯。まどの作ってくれた鶏肉の竜田揚げ、玉ねぎの麹の甘味が効いていてとてもおいしい。買ったレコードを聴きながらキャンバスの続きをやる。なかなか決め手が見つからなかったが、少し良い感じになってきたかもしれない。
まどと店番交代。お客さんは多い。アルバイト用の本の準備や品出し、発送準備など進める。こずえちゃんが久しぶりに来てくれて、ドライブとか公園とか、のんびりした話をする。こずえちゃんの息子の歩君はいつもにこにこしていて、思い出す時にいつも笑顔の浮かぶ人は素敵だなと思う。閉店間際にはとても仲のよさそうなご家族が来店され、心がじーんとなった。
今日はこれから絵。
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